インスリンの作用機序
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/07 21:46 UTC 版)
インスリンは細胞膜にあるインスリン受容体に結合する。 インスリン受容体は、インスリンが結合するとチロシンキナーゼとして活性化し、細胞質内のIRS-1 (Insulin Receptor Substrate-1) がリン酸化される。 IRS-1→PI3キナーゼ(ホスファチジルイノシトール3キナーゼ)→PKB(プロテインキナーゼB)と信号が伝達され、細胞質のGLUT-4(GLUcose Transporter-4)が細胞表面へ浮上する。 GLUT-4はグルコースをカリウムとともに血中から細胞内へ取り込む。例えばGLUT-4が多く存在する脂肪細胞に取り込まれたグルコースは細胞中で中性脂肪へ変換、蓄積される。 インスリンにより交感神経系が刺激され、Na+/H+交換輸送体機能が亢進し、尿細管でのNa+再吸収が増加して、体内のNa+量と水分量が増加して、高血圧や浮腫を来たす。インスリンは腎の近位尿細管細胞にあるNa+依存性モノカルボン酸トランスポーター(SMCT1)に作用し、Na+の再吸収を亢進させる。
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