火星騎士
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/05 02:29 UTC 版)
クルーテオ 声 - 速水奨 37家門の騎士の一人。身分は伯爵。37歳。先帝ギルゼリアの反地球思想を受け入れて地球人を「劣等民族」と嫌っており、トロイヤード博士が亡くなってからはスレインの主人となるが、地球出身である彼を「下郎」、「犬」と呼び、快く思っていない。その一方、アセイラムには忠実で、友人であるザーツバルムの行動の真の理由についても知らず、皇女暗殺計画には関わっていない様子を見せる。脱走したスレインを捕らえて拷問し、処刑しようとするが、アセイラムのために全てを敵に回しても忠義を貫こうとした彼の真意に気付き、彼を保護するとともにその志を汲んで地球との停戦を申し入れようとする。しかし、直後にザーツバルムの奇襲を受け、彼が皇女暗殺に関わっていることをようやく悟るが、反撃する間もなくその場で落命する。第2クールにて、息子であるクランカインが登場し、クルーテオの名を継いでいる。 ザーツバルム 声 - 大川透 37家門の騎士の一人。身分は伯爵。43歳。地球側のテロに偽装したアセイラムの謀殺と地球への全面侵攻を画策した人物。表面的にはクルーテオの友人だが、彼の周囲に幾人もスパイを配置して動向を探るなど、いざとなれば排除することさえ躊躇しない冷酷な策士。長きにわたり本国を離れていた事情も手伝って一種の軍閥を形成し、地球との戦争を望む強硬派を主導する立場にあり、アセイラムの死を契機にして他の火星騎士を煽動し地球侵攻を実現する。生活が困難になりつつある火星人の生活をより良くしたいという大義を持っているが、15年前の戦争に尖兵としてオルレインと共に参加した際の一件や、反地球感情を煽ることで国内の結束を固める政策を取るヴァース帝国には冷淡な感情を持ち、地球のみならず皇帝一族にも根深い恨みを持っている。その一方で、15年前に助けられたという過去からスレインの父親であるトロイヤード博士には恩義を感じており、それに報いる義務としてスレインを保護し、自ら過去と謀殺計画の真相を語るが、アセイラムを殺さないで欲しいというスレインの要望を聞き届けることは無かった。アセイラムが地球連合本部から発した休戦の呼びかけも意図的に遮断し、自らの揚陸城を地球連合本部に降下させて決戦に挑むが、伊奈帆とのカタフラクトでの一騎討ちに敗れ、アセイラムに揚陸城のアルドノアを強制停止され、地球連合軍に敗北。その後、アルドノアの間にいたアセイラムを見つけ銃撃するが、それを見て激昂したスレインの銃撃を受け、死を覚悟して自分に止めをさすよう命じる。 第2クールでは、最後の銃撃戦の後、スレインから持ちかけられた「野望を果たせぬまま死ぬか、アセイラムを見逃す代わりに生き続けるか」という取引に応じたことが明かされる。それに伴ってスレインを配下とし、レムリナを利用して戦争を継続させ、地球侵略を進めている。スレインのことは自身の後継者足り得る器と見込んでいたらしく、スレインが他の伯爵達に咎められていたのを機に養子に取る旨を宣言する。直後の戦闘でスレインによって、彼が伊奈帆を倒すために仕掛けた罠に嵌められ落命するが、その最期は彼の愛憎入り混じった「お父さん」という言葉に「悪くない」と微笑むなど、まんざらでもない様子であった。 トリルラン 声 - 櫻井孝宏 ザーツバルムの配下の一人。身分は男爵。25歳。表向きはクルーテオの食客だが、実際はクルーテオ側の内部事情を探るスパイで、アセイラム謀殺を企てた勢力の一人。地球人を「ネズミ」と呼び、いたぶり殺すことを楽しむ残忍な性格。スレインを従えて地球に出撃しテロ実行犯の口封じを行うが、その性格が災いして生き残りであるライエを取り逃がし、その後の戦闘で伊奈帆に乗機のニロケラスの特性を見抜かれて撃破され、脱出する。