新ソード・ワールドRPGリプレイ
(へっぽこーず から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/07 07:03 UTC 版)
新ソード・ワールドRPGリプレイ(しんソードワールドアールピージーリプレイ)は、2001年から2004年まで富士見書房から単行本刊行されたソード・ワールドRPGのリプレイ作品、及び、それを原作とする小説とドラマCDである。ゲームマスター(GM)および執筆は秋田みやび、監修は清松みゆき、挿絵は浜田よしかづが担当した。当初のプレイヤーキャラクター(PC)はイリーナ・フォウリー、ヒースクリフ・セイバーヘーゲン、ノリス・ウェストイック、ガルガド、マウナ・ガジュマの5人だった。その後ノリスとガルガドは抜け、エキュー、バスの2人が新メンバーとして加入した。また、終盤でノンプレイヤーキャラクター(NPC)のうち6人(うち2人は1組として1人のプレイヤーが担当した)が、臨時のPCとして用いられた。
- ^ 話数には第0話を含む。また、第26話が「表」編と「裏」編の実質的に2話に分かれる。なお、話数として数えないものの、第26話のイントロダクション的な25.5話が存在する。
- ^ 「リプレイ書いてみない?」と声がかけられた際に、秋田はソード・ワールドRPGで使用するサイコロの数を忘れており「3つ使って、出目が小さいほうが勝ち?」などと尋ね返した程であった。
- ^ リプレイの執筆経験としては、グループSNE公式サイトに掲載されている『ガープス・バニーズ&バロウズ』が先行する。しかし、この際の秋田はプレイヤーの1人としての参加であり、GMは友野詳が努めた。
- ^ 主人公の1人ヒースを悪質にしたと評される。その後短編小説にて過去の悪行が描かれ、清松みゆきの「猫の街の冒険」シリーズが開始されると読者の疑問を解消する形で再登場を果たした。
- ^ 第0話から第2話が新王国暦520年初夏。第13話の序盤でヒースが18歳の誕生日を迎えた(同年10月11日)。第24話で新王国暦521年の春になる。『リウイ』の登場人物がノンプレイヤー・キャラクターとしてシナリオ進行を助けた事や、『リウイ』の登場人物の動向を読んで、プレイヤーの行動決定の指針とするシーンも見られる。
- ^ 単なる小説とは異なり、TRPGの多くに共通する点として、何らかの乱数が用いられるため、不測の事態が発生し得る。なお、ソード・ワールドRPGの場合は、基本的に正6面体のサイコロ2つで乱数を発生させる。
- ^ マウナはキャラクター作成が終わった時点で所持金がほとんど無かった。
- ^ a b c 新ソード・ワールドRPGリプレイ集ガイドブック『明かせ!へっぽこ大冒険』より
- ^ ソード・ワールドの場合、人間では18歳に相当する年齢である。
- ^ ノリスと旅をすることについて、清松みゆきやヒースからはマゾ呼ばわりされていた。
- ^ ソード・ワールドRPGの人間の冒険者の能力の平均値は全て14である。ただし、ソード・ワールドRPGの一般的な人間の平均値は、冒険者よりも低いとされており、筋力13が平均よりも低いというのは、あくまで冒険者を基準とした尺度である。
- ^ ソード・ワールドRPGのエルフは生来の能力として、シャーマン技能を有する。
- ^ コミック本編でエキューナと呼ばれた箇所は無いものの『突撃!へっぽこ冒険隊』の巻末で秋田が「エキューナ」と呼んでいる事が確認できる。
- ^ ただし第2話では、へっぽこーずはここから出された依頼を断り、別の冒険者の宿で依頼を引き受けた。
- ^ リプレイ第4巻以降。この時点でイリーナは冒険者レベル5であるので、妥当な評価と言える。
- ^ a b c 「ソード・ワールド へっぽこーずドラマCD」初回特装版ブックレット「紡げ!へっぽこ大宝典」所収
