「朝鮮人強制連行」の語を巡る議論
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 10:13 UTC 版)
「強制連行」の記事における「「朝鮮人強制連行」の語を巡る議論」の解説
内地人や台湾人も戦時体制に動員されたにも関わらず、強制連行と言う場合ほとんどが朝鮮人についてである(「中国人強制連行」に関しては後述)。これについて金英達は、法的強制力の伴わない「募集」や「官斡旋」であっても朝鮮人に対しては物理的暴力が用いられ、徴用に至っては「公認された人狩り」だったとしている。 こうした主張に対し西岡力は、「募集」の枠外でもその3倍の人間が、朝鮮半島から高賃金に魅かれて内地に渡っていたことなどを上げ、一部で強引なことはあったにしても、出稼ぎ希望者を政府が人気薄の炭鉱や鉱山に配置しようとしたというのが実態ではないかとして、強制連行という表現に異を唱えている:4,10-12。動員計画に応じるふりをして内地に”密入国”するケースも、当時から問題になっていた。 徴用の段階に入ると内地人同様朝鮮人にも拒否する自由がなくなったことについては、論者の意見は一致している。 鄭大均は、「(朝鮮人)強制連行」の語について、朝鮮人は徴兵された日本人の欠員を補う形で炭鉱等に動員されたのだという実態を無視しており、「価値中立的な歴史用語」とは言えないと批判している。
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