戦闘の最中にアセイラムの生存を知り、逆賊になることを避けるべく今度こそ彼女を殺そうと息巻くが、焦りのあまりアセイラムの謀殺計画について公表してしまい、その場にいたスレインにそれを聞かれて銃を奪われ、射殺される。その後、スレインは謀殺を企む黒幕にアセイラムの生存を隠すため、彼の死を隕石爆撃に巻き込まれたためと報告、戦死として扱われる。 ブラド 声 - 安元洋貴 クルーテオの配下の一人。身分は騎士。44歳。銃火器などの飛び道具を「無粋」として嫌い、カタフラクト戦でも剣のみで戦う。クルーテオの命で港にいた伊奈帆らを襲撃するが、初戦では港のガントリークレーンを使った作戦によって機体を中破され、取り逃がす。その後、自らの名誉回復のために火星側の休戦布告を無視して強襲揚陸艦「わだつみ」を強襲するが、伊奈帆の策略に嵌って彼の機体ごと海へ落下、アルギュレのビームサーベルが放つ熱量で発生した水蒸気爆発に巻き込まれ、戦死する。 フェミーアン 声 - 甲斐田ゆき 37家門の騎士の一人。身分は伯爵。28歳。女性で一人称は「わらわ」。好戦的な性格で、自らの領地とした種子島に入港しようとした強襲揚陸艦「わだつみ」に単独攻撃を仕掛ける。しかし伊奈帆の作戦によりヘラスの腕を全て破壊され、さらに種子島内部に隠されていた戦艦デューカリオンの体当たりにより乗機が破損したところをライエの追撃によって撃破され、戦死する。 オルレイン 声 - 能登麻美子 ザーツバルムの婚約者だった火星騎士の女性。身分は子爵。15年前、飛行能力を有するカタフラクトを所持していたのは彼女とザーツバルムのみだったために種子島へと降下し、専用機デューカリオンで先制攻撃をかけた。その際にヘブンズ・フォールが発生したために帰投しようとしたが、デューカリオンの重力制御システムがヘブンズ・フォールの影響を受けて飛び立てなくなり、月の破片の落着に巻き込まれて生死不明(死亡扱い)となる。その後、彼女の機体は地球連合軍側に鹵獲されている。 ヤーコイム 声 - 興津和幸 第2クールから登場。身分は男爵。エリシウムに搭乗し戦艦デューカリオンを襲撃するが、伊奈帆の策に敗れて戦死する。追い詰められた今際の際には伊奈帆の戦術に「お見事」と呟き、従容として死に就くなど、潔い最後であった。 マリルシャン 声 - 千葉進歩 第2クールから登場。37家門の騎士の一人。身分は伯爵。地球人であるスレインを毛嫌いしているが、その実力は認めている。しかし、マズゥールカの消息不明を受けてスレインへの憎しみを募らせ、アセイラム(レムリナ)に面会し、スレインに近衛兵の座を掛けた勝負を挑む。決闘では乗機の攻撃方法を生かした戦法でスレインを追い詰めるが、彼の策に乗せられて逆に窮地に陥り、最後は宇宙空間に生身で放り出されて死亡した。その後、自身の資産は全てスレインへと譲渡(没収)され、カタフラクトもハークライトの物となった。 バルークルス 声 - 竹内良太 第2クールから登場。37家門の騎士の一人。身分は伯爵。マリルシャン同様、地球人であるスレインのことを快く思っていない。マリルシャンがアセイラムに面会を頼んだ際は彼に同行し、マリルシャンとスレインの決闘時にはハークライトと共に立会人を務めた。マリルシャンの勝利を疑っていなかったが、彼の敗死を受けて屈辱と無念さに体を震わせながらも結果を受け入れた。その後は心変わりをしたのか、レムリナの建国宣言に同意してスレインへの全面的な協力を約束する。月への連合軍の攻撃の際はスレインのために駆けつけた。最終決戦ではハークライトと共に連合軍に投降しろというスレインの命令に逆らい、彼のために戦い続け、デューカリオンに特攻した。 マズゥールカ 声 - 豊永利行 第2クールから登場。37家門の騎士の一人。身分は伯爵。