鍵守と書架
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/16 14:16 UTC 版)
ヒューイ 声 - 小野大輔、少年時代 - 花澤香菜 黒の読姫の正統なる鍵守の後継者。 本作の主人公。本名はヒュー・アンソニー・ディスワード (Hugh Anthony Disward) 。初対面の者にはロード・ディスワードまたはディスワード卿と呼ばれることもある(ヒューイ本人が「(呼称は)ヒューイで構わない」という旨を名乗りと同時に相手に伝えるため、二度目以降はそれに準じた呼称になる)。 ウェズリー・ディスワードの孫。18、19歳ほどの青年。祖父の遺言で古けた屋敷と「ダンタリアンの書架」を引き継ぎ、ダリアンの世話を任された。革製のフロックコートを身にまとい、帽子をかぶっている。「ダンタリアンの書架」の鍵守。ダリアンによると鍵守とは「本に愛されている人間」であり、その恩恵で様々な幻書を読み説くことが可能で読み手に限りなく近い力を発揮し、その恩恵を使いこなすことが出来る。ウェズリーの孫であるためか神話や伝説について一定の知識を持ちあわせており、ダリアンが僅かながら認めるほど。性格は飄々としていて掴みどころがない印象だが、自分がどうなろうとも身内の不始末を自分で決着を付けようとする責任感が強い一面を持っており、幻書を利用して他者を傷つける者に対して静かに怒りを示すなど正義感が強く、それ故か時おり辛辣な言葉を吐きつける所もある。一方で戦争中一時期は荒んだ性格になっていた。幻書関係で様々な場所を奔走しているが、それ以外で働いている描写がなくコミック版ではダリアンから「ニート」と言われている(本人も「しばらくは祖父の遺産を食い潰しながら自堕落に過ごそうと思っていた」と言っている)。とはいえ時代背景を考えるにあたり、上流階級は貴族や領主としての義務は果たす(一応アニメではそれらしき描写も存在する)必要があるものの、基本的には経営業に関わっている場合を除いて働くことなどはない。作中の会話から戦争前は大学生であったことが察せられる。我が強いダリアンの世話をするなど面倒見が良く常識的なためか、作中で起きる様々な騒動に対して関わり苦労することが多い。ダリアンを連れて行動することが多いため、2人の関係を知らない人間からはよく「特殊な趣味の持ち主」と誤解されている。女性に対しても飄々とした態度を取っていることが多く、たびたび叔父や叔母からお見合いを勧められているが、本人は特にその気はないようである。 祖父の形見の大型な中折れ式の軍用回転式拳銃を扱うが「飛び道具は性に合わない」らしい。しかし傍目から見る限り銃の扱いに長けている。格闘術もある程度嗜んでおり、ハルの蹴りを受け止めたり、襲いかかってくる敵を組み伏せたりしている。頭の回転が速い上に咄嗟の判断力に優れ、危機的状況に陥っても動じず瞬時に打開策を取ることが出来る。遠出をする際は、軍下がりのボロ車を用いることが多い。フランとは気難しい相棒と組んでいるという共通点があるためか、密かにウマが合うようで楽しげに会話を交わしている。 3歳の時「ダンタリアンの書架」に迷い込んだことがあり、一晩中泣き続けていたらしい。そのとき書架にいた白い服の少女から鍵をもらい、彼女と友達になっていつか外に連れ出すという約束を交わしており、祖父の遺産を相続したことと、飛行機乗りであったのはその時の約束が含まれている。もらった鍵は当初はネックレスにして首にかけていたが、初めて書架を開いた後に右手と一体化した。それ以降は彼自身が「鍵」の役目を果たし、その証として赤い宝石が右手の手の甲に埋め込まれているため、人前では手袋をつけていることが多い。 一人称は「僕」だが、軍に入った直後は「俺」と名乗っていた。連合国側のパイロットで撃墜王になっているとのこと。最終階級は少尉。このことに触れられるのを快く思っておらず、「兵士だったのか」と言われると「飛行機乗りだ」と訂正し、撃墜王の話題になった時は怒りの表情を一瞬だけ浮かべた。 書架解放時の呪文は「我は問う、汝は人なりや?(I ask of thee Art thou mankind?)」 アニメでは設定年齢より容姿が若く見えるようにデザインされている。 ダリアン 声 - 沢城みゆき 本作のヒロイン。本名はダンタリアン (Dantalian) 。見た目は12、13歳くらいの容姿をしている。幻書の知識を持つ者には「黒の読姫」「悪魔のお姫様」と呼ばれる。また、自らを「壺中の天」と呼ぶ。 「ダンタリアンの書架」の管理者で、本と甘いもの(特に砂糖をまぶした揚げパン)をこよなく愛する黒衣の美少女。しかし、美貌に似合わぬ辛辣な物言いをしたり、他人に罵詈雑言を浴びせて人を困惑させる。ヒューイに無理を強いるわがままな一面も持つ一方で、人見知りが激しいなど少女らしい一面も併せ持っている。動物(特に犬、猫、馬など4足)、高い所、水、幽霊が苦手。人形めいた風貌をしており、喫茶店で椅子に座っている時は人形に間違われることが多々ある。「この世界には知るべきでない事がある」という言葉を口にし、時折全ての感情を排した表情を見せる。ヒューイとは初対面の際に辛辣な態度を取っていたが、不本意ながら鍵守として認め行動を共にすることになり、様々な場所で彼を振り回す。