オートザムとは? わかりやすく解説

オートザム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/09/20 16:30 UTC 版)

マツダ > オートザム
オートザム
Autozam
店舗サイン例
種類 自動車ディーラー
所持会社 マツダ株式会社
使用会社 マツダ株式会社
使用開始国 日本
主要使用国  日本
使用開始 1989年
使用終了 2016年
関連ブランド
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オートザム(Autozam)は、マツダディーラーの一つ。1989年平成元年)のマツダ5チャンネル体制(マツダ、ユーノスアンフィニ、オートザム、オートラマ)化に伴い、軽自動車小型車を取り扱うブランドとして開設された。

1998年より、マツダオートザム(Mazda Autozam)の名称に変更された(詳細は後述)。

オートザムの名前は、「オートモービル」(AUTOMOBILE)とマツダ(MAZDA)のスペルを逆から読んだ「ADZAM(アドザム)」を合わせた造語である。

概要

「あなたの街の身近なカーショップ」をディーラーコンセプトに掲げ、中小規模の整備工場や中古車販売店を中心に販売網を整備したことが特徴の一つである。正規ディーラー契約の店舗のほかに、「協力店」と称したサブディーラー店舗も存在していた。地域によっては、ユーノスやオートラマ、他ブランドとの複合店舗も存在した[1][2][3]

ブランド戦略ではユーノスやアンフィニと同様にマツダの名を伏せて展開した。ただし、車検証の車名欄には「オートザム」ではなく「マツダ」と記載された。

設立時のラインナップは軽自動車が中心で、フラグシップクロノスの系譜のセダンであるクレフ

また、高級車ラインナップを補う目的でランチアの正規輸入権を取得し[4]ランチア・テーマランチア・デルタアウトビアンキ・Y10といったイタリア・フィアットオートが製造するランチアアウトビアンキブランドの乗用車も販売されていた[5]

全国販売網は「株式会社オートザム」および地区卸会社(株式会社オートザム○○)が統括していた。一部の大都市圏では、地区卸会社が直営店舗「オートザムソシオ」店を運営していた。ランチア車専売を志向した高級店舗で、既存店の販促支援およびショールームの側面も持っていた[6][7]

「マツダオートザム店」への順次移行

2代目キャロル以外にヒットした車種は出なかったが、5チャンネル体制崩壊後も存続していた。その間にもディーラー権を返上して撤退する店舗が続出していた。

1998年、全国オートザム店の店舗規模・売り上げ等に一定の基準が設けられ、基準をクリアした店舗の看板は「マツダオートザム」と掲げられることとなった。「マツダオートザム店」に変更した店舗はファミリアボンゴプレマシーの販売権を与えられ、取り扱い車種はマツダ店と同一化が図られる。また、チャンネル発足時の主力販売車両であった軽自動車は、独自開発車両の開発は止めてスズキからのOEM車となる。

チャンネル再編期では、マツダオートザム店に移行できなかったオートザム店は、看板はそのままで取り扱い車種も軽自動車とデミオだけだったが、新機種としてAZ-オフロードラピュタがマツダオートザム店と併売されていた。この2車以降「オートザム店」への新機種投入は無くなり、以降の新機種を取り扱うためにはマツダオートザム店に移行しなければならなくなった。基準未達成の店舗は新機種の販売権を与えられないままディーラー権を返上していき、結果2000年代前半までに、約900店舗あったオートザム店は350店のマツダオートザム店へと変わった[8]。また、ランチアの正規輸入権も1998年までに返上した。2001年には株式会社オートザムと地区卸会社が合併して「株式会社マツダオートザム」となり、全国1社で販売網を統括する体制になった。

その後は、2003年にアクセラ、2004年3月にMPVトリビュートボンゴフレンディの取り扱いを開始。マツダの他のチャンネル(マツダ店・マツダアンフィニ店)でも、オートザムの専売車種だったキャロルスピアーノAZ-ワゴンスクラムを取り扱う様になり、他の販売チャンネルとの差別化は無くなっていった。

2016年4月より、これまで販売されなかったマツダ車の最上位車種であるアテンザロードスターファミリアバンタイタンの取り扱いを開始[9]。これにより、マツダオートザム店の名称は残るものの国内販売チャネルの事実上の一本化となった。それに伴い「株式会社マツダオートザム」は業務を停止し、全国販売網の統括・管理をマツダ本体および各地域のマツダアンフィニ店・マツダ店が行うこととなった[10]

