栴檀とは? わかりやすく解説

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せん‐だん【××檀/×楝】

読み方:せんだん

センダン科落葉高木暖地自生する樹皮似て暗褐色羽状複葉で縁にぎざぎざがあり、互生する初夏淡紫色の5弁花を多数つけ、秋に黄色の丸い実を結ぶ。漢方樹皮苦楝皮(くれんぴ)といい駆虫薬にする。おうち。あみのき。《 花=夏 実=秋》「—の花散る那覇(なは)に入学す/久女」

ビャクダンの別名。


栴檀

読み方:センダン(sendan)

センダン科落葉喬木


栴檀

読み方:センダン(sendan)

白檀別称


栴檀

作者戸部新十郎

収載図書秘剣 花車
出版社新潮社
刊行年月1995.10

収載図書秘剣 花車
出版社新潮社
刊行年月1998.9
シリーズ名新潮文庫

収載図書秘剣花車
出版社徳間書店
刊行年月2002.8
シリーズ名徳間文庫


センダン

センダン
科名 センダン科
別名: アフチ・オウチ
生薬名: クレンピ苦楝皮)・クレンシ苦楝子
漢字表記 栴檀
原産 ヒマラヤ原産
用途 初夏淡紫色の花がたくさ咲きます。この木は全体苦みがあり、くだしに用います。「栴檀は双葉より芳し」の栴檀は香木として有名な白檀のことです。
学名: Melia azedarach L.
   var. japonica Makino

栴檀


栴檀

読み方:センダン(sendan), センダ(senda)

センダン科落葉高木薬用植物

学名 Melia azedarach var.japonica


センダン

(栴檀 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/25 02:17 UTC 版)

センダン
センダンの花(2002年6月2日撮影)
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 Eudicots
階級なし : コア真正双子葉類 Core eudicots
階級なし : バラ類 Rosids
階級なし : 真正バラ類II Eurosids II
: ムクロジ目 Sapindales
: センダン科 Meliaceae
: センダン属 Melia
: センダン M. azedarach
学名
狭義: Melia azedarach L. var. subtripinnata Miq. (1867)[1]

標準: Melia azedarach L. (1753)[2]

シノニム
和名
センダン(栴檀)、オウチ(楝)、アミノキ
英名
chinaberry
変種品種
  • センダン(狭義)M. a. L. var. subtripinnata Miq.[5]
  • トウセンダン M. a. var. toosendan
  • シロバナセンダン M. a. f. albiflora

センダン(栴檀[6]学名: Melia azedarach)は、センダン科センダン属に分類される落葉高木の1。暖地の海岸近くに生える。別名としてアフチ[6]オオチ[7]オウチ[8]アミノキなどがある。薬用植物の一つとしても知られ、果実はしもやけ、樹皮は虫下し、葉は虫除けにするなど、薬用に重宝された[6]リンネの『植物の種』(1753年) で記載された植物の一つでもある[9]

また、香木の栴檀はインドネシア原産のビャクダンビャクダン科)のことを指し[10]、センダンのほうは特別な香りを持たない[11][12]

分布・生育地

順応性の高い種であり、原産地のヒマラヤ山麓[注 1]のほか、中国台湾朝鮮半島南部および日本などの乾燥した熱帯から温帯[注 2]に分布する[14][13][15]。日本では、本州伊豆半島以西)、伊豆諸島四国九州沖縄に分布する[6][14]

温暖な地域の、海岸近く[7]森林辺縁に多く自生する。庭木や公園、寺院、街路樹にも植えられていて[10][7][12]、しばしば植えられたものが野生化もしている[8]

特徴

落葉高木[6]、樹高は5 - 20メートル (m) ほどで[7]、成長が早い。は太い方で、四方に広がって伸び[7]、傘状あるいは、エノキに雰囲気が似た丸い樹形の大木になる[16][8]。成木の幹は目通り径で約25センチメートル (cm) ほどになる[12]。若い樹皮は暗緑色で楕円形の白っぽい皮目が多くよく目立つが、太いは黒褐色で樹皮は縦に裂け、顕著な凹凸ができる[7][8]の日の午後は梢にクマゼミが多数止まり、樹液を吸う様子が見られる。

は、2回奇数羽状複葉互生[6][12]、一枚の葉全体の長さは50 cm以上ある。小葉は3 - 6 cmの長さがあり[7]葉身は先が尖った卵状楕円形で革質で薄い[17]葉縁に浅い鋸歯があり、さらに大きく切れ込むことがある[18]

