カネカとは? わかりやすく解説

カネカ

(鐘淵化学 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/27 12:49 UTC 版)

株式会社カネカ
KANEKA CORPORATION


大阪本社


東京本社
種類 株式会社
市場情報
東証プライム 4118
1949年10月31日上場
名証プレミア 4118
2022年6月11日上場廃止
大証1部(廃止) 4118
1949年10月31日 - 2013年7月15日
本社所在地 日本
大阪本社 530-8288
大阪市北区中之島2丁目3-18
中之島フェスティバルタワー
東京本社 107-6028
東京都港区赤坂1丁目12-32
アーク森ビル
本店所在地 530-8288
大阪市北区中之島2丁目3-18
中之島フェスティバルタワー
設立 1949年昭和24年)9月1日
(鐘淵化学工業株式会社)
業種 化学
法人番号 8120001059628
事業内容 化成品、機能性樹脂、発泡樹脂製品、食品、医薬品、医療機器、電子材料、太陽電池、合成繊維などの製造及び販売。建築工法のライセンス及び建築資材の販売。
代表者 菅原公一代表取締役会長
藤井一彦(代表取締役社長
資本金 330億46百万円
発行済株式総数 68,000,000株 [1]
売上高 連結: 8072億円
(2025/3月期)
営業利益 連結: 400.50億円
(2025/3月期)
経常利益 連結: 328.63億円
(2025/3月期)
純資産 連結: 4924.19億円
(2025/3月期)
総資産 連結: 9201.43億円
(2025/3月期)
従業員数 (連結)11,272名
(単独)3,551名
(2021年3月31日現在)
決算期 3月31日
主要株主 日本トラスティ・サービス信託銀行株式会社(信託口) 5.49%
日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口) 5.43%
日本生命保険相互会社 4.75%
株式会社三井住友銀行 4.71%
明治安田生命保険相互会社 4.30%
日本トラスティ・サービス信託銀行株式会社(信託口4) 4.07%
株式会社三菱UFJ銀行 3.52%
三井住友海上火災保険株式会社 3.21%
BNYMSANV AS AGENT/CLIENTS LUX UCITS NON TREATY1 2.33%
日本トラスティ・サービス信託銀行株式会社(信託口9) 2.08%
(2018年9月30日現在)[2]
外部リンク www.kaneka.co.jp
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株式会社カネカ: KANEKA CORPORATION)は、大阪市北区東京都港区に本社を置く、日本の大手総合化学メーカー

概要

化成品、機能性樹脂、発泡樹脂、食品、ライフサイエンスエレクトロニクス合成繊維、医薬品、医療機器事業を営む。また、コエンザイムQ10の原料を製造しており、資生堂薬品小林製薬DHCなど各社に供給している。

社名は前身企業である鐘淵紡績(後の鐘紡を経てクラシエカネボウ化粧品)の創業地である東京都墨田区鐘ヶ淵にちなむ。創業から1961年まで東京工場(鐘ヶ淵ではなく品川区大井に所在していたが現在は閉鎖)にて化粧品と医薬品を製造していた。

1960年代に製造・販売していたPCBが、カネミ倉庫株式会社においてライスオイルに混入・変質し、カネミ油症事件が発生[3]

三井文庫の賛助会社である三井グループの企業である一方[注 1][5]大和銀行(現・りそな銀行)が中心となって結成された企業グループ・大輪会にも加盟している[6]

