素因性検査
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/28 05:31 UTC 版)
MHの素因性または感受性とは、遺伝的にMHを発症する要素を持っていること、トリガーとなる薬剤を投与されると発症するリスクがあることを意味する。素因性検査または素因性診断とは、素因性があるかどうか調べるための検査や診断である。素因性検査には、骨格筋検査と遺伝子検査がある。2010年3月現在、遺伝子検査とは、MH劇症型のおよそ6~7割に対して敏感度を有すると見込まれているRyR1遺伝子検査を意味する。骨格筋検査とは、日本ではCICR検査を意味し、欧米では筋拘縮テストを意味する。筋拘縮テストは、米国とカナダではCHCTを意味し、ヨーロッパ、オーストラリア、ニュージーランドではIVCTを意味する。 主な検査法である骨格筋検査では、筋生検の小手術を必要とするため、肉体的・金銭的負担が大きい。日本では平成9年から広島大学のCICR検査が高度先進医療に採用され、健康保険への導入が期待されている。2010年3月に広島大学に続いて埼玉医科大学のCICR検査も高度先進医療に採用された。 骨格筋検査よりも患者への負担が少ないRyR1遺伝子検査が国立精神神経センターとの共同研究で実施された。 日本で実施されている骨格筋検査であるCICR検査は、2010年3月現在、広島大学病院麻酔科と埼玉医科大学病院麻酔科の2つの病院で行われており、筋生検による小手術を伴う検査である。検査自体は、成人の場合、日帰りで検査可能な場合が多い。小児の場合の筋生検は全身麻酔で行われ、安全な全身麻酔薬を用いる入院検査である。
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