花期は初夏(5 - 6月頃)で[6]、本年枝の葉腋から花序を出して、淡紫色の5弁のを多数、円錐状につける[7]。花序の長さは10 - 20 cm[7]。花弁は長さ8 - 9ミリメートル (mm) で、表が白色、裏が薄紫色で、10個ある雄しべは濃紫色をしている[6]。花は美しさが感じられ[17]アゲハチョウ類がよく訪れる。なお、南方熊楠が死の直前に「紫の花が見える」と言ったのはセンダンのことだったと言われている。

果期は秋(10月ごろ)[6]果実は長径17 mmほどの楕円形の核果で、晩秋(10 - 12月頃)に黄褐色に熟す[7][6]が深まり落葉しても、しばらくはに果実がぶら下がって残るため目立つ[7][6][8]。果実は果肉が少なくが1 cm前後と大きく、上から見ると星形をしている[12]。果実はヒヨドリカラスなどの鳥が食べに訪れ、種が運ばれて空き地や道端に野生化することもある[12]。しかしサポニンを多く含むため、が食べると食中毒を起こし、摂取量が多いと死亡する。

冬芽は落葉後の葉腋に互生し、半球状で細かい毛で覆われている[8]。葉痕は倒松形やT字形で、維管束痕は3個あり、白くて大きいのでよく目立つ[8]。冬芽がついた枝先には、星状毛が残ることもある[8]

葉や木材には弱い芳香がある。背が高い上に、新芽・開花・実生・落葉と季節ごとの見かけの変化も大きく、森林内でも目立ちやすい。

利用

公園樹で落下した果実を採食するツグミ

樹木は、街路樹庭木公園樹に植えられている[19]。枝は横に大きく被さるように出ることから、街路樹としての機能性に優れている[17]。材は建築・器具用材、家具[20]にもなり、下駄の材や[11]、仏像彫刻に使われたこともある[12]。ミンディ材と書かれているのはこのセンダンのこと。ケヤキの模擬材として使われることもある。また核(種子)は数珠の珠にする[10][17]

材を林業として利用する場合は、を植えて15 - 20年で木材に製材できる。このため日本熊本県天草市では、中山間地域にある耕作放棄地の活用策として植林されている[20]

薬効

果実は 生薬苦楝子(くれんし)もしくは川楝子(せんれんし)と称して、ひびあかぎれしもやけに外用し、整腸薬、鎮痛剤として煎じて内服した[17][6]。樹皮は生薬苦楝皮(くれんぴ)と称して、駆虫剤(虫下し)として煎液を内服した[6][21]。樹皮には苦味成分があり、漁に使う魚毒にも使われた[8]。葉は強い除虫効果を持つため、かつては農家において除虫に用いられていた。

沖縄県に自生するセンダンの抽出成分が、インフルエンザウイルスを不活化させることが報告された[22]根路銘国昭山本雅は同成分ががん細胞のオートファジー(自食作用)を促進させ、死滅させることを発見した。70種類のがんでセンダンの抗がん作用を確認した[23]。センダンの抗がん作用は、マウス実験、犬への投与で実証され、アメリカのガン研究学術雑誌「American Journal of Cancer Research」が生物資源研究所(名護市)などの論文を掲載した[24]

自治体指定の木

日本の以下の自治体の指定の木である。括弧表記はかつて存在していた自治体。

  • 上野村) - 沖縄県、現在は合併して宮古島市

文化

センダンの花言葉には、「意見の相違」がある[6]。「栴檀は双葉より芳(かんば)し」ということわざが存在するが[注 3]、これはセンダンではなくビャクダン(白檀)を指す[25][11][18]

『百年目』

落語の演目『百年目』にセンダンが登場する。センダンとその下に生えていた南縁草なんえんそうの関係についての故事を紹介するくだりがある。

古典文学

日本最古の和歌集である『万葉集』に収録されている恋愛歌のなかにもセンダンが登場している[6]平安時代の歌人・清少納言が『枕草子』のなかで、センダンの花を「楝(あふち)の花いとをかし[注 4]」と書いて称えている[6]。楝(アフチ)とは、センダンの古名である[6]日本の伝統色にセンダンの花を由来とする薄い青紫色の楝色があり襲の色目にも用いられている[26]

