庭
坪庭
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/01 06:36 UTC 版)
坪庭とは、主に京都の町家に見られる1~2坪ほどの小さな庭を指す。家が密接する町家の構造は採光や通風、換気の問題が生じるため、解決方法として隣家との間に家の一部を切り取ったような裏庭を設け、坪庭と呼んだ。「坪」の由来は、平安時代の寝殿造に見られた「壺」と呼ばれる建物に囲まれた前庭であると言われている。坪庭は町家建築が発達する近世前期に生まれた。平安時代の町割りでは、家同士の裏庭は境のない共有スペースだったが、室町時代頃から徐々に塀などで境界を隔てるようになった。 坪庭には灯籠や飛び石など、茶室の庭先と共通するアイテムが配置される場合が多く、その造園思想は茶庭から取り入れられたと考えられる。借景の余地のない坪庭の作庭には、家の中の様々なアングルからの鑑賞を考慮することが求められたが、従来の庭園形式に囚われない自由さもあった。 現代においては、換気や通風といった実用面よりも、その小規模さが日本の住宅事情とマッチしており、気軽な作庭が楽しめることで人気を集めている。
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