脳波変化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/17 08:58 UTC 版)
麻酔薬の種類によってその度具合が異なる。 揮発性麻酔薬のセボフルランやイソフルラン、および静脈麻酔薬のプロポフォールなどによる脳波変化の度具合は類似している。これらは麻酔薬濃度を上昇させていくと、脳波の振幅は大きくなるとともに周波数は低くなる。つまり、ゆっくりした波が主体となる。さらに上昇させると、平坦な脳波と大きな振幅で速い波が交互に出現する特異的なパターン(burst and supression)となる。さらに上昇させると、平坦な脳波の部分が増加していき、やがて完全に平坦な脳波となる。 揮発性麻酔薬およびプロポフォール以外の麻酔薬としては、亜酸化窒素やケタミンが挙げられる。亜酸化窒素は麻酔作用が弱いために単独で用いられることは少ないが、単独で用いると振幅が小さく通常のベータ波よりも周波数の速い波が見られる。さらに高い濃度では、振幅が大きく周波数も非常に遅いデルタ波なども出現する。 現在、麻酔中のモニターとしで用いられている脳波モニターで麻酔薬の効果判定が可能なのは、前者のセボフルラン、イソフルラン、プロポフォールなどを用いた場合である。亜酸化窒素やケタミンを投与した麻酔の場合には効果判定が難しいため、慎重な判断が望まれる。
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