沖縄戦の歴史問題についてとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > 沖縄戦の歴史問題についての意味・解説 

沖縄戦の歴史問題について

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 03:05 UTC 版)

曽野綾子」の記事における「沖縄戦の歴史問題について」の解説

沖縄戦における集団自決強要渡嘉敷島での真偽調査したノンフィクション『ある神話の背景』や小中高校生への奉仕活動打ち出した日本人へ」(教育改革国民会議第一分科会報告書)などでは論争巻き起こした。特に『ある神話の背景』では、集団自決の軍命があったとする鉄の暴風』や大江健三郎の『沖縄ノート』等が現地取材もせず間違った記述が多いと主張(軍命をしたとされてきた本人は曽野の原稿雑誌連載数年前ほどから命令説を否定し出していた)した。この著書一つ証拠資料として、2005年8月に軍命をしたとされてきた梅澤裕と赤松大尉の遺族が、大江健三郎岩波書店名誉毀損賠償出版差し止め求め裁判(「集団自決訴訟)を起こした2007年教科書検定文部科学省は、高校歴史教科書検定において、これまで事実とされてきたことが裁判係争中であることを理由一つとして日本軍強制記述削除する検定意見付けて削除させた。2007年9月これを受けて教科書検定意見撤回求め県民大会」が沖縄県宜野湾海浜公園開かれ11万人参加同年12月文部科学相の諮問機関教科用図書検定調査審議会」は、訂正申請をした教科書会社対し軍の関与」などの表現で、日本軍住民集団自決かかわってたとする記述復活認めた裁判は、2008年3月第一審は「集団自決日本軍深く関わった」と判断して大江岩波側の勝訴した(曽野の著作は「客観的な根拠示して赤松大命令説を覆すものとも、渡嘉敷島集団自決に関して軍の関与否定するものともいえない」と判示された)。その後二審原告側控訴棄却2011年最高裁原告側の上告を退け大江岩波側の勝訴確定した著作『ある神話の背景』を巡る議論『ある神話の背景』については1985年に『鉄の暴風』の著者太田良博より反論があった。太田主な主張は、曽野は自決命令があったことを自身の手記に書いている金城明に取材していない、責任者と見られる赤松主張不自然な点が多々ありながらそれらを問題にしていない朝鮮人徴用工扱いについて曽野がこれを書けば大変なことになると言うのを太田聞いた(つまり、それが実際に書かれていない以上、曽野は不都合なことは伏せていると思われる)といったものであった。曽野は、太田に対してこういう(『鉄の暴風のような書き方歴史ではない。神話でないというなら、講談である」「太田氏という人は分裂症なのだろうか」と返した上記太田良博の『鉄の暴風』では赤松住民自決の要を主張したとされる"地下壕"における夜の会議について、曽野の『ある神話の背景』では赤松らの壕濠りについて延々と書いた後で「しかし、鉄の暴風その夜のことを決しそのように伝えていない。それどころか、全く別の光景描かれている」と紹介しさしたる根拠示さず、壕濠りしていた以上会議はなかった筈と印象付けるのような書き方になっている。また続けて上記会議で『鉄の暴風』では赤松島民自決主張聞いて悲憤したとされる赤松副官知念少尉会った時の話として、地下壕存在について知念質問し当時地下壕はなかったという回答を得て肝腎赤松自決主張有無については知念質問したかどうかは完全にうやむやに、「地下壕はなかった。だから、『鉄の暴風』の内容そのまま信じられない当の知念少尉自身承認しない」と、通常ならば壕を地下壕と書いてしまったかどうであろうという問題を、さながら、壕が地下壕なければ自決自体ありえないのような話にすり替えている。 山崎行太郎は、(1) 『SAPIO2007年11月28日号の曽野の対談や『ある神話の背景』を見て、曽野が大江健三郎の『沖縄ノート』に記された、軍の責任なり、起こった事態罪深さとしての「罪の巨塊」(物・概念) を「罪の巨魁(人)誤読しているとし、(2) 曽野が沖縄での取材富山順へ取材自分不利なこととわかると、家永教科書裁判法廷で「そういう人物知らない」と嘘の証言までして、富山真順との接触否定したとし、(3) 曽野の依拠する陣中日誌』が渡嘉敷島にいた軍関係者の手によって一種政治的な意図をもってまとめ直され1970年発表され二次資料に過ぎないとし、(4) 『鉄の暴風』が新聞社企画した集団自決」の生き残り目撃者達との座談会出席した上で彼等体験談目撃談元に書き上げたもので、伝聞情報だけを元に記者たちが勝手に想像して書き上げものではない、などと自身ブログ主張した。しかし上記 (1) については、『SAPIO2007年11月28日号にて曽野の対談相手であった上武大学大学院教授池田信夫は、彼女は「キョカイ」と発音しており、それを「巨魁」と誤記したのは編集部なだけである、と曽野が誤読などしていない主張し、「山崎行太郎という著書といえば自費出版しかないような自称評論家対談したことがないのだろうか」と批判している。