- ^ ソード・ワールドRPGにおいては、デュラハンは比較的強力なモンスターとして扱われている。
- ^ ソード・ワールドRPGの人間の冒険者の戦士として平均的、すなわち、全ての能力値が14であるという意味。一般人の能力値の平均は、もっと低い。また敵役として現れ、人間の野盗として戦いを挑んでくる下っ端などの能力も、もっと低い事がソード・ワールドでは一般的である。これも「平均的な能力」ながら「優秀な戦士」という評価がなされている理由である。
- ^ 遺失魔法の産物である上、そもそも熊はモンスター扱いで危険と見なされるため。
- ^ ソード・ワールドRPGのルール上では、1回治療に失敗すると、プリースト技能のレベルが上がるまで再挑戦はできない。
- ^ 通常ファリス信者は白を尊び、ファラリス信者は黒を尊ぶ。また、インプはファラリスの神官が使い魔として伴っていることがある。
- ^ ソード・ワールドRPGには神官が教義にふさわしくない言動を繰り返すとペナルティとして神官の技能を剥奪されるというルールがある。
- ^ イリーナの筋力は並外れているため、その筋力に合った武器はあまり流通していない。
- ^ 分校を与えられる、王宮に伺候することができるなど。ほか明示されてはいないが特別のローブを着用できる特権もある模様。設定者の秋田みやびはこのほか導師候補クラスの上級の魔術師、学生の待遇についても細かに描写している。
- ^ 第0話としてドラゴンマガジンに掲載された。後に文庫版に掲載された。なお、この話は『リウイ』のエピソードの1つのインサイドストーリー的な位置付けだが、実際には作中の記述と矛盾している。
- ^ クリエイト・ブアウ・ゾンビ。この他にも習得している遺失呪文は多いと思われる。
- 1 新ソード・ワールドRPGリプレイとは
- 2 新ソード・ワールドRPGリプレイの概要
- 3 あらすじ
- 4 作品一覧
- 5 ドラマCD
へっぽこーず(プレイヤーキャラクター)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/24 23:11 UTC 版)
「新ソード・ワールドRPGリプレイ」の記事における「へっぽこーず(プレイヤーキャラクター)」の解説
「へっぽこーず」はあくまでGMや読者にとっての呼称であって、劇中でイリーナ達がそう呼ばれた事はない。なお途中でメンバー交代し、ガルガドとノリスが抜け、エキューとバスが加入してからは「ネオ・へっぽこーず」と呼ばれる事もあった。 イリーナ・フォウリー PC作成時の人間の筋力の上限値である24の筋力を持つ、ファリスの神官戦士の少女。パーティの主戦力にして前衛の壁。「ファリスの猛女」の異名を持つ。 ヒースクリフ・セイバーヘーゲン(ヒース) 皮肉屋、法螺吹き、見栄っ張り、他人をおちょくる事が趣味の傍若無人な魔術師。イリーナとは母親同士が友人だったため、幼馴染の関係にある。 マウナ・ガジュマ 父親がエルフのハーフエルフの精霊使いで、狩人としての能力も有する。リプレイ開始時の年齢は20歳。ハーフエルフという事で住んでいた村では冷遇されていた。養ってくれていた祖父が亡くなった後に旅に出て、行き倒れそうになった所で、冒険者の店《青い小鳩亭》に転がり込み、そこでイリーナ達と知り合った。冒険者の店が儲かる事を知り、住み込みで《青い小鳩亭》でウェイトレスをしながら、店の主人夫婦であるガーディとシャナの養女となるチャンスを狙っていた。そしてリプレイ第4巻最後の事件をきっかけに、念願叶って養女となった。以後は当初の打算を抜きにして、実の家族同然の絆を結んでいった。またこの事件の時、夫婦の甥である冒険者クラウスと知り合った。ヒースとイリーナの差し金で彼とくっつけられそうになるが、以後のリプレイおよび小説での描写を見る限り、本人達も満更ではない様子である。