地方自治体の現状
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/05 06:22 UTC 版)
2021年10月時点で、約67%(1,194/1,788団体)の地方自治体(都道府県、市区町村)がオープンデータに取組んでおり、岐阜県、京都府、島根県、石川県、福井県、長野県、富山県、神奈川県、青森県、静岡県の7府県ではオープンデータ取組率が100%になっている。また2021年10月時点では、人口20万人以上の都市(119自治体)と東京都特別区(23自治体)でもオープンデータ取組率が100%になっており、まだ取組んでいないのは全て20万人未満の小規模自治体となっている。オープンデータに取組んでいる地方自治体のリストは政府CIOポータルの「オープンデータ取組済自治体一覧」とデジタル庁のウェブサイトに掲載されている。 地方自治体におけるオープンデータは鯖江市によって2012年1月に初めて提供され、都道府県では静岡県が2012年8月に初めてデータカタログを公開した。 その他には、神奈川県横浜市、千葉県千葉市、福島県会津若松市などが早い時期から取り組みを始めたとされる。 福井県鯖江市は、市が保有するデータのXML形式やRDF形式での提供にいち早く乗り出し、「データシティ鯖江」として知られている。公共施設等のトイレやAEDの位置情報、地図、コミュニティバスの位置情報などをクリエイティブ・コモンズ・ライセンスで提供するとともにアプリ開発コンテストも開催し、地元企業等によって多数のアプリが生み出されている。2014年にはWeb技術の標準化団体World Wide Webコンソーシアム(W3C)に全国の自治体で初めて加盟した。 神奈川県横浜市は市民主導の「横浜オープンデータソリューション発展委員会」とともに様々なワークショップや開発イベント等を開催している。2014年には地域の課題をさまざまなオープンデータを用いて可視化するとともに、「地域をよくする活動」を紹介したりクラウドファンディングで応援したりすることができるサイト「LOCAL GOOD YOKOHAMA」を立ちあげた。 千葉県千葉市・福岡県福岡市・奈良県奈良市・佐賀県武雄市が2013年に発足させた「オープンガバメント推進協議会」は2021年3月現在、12の地方公共団体と6つの企業・団体が加盟する組織となり、合同でアイディアコンテストなどを開催している。 岡山県の高梁川流域圏では、倉敷市など7市3町が連携し、データ整備・データ公開・データ活用を進めている。一般社団法人データクレイドルが運営する高梁川流域圏データポータルdataeyeでは、圏域のデータを分析した結果を図やグラフで表示するコンテンツと、データカタログが提供されている。 福岡市は、2017年に「福岡都市圏ワーキンググループ」を発足させ、ノウハウやカタログサイトの操作方法など実務について参加自治体に共有し、2018年には無料で利用できる「BODIK ODCS」を活用して「福岡都市圏オープンデータサイト」を開設した。実務面、コスト面のハードルを下げることで、参加自治体のオープンデータ公開を推進している。これらのオープンデータの取組みには、福岡市の外郭団体である九州先端科学技術研究所(ISIT)が大きな役割を担っている。 その他、地方自治体や民間事業者等によるオープンデータ利活用事例は「オープンデータ100」として、政府CIOポータル上に公開されている。 また、公共交通オープンデータ協議会を中心に、世界一複雑とも言われる「東京」の公共交通データのオープンデータ化とその利活用が盛んに進められている。2020年、2021年の東京では、東京マラソンの開催、東京国際クルーズターミナルのオープン、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の開催など、国際的に注目を集めるイベントが多数予定されているため、同協議会は東京公共交通オープンデータチャレンジを主催し、多様な来訪者が訪れる本期間の東京におけるスムーズな移動と快適な滞在を実現するアプリケーションを広く募集している。
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