沿革

  • 1949年 鐘淵紡績(のちのカネボウ)より分離され、資本金2億円で創立。東京証券取引所等に上場。
  • 1952年 溶液型塩化ビニル樹脂「カネビラック®」を開発
  • 1957年 アクリル系合成繊維「カネカロン®」を開発・高砂工業所で生産開始
  • 1961年 チョコレート用油脂「ベルコ®」を開発、高砂工業所で生産開始
  • 1964年 MBS樹脂「カネエース®B」を開発、高砂工業所で生産開始
  • 1965年 ビーズ法発泡ポリスチレン樹脂「カネパール®」を開発、高砂工業所で生産開始
  • 1967年 塩化ビニルペースト樹脂「カネビニール®ペースト」を開発、大阪工場で生産開始
  • 1968年 耐熱塩化ビニル樹脂「耐熱カネビニール®」を開発、大阪工場で生産開始
  • 1968年 カネミ油症事件が発生[3]
  • 1970年 カネカベルギー設立
  • 1971年 カネカアメリカ設立
  • 1973年 ビーズ法発泡ポリエチレン成形品「エペラン®」を開発、大阪工場で生産開始
  • 1973年 高分子複合磁性体「カネカフラックス®」を開発、滋賀工場で生産開始
  • 1974年 肝臓薬バルク「グルタチオン」を発酵法により開発、高砂工業所で生産開始
  • 1977年 代謝性強心剤バルク「ユビデカレノン(CoQ10)」を発酵法により開発、高砂工業所で生産開始
  • 1978年 鹿島工場に「カネライトフォーム®」製造設備完成・稼働、耐候性MMA系フィルム「サンデュレン®」を開発、大阪工場で生産開始
  • 1979年 変成シリコーンポリマー「KANEKA MS POLYMER®」を開発、高砂工業所で生産開始、カネパール畳(現:カネカケンテック)設立
  • 1982年 カネカテキサス(現:カネカノースアメリカ)設立
  • 1983年 アクリルシリコン系ポリマー「ゼムラック®」を開発、高砂工業所で生産開始
  • 1985年 ビーズ法発泡ポリプロピレン「エペラン-PP®」を開発、鹿島工場で生産開始
  • 1987年 カネカドイツ(現:カネカメディカルヨーロッパ)設立、宮城樹脂設立
  • 1989年 滋賀電子設立、アライドアピカル社(現:カネカノースアメリカ)設立
  • 1989年 射出成形用エンジニアリング樹脂「ハイパーライト®」を開発、大阪工場で生産開始
  • 1990年 カネカ東北建材(現:カネカケンテック)設立
  • 1993年 九州カネカロン・兼松・東洋紡の合弁で、南通昇陽毛紡有限公司を設立、カネカメディックス設立
  • 1994年 標津化成(現:カネカ北海道スチロール)設立、カネカファーマヨーロッパ(現:カネカメディカルヨーロッパ)設立
  • 1995年 北海道カネパール設立、カネカマレーシア設立、光学用透明フィルム「エルメック™」を企業化
  • 1995年 カネカエレクテック設立、カネカクリエイティブコンサルティング設立、カネカリサーチアソシエイツ設立
  • 1996年 カネカデラウエア設立、カネカプラスチックス設立、カネカエペラン設立
  • 1997年 カネカファーマアメリカ(現:カネカメディカルアメリカ)設立、九州カネライト設立
  • 1997年 カネカハイテックマテリアルズ(現:カネカノースアメリカ)を設立し、アライドアピカルの事業を引き継ぐ
  • 1998年 中国上海市に鐘化咨詢(上海)有限公司(現:鐘化貿易(上海)有限公司)設立
  • 1998年 アモルファスシリコン太陽電池を製造するカネカソーラーテックを設立、
  • 1999年 カネカペーストポリマー設立
  • 2000年 紋別化成(現:カネカ北海道スチロール紋別工場)設立
  • 2001年 カネカエペラン販売設立
  • 2002年 機能性食品素材「カネカ・コエンザイムQ10®」発売
  • 2003年 蛋白繊維を開発し、青島海華繊維有限公司設立
  • 2003年 蘇州愛培朗緩衝塑料有限公司(現:鐘化(蘇州)緩衝材料有限公司)設立
  • 2004年「鐘淵化学工業株式会社」から「株式会社カネカ」に商号変更
  • 2007年 カネカファーマベトナム(現:カネカメディカルベトナム)、KSSベトナム竣工稼動
  • 2008年 木造建築システム「ソーラーサーキット」部門を分社化し、すてきナイスグループ(現:ナイス㈱)と合弁会社「㈱ソーラーサーキットの家」設立
  • 2009年 鹿島工場において従業員1名が亡くなる爆発事故が発生。[7]
  • 2009年 ケイ・エム・トランスダーム設立
  • 2010年 ベルギーのバイオテクノロジー企業Eurogentec社(現:カネカユーロジェンテック)と資本提携
  • 2010年 有機EL照明デバイス事業を本格展開、OLED青森設立
  • 2010年 発泡樹脂製品部門の販売会社5社を3社に再編(羽根、カネカケンテック、カネカフォームプラスチックス)
  • 2010年 カネカイノベイティブファイバーズ設立、ジーンフロンティア設立
  • 2011年 カネカモディファイヤーズドイチュラント設立、台湾鐘化股份有限公司設立、カネカコリア設立
  • 2011年 鐘化(佛山)化工有限公司設立(現:鐘化(沸山)高性能材料有限公司)
  • 2012年 アジア統括会社として鐘化企業管理(上海)有限公司、および米州統括会社カネカアメリカズホールディング設立
  • 2012年 カネカアピカルマレーシア設立
  • 2013年 カネカサウスアメリカをブラジルに設立
  • 2013年 カネカフーズインドネシア 設立
  • 2015年 EMEA地域(欧州、中東、及び アフリカ)での事業展開を加速するために、欧州統括会社カネカヨーロッパホールディングカンパニーを設立
  • 2015年 カネカMSマレーシアを設立し、「KANEKA MS POLYMER®」の生産設備を新設
  • 2015年 カネカタイランド設立
  • 2016年 セメダイン株式会社の株式を取得、連結子会社化
  • 2017年 米国複合材用樹脂配合メーカー(現カネカエアロスペースLLC)を買収、カネカ北海道を設立
  • 2018年 ヘンケル社の航空機用複合材事業を買収
  • 2021年 鹿島アントラーズとオフィシャルパートナー契約を締結
  • 2022年 セメダイン株式会社を完全子会社化
  • 2023年 株式会社日本医療機器技研を完全子会社化

