冒険部関係者
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「龍ヶ嬢七々々の埋蔵金」の記事における「冒険部関係者」の解説
唯我 一心(ゆいが いっしん) 声 - 興津和幸 冒険部の三代目部長を務める高校3年生。コレクションの一つである『魔法使いの杖』を求めている。知的な印象を与える外見で、人当たりが良く多くの女性にモテている。だが、「誰も自分の前に立っていない世界がほしい」と発言するなど、時々傲慢な部分を覗かせる。隙さえあれば平気で人を欺くが、大抵の場合看破されたり出し抜かれる。コレクションは「ものまね眼鏡」を所有している。 本人が述べている通り特別な才能があるわけではなく、初代冒険部の時代には冒険部に所属していることで満足してしまっていた。このため、一心だけにしかできないことがないという一心の存在意義に関わる問題を霞に指摘されている。後に緋夜のやり方に反発しつつも制止はできず、想い人であった不破衣都奈を事故から救うこともできず、自分の無力さを思い知らされることになった。 咲希がレプラコーンの一員であることを見抜いて矛盾点を突き、重傷を負うのと引き換えに優勝者がレアなコレクションを入手できるレプラコーン主催の《ゲーム》を開催させるきっかけを作る。だが、それによって咲希はレプラコーンの契約に基づくペナルティを負い行方をくらまさざるを得なくなったため、咲希と鉄之進から恨みを買う。《ゲーム》の終盤で、「M」が所持していた全ての七々々コレクションが記された赤い手帳を入手し他の挑戦者たちの優位にたつ。 七々々コレクションが学生達だけの秘密ではなく大人たちにとっくに見抜かれた上で容認されていると理解した後は、いずれ到来するであろう七々々コレクションの高騰や接収に備えて密かに行動を開始していた。第七高等部コミュニティ主導による学生間での協力体制構築も意図的に阻害、自分が流れをつかんでいると確信していたが、重護が楽市楽座設立により学生が七々々コレクションを大人達に認めさせるという前人未到の偉業を成し遂げたことに衝撃を受けてしまう。尊敬すべき相手として追いつき乗り越えたいと感じていた重護や天災が自分よりも遥か遠くを見据えて行動していたことを理解し、器の違いを見せつけられてしまった。 重護達による改革が進む中、途方もないプレッシャーから精神的に限界に達してしまい、次第に自滅も覚悟な行動をとりはじめ楽市楽座による改革の成功を妨害することで主導権を握るという発想にたどり着いてしまう。赤い手帳を使ってレプラコーンの女性を通してネガカナを脅迫するという暴挙に出るが、この脅迫行為が龍ヶ嬢七々々の定めた《ルール》の禁止コードに抵触したことがネガカナの逆鱗に触れ意識操作されてしまう。これによりネガカナの木偶人形となってしまった。 意識を操作された後はネガカナの言われるままに《遺跡》挑戦に再度失敗した《挑戦者》の七々々コレクションを回収する日々を送っている。本人もネガカナに意識操作されたことに気づかず行動しており、自分こそが七重島の中心に立っていると(勘違いして)満足している。最後まで不破衣都奈の正体や戦場緋夜の優しさに気付かず物語から去った。 茨 夕(いばら ゆう) 声 - 鈴木絵理 冒険部の副部長で、高校3年生。性格は荒っぽく暴力的。一心に心底惚れており、彼とそれ以外の人物への態度には非常に差がある。 徒然 影虎(つれづれ かげとら) 声 - 早志勇紀 冒険部部員の高校3年生、忍の一族でもある。寡黙でストイックな外見だが中身は思春期真っ盛り状態であり、色気のある女性を見つけては脳内で真剣に妄想を繰り広げている。重護とは先輩後輩の関係に加え喧嘩友達であるが、女性関係で節操のない一心の行動に対しては重護と強固な友情関係を築いている。 七々々が里から持ち去った『双天万華の秘伝書』を取り戻すことを目的にしているが、『双天万華の秘伝書』を悪用している現在の長老に対しては嫌悪感を抱いているため、あくまで里からの命令に形式的に従っているにすぎない。任務を達成すれば里へ帰還しなければならないため、大聖の手元にあると分かった後も形式的な返還交渉で体裁を整えた後、大聖に大切に使ってくれるよう託している 病気などで余命わずかとなった愛する人々を救うため『双天万華の秘伝書』という手段にたどり着いた祖先達は対しては素直に尊敬しており、同じように病気に苦しみ『双天万華の秘伝書』で鬼女となった母のことも大切に感じている。大聖の返還交渉においては久々に再会した母と親子の会話を楽しむことができた。 今生 霞(こんじょう かすみ) 声 - 川澄綾子 冒険部の創設者かつ初代部長。重護の住んでいる部屋を借りていたことがある人物の1人。夢は絵本作家。かつてレプラコーン主催の《ゲーム》に勝利したことがあり、挑戦者の間では有名だった。七々々を殺した犯人を捜していたが、入手した《人生先読みの鏡》で事件の真相を知る。しかし、事件の真相を幽霊の七々々に伝えようとすると全てを仕組んだ真幌肆季によって自分の命が失われる未来が見えたために断念し、高校卒業と共に断腸の思いで部屋を去った。その後、重護の父に七々々コレクションの存在を伝え彼が七重島に行くきっかけを作り、部屋に残したメッセージで重護に冒険部や七々々の情報を与えるなど、間接的ながら重護の後の行動の原因となった。 本土に戻ってからは《祭》のサポートをする《粋》な人として、絵本作家を目指しながら活動している。本土に戻ってきた重護に《人生先読みの鏡》で視たことと、自分の思いを打ち明け、重護に七々々のことを託した。