愛天使を巡る運命の少年たち
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「愛天使伝説ウェディングピーチ」の記事における「愛天使を巡る運命の少年たち」の解説
以下の少年たちは遠い将来において愛天使たちと結ばれる運命を持つ。 風摩 ようすけ(ふうま ようすけ) / ヴィエント 声 - 上田祐司 / 少年期 - 池澤春菜 1982年10月31日生まれ。血液型はO型。趣味はサッカー、サッカーの試合観戦。得意教科は数学。 聖花園学園中等部に通うももこの同級生。サッカー部に所属。サッカー部でのポジションはゴールキーパーの補欠だが、その実力は優秀で、プロ選手の梶のシュートを顔面で受け止めるという犠牲の覚悟で防ぐほど。後にレギュラー選手となる。普段は真面目ながらも茶目っ気のある性格だが、指輪を奪われ戦意が喪失していたももこを救うためにアクエルダに対し自ら立ち向かうなど、正義感の強い健気な心の持ち主。 自らの危機に際して異様な力を発揮することがあり、愛天使や悪魔族を当惑させる。ももこの弱点を突く手段としてプリュイにさらわれた際、ピーチの正体がももこであることを知ったが、プリュイとの戦いを終えた後にアフロディーテによって愛天使や悪魔に関する記憶を消される。終盤でその正体は悪魔族の中でも最強といわれる風魔族(アニメ版ではラファール族)の血を引く「戦士ヴィエント」であることが明らかになり、ももこを苦しませ、愛天使たちを苦境へと追い込むこととなった。属性・理由を問わず、怒りや憎悪のウェーブを高めることによって悪魔化する。 ももことの関係は、サッカーの試合の取材に来たももこのことをたびたび「ももピー」、「ももフグ」と呼んでからかって対立ばかり繰り返していたが、そんな彼女のことが気になっており、終盤においてももこの方も彼の想いを悟り、相思相愛へとつながっていった。原作版の設定 母親と同居している設定となっており、母親が仕事が休みの日には、よく買い物に連れまわされている。また母子家庭であるがゆえに自身と母を置き去りにした父親に対しては(父を全面的に信じている母親の手前、何も言わないものの)屈折した猜疑心が付きまとっていた。が、ようすけの母親の父親に対する愛情は確かなものであり、これが「ようすけと母親」「母親と父親(ウラガーノ)」による「風摩家の家族愛」がピーチの信じる「ようすけへの愛」の根底を支えるというシチュエーションを生じさせ、物語とテーマに深みを増す重要なファクターともなった。 悪魔界に戻っていた父ウラガーノが、ももこたちを襲撃する姿を目の当たりにした上、傍目から見れば「家族を捨てた」ようにしか見えないウラガーノのこれまでの行動に対する感情の鬱屈から、自らの憎悪のウェーブを燃え上がらせた(ウラガーノの挑発に乗ってしまった)結果として、ももこの目の前で悪魔族として覚醒。覚醒直後に悪魔界に連れて行かれて父と自身の出自を教えられると同時に、覚醒した自身の姿に怯えたももこの姿を突きつけられて絶望。地上人としてのプライドを捨てて父ウラガーノの言いなりとなり愛天使の抹殺を受諾する。 後にヴィエントよりも先回りして愛天使たちを倒そうとするポタモスの前に出現し、ウェディングピーチを殺すのはほかならぬ自分自身であると、ポタモスとももこに対して宣言。これをもって悪魔界に忠誠を誓いレインデビラへの謁見を父ウラガーノに再三要求するようになる。このことによってももこは一時的ではあるが自律を失い人事不省に陥った。 ところが、後にレインデビラに忠誠を誓った一連の行動は「他の悪魔族を牽制して、愛天使と戦う存在を自分自身のみに限定させること」と「レインデビラと一対一であいまみえて戦い全てを終わらせること」と「自分を愛してしまったももこの立場を、天使たちの中で危険なものにしないこと」という目的のために敷いた自らを犠牲(悪者)にしてでも、ももこを守るためのブラフであったことが明らかとなった。 