歴代社長

氏名 在任期間 出身校
1 中司清 1949年6月 - 1969年5月 慶應義塾大学経済学部
2 井上徳治 1969年5月 - 1974年11月 慶應義塾大学経済学部
3 大沢孝 1974年11月 - 1978年11月 慶應義塾大学経済学部
4 高田敞 1978年11月 - 1984年11月 慶應義塾大学法学部
5 新納真人 1984年11月 - 1989年6月 慶應義塾大学経済学部
6 舘糾 1989年6月 - 1994年6月 京都大学農学部
7 古田武 1994年6月 - 1999年6月 関西学院大学経済学部
8 武田正利 1999年6月 - 2005年6月 慶應義塾大学法学部
9 大西正躬 2005年6月 - 2008年4月 大阪大学理学部大学院
10 菅原公一 2008年4月 - 2014年4月 早稲田大学法学部
11 角倉護 2014年4月 - 2020年4月 京都大学大学院工学研究科
12 田中稔 2020年4月 - 2024年4月 神戸大学経済学部
13 藤井一彦 2024年4月 - 現職 立教大学経済学部

旧カネボウとの関係

1949年9月1日、鐘淵紡績株式会社の企業再建整備計画の認可に基づき、同社の非繊維事業すべてを分離して鐘淵化学工業株式会社が新しく設立された。当時から略称は現社名の「カネカ」で、ロゴも親会社の略称である「カネボウ」と共通のデザインを使用。当初は苛性ソーダ、搾油、食用油酵母食品類、製紙和紙エナメル電線、デンプン等きわめて多岐な事業を営んでいた。1961年まで化粧品1971年まで石鹸シャンプー類を製造販売していたが、化粧品・石鹸事業とも鐘紡本体に買い戻され両事業を手放す。そしてプラスチック素材および化成品、食用油・食品、酵母以外の事業・製造拠点をともに順次整理して現在に至る。

現在はカネカ・クラシエホールディングスカネボウ化粧品の三社間に資本関係・人的関係は無い。コエンザイムQ10の供給に関しても、クラシエやカネボウ化粧品ではなく、両社と競合関係にある資生堂グループと業務提携している。

事業所

主要グループ会社

関係会社:子会社112社(連結決算対象会社は国内45社、海外46社)

企業スポーツ

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広報活動

CMキャッチコピーは、
ガクで
ガイを
ナエル会社

脚注・出典

注釈

  1. ^ カネカが賛助会社に名を連ねている公益財団法人三井文庫の前身である財団法人三井文庫が三井グループ各社の支援を得て設立されたことから[4]、三井文庫の賛助会社は三井グループに属している。

出典

関連項目

外部リンク





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