平安時代後期の『平家物語』では、壇ノ浦の戦いで捕えられて斬られた平宗盛平清宗の父子が京都三条河原で生首をかけられた木として登場。もともと京都左獄と右獄の門外にはオウチ(センダン)の木が植えられ、ここに首を架けられていたという[27]。このころから江戸時代頃まで、獄門になった罪人の首を架ける木として忌み嫌われた[6][11]

一方でインドや中国などでは邪気を払う力があると信じられ、獄門台として使用されたのはその霊力を利用して処刑された人のたたりを免れるためであったという説もあり、必ずしも縁起の悪いイメージだけを持たれていたわけではなく、前述のように美しい花を歌に詠まれる時代もあった[28]

脚注

注釈

  1. ^ 標高1,800メートル以下(インドのヒマーチャル・プラデーシュ州 では2,700メートル以下、パキスタンでは700メートルから1,000メートル)に分布[13]
  2. ^ 気候指標は、夏季平均最高気温39度、冬期平均最低気温マイナス5度の範囲と推定される[13]
  3. ^ ビャクダンは香木で強い香りがあり、芽生えたときから香っていることから、大成する者は、幼いときから人並み外れてすぐれていることのたとえ[12]
  4. ^ 「いとをかし」は、『枕草子』によく出てくる感嘆を表した現代語にはない語彙で、美しさや風情を感じるものに対して、「とても美しい」「大変趣がある」などの意味をもつ。

出典

  1. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Melia azedarach L. var. subtripinnata Miq. センダン(狭義)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2023年4月18日閲覧。
  2. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Melia azedarach L. センダン(標準)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2023年4月18日閲覧。
  3. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Melia azedarach L. var. japonica (G.Don) Makino センダン(シノニム)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2023年4月18日閲覧。
  4. ^ ITIS n.d.
  5. ^ 米倉・梶田 2018.
  6. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r 田中 2011, p. 65.
  7. ^ a b c d e f g h i j k 学習研究社 2000, p. 37.
  8. ^ a b c d e f g h i 鈴木・高橋・安延 2014, p. 115.
  9. ^ Linnaeus, Carolus (1753) (ラテン語). Species Plantarum. Holmia[Stockholm]: Laurentius Salvius. p. 384. https://www.biodiversitylibrary.org/page/358403 
  10. ^ a b c 永岡書店 1997, p. 182.
  11. ^ a b c d 辻井 2006, p. 107.
  12. ^ a b c d e f g h 林将之 2008, p. 129.
  13. ^ a b c CABI 2019, Environmental Requirements.
  14. ^ a b 林弥栄 2011, p. 385.
  15. ^ 日本農業新聞 2013.
  16. ^ 林将之 2011, p. 103.
  17. ^ a b c d e 辻井 2006, p. 109.
  18. ^ a b 林将之 2008, p. 128.
  19. ^ 成美堂出版 2011, p. 166.
  20. ^ a b 日本農業新聞 2019.
  21. ^ 熊本大学薬学部 2004.
  22. ^ 根路銘・向 2011.
  23. ^ 琉球新報2016年11月11日付け
  24. ^ 琉球新報2020年4月19日掲載
  25. ^ 現代言語研究会 1996, p. 212.
  26. ^ 『色名がわかる辞典』「楝色」、講談社、2011年。コトバンク版 2024年3月4日閲覧。
  27. ^ 足立 1995, p. 291.
  28. ^ レファレンス協同データベース 管理番号・神戸図–1509

参考文献

書籍
論文
  • 根路銘国昭、向真一郎「インフルエンザの科学的予防法 ― センダン液でウイルスを殺す」『日本アンチエイジング歯科学会誌』第4号、日本アンチエイジング歯科学会、2011年12月、68-72頁、NAID 40019259583 
新聞
オンライン・データベース
その他ウェブページ

関連項目

外部リンク


栴檀

出典:『Wiktionary』 (2021/08/16 00:53 UTC 版)

名詞

  (せんだん古・方言:せんだ)

  1. ムクロジ目センダン科センダン属に属す落葉高木一種学名: Melia azedarachシノニム: M. azedarach var. japonica)。
  2. 白檀ビャクダンSantalum album)の別称
  3. 栴檀の板の略称。

発音

語源

中国語 栴檀 (< 栴檀那) < サンスクリット चन्दन (candana-)白檀

類義語

語義1:〈Melia azedarach

派生語

成句

語義2:

翻訳

脚注

  1. せんだん【栴檀・】」『大辞林松村明 編、三省堂1988年 ISBN 4-385-14000-6

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