2014年以降、マツダ店・マツダアンフィニ店と同様の「新世代店舗」へのリニューアルが進んでいる。

専売時代の取り扱い車種

オートザム取り扱い車種の車名には、オートザムを意味する『AZ』の付いた車種名が多かったが、ブランド戦略でマツダ色を隠す目的があった。カタログや各種宣伝では、ラインナップを「Autozam's Collection」と称していた。

オートザム時代(1989年 - 1998年)の専売車種
外観 車種名 車格 販売期間 備考

CAROL
キャロル 軽乗用車 1989年 - 1998年 初代モデル販売終了より20年ぶりのモデル復活
2代目と3代目モデルが自社製造ボディ・スズキ製エンジンで製造
3代目末期にマツダブランドに変更され、2022年現在販売中
4台目以降はスズキアルトバッジエンジニアリングOEM)車となる

SCRUM
スクラム 軽ワゴン
軽バン
軽トラック
1990年 - 1997年 1990年にマツダブランドからオートザムブランドの変更
スズキエブリイキャリイのバッジエンジニアリング(OEM)車
初代と2代目モデルがオートザムブランドで販売
2代目途中の1997年4月以降マツダブランドで2024年現在販売中

Revue
レビュー 小型乗用車 1989年 - 1998年 フォード・フェスティバの車台をベースに開発
レビューの車台はデミオにも活用
晩年にマツダブランド変更後、モデル廃止

AZ-3
AZ-3 小型クーペ 1991年 - 1998年 ユーノス・プレッソと姉妹車
販売当初AZ-3は直4エンジン、プレッソはV6エンジンのみの販売で差別化された
1998年にモデル廃止

AZ-1
AZ-1 軽スポーツ車 1992年 - 1995年 自社製造ボディ・スズキ製エンジンで製造
スズキにキャラとしてOEM供給される
1995年にモデル廃止

Clef
クレフ 普通乗用車 1992年 - 1994年 クロノスなどとの姉妹車
1995年にモデル廃止

AZ-Wagon
AZ-ワゴン 軽トールワゴン 1994年 - 1998年 スズキワゴンRのバッジエンジニアリング(OEM)車
初代途中の1998年10月以降マツダブランドで2012年11月まで販売

DEMIO
デミオ 小型ステーションワゴン 1996年 - マツダの経営不振の時に各チャンネルで販売
マツダブランド
ランチア・テーマ セダン
ステーションワゴン
1984年 - 1994年
ランチア・デドラ セダン
ステーションワゴン
1989年 - 1999年
ランチア・デルタ 普通乗用車 1979年 - 1995年
ランチア・プリズマ セダン 1982年 - 1989年
アウトビアンキ・Y10 小型乗用車 1985年 - 1994年
マツダオートザム移行後(1998年 - 2016年)の専売車種
外観 車種名 車格 販売期間 備考

AZ-OFFROAD
AZ-オフロード 軽SUV 1998年 - 2014年 スズキジムニー(3代目)のバッジエンジニアリング(OEM車)

Laputa
ラピュタ 軽クロスオーバーSUV 1999年 - 2006年 スズキKeiのバッジエンジニアリング(OEM車)

脚注

  1. ^ 「オートレックインクス シトロエンとオートザムの複合拠点開設」『日刊自動車新聞』1990年4月18日。
  2. ^ 「オートラマ大分・オートザム大分 全国最大級ショールームオープン」『日刊自動車新聞』1990年10月13日。
  3. ^ 「カゴメ オートザムに参画」『日刊自動車新聞』1994年4月5日。
  4. ^ 輸入権はマツダが所有した。また同時期にガレーヂ伊太利屋も独自の販売網で輸入・販売していた。
  5. ^ 山本晋也 (2022年2月27日). “鉄道のJRがボルボ! マツダがシトロエン! スズキがプジョー! ちょっと前までカオス状態だった日本の輸入車販売網”. WEB CARTOP. 交通タイムス社. 2022年2月27日閲覧。
  6. ^ 「オートザム ランチア専売網構築へ」『日刊自動車新聞』1994年4月18日。
  7. ^ 「オートザムのマツダ直営店オープン」『日刊自動車新聞』1990年3月14日。
  8. ^ オートザムのディーラー権は返上したものの、地域のマツダ店の販売代理店として引き続きマツダ車を扱う店舗もある。
  9. ^ マツダ、全店で全車種取り扱い 販路を1系列に集約”. 日本経済新聞 (2016年2月26日). 2016年2月29日閲覧。
  10. ^ 『日刊自動車新聞』2016年2月26日。

外部リンク

  • ウィキメディア・コモンズには、オートザムに関するカテゴリがあります。

オートザム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/04 04:03 UTC 版)