これに対し山崎は、1984年以降出された曽野の『ある神話の背景においては全て「罪の巨魂」と表記されていることを示して、「池田信夫君、逃げないでね(笑)。君の日本語大丈夫か?」と反論している。すなわち、『ある神話の背景』の初版では「罪の巨塊」と正しく記されているにもかかわらず1984年読売新聞社以降の版では全て「罪の巨魂」と記されていることから、「曽野綾子は、初版本段階から、というより沖縄集団自決問題関心持ち現地取材開始する時点から、大江健三郎指摘しているように、明らかに巨塊』を『巨魁』と誤読し、誤解していたと思われる」と述べている。実際に上記SAPIO2007年11月28日号では曽野は「人を罪のキョカイだと思ったことはない。罪のキョカイという人がいるのなら絶対見に行かなきゃいけないと思った」と述べており、また、この当時産経新聞オピニオンでも曽野は、私はこれまで罪のキョカイだと思える人物会ったことがなかった、それほど悪い人がいるなら会っておきたい思った、たとえは悪いが、サーカス呼び込み屋が人魚がいるよと言うのを聞いて人魚を見に行くようなもの、と述べており、少なくともこの時点ではキョカイを(字としては、巨塊であろうが巨魂であろうが)明らかに巨魁という意味で曽野は使っていたと思われる。曽野の引用の元となった大江文章は、別段大江個人そのものを罪の巨魁扱いしているわけではない事が理解できるような内容のものであったが、この記述理由一つとしていわゆる保守派後押し受けた原告らによって大江岩波書店名誉棄損訴訟起こされ、それに関連して曽野が2007年にこれらのインタビュー寄稿依頼を受けることになったのである。そのため、当時未だに曽野が内容事実上巨魁として思い込んでたらしき事に、曽野は問題出てきても文章読み返さなかったのだろうかと驚く声は多かった。 「沖縄閉鎖社会」と発言。「学校教育の場では「日の丸」を掲揚し、「君が代」をきちんと歌わせる」べしと主張した沖縄タイムス1985年4月8日 - 4月18日)。 慶良間列島島々の名前を覚えにくいという人のためと「慶良間ケラケラ阿嘉んべ、座間味やがれ、ま渡嘉敷」という戯れ歌作った諸君!1971年10月)。これは『ある神話の背景』の冒頭近くそのまま載せられており、週刊新潮地元マスコミの記事から赤松一部地元住民意見対立先行石田郁夫の渡嘉敷島訪問時のルポから住民間にも当時の評価について意見違いがあること等を知った曽野が、大江健三郎太田良博へのアンチテーゼとして作品をまとめるつもりで、初めから取材方向性決めていたのではないかと疑う声は強い。太田良博は、当時島にいた朝鮮人徴用工扱いについて、これを書いた大変なことになる(←赤松部隊から彼らが虐待と言えるような扱い受けたことか?)と曽野が言うのを聞いたとしており、事実であれば、曽野は自身書きたい結論そぐわないことは無視して取りあげていないことになる。 家永教科書裁判三次訴訟では被告(国側)側の証人として証言し沖縄戦渡嘉敷島での「集団自決」についての見方示した証言は以下「彼ら(赤松隊)は好むと好まざるとに関わらず島を死守することになったが、それとても決し島民のためではなかった。村民はおそらく『小の虫であって日本命運を守るために犠牲となる場合もある、と考えられていたに違いない」(出典沖縄戦教科書安仁屋政昭他、2000年2016年11月 - 沖縄県米軍北部訓練場ヘリコプター離着陸帯(ヘリパッド移設工事反対派対し大阪府警機動隊員が「土人」と発言したことについて、産経新聞において、「私は父のことを『東京土人』とか、『東京原住民』とかよく書いている。私を含めてすべての人は、どこかの土人原住民なのだが、それでどこが悪いのだろう。『沖縄土人』というのは、蔑称だと思う蓮舫氏の方こそ、差別感の持ち主だと思われると書き物議を醸す

※この「沖縄戦の歴史問題について」の解説は、「曽野綾子」の解説の一部です。
「沖縄戦の歴史問題について」を含む「曽野綾子」の記事については、「曽野綾子」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「沖縄戦の歴史問題について」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「沖縄戦の歴史問題について」の関連用語

沖縄戦の歴史問題についてのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



沖縄戦の歴史問題についてのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの曽野綾子 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS