インスリン(インシュリン)は膵臓から分泌されるホルモンの一種です。膵臓にはランゲルハンス島と呼ばれる細胞の集まりがあり、その中のベータ細胞から分泌されます。
食後に血糖値(血液中のブドウ糖濃度)が上昇すると、それに反応して膵臓からインスリンが分泌されます。細胞の表面にはインスリン受容体があり、インスリンがこの受容体に結合することで、細胞は血液中のブドウ糖をとりこみ、エネルギー源として利用します。余ったブドウ糖はグリコーゲンや中性脂肪に合成され、たくわえられますが、その合成を促進するのもインスリンの働きです。
このように、血糖値を下げる働きをするホルモンはインスリンだけです。糖尿病の予防には、食後の急激な血糖値の上昇を抑え、インスリンの分泌を節約することが大切です。
最近、わが国の糖尿病人口が急増している理由として、日本人は欧米人に比べてインスリン分泌予備能が低く、早期に分泌能が低下してくることが指摘されていますが、過栄養と運動不足による肥満やメタボリックシンドロームの増加により、インスリンの感受性が低下し、インスリン抵抗性から血糖調節のためのインスリン必要量が増加していることを忘れてはなりません。
インシュリン【insulin】
読み方:いんしゅりん
⇒インスリン
インスリン【insulin】
インスリン
酵素タンパク質モチーフなど: | イニシエータータンパク質 イノシトールリン脂質ホスファターゼ イノシトール三リン酸受容体 インスリン インスリン分泌活性化タンパク質 インスリン受容体 インスリン受容体ファミリー |
インスリン
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インスリン
別名:インシュリン
【英】:insulin
インスリン
インスリン
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インスリン(Insulin, 英語: [ˈɪn.sjʊ.lɪn, ˈɪnsəlɪn][5][6])とは、膵臓のβ細胞で産生されるペプチドホルモンである。血中グルコースの肝臓、脂肪細胞、骨格筋細胞への取り込みを促進し、炭水化物、タンパク質、脂肪の代謝を調節する[7]。
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- 1 インスリンとは
- 2 インスリンの概要
- 3 物性
- 4 日本での歴史
- 5 ノーベル賞
- 6 資料
インスリン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/11 07:48 UTC 版)
「からだサポート研究所 糖尿病編」の記事における「インスリン」の解説
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インスリン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/16 15:23 UTC 版)
我々が食事を行うと血中のグルコース濃度が上昇し、それを感知した膵臓からインスリンが血流へ放出される。インスリンは膵臓のβ細胞に貯蔵されている。β細胞の細胞膜には常にGLUT2が存在しており、血中のグルコースを取り込んでいる。血中のグルコース濃度が上昇すると、β細胞に取り込まれるグルコースの量が増加するので、これによってβ細胞内ではエネルギーを多く獲得できたことで、β細胞内でシグナル伝達が開始され、β細胞内の小胞に貯蔵されていたインスリンが血流へと放出される。血中のインスリン濃度の上昇は、全身の細胞でグルコースの取り込みの促進を引き起こす。血中のインスリン濃度が低い時には、筋細胞や脂肪細胞のGLUT4のほとんどは細胞内の小胞へ隔離されているが、細胞膜上の受容体にインスリンが結合すると、小胞は細胞膜と融合し、GLUT4は細胞膜へ挿入されてグルコースを輸送できるようになり、細胞内へのグルコースの取り込み量が増加する。 GLUT4が関与する機構はカスケード反応の1例であり、リガンドの膜受容体への結合によりシグナルが増幅され、細胞の反応が引き起こされる。この場合、インスリンがインスリン受容体に結合し、インスリン受容体が2量体になると、受容体のチロシンキナーゼの部分が活性化される。インスリン受容体はインスリン受容体基質 (IRS1) を活性化し、IRS1はPI3キナーゼに結合する。PI3キナーゼは膜脂質PIP2をPIP3に変換する。PIP3はプロテインキナーゼB (PKB) とPDK1によって特異的に認識され、PKBをリン酸化して活性化する。リン酸化が起こるとPKBは活性型となり、TBC1D4(英語版)をリン酸化して、そのGTPアーゼ活性化ドメインを阻害する。GTPアーゼ活性化ドメインはGタンパク質Rab(英語版)をGTP結合型からGDP結合型へ変化させるため、このドメインの阻害によってRabの活性型が維持されることとなり、GLUT4の細胞膜上での発現が促進される。 RAC1もインスリンによって活性化されるGTPアーゼである。Rac1は表層アクチン繊維の再構成を促進し、GLUT4小胞の細胞膜への挿入を可能にする。RAC1のノックアウトマウスでは、筋組織でのグルコースの取り込みが減少する。 GLUT4のヘテロ接合型ノックアウトマウスは、糖尿病を発症すると共に、筋肉でのインスリン抵抗性が生じる。
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インスリン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/19 00:50 UTC 版)
インスリン(Insulin)とは、膵臓のβ細胞で産生されるペプチドホルモンである。血中を流れるブドウ糖が、肝臓、脂肪細胞、骨格筋細胞に取り込まれるよう促し、炭水化物、タンパク質、脂肪の代謝を調節する。これらの細胞に取り込まれたブドウ糖は、グリコーゲン(Glycogen)に合成されるか、脂肪生成作業(Lipogenesis)を経て中性脂肪に合成される。肝臓においては、グリコーゲンと脂肪の両方に合成される。肝臓ではグリコーゲンの分解に伴うブドウ糖の生成作業(糖新生)と分泌が起こるが、血中のインスリン濃度が高いとき、これは強力に阻害される。血中を循環するインスリンは、身体のさまざまな組織におけるタンパク質の合成にも影響を及ぼし、血液中の小分子から細胞内の大分子への変換も促進する。 血中のインスリン濃度が低いとき、全身の体脂肪で異化作用が起こる。β細胞は血糖値に非常に敏感であり、高濃度のブドウ糖に反応する形でインスリンを分泌させ、逆に血糖値が低いときには、インスリンの分泌を阻害する。インスリンは細胞内へのブドウ糖の吸収およびブドウ糖による代謝を促し、それに伴って血糖値は低下する。β細胞に隣接するα細胞は、β細胞からの信号を受けて、インスリンの時とは逆のやり方でグルカゴン(Glucagon)を分泌し、血中に解き放つ。血糖値が低いとき、血中のグルカゴンの濃度は上昇し、インスリンの分泌は阻害され、血糖値が高いとグルカゴンの分泌は阻害される。分泌されたグルカゴンは、肝臓におけるグリコーゲンの分解および糖新生を刺激し、それによって血糖値が上昇する。血糖値に反応する形でのインスリンとグルカゴンの分泌は、ブドウ糖の恒常性維持機能における重要機構である。インスリンは身体における同化作用を持つホルモンとみなされている。 インスリンの活性の低下やインスリンの欠如は、血糖値の制御が不能となる糖尿病を惹き起こす。糖尿病には「1型」と「2型」の2種類がある。前者では自己免疫反応によってβ細胞が破壊されており、インスリンの合成機能は失われ、インスリンが血中に分泌されなくなる。後者においては、β細胞の破壊は1型に比べると際立ってはおらず、自己免疫反応によるものとは異なる。膵臓のランゲルハンス島の内部にアミロイド(Amyloid)が蓄積していき、身体の生理機能を壊滅させる可能性がある。糖尿病に関しては、膵臓のβ細胞の縮小、β細胞からのホルモンの分泌機能の低下、末梢組織で起こりつつあるインスリン抵抗性(Insulin Resistance)が関与していることが分かっている。2型糖尿病においては、グルカゴンの分泌量が増加する(グルカゴンは血糖値には反応しない)が、インスリンは血糖値に反応して分泌される。
※この「インスリン」の解説は、「高血糖症」の解説の一部です。
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