魔法騎士レイアース」の記事における「オートザム」の解説

セフィーロの外に存在する、高度に機械化され近未来的な文化共和制の国。球状の星からトゲ状の岩が突き出た形をしており、そのトゲは星のから地表を貫く形で生えている、居住区のあるエリアという設定である。環境汚染アニメ版精神エネルギー枯渇)が深刻化しているため、人々ドーム型居住区住んでいるが、国土自体死んでいっているため、滅亡免れない状況にある。ケーキ存在するイーグル・ビジョン 声 - 緒方恵美 身長:180cm / 好きなもの:甘いもの、お茶の時間昼寝 / きらいなもの:特にない オートザム軍の最高指揮官コマンダー)で、最強ファイター原作における最終的な敵であり、試練のため光と死闘繰り広げた。オートザム国大統領令息でもある。身長180cm。オートザムの環境汚染アニメ版では精神エネルギー枯渇)を食い止めるため、システム解明するためセフィーロ侵攻重度精神エネルギー欠乏症に陥っており、病状進行する永遠に眠り続ける。原作では他の2国が生み出した光の道」を自分生み出したそれで貫いて動き封じるなど、命を懸けているがゆえの心の強さ見せた原作アニメ共に光と関わることが多い。 普段おとなし性格で、会議中眠ったり、何も無い真平らな道で転んだりするなど抜けた所があるが、FTO搭乗する冷徹な性格化す候補一人として光と共にへの道を通って試練挑む。光の就任決定した後、資格の無いものとして消滅するはずだったが、光達3人やランティスの強い意思受けたモコナへの道を全面的に開放したため、海と風に共々救出され無事帰還。しかし昏睡に近い状態になったため、以降セフィーロ療養中徐々に回復しつつある)。 アニメ版ではクレフ張ったバリアFTO破って城内侵入一時城内囚われの身となる。しかし、ランティスの剣が「の証」へ至る鍵の一つであることを本人から聞かされ知っていたため、隠し持っていたハンドコンピュータに納めた爆発物利用し部屋脱出コンピュータが示すランティス生命反応頼り移動し居住区中庭ランティス戦闘する。そこに到着した光と共にの証」のある部屋転送され候補選ばれた後、システム解明とオートザムの再生方法共同研究条件セフィーロ講和FTONSXまで帰還するが、ザズが漏らした魔神戦っているロボットレガリア)の中にランティス捕まっている」という言葉に「病気に命を奪われるより、戦士として散る」という願いから、喀血しつつも全権をジェオに委譲し再出撃ランティス捕らえていたレガリア魔法騎士との戦い介入する魔法騎士ともどもノヴァ引き込まれ異空間で、ランティスを傷つけられないという想いから防戦一方になる魔法騎士たちの代わりに病状悪化による喀血引き起こしながらも単身レガリア挑み続けて追い詰められるその間に光に「ランティス呼んでください」と提案し、光の声で意識取り戻したランティス呼びかけに応じて特攻仕掛けランティス救出するが、直後現れデボネア怒りを受け、既にボロボロになっていたFTOと共に爆散し、ランティスに「光を幸せにしてあげて下さいと言い残し死亡したOVA版ではエメロード姫の弟として登場する和解した際に「エメロード忌み嫌った影」と言っている。 ジェオ・メトロ 声 - 梁田清之 身長:202cm / 好きなもの:甘いもの、美味しいもの、料理 / きらいなもの:酒 オートザム旗艦NSX副司令官(サブコマンダー)で、彼自身有能なファイターイーグル親友である。セフィーロ侵攻に関して反対はしていないものの、いろいろ思う所あるらしい。たびたび眠るイーグル体調疑問感じていた。料理が得意で下戸極度甘党システム崩壊後もたびたびセフィーロ訪れている。 アニメ版では、ランティス救出のため強引に出撃したイーグルから全権任されイーグルクレフ講和したことでセフィーロ敵対する理由なくなったことを受けてデボネア魔法騎士たちの戦いNSX介入魔法騎士援護する。 ザズ・トルク 声 - 金丸淳一 身長:145cm / 好きなもの:FTO、酒 / きらいなもの:愛すメカを壊す者 NSX整備士メカニック)で、修理なら電子レンジから戦艦まで何でもこなす。イーグル愛機FTOが大好きで同行した。光と背が変わらない少年だが酒豪アニメ版では光に好意寄せていた。また、光よりは年上らしい。年下で髪が短く自分より背の低い子が好みらしい。しかし本人曰く年上も嫌いじゃない」。

※この「オートザム」の解説は、「魔法騎士レイアース」の解説の一部です。
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