朝鮮人強制連行
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/07 20:57 UTC 版)
詳細は「日本統治時代の朝鮮人徴用」を参照 日中戦争が長期化し国家総動員法が成立すると、日本人(内地人)と共に朝鮮半島や台湾の住民も大日本帝国の臣民として戦時体制に動員された。朝鮮人強制連行とは、一般的に日中戦争から太平洋戦争までの間の朝鮮人労務動員のことを言うが、「強制連行」の語と同じく、この言葉も定義が明確ではない。 評論家・詩人の藤島宇内が岩波書店発行の雑誌『世界』昭和35(1960)年9月号に書いた、親北朝鮮と親中国のスタンスに立ち、2国が対峙する日米を「帝国主義」、韓国を「強圧的な悪政」と指弾した趣旨である「朝鮮人と日本人-極東の緊張と日・米帝国主義」という論文の中で使用されたのが最初ではないかとという見方が多い。 「朝鮮人強制連行」の語が広まるきっかけになったのは、朴慶植が1965年に出版した『朝鮮人強制連行の記録』だとされる:124。鄭大均は、この言葉の初出は、1960年だろうとしている。 近年の新聞では、「(朝鮮人)徴用工」「労務動員」といった言葉が使われているが、これは必ずしも正確ではなく、李栄薫は、韓国の大法院が2018年に日本製鉄に賠償を命じた〝元徴用工〟について、実際には徴用ではなく、募集に応じて日本に渡った人々だと指摘している。 誤解を避ける為に、日本政府は2018年に呼称を「旧朝鮮半島出身労働者」に改めたが、新聞などでの徴用工表記は、2021年現在でも見られる。 日本政府は2021年4月の閣議で、朝鮮半島からの労務動員について「移入の経緯はさまざまであり『強制連行された』『強制的に連行された』『連行された』とひとくくりに表現することは適切ではない」とする答弁書を決定した。 「朝鮮人強制連行」は強制労働とあわせて論じられることも多いが、日本政府は、1932年に批准した強制労働条約における「強制労働」には当たらないとしている。
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