地方自治体の独自対応
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「2010年日本における口蹄疫の流行」の記事における「地方自治体の独自対応」の解説
宮崎県での口蹄疫被害が拡大・長期化するのに伴い、各県、政令指定都市が政府の支援とは別に独自に設定した口蹄疫対策予算や対応策。 主な動き(5-6月)全畜産農家に対する清浄性調査 種牛、種豚、冷凍精液の分散 家畜伝染病予防法(9条)に基づいた知事命令による消毒 消毒薬(炭酸ソーダ中心)や消石灰の無料配布 対策資金の準備・配布、無利子融資、仮払金 動物園、役所、イベントなどでの消毒槽の設置 県や市町村の対策本部の設置、第1回会議 空港や港などでの消毒液設置 宮崎、熊本、鹿児島、大分県では車両消毒の義務化(6月初旬から) 宮崎県では人の集まる公共施設の閉鎖(県立図書館や公民館など) セリ市、各種畜産イベントの中止、延期 動物園などでのふれあい中止 牧場体験学習など受け入れ停止 埋却用地の確保 営農相談、経営相談、心のケア 異常家畜発見時の生産者等からの24時間通報体制(夜間休日も)を整備。 宮崎県種牛55頭、現在5頭(美穂国6歳、福乃国13歳ほか)。年間子牛出荷78,391頭(2009年)、4割を県外に。2008年第9回全国和牛共進会で内閣総理大臣賞7頭独占(5年に1回)。 宮崎牛、佐賀牛、松阪牛の4割、常陸牛の3割、信州和牛(但馬牛にはならない) 4月28日、緊急対策として総額約33億円の今年度一般会計補正予算を専決処分することを決定し、家畜を薬殺処分した農家や小売業者らへの融資枠を245億円分設定した。 5月12日、口蹄疫で影響を受けた豚・牛の農家に対し、当面の生活資金として200万 - 100万円を上限に無利子・無担保で貸し付ける新たな制度など、約2億1000万円の一般会計補正予算を専決処分した。 6月11日県、宮崎市、都城市で公共施設を閉鎖。県図書館、運動公園、公民館など。 鹿児島県種牛24頭。鹿児島牛、松阪牛、さつま黒豚。 和牛飼育37万頭(北海道に次ぐ)全国2位、豚飼育134万頭、全国一位。 曽於中央家畜市場の子牛の年間取り扱い2万6千頭。全国1位。 宮崎県の南に隣接…自動車だけではなく風雨による感染が心配 5月7日知事命令による消毒 5月20日、県内の各自治体やJAは、宮崎県の口蹄疫に伴う競り市延期で、子牛農家支援策を決定。 5月24日種牛の半分12頭を離島に移動する第1陣として、県肉用牛改良研究所(曽於市)(宮崎県境まで7.5km)の6頭を喜界島に向けて船積み(他に冷凍精子の一部を移動予定)。 5月25日現在、24時間消毒ポイント9ヶ所。 5月26日種豚改良協会(霧島市)などの種豚候補のうち20頭を、県農業大学校(日置市)に移動させた。また、種子島へ移動させる予定だった種牛、種牛候補の計6頭と種豚候補約120頭は、屋久島に移すことに変更した。 6月12日宮崎県都城市の感染に伴い道路封鎖80本を要請するが、自治体の体制が整わず一部にとどまる。 大分県種牛36頭。豊後牛(「勝福平」2010年2月最優秀検定ほか) 肉用牛64,600頭(2008年) 4月30日、口蹄疫の県内発生予防に万全を期するとともに、畜産農家の経営支援を行うため、「大分県口蹄疫総合対策本部」を設置。 5月28日3ヶ所で24時間消毒液マットによる全車両消毒を開始。 6月11日県畜産研究部(竹田市久住町)の種牛36頭のうち、主力種牛7頭を国東市の国東町畜産振興公社畜舎に避難させた。さらに現在精液を供給する基幹種牛12頭のうち最大5頭も避難させる。 