バンリュー石油
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/06 10:26 UTC 版)
遠藤 優介(えんどう ゆうすけ)/寺沢 本編の主人公。警視庁特捜部所属の敏腕刑事。推定年齢は20代後半位。きりっとした整った目鼻立ちにオールバックのいかにも刑事といった顔つきの青年。銃・逮捕術・格闘術に優れ、特に銃については百発百中の腕前を誇る。警棒術に関しても、最終的には日本刀を持った佐分を取り押さえるほどの腕前を持つ。山地など高圧的な態度を取る相手にはよく頭突きをくらわす。 正義感が強く弟思いの優しい性格だが、正義の為ならば汚い手段に訴えなければならない事も理解しており、汚い姿は見せられまいと弟の優也には内緒のまま盤流市への潜入を決めた。白と黒の2丁の拳銃を所持し、白い銃には塗料を仕込んだ模擬弾が入っており、盤流に発見された警察官を殺したように見せかけて街の外に逃がす為に使用している。任務上、殺人を犯してしまう事もあるが、無益な殺生は好まないため、止むを得ない場合以外の殺人は行わない。 かつて自分が逮捕し、後に脱獄した寺沢准一に司法取引を持ちかけ、無期懲役から国外追放に減刑し、自らは寺沢に成りすまして潜入をしようと試みる。しかし、寺沢が土壇場で協定を破り、遠藤を殺そうとした為やむなく射殺。その後、顔を整形して寺沢に成り代わり、バンリュー石油の警備二課に配属される。 任務への使命感と、犯罪者上がりの同僚達への軽蔑から、滝以外の人間とは決して関わろうとはせず、常に一匹狼として2年間社内での業績を上げていった。刑事である優也を始末した(様に見せかけて街の外に逃がした)功績から警備二課課長へと出世する。盤流や直属の上司である波布川からの評価は高いが、部下で同期の膳場とは顔を合わすたびに喧嘩するほど仲は険悪。また、膳場の部下をかつて任務中に正当防衛とはいえ殺害してしまった為、部下達の中にもよく思っていない者は多い。 同僚の中でも欲が無く、素直で誠実な滝にだけは心を開いていたが、警察官だという事がばれてしまい、自分を殺そうとした滝を銃撃戦の末射殺してしまい、その事が遠藤の心に大きな傷を残すことになる。 盤流とは何度か直接会っており、その実力には太鼓判を押されており、また非常に「使える男」と思われている。「警察官であろうが関係なく既に自分の手中にある」と盤流は彼を評価している。 かつて同僚の女刑事と婚約関係にあり、彼女の盤流市への1年間の潜入捜査が終わった後に結婚する予定であった。しかし、彼女が潜入に失敗して惨殺されたことから、代わりに任務を完遂する為に盤流市への潜入を決めた。 寺沢 准一(てらさわ じゅんいち) 長い黒髪にホストのような風貌をした男。整った顔立ちをしているが、性格は欲張りで卑劣。マッチ棒を咥える癖があったようで、これは寺沢に成りすましている遠藤も倣っている。元は銃の密売人で、仕事上のトラブルから取引相手3人を射殺し、遠藤に逮捕され無期懲役囚となった凶悪犯。 後に仲間の手を借りて脱獄し、拳銃の腕前とコネでバンリュー石油への入社が決まった。後に遠藤に発見され、その際に遠藤から司法取引として、潜入の為に自分に成り済まして入社する代わりに無期懲役から国外への永久追放へと減刑するという話を持ちかけられた。最初は従ったが、フィリピンへの追放の日になって遠藤を裏切り、彼の首を手土産に差し出そうとしたものの、返り討ちにあい射殺された。 カラレーヴァと面識があり、大勢いる愛人の中の1人だった。カラレーヴァからは「犬のように媚びて来る目」が気に入られていた模様。 以下の文章では基本的に「寺沢」を「寺沢に成りすました遠藤」の事として扱う。 盤流 源一郎(ばんりゅう げんいちろう) バンリュー石油の会長であり合法都市を作り上げた筋骨隆々のスキンヘッドの男。51歳。10年前、後の盤流市になる死にかけの町において大規模な油田を発掘し、それにより得た莫大な富を元手に盤流市を作り上げた。盤流市においては絶対的な権力を振るっており、彼の指示1つで全ての事は合法になると言われているほどである。また、社員の昇進も彼の裁量1つであり、彼に面会して人となりを知ってもらうという「顔合わせ」で気に入られなければ昇進を取り消される事もあるという。一人称は「ワシ」。 冷酷非情な独裁者ではあるが、掴み所の無い性格をしており、偉ぶる様な態度を取る事もなく頭も切れる。人を見る目は鋭く、その人間を見ればどのような人物かが大体は分かるという。また、環境保護に対しては独特の考え方を持っており、石油の使用を悪く言う偽善的なエコロジーを嫌っている。 寺沢の顔合わせの際に、山地の始末を命令し、その際に寺沢が早々に山地を始末しないのを見て彼に失望するも、その時山地を代わりに始末した佐分に激昂し、彼と対等に渡り合ったのを見て彼を気に入るようになり、カラレーヴァとの会談では彼1人を同行させ、その人柄も気に入るようになり、オフレコの秘密まで話すようになる。一方で「弾丸ツアー」の際には寺沢が自らに従わなかったことから一度はクビ にしようとしたり、解決後には寺沢に対して(褒賞の意もあるが)罰則の意を込めたディープキスをしたこともある。 気絶した少年ギャングの首の骨を砕いて殺害するなど冷酷非情で容赦ない独裁者の面がある一方、基本的にはひょうきんでお喋り好き、若い女性に目がないなど茶目っ気がある模様。狩りやバカンスのみならず、危険な状況に身を置いてトラブルを楽しむなどして、心をリフレッシュしたり野性の感覚が衰えないようにしたりと、心底人生を楽しむ愛すべき一面も見られる。 また、南の島で出会った若い女性と遊ぶだけでなく、カラレーヴァからの襲撃に備えるべく脱出の手引きを依頼したり、ソルヴィーノをうまく利用してカラレーヴァを手玉に取り、自分のシナリオどおりに行動させたりと、その頭のキレは寺沢も思わず感心するほど。そして、自身の戦闘力も超人的に高く、手製の弓矢 で一度に複数のギャングを倒したり、弾丸ツアーで一味の一人を手斧で一撃のもとに倒したりしている。 誰にでも冷酷非道な訳ではなく、基本的に盤流市民については大事に思っており、市民達の安全の為には金に糸目はつけず、市民の誰かが余所者から傷つけられた際は自分の事のように深く悲しみ、加害者をどんな手段を用いてでも抹殺する。外部から襲撃を受けたりなどして、市民に死傷者が出た際には被害者や遺族へのアフターケアを欠かさない。盤流市内の幼稚園や小学校には頻繁に訪問に行き、子供達の前で蛸の物真似をして笑いを取ったりしており、子供達には慕われている。 彼の持つ独特な魅力やその底知れない実力は多くの潜入目的の捜査官でさえも虜にし、実際彼の魅力に惚れて自ら正体を明かした者もいる。事実寺沢をして「殺すには惜しい男」「並の犯罪者にはないカリスマ性がある」「生まれて初めて対等以上に戦える相手が出来てワクワクする」とまで言わしめている。 盤流市が犯罪者予備軍を引き寄せる為に盤流市が出来てから犯罪率が2割減った為、警察は彼を無期懲役にして刑期短縮をちらつかせながら彼を刑務所の中に閉じ込める事で盤流市の現状を維持する、という筋書きを考えている。
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バンリュー石油
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盤流源一郎によって設立された巨大な石油会社。社員は絶大な権力を持ち、社員証1つで全てが合法になるといわれている。また社員というだけで全ての飲食店において無料で飲食が出来るなどの特権が与えられる。 出世は完全実力主義であり、課長などの幹部クラスの社員には高級マンションに高級車、娼婦などの特典が与えられる。平社員と幹部社員の待遇には雲泥の差があり、他の者があるポストに就任した際にはそのポストの前任者は平社員に降格となる。また、上下関係は絶対であり、下の者が上の者に逆らう事は許されない。 スーツの色で社員のランクが決められており、色が薄いほどレベルが高い。比較的レベルの低い警備課は黒いスーツであり、側近である警護課は白いスーツを着用している。 警備部 波布川を部長とし、主に麻薬の売人や侵入者などの捕縛・始末を行う。逮捕された売人達は膳場ら社員に引き渡され、制裁を受ける。犯罪者上がりのチンピラやゴロツキで構成されているため、社員は総じて人相が悪い。黒いスーツを着用しており、バンリュー石油内でのレベルは低い。課長ではプラチナの社員証になる。 一課と二課との間では担当区域の格差などの要因から双方とも対抗意識があり、鉢合わせた際に揉めることもある。 警護課 盤流の側近を務める。白いスーツを着用しており、各部署で選び抜かれた精鋭のみで構成されている。ゴールドの社員証を所持する。 調査部 潜入捜査官(イヌ)が入り込んでいないかなどの調査を行い、盤流に報告する業務を行う。幹部職員はかなりの情報を入手でき、町中の監視カメラを使用できる権限も有している。
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