しかし、ももこはそれらのブラフを見抜けぬまでも、ようすけを一途に信じ、ようすけのものならば憎悪すらも受け入れると言い切ったために、ようすけ自身もそれを受け入れ、共に最終決戦へと臨むこととなる。 ラスト(10年後)ではももこと結婚する。 アニメ版の設定 アニメ版では母親が海外に留学しており、一人暮らし。幼い頃に船員であった父親から「お守り」として鈴を託されている。その父親は海難事故で亡くなっており、一家の生活は父の遺産によるものが大きい。ただし、父親の死に関しては(事故という理由もあって)謎がつきまとっている。 後に、その正体を察知したレインデビラによって放たれた悪魔・カチューシャから、憎悪のウェーブを強制注入されて、ヴィエントへとムリヤリ覚醒させられて愛天使達と「セント・サムシング・フォー」を狙おうとする。強制的な変身であったため、これを解いた後は関連の記憶を一時的に失っていた。ヴィエントに変身後は、剣を武器に自身が持つウェーブでブルー色の光線を放つ。 後にセレーソの力とピーチのラブリーオペラシオンタンピートによりようすけの意識が覚醒しヴィエントの体から悪のウェーブが飛び散る。このことによって自身の正体を知ることになり絶望。孤立してももこを避けていたが、変わらぬももこの優しさに心を打たれ、良心に従って最終的に協力を約束する。父から託された鈴のお守りによって、現世に遺された父の残留思念と邂逅を果たし、父より告げられた悪魔界の真実(本来は悪魔界も弱肉強食の向きが強いとはいえ力のヒエラルキーを順守した平和な世界であったことと、レインデビラがそのバランスを崩して悪魔界をムリヤリ支配していること)を知らされ、改めてレインデビラを倒すことを決意。最終決戦にてももことの愛を強め、レインデビラ打倒に成功する。レインデビラとの戦いを終えた後、アフロディーテからヴィエントとしての記憶を消され、再び地上人として生きるようになる。 柳葉 和也(やなぎば かずや) / リモーネ 声 - 三木眞一郎 聖花園学園中等部サッカー部部長を務めるエースストライカーの美少年。中学3年生。 礼儀正しく誰に対しても口調は丁寧で、その凛々しさと冷静さから女子生徒から大変人気があるが、そのことについては奥手で、内心悩んでいる模様。ももこたちには「君」付けで呼んでいる。ももこ達新聞部も彼に憧れており、彼をターゲットに女としての争いをすることもしばしば。 その正体は愛天使たちと「セント・サムシング・フォー」を探索するために降臨してきた天使リモーネであり、愛天使たちが窮地に陥れば、助けに向かう大事な存在。初期はももこやひなぎくたちのピンチを救うためにたびたび登場して愛天使たちと共に戦っていたが、中盤からは天使としての任務で女神アフロディーテの下で活動することが多くなった。悪魔ペトラーに苦戦していた愛天使たちを助けに来た際、ペトラーが出した消滅の渦に巻き込まれ、アフロディーテに間一髪救われる。不運にも天使リモーネとしての記憶を失ってしまい、一時はゆりにショックを与えてしまったが、後に彼女の想いが彼の天使としての記憶を甦らせ、復活。レインデビラとの決戦で苦境に立っていた愛天使たちのもとへ間一髪救いに現れ、悪魔族の打倒に貢献した。 ゆりとは、天使リリィの前世における運命の恋人であったため、現代のエンジェルリリィ/谷間ゆりをその転生体と知ってからは恋へと発展する。お互い親しくなったのは遅いが、その関係は充実しており、彼自身もゆりのことを「真の恋人」だと認識している。 原作のラスト(10年後)ではゆりと結婚する。 雨野 たくろう(あまの たくろう) 声 - 山口勝平 聖花園学園中等部に通う天才少年で、ひなぎくの幼馴染。 頭脳明晰で聖花園学園一、成績は優秀だが高慢なところがあり、自身よりレベルの低い者に対して見下してしまう癖がある(本人に悪気がないため余計たちが悪く見られることも)。反面、極度の運動音痴で鉄棒の逆上がりは足を上げるだけで精一杯であるため、その部分にコンプレックスを持っている(上記の悪癖は、このコンプレックスの裏返しによるもの)。