6月11日宮崎県境の国道3か所だけの消毒ポイントを、12箇所新規設置し宮崎、熊本県境に拡大する。 熊本県種牛16頭。くまもとあか牛。肉用牛147,600頭。 5月13日、困窮した農家への経営支援策として総額80億円の無利子融資枠を設定し、追加の防疫対策をまとめた。 5月25日現在、消毒ポイント9ヶ所(7ヶ所は7-19、1ヶ所24時間、1ヶ所7-17) 5月27日県は県農業研究センター(合志市)の「くまもとあか牛」4頭と黒牛の種牛と種牛候補の計6頭を、来週にも県内2ヶ所(阿蘇市と天草地方)に分散させることを決めた。凍結精液6万本のうち約1万本も八代市に移動させる。 6月20日、4月下旬から休止中の家畜市場6か所は、えびの市で感染終息が確認された翌日の6月5日に7月1日再開を決定。飛び火したが、15日の再協議で、当初決めた通り7月再開を確認した。出荷待ちの子牛が1千頭を超える南阿蘇畜産農協(高森町)。塚元組合長(56)は「高齢や女性の生産者が多く、牛が成長しすぎて手に負えなくなったり、畜舎に収容しきれなくなったりして悲鳴を上げている」と早期再開を訴える。 長崎県種牛29頭。壱岐牛、五島牛。肉用牛90,700頭 5月20日、県が農家支援策として、消毒液配布や無利子融資を実施すると発表。 5月21日、すべての農家に消毒薬を配布するほか、競りの延期で影響を受けた農家に1頭あたり35万円(1経営体当たり最大500万円)の無利子の資金融資も行う。 6月11日6月末に県肉用牛改良センター(平戸市)の29頭のうち最大10頭を離島の小値賀島(小値賀町)に移す。 7月6日、県北振興局が、佐世保市小佐々町で、殺処分された家畜を埋却する演習を行った。管内3市2町の行政・農協・建設ら120人が参加した。繁殖用和牛6頭、子牛6頭が殺処分され、農場から徒歩圏内に埋却するという想定で、24人が埋却作業にあたった。 佐賀県種牛8頭。佐賀牛。肉用牛64,100頭 5月14日、JAグループ佐賀は当面の対策として、子牛や子豚などの競り中止を今月末まで延長し、出荷できない農家を支援するため、仮払金を支払うことを決定。 6月11日福岡・長崎の県境の国道中心に計7か所に消毒ポイントを新規設置し、畜産関係車両を消毒する。 福岡県肉用牛28,500頭。 5月21日、「福岡県口蹄疫防疫対策本部」を設置し、第1回の会議を開催。家畜伝染病予防法に基づいた知事命令による消毒も開始された。 知事命令による消毒を7月16日まで延長。埋却地準備を市町村に要請。 沖縄県肉用牛84,000頭。 5月17日、市町村やJAなど関係者と内容を相談した上で、独自の農家支援を検討。 5月20日、口蹄疫侵入防止対策を話し合う緊急会議を県庁で開き、那覇空港と那覇港で21日から、観光客らの靴底消毒を実施することを決定。 7月2日、県は被害が拡大した時に、種牛などを伊平屋村に避難させる。県家畜改良センターの系統造成豚35頭、県畜産研究センターの種牛3頭、アグー豚4頭、ボア種山羊2頭の合計44頭が避難対象となるが、現在避難予定はない。 島根県肉用牛34,800頭 6月10日雲南市木次町の県畜産技術センターに保管の凍結精液29万本の一部1年分6,900本を、70km離れた江津市江津町の西部農林振興センター江津家畜衛生部に移動した。 7月5日県畜産技術センター(雲南市)の全29頭の種牛の一部5頭を避難牛舎に移動させる。牛舎は、隠岐の島町の旧隠岐空港跡の車庫を改装し、7月中をめどに整備する。また、県内で発生した場合に使用する消毒薬や防護服、豚を殺処分する装置などを、各家畜保健衛生所や各畜産技術センターに約3000万円の予備費で配備する。 香川県肉用牛19,000頭 5月18日、県内で牛や豚を飼育する畜産業者423戸に対して8週間分の消毒剤を支給することを決めた。 