さらに新しく仲間に加わった精霊使いの軽戦士エキューからも、エルフの血を引き、尖り耳を持つため積極的に言い寄られているが、エキューについては節操の無い態度に辟易しており、まともに相手にはしていない。 リプレイ開始時の所持金の極度な少なさから、とにかく貧乏性で小金に拘る性格という設定になった。また冒険者になる以前、ノリスの父親と出会ったのがきっかけで、共通語魔法(コモン・ルーン)の1つである発火の魔法「ティンダー」に執着するようになった。この性格に付け込まれ、マルチ商法まがいの詐欺に遭い、以後は、これをネタにヒースからたびたびからかわれた。ただしそれ以外では、パーティ内では常識的な人物である。女性同士という事からかイリーナと仲が良く、ヒースの傍若無人な言動に対して一緒に突っ込む事が多い。リプレイ後半では、腐女子的な一面ものぞかせている。 精霊使いとしては天才的な資質を持っており、通常は1年以上かかる精霊の制御の基礎訓練を全く行わず、怒りの感情の爆発だけで精霊魔法のコツを掴んでしまった。ただし、通常の精霊使いが修行の間に習得している筈の基礎知識を欠いているなど、偏りがある。このためか同じ精霊使いであるエキューが仲間になった後は、自らの精霊使いとしての実力にしばしば悩んでいた。 名前の由来は「マウナケア火山」と「ガジュマル」から。挿絵ではほぼ毎回髪型が異なっている。さらに後半では胸が強調されるようになった。挿絵を担当した浜田よしかづの話では、これはパーティ内のもう1人の女性、イリーナとの差別化をはかるためであったとのこと。 ガルガド 戦神マイリーに仕えるドワーフの神官戦士。リプレイ開始時の年齢は36歳と、ドワーフとしては若僧である。本人の話によると、以前は血気盛んな所も有ったと言うが、外見・内面ともに落ち着き老成した雰囲気を持つ。出身や家族構成、神殿に入った事情などは作中で語られなかったため不明である。オーファンの刑法に通じており、冒険の心得も有る。偶然知り合った駆け出し冒険者イリーナ達のあまりの素人ぶりが放って置けず、これを「彼らを一人前に鍛え上げよ」というマイリーの試練だろうと考え、彼らの仲間になった。その落ち着いた言動と、プリーストとしての支援能力から、暴走しがちなパーティの押さえ役・縁の下の力持ちとして振る舞い、ヒースからは「おやっさん」と呼ばれるなど、仲間達から非常に頼りにされている。 冒険開始時は仲間達の未熟さに常に振り回され、気苦労が絶えなかった。特に盗賊であるノリスには、あまりのへっぽこぶりから彼をクソガキ呼ばわりし、優秀な盗賊とのトレードを半ば本気で考えたりもしていた。しかしノリスが一念発起して、自分を鍛えるため1人で旅に出ようとすると、彼の成長を助けるため、パーティを離れ、彼と旅をする決断をした。その際、知り合いであるバスを代わりのシーフとしてパーティに紹介した。その後はノリスと2人で各地を巡ったものの、ある陰謀に巻き込まれ、紆余曲折を経てパーティに復帰した。 ただし、実際のプレイヤーは駄洒落好きだと後に明かされている。キャラクターのイメージにそぐわないため、作中では省略されたが、度々その種の発言が有ったようである。プレイヤーの駄洒落好きは、リプレイ最終巻でガルガドのプレイヤーがクラウスを動かしていた時に垣間見える。 ノリス・ウェストイック 祈祷や占い、薬の調合などで生計を立ててきた呪術士(ウィッチドクター)の出身から、精霊魔法を操る盗賊の少年。天性のトラブルメーカで、パーティきってのへっぽこぶりを示す。特技は女装で、女装時はノリーナと呼ばれる場合がある。 第4巻にてダイス目が振るわず死亡したものの、ガルガドのつてで復活した。 エキュー 傭兵を両親に持ち、自らも6歳から15歳までを傭兵として過ごした戦士兼精霊使いの少年。パーティ主戦力であるイリーナとは正反対の軽戦士タイプで、器用度・敏捷度・知力に優れ、筋力は13と平均よりやや低い。