幼少期のヒューイと出会ったことがあるらしくその時に彼が自分と交わした「約束」を覚えていたことを喜んでいる素振りを見せたり、ヒューイが負傷した際は、負傷させた強盗の末路に「私のお気に入りに傷を付けたのだから自業自得」と言い切るなど所々で心を許している場面を見せる。また独占欲が強く、彼が他の女性に靡いていると嫉妬する一面を見せ不機嫌になることが多い。一方で、自身の幸福や孤独などの話題になると、一瞬だけ泣きだす寸前のような表情になることがある。 胸元には黒く、鈍く輝く錠前がある。これこそが「ダンタリアンの書架」の入り口こと「悪魔の叡智への扉」であり、ヒューイの持つ鍵で開くことができる。単独で幻書の力を発動することができるが、その力は弱く鍵守であるヒューイには到底及ばない。他の読姫達とは知り合いらしい。 作中で一時期愛読していた本の内容に男性同士の恋愛要素が含まれていたことがあるが「真実の愛を前にして性別など些末な問題に過ぎない」と肯定するような一面も見せる。 書架解放時の呪文は「否、我は天――壺中の天なり」で、さらに話によってはこの後に「――九十万と六百六十六の幻書を封印せし、迷宮の書架。叡智への扉は開かれり」と続く。 アニメでは錠前や衣装などのデザインが大きく変更された。「ダリアンDays」では自身の体型を気にしたり、遊園地を思いっきり楽しんだりするなど原作では見られない一面を見ることができる。 ハル 声 - 加藤将之 本名はハル・カムホート。年齢は20代後半。 「焚書官」「償いの書」「屋敷妖精の受難」「幻書泥棒」「楽園」「王の幻書」に登場。法衣に似た服を身につけ、先端に香炉を埋め込んだ身の丈よりも長い巨大な杖を持ち歩いているため、聖職者(神父)と間違えられることが多いが、実際は聖職者ではなく焚書官。サイドカーで移動していることが多い。 幻書を破壊することに強い執着心を抱いており、過去になんらかの因縁があることが推測される。常に苛立った顔をしており、そのことがフランにからかわれる一因になっていることに気付いていない模様。また、ヒューイからもたびたびうまくあしらわれてしまっている。なお、ヒューイのことは当初は「鍵守」と呼んでいたが、「王の幻書」の最後で「ディスワード」と呼ぶようになった。 バリツという東洋の格闘術を使うほか、先述の杖(スルトの災いの枝、災厄の杖)に幻書を装填し焚きつけにすることで魔力の炎を生み出す。 書架解放時の呪文は「"壊れた読姫"(ロング・ロスト・ライブラリ) フランベルシュ!我は問う、汝は人なりや? (ask of thee Art thou mankind?) 」 フラン 声 - 小清水亜美 本名はフランベルジュ (Flamberge) 。「焚書官」「償いの書」「幻書泥棒」「楽園」「王の幻書」に登場。 16、17歳くらいで、幻書の知識を持つ者には「銀の読姫」、またハルには「壊れた読姫(ロング・ロスト・ライブラリ)」と呼ばれる。自らを「堕ちた天」と呼ぶ。一人称は「オレ」。 ハルはフランに対し冷酷な態度を取ることが多く、フランを「ガラクタ」「木偶」などと呼ぶこともある。フラン自身はそんなハルに対しからかうような言動が多く、しゃべり方は男勝り。サイドカーに乗せられて移動することが多く、ゴーグルを付けている。 白髪に金の瞳で全身をすっぽりと覆う白い衣装を身につけており、その生地には動きを制限するように革のベルトが縫い付けられ、フランが自由に動かすことが出来るのは首から上と両腕の手首から先だけという拘束具にも似た施しがある。また、その拘束衣の至る所に鈍く輝く錠前が据えつけられ、フランの動きを封印している。時折悲しげな表情を覗かせる。 書架解放時の呪文は「否、我は天――堕ちた天なり」 教授 声 - 四宮豪 本名不明。「教授」という名前では、「必勝法」「ラジエルの書架」「つながりの書」に登場する。また、教授であると思われるがその呼称がされていないものも含めれば、「焚書官」「償いの書」「働く男」、コミカライズ版の「天寿の書」「独裁者の書」にも登場となる。 年齢不詳の美しい男とされ、長い髪を背中で束ね、医者のような白い衣装を身につけている。時代的に未だ存在しないはずの核分裂の概念を理解しているなど謎の多い人物。 書架解放時の呪文は「紅の読姫ラジエルよ……我は問う、汝は人なりや?」 ラズ 声 - 矢作紗友里 本名はラジエル (Rasiel)。赤の読姫であり、「ラジエル」という名では「ラジエルの書架」で初めて登場し「つながりの書」にも登場している、教授同様に呼称はされていないがラジエルであると思われるものも含めれば「独裁者の書」「焚書官」「眠りの書」「働く男」、コミカライズ版の「天寿の書」にも登場となる。 13、14歳くらいの年齢で、淡い緑色の髪、透けるような白い肌をもち、鮮血のような真紅の衣装と、黄金の篭手と胸当てを身につけている。また右の瞳は髪と同じ淡い緑だが、左目は錠前のような鈍色の眼帯に隠されている。ダリアンとは顔見知りらしく、顔を合わせれば互いに罵詈雑言で罵り合っている。 少し舌足らずな声で笑う。ドイツ語で肯定、否定(「是」を「ヤー」、「否」を「ナイン」)する。 書架解放時の呪文は「否、我は天――嘆きの天なり」
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