地球資源やインフラの円滑な取得と、労働力確保のために破壊的な活動を極力控えていたが、バルークルスの言葉に乗せられて出撃。鞠戸達の部隊を追い詰めるも、伊奈帆と戦艦デューカリオンの介入で乗機を大破され、敗北する。他の火星騎士と違い、地球人に対して恨みの感情を抱いておらず、地球のことをもっとよく知りたいと願っていた。敗北後は地球連合軍の捕虜となっていたが、彼の人柄を見込んだ伊奈帆とライエの手助けを受けて脱走。伊奈帆から「今のアセイラムは偽者だ」と聞かされ、アセイラムの居場所と彼女が本物なのかの確認、そしてスレインの目的を探るよう依頼され、無事に揚陸城へ帰還を果たすも、既にバルークルスのような反スレイン派の貴族までがスレインに帰順していることを知る。しかし、目的を果たすためその状況すらも利用し、スレインに恭順したと見せかけてバルークルスの仲介でアセイラム(レムリナ)に面会する。さらにエデルリッゾにも会ったことで、伊奈帆の話が本当だと確信を抱く。その後は月面基地から脱出した本物のアセイラムを自身の揚陸城へと保護する。 セルナキス 声 - 手塚ヒロミチ 第2クールから本格的に登場。37家門の騎士の一人。身分は伯爵。第1クールではアメリカのニューオーリンズに揚陸城を落着させた。それ以降は対峙した地球連合軍の部隊をことごとく退けてきたが、第2クールでは鞠戸やユキ、韻子たちの部隊と戦うことになり、戦闘中に伊奈帆の観測を受けた戦艦デューカリオンの主砲弾の直撃を受けて乗機が爆発、戦死する。 ゼブリン 声 - 木島隆一 第2クールから本格的に登場。37家門の騎士の一人。身分は伯爵。第1クールではモザンビークのマプトに揚陸城を落着させた。第2クールでは共にザーツバルムの旧友であったオルガ、ラフィアと、スレインとの会談の場を設ける。その後はスレインの理念に賛同し、地球連合軍に対し自身とオルガ、ラフィアによる連携攻撃作戦を展開する。2度目の戦闘ではラフィアと機体を合体させて戦況を有利に進めるが、上空から降下してきた伊奈帆の攻撃を受け、電撃の欠点を見抜かれて機体を撃破され、戦死する。 ラフィア 声 - 生天目仁美 第2クールから登場。37家門の騎士の一人。身分は伯爵。ゼブリン、オルガと共にスレインの理念に賛同し、地球連合軍への連携攻撃を担う。2度目の戦闘ではゼブリンと機体を合体して戦いを進めるが、ユキの長距離射撃で片足を撃ち抜かれて合体を解かれ、ゼブリンの指示で撤退を図るが、ユキが放った弾丸の直撃を受けて機体を撃破され、戦死する。 オルガ 声 - 三宅健太 第2クールから登場。37家門の騎士の一人。身分は伯爵。ゼブリン、ラフィアと共にスレインの理念に賛同し、地球連合軍への連携攻撃を担う。2度目の戦闘ではゼブリンとラフィアがやられたことに激昂し、多数の分身を作り出して連合軍部隊を追い詰めるものの、伊奈帆が乗機の能力の真相を見抜いたことで全ての機体を同時に撃破されてしまい、戦死する。 クランカイン 声 - 逢坂良太 第2クールから登場。37家門の騎士の一人。身分は伯爵。クルーテオの息子。スレインに会うため、火星本国からザーツバルムの弔問という形で地球圏へとやって来る。父とは反対に地球人に対する敵意は持たず、むしろ理性的な見方をしている様子が伺える。父の名を受け継いでいるが、本人によると「まだその名で呼ばれるのは慣れていない」とのこと。生粋の皇帝派であり、スレインに対してその本質を見定めようとしていた。地球連合軍のアサルト部隊に襲われていたアセイラムを助け、その後は彼女を連れて月面基地を出奔。マズゥールカの揚陸城へと彼女を匿う。そして自身の地位と人脈をアセイラムのために差し出し、彼女と婚姻を結ぶ。戦後は女王となったアセイラムから、地球の空が青い理由を教えられている。
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