幼少時にエルフの女性であるシルヴァーナに出会ってから、重度のエルフ好きとなり、自らもエルフに近付くべくシャーマン技能を強化している。リプレイ第4巻で死亡したノリス復活の費用のため、所持金の全てを失ったマウナ達へっぽこーずの窮状を見かねて仲間に加わった。リプレイ参加後は、シャーマン技能をひたすら伸ばし、武器である槍と精霊魔法を併用して戦う。 親子関係を隠すため、両親を名前で呼ぶほどのシビアな環境で育った影響から、乾いた死生観を持ち、戦闘時には冷静で的確な判断を下す。他人を疑い過ぎる節もあり、自分達を訪ねてきた子供の顔を問答無用でつねった事がある。冷徹な性格の一方で、異常とも言えるエルフ、特にその尖った耳に過剰な愛情を注ぎ、エルフ(ダークエルフを含む)やハーフエルフが絡むと冷静さを失う。仲間であるハーフエルフのマウナには、たびたび求愛しているが、尖り耳なら誰でも良いと言わんばかりの普段の言動から、ほとんど相手にされていない。マウナの恋人候補であるクラウスを一方的にライバル視しているが、自身の言動のせいで大きく水を開けられている。またプレイヤーも認めているが、ヒースとは性格が合わないらしく、彼に対する態度はかなり冷たい。ただし性格が合わない相手でもやり遂げた仕事は評価し、クラウスがレッサー・バンパイアに襲われたレイカの村人を避難させたり、ヒースが死亡したイリーナ復活のために奔走した時には、彼らをきちんと労っている。 コミック版ではだいぶ円い性格にされており、ヒースとも特に反目してはいない。また、たびたび女装させられ、その際にはエキューナとも呼ばれる。 名前の由来は『カルバニア物語』の女主人公、エキュー・タンタロットから。 バス 45歳のドワーフながら、盗賊兼吟遊詩人兼神官と様々な技能を有する。パーティーを抜けたノリスの代わりとして、ガルガドから紹介され、へっぽこーずに加入した。その際の名目は「優秀な盗賊」としてである。しかしドワーフは一般的に敏捷度と知力に乏しく、これらの能力が高い方が有利な盗賊であるドワーフは珍しい。バスの盗賊としての能力は脱退前のノリスと大差ないものの、吟遊詩人(バード)の技能で簡単に金を稼げるため、パーティーの金づるとして受け入れられた。 芸術神ヴェーナーを信仰し、自分は盗賊ではなくアーティストだと公言する。飄々とした性格で、いざという時は「歌に残すために私1人でも逃げ延びる」という、やや傍観者的立場を取る場合もある。戦闘時にはバードの特技である呪歌を大いに活用し、パーティのサポート的な立場に立つ事が多い。時には裏技的な戦法を提案してGMの思惑を外すなど、戦術的に鋭い指摘も見られる。 前述の通り、ガルガドの紹介でパーティに入ったので、ガルガドとは何らかの関わりがあると思われるものの、2人が知り合った経緯は不明である。パーティに加わる以前の過去については、本人が多く語らないのをモットーとしているため、あまりよく知られていない。小説版での本人の告白によると、冒険者になる前は、悪党達と盗みや詐欺を働いていたらしい。その後足を洗って冒険者となったが、ある遺跡の探検で自分1人を残して仲間が全滅してしまった。その時「戦いで散りゆく仲間たちの姿を語り継がねばならない」という使命から、ヴェーナーの啓示を受け、もっぱら悲劇の歌を作る芸術家となったと言う。しかし、とぼけた所がある男だけに、どこまで真実かは不明である。現在は「ファリスの猛女」ことイリーナの英雄譚を語り継ぐ事を、自らの生き甲斐としている。
※この「へっぽこーず(プレイヤーキャラクター)」の解説は、「新ソード・ワールドRPGリプレイ」の解説の一部です。
「へっぽこーず(プレイヤーキャラクター)」を含む「新ソード・ワールドRPGリプレイ」の記事については、「新ソード・ワールドRPGリプレイ」の概要を参照ください。
- へっぽこーずのページへのリンク