最終巻の後半で、真幌肆季が拘束されたことを文香から知らされ、終盤で七重島へ戻り、冤罪で逮捕された重護の前に文香と共に現れて、重護と共に統轄理事会の会議場で幽霊の七々々と再会するが、重護が七々々に愛の告白をしたことで感動の再会シーンが台無しになって激怒し、重護や一鶴春秋と口喧嘩した。 《人生先読みの鏡》は七重島に置いてきたため今は所有していないが、いくつかの七々々コレクションを所有しており、重護の推測ではとんでもなくえげつないものらしい。 戦場 緋夜(いくさば ひいよ) 声 - 杉田智和 初代冒険部の副部長、二代目部長。重護の住んでいる部屋を借りていたことがある人物の1人で合気道系の古武術の使い手。コレクションは主に「影かき」と「死神の囁き」を愛用している。 一心からは目的のためならあらゆる非情な行為も惜しまないリアリストと軽蔑されており、かつて部員をコレクションを手に入れるために捨て駒にし冒険部を一度潰した存在として紹介されている。実際には他人の好悪や物事への関心の有無がはっきりしているだけで悪人ではなく、多少ひねくれてはいても自分から暴力は振るわず約束はきちんと守るなど、多少偽悪者ぶっていることを除けば善人の部類にはいる。かつて不破衣都奈を捨て駒にしたのは彼女がアルパメント・コーポレーションの息のかかったスパイであり、緋夜が看過できないほどの行為をしたためというのが真実であった。(大怪我による七重島退去という扱いも実は正体を公表せず七重島追放処分という彼なりの温情措置であったが、衣都奈が一心の想い人であったことから真実を知らない一心の恨みを買ってしまい冒険部崩壊の契機となった。) 地縛霊となった七々々に対しては嫌悪感を隠さないが、実際には幸せ荘そのものに存在する得体の知れない雰囲気や真幌肆季が仕組んだ一連の経緯に何かしら感づいていたらしく幸せ荘を避けていたという方が大きかった模様。こういった誤解を招く行動もあり、重護と出逢った当初から印象は最悪であり、現冒険部と対立することになった。現冒険部部員と秘宝争奪戦ではほぼ完封勝利で行い追い詰めるも、「影かき」の特性を看破され追い詰められた挙句、天災の交渉術により状況不利とみて逃走したところを《祭》に捕えられ、彼らの監視下に置かれる。 「M」によるレプラコーン主催のゲームでは同世代の参加者たちを圧倒、自分に有利なルールを駆使する「M」の行動すら看破し「M」でさえも苦戦させる。天災と組んだことで優勢に進んでいくが鉄に代わって登場した参差にはさすがに敵わず手玉に取られてしまう。緋夜らしい思考ができなくなったため一旦寝ることで普段の緋夜らしい思考を取り戻す。その後のサードステージにて隠し持っていた七々々コレクション《光の弓》を使い重護を追い詰めるが、最終的に敗れる。 9巻では天災の義理の姉である一条彼方と何か企んでいるようで、度々彼方のいる牢屋に会いに来ている。11巻の終盤で、高難度《遺跡》を最終的にクリアし、幻獣系七々々コレクションである《クロノス》を入手するが、その後で牢屋に訪問し彼方が神獣を取り込み神になるという実験に失敗、彼方の肉体がカルマに乗っ取られたことに気づいた。その後、事前の彼方との取り決めでカルマを監視していたが、最終巻の終盤で幽霊の七々々にぶん殴られて気絶しカルマを逃がしてしまった。そのまま物語は完結する。 真田 文香 初代冒険部の部員。今生霞の友人。七重島のありとあらゆる情報を持っていると豪語する情報屋。《人生先読みの鏡》を霞から譲り受けたことで、霞と同じく事件の真相を知っていたが、そのことで真幌肆季にマークされたことで、地下に潜った。 9巻にて、重護とイシュバルの妹である空音とユリシーズを、自分が入居していた幸せ壮201号室に入居させる便宜を図った。なお、201号室に残されたパソコンは重護たちによって《楽市楽座》の管理データが入力され活用されていたが、そのことで入力データが自動的に文香の元へダウンロードされるようになっていたために、文香の情報収集の助けとなった。最終巻の終盤で、霞と共に重護の前に現れて、重護に協力を要請した。 不破衣都奈 声 - 諏訪彩花 初代冒険部の部員。かつて戦場緋夜の指揮の下で《遺跡》挑戦に失敗し瀕死の重傷を負って、半身不随になったことで七重島から出て行った。彼女が追放される際に述べた冒険部入部への後悔の言葉は、一心に多大な影響を与えている。 9巻の終盤で、破綻寸前であったコルナール家に仕事を持ってきたクライアントの名がアルパメント・コーポレーションで、その時に電話に出たジュラスの口から「ミス不破」として再登場。その正体はアルパメント・コーポレーションの息のかかったスパイであり、七重島の王者である一鶴春秋の弱みを見つけるべく送り込まれ冒険部を利用していた悪女であった。学生時代の時点で霞と緋夜には正体を看破され故意に泳がすことで見逃されていたが、霞が卒業した後に緋夜の逆鱗に触れるほどの行為に及んだらしく事故を装った最後通告で七重島から追放されたというのが真実であった。 七重島追放後も車椅子生活となっているが、当時のアルパメント・コーポレーション主導者達が春秋達に再起不能なまでに壊滅させられた後も七重島へ逆恨みを抱いており、現在でもアルパメント・コーポレーションのスタッフと共に報復の機会を狙っている。霞にはもはや正体が看破されたことを理解したうえで接しており、厄介で面倒な後輩として苦笑されている。実は七重島を一致団結するための外敵としての役割を七々々から期待されていたことには最後まで自覚することがなく物語から去った。
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