優柔不断で気の弱い臆病者だが、ここ一番という時に周囲を驚かせるほどの勇気を見せる。また、本質は人を害する事などできない、お人好しで心優しい少年(臆病さや優柔不断は、この本質が裏目に出ているがゆえのこと)で、時に利用されている立場であるイグニスやポタモスに対してすら彼なりに心配したり、図らずも敵対する羽目になったももこやひなぎくに対しても、なんとか互いが傷つくことなく穏便に済ませられないかを考えたりと、本来は状況に巻き込まれ振り回されている力なき一般人という立場であるにもかかわらず、天使や悪魔と言った相手に対するには貧弱で限られているはずの自身の知恵を頑張って絞り出し、様々なアクションを起こそうとする。 ひなぎくとは、原作ではそのまま名前で呼び、幼い頃は「ひなちゃん」と呼んでいた。アニメではひなぎくのことは「ひなこ」と呼ぶ。後にひなぎくに対して、その想いをきちんと告白しており、一方でひなぎくも最終決戦直前に告白を受け入れる返事を行っている。アニメでは恋愛に関しては鈍感に描かれ、ひなぎくとは「友達以上恋人未満」の関係で留まっていた。 原作のラスト(10年後)ではひなぎくと結婚する。 ももことは、最初は成績の悪さに落ち込むももこを見下していたが、彼女の優しさに気づき、ようすけと親しい彼女に屈折した想いを寄せていた。しかしその後、イグニスの死から素直になり、ももこに対する想いをようすけに譲る。 前述の鉄棒の件で他者に笑われた屈辱、憎しみが原因で悪魔族・イグニスに体内を占領されてしまうが、性格上乗っ取ったはずのイグニスにあきれられ、ほとんど彼の尻拭いを務めていた。ハロウィンの日に愛天使たちが狙われた際、イグニスから貰った自分の思う者に変身することが可能な石を使ってウェディングピーチを装い、ポタモスの出現時に子供たちの目前であった愛天使たちのために時間稼ぎをするが、敢え無く敗退(その上、その回のピーチの決めゼリフを奪った)。イグニスの死後は彼の遺した腕輪を携帯して愛天使たち、特にひなぎくを支える善き理解者となる。 アニメの準備稿においてはプリュイの正体(もしくはその転生)として初期設定されていたが、企画が進むに連れてその設定は雲散霧消してしまった。名字に「雨」の文字が使われていること や、原作において物語開始時に出ず、プリュイと入れ替わるように登場しているのは、いわばその名残でもある。 ディーン・バトラー 原作の番外編『スカーレット・ラブ』に登場。 バスケットが得意なアメリカの少年。スカーレットの幼馴染で元クラスメート。 とても西海岸的な性格のため、ノリが軽く万事において調子がいい。自分の思いを全く隠そうとせずに突撃する、よく言えばオープン、悪く言えばド厚かましい性格。しかも生来のノリの軽さと調子の良さから、アピールも激烈にノリオンリーの軽いモノになってしまうため、その想いはスカーレットには届き難く、しかも「真剣ではない」と誤解されて彼女の神経を逆撫でしまくる結果となってしまう。 口の軽さとは裏腹にスカーレットへの想いは真剣そのもので、「セント・サムシング・ニュー」の影響によって天使の記憶に目覚めたスカーレットの変化に真っ先に気付いた人物でもあった。一方で事態の深刻さにも気付き、余計なことはせずにそっと見守ろうと考える「待つ強さ」や「度量の深さ」を持つ少年でもある。そして、スカーレットと再会した時に一目で彼女の「悩みが解決した」事実に気付いて喜んだ。そのことがスカーレットの心を開かせるきっかけとなる。 ラスト(10年後)ではスカーレットと結婚する。 苗字の由来はスカーレットと同様『風と共に去りぬ』からきている。実はスカーレットの原作漫画先行による設定違いのために使えなくなった設定とストーリーの代替として登場したキャラクター。そのため、原作のみのキャラクターであり、アニメでは登場しない。
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