温室とは? わかりやすく解説

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おん‐しつ〔ヲン‐〕【温室】

読み方:おんしつ

内部温度一定保てるように設備したガラスビニール張り建物。《 冬》

「温室」に似た言葉

うんしつ 【温室】

昔、仏教寺院設けられ浴室をいう。ユヤとも読んだ病人貧窮者に開放した。洗浴の功徳説いた温室洗浴衆僧経』がある。

温室

作者東範子

収載図書かえり坂
出版社近代文芸社
刊行年月1993.12


温室

作者藤村裕香

収載図書ブラディ鬼退治シリーズ 2
出版社二見書房
刊行年月1999.10
シリーズ名二見シャレード文庫


温室

作者安懷南

収載図書近代朝鮮文学日本語作品集19391945 創作篇 3
出版社緑蔭書房
刊行年月2001.12


温室

熱帯亜熱帯生まれの、寒さに弱い植物を、冬期低温から守るために、内部温度高められるようにした入れ物冬期暖房器具を必要とする。(greenhouseglasshouse) ⇔冷室
さまざまな種類ラン栽培している温室を「雑居温室」という。
温室の利点
居宅室内比べ水やりしやすいなど、管理作業しやすい
居宅室内比べ日光充分当てられる
居宅室内比べ温度湿度保ちやすい。
温室の種類
①温室の設置場所による分類
独立温室、サンルーム型温室
②温室の屋根型式による分類
屋根型、スリークォーター型(3/4式、半片屋根型)、片屋根型、
③温室の床の型式による分類
地上型標準型)、腰高型、掘り下げ式(半地下型)、地下型。
④温室の構造材による分類
木造温室、鉄骨温室、アルミニウム温室。
⑤温室の被覆材による分類
ガラス温室、ビニール温室、ポリカーボネート温室、アクリル温室、硬質ビニール温室、ファイロン温室。
⑥温室の広さによる分類
小型温室(1~3坪)、中型温室(4~10坪)、大型温室(10坪以上)
※『温室&サンルーム園芸を楽しむ本』(江尻光一監修主婦と生活社)に詳しく説明されている。

温室

読み方:オンシツ(onshitsu)

室内温度高め設備のあるガラス張りなどの建物

季節

分類 人事


温室

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/01/03 19:41 UTC 版)

花博記念公園鶴見緑地咲くやこの花館の温室

温室(おんしつ)とは、内部の温度を一定に保てるようにしたガラスプラスチックフィルムなどで作られた建物。多くの場合、温度を上げることで、農家が農作物を栽培するために使用する他、植物園で暖かい地方の植物を展示・研究するのに利用される[1]

日本では、木や障子紙などで作られたものを暖室(おかむろ)や唐室(とうむろ)という。

歴史

イギリス、キューガーデン内で最大の大きさの温室テンペレイトハウス英語版

前漢の第10代皇帝元帝によって南陽郡太守にも任じられた召信臣中国語版は、年号竟寧(紀元前33年)代に宮廷内で使う武具や芸術等とともに、季節に外れた野菜を育てて食べるのは健康に悪いとして温室で使う燃料を削減するように上奏している[2]。日本ではから伝来した「唐むろ」を改良して慶長年間に温室の一種が利用された[3]

ヨーロッパでは、紀元前1世紀のローマ時代の皇帝ティベリウスが毎日アルメニアキュウリ英語版を食していた記録がある[4]。『博物誌』を著したプリニウスによれば、きゅうりの苗はカートに入れられ、太陽が当たる日は外に置かれ、夜などは暖かい家に入れられた。この家は specularia という油を塗った布、透明石膏(ラテン語:Lapis specularis)の板で作られたと記述されている[5][6]

ガラスの生産技術が向上した17世紀以降になると、ヨーロッパの上流階級の間で熱帯の果物を育てるオランジェリー、野菜などを育てるウィンターガーデン (温室)英語版というような温室を建てるのが流行となった。そういった建物で有名なのは、世界遺産ともなったイギリスの王立植物園キューガーデン、ベルギーのラーケン王宮温室英語版、フランスのベルサイユ・オランジェリー英語版などがある。その後、徐々に植物学者を抱える大学などにも建設されるようになった。イギリスで最初に導入したのは、チェルシー薬草園で1681年には完成していた[7]

日本史
慶長年間(1596-1614年)に、静岡県の三保で紙などで覆って促成栽培をしようという試みがされた。寛政年間(1789-1800年)には、江戸近郊の砂村で浅草紙(鼻紙・トイレットペーパーのようなもの)で幼苗を覆い促成栽培した記録がある[8]
日本で最初のガラスを使った温室は、1870年に東京青山の開拓使官園に設置されたものである[9]。1890年代にフランスにも留学していた宮廷園芸技師・農学者福羽逸人が木のフレームにガラス障子を覆う方法を導入した。従来の油障子を使う方法より優れていたため普及するようになった[8]
ビニールを使う試みは昭和26年頃から行われ、従来の油紙などにかわり昭和30年(1955年)から実用化された。ただ、この頃はビニールハウスなどなく、より小型で毎にビニールで覆うトンネル栽培英語版である。トンネルを大型にした方が、燃費や設置費用が高くなるが、雨天でも作業が行え保温性能も高くなることからビニールハウスが実用化された[8]

種類

フィンランド、ナルピオの温室のサーマルライト。

素材

  • ガラス室
温室用ガラスサイズの規格として、Dutch Lightと呼ばれるものが伝統的に存在する。大きさとしては、730mm x 1422 mmである。
  • アクリル温室
  • ビニールハウス(プラスチックハウス)
  • ペーパーハウス(障子製)

形状

  • パイプ型
  • リッチェル型(richel)
  • フェンロ型(venlo)、ダッチライト型

その他

  • フルオープン
  • 空気膜2重被覆
  • 唐むろ英語版(もしくはhotbox、Hotbed、暖室)
箱型の温室。箱型の温室(唐むろ、暖室)は、江戸時代天保中ごろに書かれた金生樹譜別録にも書かれており、開閉する天井部は障子紙となっており、風のある日は中に入れ、さらに毛氈(もうせん、フェルト)をかけて保温する様子も書かれている[10]

農業

H鋼等の強固な鋼材を使用し、その外面をガラスで被覆した構造をとる。基本的には間口が8m~14mぐらいある大屋根型が多いが、屋根部がノコギリの刃のように細かく並んだフェンロータイプとされるものもあり、どちらも一定の間隔で奥行き方向に柱を建ててゆくことで、奥行きの長さを自由に決めることができる。このほかに、農業用ポリ塩化ビニル(農ビ)や、農業用ポリオレフィン(POフィルム)、十数年の耐候性のあるフッ素フィルム(硬質フィルム)を被覆するハウスもあるが、これらはプラスチックハウス(ビニールハウス)と呼称され、一般的にはガラスを被覆した栽培施設のことを温室という[11]

中華人民共和国北部では、太陽温室(日光温室)と呼ばれる蓄熱壁(トロンブ壁)を持つ無加温温室が普及している。ソーラーハウスを参照。

植物園

東山動植物園温室(2011年10月)

東京府青山開拓使農園(明治3年)の温室が、日本で初めてのガラス製の温室である。現存している温室で最古のものは、東山動植物園の温室(国の重要文化財)である[12]。多くの植物園では熱帯地方や乾燥帯地方の植物を展示するために温室を設けている。また、熱帯をテーマにしたもっぱら娯楽のためのテーマパークも設けられ、そのような施設では植物をただ展示するだけではなく、ワニヘビ等を飼育していることもある[注釈 1]