高知県4月20日 - 4月23日、県内偶蹄類家畜に対する緊急調査を実施。 4月21日、5月7日、緊急防疫会議を開催。 5月3日から、宮崎県に家畜防疫員を派遣し、防疫措置を支援。 5月12日、九州から宿毛湾港への上陸車両の消毒を開始。 5月17日、口蹄疫対策にかかる関係部局長会議を開催。 5月18日、宮崎県で発生した口蹄疫に係る四国4県緊急畜産課長会議を開催。 5月20日・21日、県内の畜産農家へ消石灰を無料配布。 冷凍精液を県内の複数の家畜保健衛生所に分散させる方針。種牛については「管理体制を考えると、県畜産試験場が一番安全かもしれない」。 愛媛県(宮崎県の海向かい)5月26日、県畜産研究センター(西予市)の「愛媛甘とろ豚」の雄豚約40頭のうち、種豚となる7頭を県内3ヶ所(大洲市ヶ所、西条市2ヶ所)に移動させる。 九州から船で上陸するすべての車両を24時間態勢で消毒。 すべての畜産農家に消毒薬を配布。 兵庫県肉用牛58,600頭。 但馬牛(超エース級6頭(8割)、エース級6頭、種牛候補28頭) 生産農場2,566戸 92,850頭(乳用牛502戸 19,300頭、肉用牛2,022戸 47,500頭、豚42戸26,050頭) 4月30日、農林水産技術総合センター畜産技術センターで集中管理している12頭の基幹種雄牛の凍結精液のうち、約5,300本(6頭、約2ヶ月分)を北部農業技術センターへ移動。 5月25日、農林水産技術総合センター(加西市)の但馬牛のエース級種牛3頭を含む6頭と、北約50キロの北部農業技術センター(朝来市)にいる種牛候補6頭を、お互いに交換し移し替える予定。 5月28日、来週中の県下一斉消毒を決定。 異常家畜発見時の生産者等からの24時間通報体制(夜間休日も)を整備。 岡山県肉用牛35,100頭 5月25日、畜産研究所(美咲町)の種牛16頭(エース級3頭と候補13頭)のうち6頭を、南東約30キロにある所(赤磐市)に、数日中に牛舎を新築してから移す。 岩手県肉用牛112,400頭(全国4位・宮崎、鹿児島、北海道のつぎ) 県畜産研究所種山畜産研究室(住田町)にある凍結精液18万本と種牛18頭。凍結精液のうち3万本を6月14日から20km離れた宮古市県宮古地区合同庁舎で保管する。 宮崎県外に口蹄疫が広がった場合、特に優れた種牛12頭を種山に残し、残りの6頭は50km離れた外山畜産研究室(盛岡市)に移す。県内で発生した時には種山では種牛だけを飼育し、残りすべて別の場所に移す。 新潟県339戸で約12,600頭の肉用牛。うち、黒毛和種は296戸で約4,500頭。黒毛和種は年間約1,800頭が食肉用に、うち約800頭が高級和牛「にいがた和牛」として流通。 新潟県口蹄疫発生時対策要領:危機対策課、畜産課(P18) 地域振興局番:口蹄疫対応標準マニュアル平成22年5月31日 新潟県:防災局危機対策課農林水産部畜産課(p48) 山口県無角和種・種牛2頭、飼育200頭。肉用牛19,100頭。 18,000本の凍結精子の半分を美祢市から20km離れた萩市へ。 三重県肉牛が222戸、乳牛が69戸、養豚が64戸などで、計約16万4000頭の牛や豚 6月12日調査、7割が埋却用地確保。 滋賀県牛2万2千頭、豚1万頭(子牛1万頭の4割は宮崎産)(2009年7月) 神奈川県529農家、乳牛9830頭、肉牛4788頭、豚7万9791頭(2010年2月) 予防策パンフレットを全529農家に配布。 消石灰60kgを全農家に配布。
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