脳波の賦活
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/16 08:55 UTC 版)
限られた検査時間内で効率よく異常波を誘発・観察するため、主に以下の賦活法が用いられる。 開閉眼賦活法 安静閉眼時に開眼10秒後に閉眼させる。主にαブロック(α attenuationまたはα blocking)をみるための賦活法である。αブロックは視床と皮質反響回路の脱同期によるものと考えられている。一側で開眼によるαブロックが欠如した場合はBancaud現象といい半球の機能異常が示唆される。入眠期に開眼させると覚醒度があがり逆にα波が出現する。徐波があったり、反応性が低い場合は病的意義も高くなる。 過呼吸賦活法(HV) 1分間に20回 - 30回の速さで3分 - 4分間連続して過呼吸を行わせる方法である。過呼吸によって呼吸性アルカローシスになり脳血管が収縮し、安静時に見られなかった徐波が出現したり、振幅が大きくなることがある。このような変化をbuild-upという。10歳以下ではbuild-up自体に病的な意義がないことも多い。過呼吸を中止し1分以内にbuild-upが消失しなかったらそれも所見である。過呼吸を中止すると徐波が一度減少、消失して再び徐波化する場合をre-build upという。build-up、re-build upともにもやもや病などウィリスの大動脈輪障害における所見と考えられている。 光刺激賦活法(PS) 反復光刺激にて後頭葉の突発波を誘発させる方法である。後頭葉に光刺激の周波数に一致した、あるいは調和した脳波が出現し光駆動といわれる。一側性に出現しないときはその部の半球が異常 睡眠賦活法 睡眠によって突発波誘発させる方法である。自然睡眠で行う場合と薬物により睡眠を導入する場合もある。棘波が賦活されやすい。 音刺激 背景脳波の変化などを見る。脳死判定の時に行う(右耳、左耳、それぞれに、3回以上、大声で耳元に近接して名前を呼ぶ)。 痛み刺激 意識障害、脳死判定の時に行う(顔面への疼痛刺激)。
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