「朝鮮人強制連行」の範囲
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 10:13 UTC 版)
「強制連行」の記事における「「朝鮮人強制連行」の範囲」の解説
金英達は、1939年から始まった国家総動員計画実施にともなう朝鮮人労務者の集団移入を中心に見るのが大方の共通理解であり、通常は兵力動員(軍人・軍属)は含まれないとした。しかしながら実際には、様々な理由で日本に渡って来た現在の在日朝鮮人の一世を、一括りに強制連行の被害者と見なす議論もある。 朝鮮人労務者の移入は、(1)朝鮮半島の指定された場所で企業が労務者を募集する「募集」に始まり、(2)その労務者募集を朝鮮総督府が斡旋する「官斡旋」、そして(3)国民徴用令に基づく「徴用」の三段階を踏んで実施された:18。しかしこれ以前から、密航を含め、職を求めて朝鮮半島から内地に渡って来る者も多く、どの範囲を「朝鮮人強制連行」と呼ぶかは、論者によってまちまちである。 木村幹は、さまざまな論者により様々な含意のもとで用いられた「朝鮮人強制連行」の用法には大きく3つあるとする。すなわち 朝鮮半島の人を物理的暴力により力づくで連れてきたもの、という意味で理解するもの。 総力戦体制下の戦時動員のすべてを「強制連行」とするもの。 植民地支配下における朝鮮半島からの内地へのあらゆる労働移動を「強制連行」と見なすもの。植民地支配そのものが「強制」されたものである以上、そこでのあらゆる労働は「強制」であるとするもの。
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