悪性高熱症
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/08/22 13:38 UTC 版)
悪性高熱症(あくせいこうねつしょう、英: malignant hyperthermia, MH)は、全身麻酔の併発症の一つである。唯一の特効薬であるダントロレンによる対処法が確立されて以降、発症しても死亡率は17.5%(1991年)[1]にまで低下しているものの、依然として全身麻酔による合併症の中では最も死亡率が高い。全身麻酔に使用される多くの薬剤で発症し、特に、ハロタンをはじめとした全ての吸入麻酔薬およびスキサメトニウムをはじめとした脱分極性筋弛緩薬によることが知られている[2]。これらの薬剤が骨格筋細胞のリアノジン受容体RyR1のカルシウム誘発性カルシウム放出を暴走させ、筋小胞体内のカルシウムと、筋細胞内のATPを筋収縮と発熱を引き起こしながら消費し尽くし、体温が制御できなくなり、適切な処置が行われないと死亡する。ヒトのみでなく、イヌ、ウマ、ブタ等にも存在する。
- 1 悪性高熱症とは
- 2 悪性高熱症の概要
悪性高熱症
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/17 08:58 UTC 版)
スキサメトニウムやハロタンを用いると発症しやすいといわれているが、平成19年(2007年)現在、これらの麻酔薬を用いることは非常に少ないものの発生している。セボフルランといった新しい吸入麻酔薬でも起こると考えられている。初発は頻脈や不整脈であることが多く、約15分で0.5度程度に体温が上昇する。筋強直が起こるとポートワイン尿(ミオグロビン尿を伴う腎不全)が起こる。危険因子としては、家族内発生、血中CK値高値、筋ジストロフィーといった筋疾患や側弯症といった骨格疾患があげられる。こういった危険因子がある場合は麻酔計画を考え、予防することが重要である。治療にはダントロレンナトリウムを用いる。ダントロレンナトリウムによる治療が行われる以前は死亡率80%を超えていたが、治療法確立以後は20%程度に抑えられている。
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悪性高熱症
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/12/03 14:42 UTC 版)
スキサメトニウムやハロタンを用いると起こりやすいといわれているが、平成19年(2007年)現在これらの麻酔薬を用いることは非常に少ないものの発生している。セボフルランといった新しい吸入麻酔薬でも起こると考えられている。初発は頻脈や不整脈であることが多く、15分で0.5度のペースで体温が上昇する。筋強直が起こるとポートワイン尿(ミオグロビン尿を伴う腎不全)が起こる。危険因子としては、家族内発生、血中CK値高値、筋ジストロフィーといった筋疾患や側弯症といった骨格疾患があげられる。こういった危険因子がある場合は麻酔計画を考え、予防することが重要である。治療にはダントロレン(筋弛緩薬のひとつ)を用いる。ダントロレンによる治療がおこなわれる以前は死亡率80%を超えていたが、治療法確立以後は20%程度に抑えられている。
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悪性高熱症
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/15 03:42 UTC 版)
骨格筋細胞内のCaイオン上昇による筋収縮の異常亢進とそれに伴う発熱が原因病態とされている。スキサメトニウムを使った場合に多く報告されている。かつては死亡率が80%を超えていたが、ダントロレンの使用により15%程度まで低下している。家族内発生がみられるため、術前の問診が大切である。近年ではスキサメトニウムの使用が激減したために本症の報告も激減した。
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