揮発性麻酔薬とは? わかりやすく解説

吸入麻酔薬

(揮発性麻酔薬 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/25 04:18 UTC 版)

吸入麻酔薬(きゅうにゅうますいやく)は、呼吸器から吸収され作用を発現する麻酔薬である。主に呼吸器から排出される。現在存在する吸入麻酔薬はすべて全身麻酔薬である。


  1. ^ a b 山蔭 2014, p. 10.
  2. ^ 山蔭 2014, p. 12.
  3. ^ a b 山蔭 2014, p. 7.
  4. ^ 山蔭 2014, p. 8.
  5. ^ “Chapter 1: the History of Anesthesia”. Clinical Anesthesia. Lippincott Williams & Wilkins. (1 January 2011). pp. 113–. ISBN 978-1-4511-2297-8. https://books.google.com/books?id=vGtSChnRRJ8C&pg=PT113 
  6. ^ 高野 2008, p. 21.
  7. ^ 諏訪邦夫 2010, p. 20.
  8. ^ a b 山蔭 2014, p. 18.
  9. ^ a b c Miller 2007, p. 110.
  10. ^ a b c d e f g h 山蔭 2014, p. 20.
  11. ^ a b 山蔭 2014, p. 19.



揮発性麻酔薬

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/06 03:59 UTC 版)

吸入麻酔薬」の記事における「揮発性麻酔薬」の解説

エーテル物質名としてはジエチルエーテルであるが、慣習的にエーテルといわれる爆発性があるため、電気メス併用できないため現在は用いることがない吸入麻酔薬である。逆に電気メスといった器具登場する以前は、愛用する医師多かった血圧脳圧の上昇、血糖値の上昇といった交感神経刺激作用があるものの不整脈起こしにくい。気管支拡張作用はあるものの気刺激性強く喉頭痙攣をおこすことがある。非脱分極筋弛緩薬作用増強することが知られている。クロロホルムと同様、ドラマハンカチにしみこませて意識失わせるという場面で登場するが、他の吸入麻酔薬と同様、導入は遅いためそのような使い方できない。現在は実験動物麻酔用いられるくらいである。 ハロタン(ハロタン、フローセンクロロホルムリードとするハロゲン導入した爆発性のない吸入麻酔薬である。ハロゲン含有する揮発性麻酔薬は循環式麻酔において強塩基性の二酸化炭素吸収材(ソーダライム、バラライム等)との反応性留意する必要があるまた、肝毒性問題になりやすく、ハロタンもハロタン肝炎呼ばれる肝毒性知られることとなり、使用されなくなった気管支拡張作用吸入麻酔薬の中で最も高い。アドレナリンとの併用によって不整脈が起こることが知られている。また悪性高熱症発生頻度が多いことも知られている。 メトキシフルランペントレン) 非爆発性エーテル形容される吸入麻酔薬である。非爆発性であるため電気メスとの併用が可能であり大い期待され麻酔薬であった腎毒性が明らかとなり発売中止となったエンフルランエトレン) ハロタンとよく似た性質をもち、肝毒性克服した吸入麻酔薬である。イソフルラン、セボフルラン出現使用されなくなってきた。非脱分極筋弛緩薬増強作用だけでなく、単独でも他の揮発性麻酔薬に比べて強い筋弛緩作用をもつ。 イソフルラン(フォーレンエンフルラン構造異性体であり、エンフルラン同様、ハロタンの欠点を補うようにデザインされ吸入麻酔薬である。血液/ガス分配係数高く、また刺激臭有するため導入には使いづらい。麻酔維持目的亜酸化窒素併用化で0.51.5%で用いられることが多い。脳圧、脳代謝抑制作用を持つため、脳神経外科領域使われることが多かったが、近年覚醒速やか手術後の神経学評価しやすさ優れセボフルランやデスフルランに取って代わられつつある。ハロタンと比べ肝毒性極めて低くなったものの肝障害患者には使わない方が良いとされている。ハロタン同様に悪性高熱症をおこすことがあるといわれている。頻脈をおこすことがセボフルラン対照的である。 セボフルラン(セボフレン) 2007年現在導入早く覚醒早いといわれる揮発性麻酔薬である。血液/ガス分配係数は0.63であり、亜酸化窒素の0.47にかなり近い。エンフルランより強い筋弛緩薬増強作用をもち、気管支拡張作用を持つため、気管支喘息患者にも使いやすい一部麻酔回路中のソーダライムソーダ石灰)と反応し腎障害をおこすとされているコンパウンドAを生成することが知られている。このため腎障害患者には使わない方が良いとされている(腎障害殆どないとされているが)。イソフルランのような刺激臭もなく、導入にも維持にも用いることができる。緩徐に2~3呼吸ごとに0.5%ずつ濃度をあげていき5~8%まで上げていく緩徐導入(5~8分)やいきなり5~8%の高濃度吸入させる急速導入どちらでも使用可能である。刺激少なさ合わせて小児領域麻酔では非常に好まれる徐脈をおこすことがイソフルランと対照的である。環境での分解半減期1.1程度。 デスフルラン(スープレン) 欧米遅れて2011年より日本でも使用可能となった吸入麻酔薬である。血液/ガス分配係数は0.42で亜酸化窒素よりも低い。沸点が23.5度。セボフルランより時間にすると数分だが覚醒速い3時間以上継続使用しても、覚醒遅くなることはない(長時間麻酔に有利)。覚醒後喉頭咽頭反射回復速いソーダライムとの反応ほとんどない気道刺激強く麻酔導入には使えない半減期14年環境負荷大きい。閉鎖麻酔流量麻酔により環境負荷減らして使用することが望ましい。

※この「揮発性麻酔薬」の解説は、「吸入麻酔薬」の解説の一部です。
「揮発性麻酔薬」を含む「吸入麻酔薬」の記事については、「吸入麻酔薬」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「揮発性麻酔薬」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「揮発性麻酔薬」の関連用語

揮発性麻酔薬のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



揮発性麻酔薬のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの吸入麻酔薬 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの吸入麻酔薬 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS