ブビンガとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 建築・不動産 > 外材一覧 > ブビンガの意味・解説 

ブビンガ


日本の市場でも、比較目に触れることの多いアフリカ産の木材です。材面の美しさ利用した用途多くどちらかといえばローズウッド類と同じよう用途用いられています。
アフリカいわゆる赤道アフリカ地帯を、ナイジェリア南東部から、カメルーンガボン経てコンゴ地域分布してます。大径材でなければ出来ないようなものに使われます。何だと思いますか、和太鼓の胴に使うのです。小さ太鼓はとも角、大きなものになる日本では材料得られないのです。はるばるアフリカから送られて来た木材が、アフリカジャングルの中で使われずに日本楽器にされ、お祭り参加しているのも面白いことですね。

木材
心材の色は、桃色、鮮かな赤色赤褐色で、紫色帯びた比較不規則な條がみられます。新し木材場合には上述のように大変美しいのですが、時間がたつと、赤色帯びた褐色になっていきます。肌目は精で均一です。木理通直あるいは交錯してます。気乾比重は 0.8を越え、重硬な木材です。心材耐久性高く白蟻にも抵抗性あります。重硬ではありますが、加工比較し易いいえます接着良く出来ろくろ細工出来ます

用途
ある程度ローズウッド類に似ているともいえるため、同じよう用途用いられます。美術家具、キャビネット、スライスドベニヤ、象嵌などが知られています。これらとともに日本ではよく室内装飾品にも使われているようです


ブビンガ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/04 08:22 UTC 版)

ブビンガ属
ブビンガ(種不明)の1枚板
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 eudicots
階級なし : バラ類 rosids
階級なし : マメ類 fabids
: マメ目 Fabales
: マメ科 Fabaceae
亜科 : ジャケツイバラ亜科 Caesalpinioideae
: デタリウム連 Detarieae
: ブビンガ属 Guibourtia
階級なし : “ブビンガ” “bubinga
英名
Bubinga

ブビンガ (bubinga) は、ジャケツイバラ亜科ブビンガ属(別名: アフリカコパールノキ属[1]; Guibourtia)の中の、おそらく近縁な3種の総称である。熱帯アフリカ産の常緑広葉樹で、木材として利用される。現在ワシントン条約の附属書IIに登録され厳密な仕入先を調査/管理されている。

「ブビンガ」とはカメルーン由来の名である[2]。別名に、エシンガン (Essingang、カメルーン)、ワカ (Wakaコンゴ民主共和国)、オベン (Oveng赤道ギニア、一部日本語資料にある「オベシ」とはこれの誤植かもしれない)、エバナ (Ebanaガボン)、ケバジンゴ (Kevazingo、ガボン)、アクーム (Akumeアメリカ)[2]。アフリカンローズウッド(: African rosewood)とも呼ばれる[3]が、この名は他のいくつかの種を表しうる。

ブビンガと呼ばれるのは次の3種[4][5][2]

これらのうち、G. tessmanniiG. pellegriniana は非常に近縁である[7]G. demeusei は不詳)。

これらのうち特定の1種をブビンガとすることもある(例えば、G. tessmannii [8]G. pellegriniana [9])。コンゴコーパルノキこと G. demeuseiG. tessmannii とを一緒くたにブビンガとしたり[3]、あるいは G. tessmannii がブビンガ(もしくはビュヴァンガ)で G. pellegriniana が(通常はブビンガの別名とされる)ケバジンゴだという扱いもある[10][11]

ブビンガの範囲は若干あいまいで、同属の他種を含むこともありうる[2]が、それでも、同属のオバンコール(ovèngkol; 学名: Guibourtia ehie)などとは区別される。ブビンガは芯材が紅色系であるのに対し、オバンコールは褐色系である。また、ベンゲ(benge; 学名: Guibourtia arnoldiana; コンゴ民主共和国での名称: ミュテニエ mutenye)もブビンガとは別枠で扱われる傾向にある[12][13]