脚注

注釈

  1. ^ 一例として、熱川バナナワニ園

出典

  1. ^ 平野恵 (2013-02-03). “遺伝学”. 東京人 (都市出版) 321: 48-50. 
  2. ^ 漢書』列伝59 循吏伝
  3. ^ 平野恵 (2010-10-01). 温室. 法政大学出版局 
  4. ^ Janick, J; Paris, HS; Parrish, DC (2007). “The Cucurbits of Mediterranean Antiquity: Identification of Taxa from Ancient Images and Descriptions”. Annals of Botany 100 (7): 1441–1457. doi:10.1093/aob/mcm242. PMC 2759226. PMID 17932073. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2759226/. 
  5. ^ Note:
    • Pliny the Elder with John Bostock and H. T. Riley, trans., Natural History (London, England: Henry G. Bohn, 1856), vol. 4, book 19, chapter 23: "Vegetables of a cartilaginous nature – cucumbers. Pepones.", p. 156.
    • The Roman poet Martial also briefly mentions greenhouses or cold frames in: Martial with Walter C. A. Ker, trans., Epigrams (London: William Heinemann, 1920), vol. 2, book 8 (VIII ), no. 14 (XIV), p. 13.
  6. ^ rogue classicism: Roman Greenhouses? Cartilaginum generis extraque terram est cucumis mira voluptate Tiberio principi expetitus Nullo quippe non die contigit ei pensiles eorum hortos promoventibus in solem rotis olitoribus rursusque hibernis diebus intra specularium munimenta revocantibus
  7. ^ Minter, Sue (2003). The Apothecaries' Garden. p. 4. ISBN 978-0750936385 
  8. ^ a b c 清水茂「1. 施設園芸と気象[ソ菜]」『農業気象』第20巻第2号、日本農業気象学会、1964年、69-73頁、doi:10.2480/agrmet.20.69ISSN 0021-8588NAID 130003664874 
  9. ^ 温室 コトバンク
  10. ^ 金生樹譜別録 3巻上巻 コマ番号:21-22 doi:10.11501/2556746
  11. ^ 農業施設学会 (2012年9月15日). よくわかる農業施設用語解説集. 筑波書房.
  12. ^ 高田京子、滝澤謙一『ニッポン最古巡礼』新潮社

関連項目

農業用保温法
  • マルチング - 土壌の上に黒いビニールをかぶせ、穴をあけて苗を植える。保温・雑草対策・乾燥防止・防虫・病気予防などの効果がある。

外部リンク


温室

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2014/10/22 21:11 UTC 版)

アメリカ植物庭園」の記事における「温室」の解説

園内の温室はそれぞれ、「ガーデン・コート」、「希少種絶滅危惧種」、「植物探検」、「園」、「薬用植物」、「砂漠」、「オアシス」、「原始庭園」、「環境適応植物」、「ジャングル」の10個ある「部屋」と、「こども庭園」、「瞑想中庭Southern Exposure南向き)」の2つ中庭構成されている。こうした数々部屋独特な植物強調している他、植物庭園目指す目標を示すものでもある。園内で最も広い区域ジャングル部屋であり、上部を覆う樹木林冠が下からも上からも見えるよう2階通路設けられている。 また園内エアコン設備がなく、オアシス部分管理室保護している。各部屋はコンピューターによって制御されているセンサーによって、室内環境植物にとって最善の状態に保たれるよう厳重に監視されている。湿度日光及び気温散布させるシステムや、収縮可能なブラインド、動く窓により調整されている。更に園内にある全植物は、人の手によって給水されている。

※この「温室」の解説は、「アメリカ植物庭園」の解説の一部です。
「温室」を含む「アメリカ植物庭園」の記事については、「アメリカ植物庭園」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「温室」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ

温室

出典:『Wiktionary』 (2021/06/26 03:15 UTC 版)

名詞

おんしつ

  1. 植物栽培するなどの目的保温設備をした建物

関連語

翻訳


「温室」の例文・使い方・用例・文例

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