サバンナ/ RX-7
サバンナとは、熱帯および亜熱帯地方の大草原のことである。初代は1971年9月デビュー、4ドアセダンとクーペボディがあった。エンジンは491cc×2ローターの10A型REを搭載。
72年1月、日本車として初のスポーツワゴン車を発売した。このとき、REマチックと呼ぶ3速ATを追加。9月にはクーペGTというモデルを設定した。573cc×2ローターの12A型REを載せて、東京標準価格は81万5000円。後2輪駆動だった。73年6月のマイナーチェンジでフロントとリヤのデザインを変更、テールランプを6角形にした。7月、セダンのエンジンを10A型から12A型に換装。
サバンナはグランドファミリアのボディと同じで、ロータリーエンジンだけを積むスポーティなモデルであり、2310mmのホイールベースは共通だった。3代目ファミリア登場でグランドファミリアは消えたが、サバンナは生き残った。
78年3月、RX-7発売。REのための本格的スポーツスペシャリティカーだった。2ドアのクーペボディで、ガラスハッチを備えていた。573cc×2ローターの12A型REを載せ、後輪を駆動。従来のサバンナに代わるフロントミッドシップカーの誕生である。サバンナとしては2代目だが、RX-7としては初代モデル。名前のRはロータリーエンジン、Xは未来を表した。
ホイールベースは2420mmと長<なり、全長も4285mmに延びた。が、全高は1260mmと低く、リアルスポーツらしさをみせたスタイルだった。砲弾のようなシルエットをもち、ヘッドランプは丸2灯をリトラクタブルとしていた。リヤサスペンションはリジッドだが、ワットリンクを採用し、アクスルの揺動を防ぐ。小さなリヤシートがあり、定員は4名。AT車もあった。
79年10月、エンジンをサーマルリアクターから触媒方式に変更、燃費も改善した。80年11月、マイナーチェンジ。エンジン、ボディの軽量化と、室内では内張りやインスツルメントの改良などを行った。4輪ディスクブレーキも採用。
82年3月、REを6ポート・インダクションに改良。ポテンザ・タイヤ、LSDなどを一部のグレードに装備した。
83年9月、12A型REにターボを組み込み、最高出力は160psに向上した。これに伴いクラッチ、駆動系、サスペンション、ブレーキなどを強化、車速感応型パワーステアリングも付いた。4輪ベンチレーテッドディスク採用。
85年9月、フルモデルチェンジで3代目(RX-7としては2代目)へ進化した。エンジンは13B型(654cc×2ローター)で、インタークーラーと電子制御ツインズクロールを備えたターボチャージャーを組み込んで、最高出力は185psにアップした。ボディサイズはホイールベースが2430mm、全長は4310mmとわずかに長くなり、全高は1270mmとなった。トーコントロール機能付きのマルチリンク・リヤサスペンション、横G感応式パワーステアリング、ABSなどを装備したことが特徴だった。スタイリングはファーストバックに変わったが、ヘッドランプはやはり、リトラクタブルタイプを踏襲した。
87年8月、カブリオレ発売。定員は2名となった。シートやドアトリムなどに本革を採用。トップには内張りを施し、電動で開閉できた。走行中、車内への空気の巻き込みを防ぐエアロボードを備え、トランクリッドにはハイマウントストップランプが付いた。
89年4月、マイナーチェンジ。13Bロータリーエンジンにツインスクロールターボを付けて、205psに出力をアップした。それはローターとフライホイールの軽量化などでレスポンス改善をはかった結果でもあった。ATはホールドモード付きとなった。
91年12月のフルモデルチェンジを機にサバンナの名を外し、アンフィニの名がついた。実質は4代目となるが、ブランド名の変更で新しいスタートとなった。13Bロータリーエンジンは、シーケンシャル・ツインターボを採用、255psヘパワーアップ。エンジンはフロントアクスルよりも後方の、さらに低い位置にマウント、前後重量配分50:50を実現した。後2輪駆動は不変。サスペンションは4輪ジオメトリー・コントロールと称する、全域でステアリング特性をニュートラルに保つシステムに変更して、走りの質をさらに高めた。ホイールベース2425mm、全長4295mm、全幅1760mm、全高1230mmのディメンションとなった。アルミボンネット、アルミサスペンション採用。旧型のカブリオレも販売を続けた。
93年8月、RX-7発売15周年を記念して特別車を設定すると同時に、従来モデルもサスペンションを改良して操安性、乗り心地向上策をはかった。さらには内装の品質感を高める改良も行った。高性能モデルのタイプRZを追加設定。95年3月、装備と価格の見直し、機種体系の整備。96年1月にはMT車の最高出力を10psアップ、リヤコンビネーションランプを丸型3連デザインにした。運転席SRSエアバッグを全車標準装備。
98年12月、最高出力を280馬力までアップしたロータリーエンジンをラインアップした(13B型タイプRSとタイプRモデル)。また、サスペンションやタイヤなどのチューニングによる乗り心地と操安性の向上、フロントデザインの変更、大型リヤスポイラーの採用などを行った。助手席エアバッグも全機種標準装備。
走行安定性能向上のための改良は、2000年10月にも実施した。ブレーキ性能の強化では4W-ABSの制御ユニットを8ビットから16ビットに変更、EBDの追加など。サスペンションダンパーも減衰力を変え、パワーステアリングにチェックバルブを追加した。安全性に関しては従来のサイドインパクトバーに加え、ドアの低い位置にロワサイドインパクトバーを追加、側面衝突に対してより強度が増した。MT車にクラッチを踏まないとエンジンが始動しないクラッチインターロック機構を採用。2002年8月、生産終了。
マツダ・RX-7
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