ブビンガ属 Guibourtia には16種があり、13種がアフリカ産、3種が南米産である[14]。ブビンガはいずれもアフリカ産である。

呼称

Guibourtia tessmannii および G. pellegriniana

ガボンの有用植物を扱う Raponda-Walker & Sillans (1961:230–1) では Guibourtia tessmannii の現地語名として以下のようなものが挙げられている。

  • ヴァラマ語(Varama; 別名: Barama、Bavarama): mubaka
  • ヴィヤ語(Viya; 別名: Eviya、Ivéa): obaka
  • ヴィリ語(Vili; 別名: Ibhili): buvinga
  • ヴング語(Vungu; 別名: Vumbu): mubaka
  • ケレ語(Kélé): nghwéyá、nghyènghè
  • コタ語(Kota): ibula
  • サング語(Sangu): mubaka
  • シラ語(Shira; 別名: Eshira): mubaka
  • セケ語: uvènyó、uvèyó
  • ツォゴ語(Tsogo; 別名: Mitsogo): bovènga、obaka
  • ドゥマ語(Duma; 別名: Adouma、Badouma): mubaka
  • ピンジ語(Pinji; 別名: Apindji): obaka
  • ヒンバ語(Himba; 別名: Simba): obaka
  • ファン語: ovèng(#その他近縁種なども参照)、éli-béyèm
  • プヌ語(Punu): mubaka、dutsatsi
  • ベンガ語Benga): bovènga
  • ボヴェ語(Pove; 別名: Bubi、Vove): bovènga
  • ミエネ語: 〔ガルワ方言、ロンゴ方言、ンコミ方言、ンポングウェ方言〕ekèwazèngó
  • ミンドゥウモ語(Minduumo; 別名: Mindoumou、Ndumu): motoni
  • ルンブ語(Lumbu; 別名: Baloumbou): bubinga、kéba-singu
  • ングビ語(Ngubi; 別名: Ngove、Ngowé): gikèbazèngó
  • ンゼビ語(Nzebi; 別名: Bandzabi、Njebi): buvènga

また、ガボンの有用樹種を扱う Meunier, Moumbogou & Doucet (2015:309) では G. tessmanniiG. pellegriniana が同一の枠で扱われ、上記の呼称全てが(多少のダイアクリティカルマークの有無の差はあるものの)全て収録され、それにケレ語、コタ語、サケ語(Sake; 別名: Shake)、サマ語(Sama; 別名: Osamayi)、セケ語、マホングウェ語(Mahongwe)、Ndambomo語(別名: Ndambono)を一まとめにしたケレ諸語の呼称として élow、mouenga が追加されている。

コンゴコーパルノキ

一方、コンゴコーパルノキこと G. demeusei の呼称は以下の通りである。

カメルーンでは bobanja という呼称が報告されている[15]

ガボンにおける現地語名は次に挙げる通りである[16]

  • ヴァラマ語: diganga
  • ヴィヤ語: ébangala
  • ヴング語: diganga
  • ケレ語: abana、lèngindi
  • シラ語: diganga
  • セケ語: kèbó、bambó
  • ツォゴ語: gébangáa、onyanga、gédjomé-djomé
  • ピンジ語: gébanganyalé
  • ファン語: ébana、ébang
  • プヌ語: diganga
  • ベンガ語: ébanya、bobanya
  • ミエネ語:〔ガルワ方言、ロンゴ方言、ンコミ方言、ンポングウェ方言〕éréré zi nkéwa
  • ングビ語: imwiri-ya-kèba

コンゴ共和国では以下のような現地語名が存在する。

その他近縁種など

なお、同属のオバンコールこと G. ehieファン語で akog-ele、akok、ovèng-nkol とされる[18]

ファン語は赤道ギニアやガボンなどで話される言語で、その辞書である Galley (1964:314) には ÔVEÑ という項目が存在するが、これは Didelotia africana という別属のマメ科植物を指し、さらにこれに対応するミエネ語ガルワ方言(Galwa)が kévaziñgô であるという。

特徴

産地は熱帯雨林で、アフリカなどに分布する。幹の直径は3m、樹高は25–30mにもなる巨木である[19]。沼地や河川の近くに群生することが多い。

木材

ボディにブビンガを用いたエレキベース

辺縁の木材は淡黄色の色調である。それより内側はチークカリンに似た派手な橙-赤色の木材色となっている。年輪は不明瞭であるが、葡萄杢などの派手な杢目が生じる。材は硬く耐腐性があり白蟻にも強いが、乾燥によって変形しやすいために通常はウレタン塗装で乾燥の進行を防止して使用される。チークやカリンなどと同じように密度が高いため硬く冷たい木材である。

用途

フローリング材、装飾材、家具の材料として使われる。特に1枚板のテーブルとして良く利用される。バランスの取れた響きがあるのでギター打楽器にも使用される。変わったところでは和太鼓の胴部分としても使用される。

脚注

出典

  1. ^ 米倉, 浩司 (2019). 新維管束植物分類表. 北隆館. p. 122. ISBN 978-4-8326-1008-8 
  2. ^ a b c d Bubinga 2013-10-02閲覧
  3. ^ a b ウォーカー (2006:110).
  4. ^ 世界の木材|木材ドットコム|マルホン : ブビンガ 2013-10-02閲覧
  5. ^ Bubinga | Belgian Woodforum 2013-10-02閲覧
  6. ^ 熱帯植物研究会 (1996:165).
  7. ^ Fougère-Danezan, Marie; Herendeen, Patrick S.; Maumont, Stéphan; Bruneau, Anne (2009), “Morphological evolution in the variable resin-producing Detarieae (Fabaceae): do morphological characters retain a phylogenetic signal?”, Ann. Bot. 105 (2), doi:10.1093/aob/mcp280 
  8. ^ 木材樹木図鑑「ブビンガ・ケバジンゴ」 2013-10-02閲覧
  9. ^ 仏壇産業の現状と今後のあり方に関する研究会 報告書 - 経済産業省製造産業局日用品室 (2011)
  10. ^ ブビンガ属の樹木(その1) 2014-10-03 閲覧
  11. ^ 熱帯植物研究会 (1996:179).
  12. ^ 熱帯植物研究会 (1996:178).
  13. ^ ウォーカー (2006:109).
  14. ^ International Legume Database & Information Service: Guibourtia
  15. ^ Harms, H. (1911). “Einige Nutzhölzer Kameruns. II. Leguminosae” (ドイツ語). Notizblatt des Königl. botanischen Gartens und Museums zu Berlin. Appendix XXI Nr. 2: 42. https://www.biodiversitylibrary.org/page/28788585. 
  16. ^ Raponda-Walker & Sillans (1961:229–230).
  17. ^ a b Bouquet (1969:85).
  18. ^ Meunier, Moumbogou & Doucet (2015:312).
  19. ^ http://www.seomokuzai.co.jp/category/1312591.html ブビンガ マメ科 瀬尾木材有限会社

参考文献

フランス語:

日本語:

  • 熱帯植物研究会 編『熱帯植物要覧』(第4版)養賢堂、1996年。 ISBN 4-924395-03-X 
  • エイダン・ウォーカー 編、乙須敏紀 訳『世界木材図鑑』産調出版、2006年。 ISBN 4-88282-470-1(原書: The Encyclopedia of Wood, Quarto, 1989 & 2005.)


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ブビンガ」の関連用語

ブビンガのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ブビンガのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
日本木材総合情報センター日本木材総合情報センター
©Japan Wood-Products Information and Research Center 2025 All Rights Reserved, Copyright
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのブビンガ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS