ムラクモ空賊団
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「荒野のコトブキ飛行隊」の記事における「ムラクモ空賊団」の解説
70年前に存在した6人組の伝説の空賊集団である。当時のどの空賊よりも圧倒的に強く、当時のユーハングのエース・パイロットにも匹敵する戦闘能力をもったことで、莫大な賞金がかけられ、今も多くの賞金稼ぎのパイロット達が行方を追っていることで有名である。ある日を境に突如として姿を消していたが、現在その空賊パイロットの子孫と思われる女性たちが機体と異名を引き継いで再び現れた。各機体には黒地に蒔絵風の迷彩塗装が施されており、団のマークとして赤の菱章にユーハング語のカタカナで「ムラクモ」の文字が描かれている。 のちに「怪盗団アカツキ」にてネム、ホタル、オボロがサクラの縁で出逢うこととなり、ホタルの提案で団の再結成を考えるようになる。 クロエ 声 - 井上麻里奈 ムラクモ空賊団の一人。雷電を駆り、祖母のオードリーから「雷電魔王」の名を引き継いでいる。凛とした威風堂々な性格の持ち主で、困っている人には手を貸す人情も持つ。引退した祖母に対して深い愛情と尊敬の念を抱いており、人里離れた小屋に二人で暮らしている。幼少の頃より祖母から雷電の操縦や整備を叩き込まれ、雷電しか乗ったことがないものの、大抵の戦闘機も扱いこなせる模様である。またサバイバル術なども学んでいる。祖母と機体を狙う輩には容赦がなく、頻繁に来る他の空賊集団や賞金稼ぎを自ら追い払っている。 趣味は曰く「己の肉体を鍛える」ことで、イベント「クロエのひな祭り」ではレオナと出会った時に双方とも鍛えた肉体に関心し、レオナが「怒りのアレシマ」の時に購入した「おへやではしるくん」のことを聞いて自分も即購入しようとするほどで、レオナとは同じ「筋肉仲間」として意気投合した。また幼い頃にオードリーから聞かされていたユーハングの伝説の武人「モモタロウ」の影響で自身も強き武人になろうと心に決め、彼女の衣装もその武人にあやかって自身で裁縫して作ったものである。オードリーから聞かされていた「ことわざ」も偉人が後世に伝える暗号文として好きだとよく使っている。 ミヤビ 声 - 日笠陽子 ムラクモ空賊団の一人。零戦五二型を駆り、3年前に祖父のキリンから「零戦胡蝶」の名と祖父の興した商会・ミヤビ興業を引き継ぎ、普段は社長として運び屋稼業を営んでいる。同興業の実体は価値のある骨董品を狙う空賊稼業の隠れ蓑で、実質的なムラクモ空賊団の現頭領である。同時に骨董品強奪に際して興業のスローガンを遵守し、さらにライバル他社の輸送部隊を殲滅するなど、運び屋と空賊が表裏一体となっており、自らも「零戦胡蝶」の名を受け継ぐ者として先陣を切る。骨董品収集は自身の趣味でもあり、社長室にも骨董品を飾っている。 幼少の頃より狡猾かつ野心的、優雅で理知的にして、己の美学を貫く性格である。キリンよりも高い智略と商才を持ちながらも周囲に隠し通していたが、キリンの死期が近いことを悟ると後継者権をかけた将棋を持ちかけて勝利し、半ば強引に認めさせて商会を引き継いだ経緯を持つ。 イベント「ミヤビの事件簿」では各界の要人を招いたパーティーの中に忍び込んでいたロイグから、かつてムラクモ空賊団とライバル関係にあった「夜明けの鷹」の財宝の話を聴き、財宝を我が物にしようとロイグ達怪盗団アカツキの捕獲を決意する。 ツバキ 声 - 喜多村英梨 ムラクモ空賊団の一人。飛燕を駆る切込隊長であり、祖父のリュウより「剃刀飛燕」の名を引き継いではいるが、「剃刀飛燕」の名を継ぐ気はあまりなく、勝手に飛燕を拝借して飛んでいるだけという、荒っぽいが気さくな性格の持ち主である。戦闘機の操縦は天才肌で、群がってくる賞金稼ぎを適当に撃墜しているうちに撃墜数は40機を超えている。料理に関しては破滅的で、腹が満たされれば何でもいいという感覚を持つ。 祖父が頑固で何も教えてくれなかったこともあり、祖父ではなく初代「雷電魔王」ことオードリーに憧れている。その一歩として彼氏を作ろうとするが、欲しいものは力づくで手に入れる空賊の基本志向から「好きな男の機体をいきなり飛燕で撃墜し、不時着したところを追って告白する」という奇行に走っていた。 「理想の王子様」を見つけるために各地を旅し、イベント「ツバキの歌劇団」でアレンに一目惚れするが、紆余曲折の末に大騒動となり、ムラクモ空賊団という立場上やむを得ず逃走する羽目になりつつもアレンとの再会を心に決める。 オボロ 声 - 後藤沙緒里 ムラクモ空賊団の一人。鍾馗を駆り、亡くなった祖父のスザクより「鬼鍾馗」の名を引き継いでいる。物静かな性格で、常に落ち着いた口調で相手に接している。祖父同様に相手の思考や動きを読む「先読み」に長けており、賞金首などに絡まれても逆に返り討ちにする他、空戦でもその才能を発揮する。 実は本当の「鬼鍾馗」は兄の方であり、戦闘機の操縦技術は兄に劣らぬものの、サクラから「ポンコツ妹」と評されるほど空図が全く読めずおっちょこちょいな面もあることから、兄が「鬼鍾馗」を引き継いでいる。賞金稼ぎに捕らえられた兄を救うべく指定された場所に向かおうとしたものの、空図が読めずに片っ端から各地を探していた所にサクラと出会い、指定された場所への案内役を頼んだ。 ホタル 声 - 洲崎綾 ムラクモ空賊団の一人。疾風を駆り、祖父のゲンブより「竜巻疾風」の名を実質引き継いでいるが、本人にその自覚はほぼなくムラクモ空賊団という名前すらよく覚えていない。一見して優しく温和な少女だが狂気を秘めており、倫理観は破綻している。 リノウチ出身で、ゲンブと両親と暮らしてしたが、数年前のリノウチ大空戦の時に戦闘機が実家に墜落し、自身はゲンブの手により間一髪難を逃れた。しかし、逃げ遅れた両親が燃える家の中で生きたまま焼かれて死んだ姿を目の当たりにしたショックで倫理観が破綻し、蝶を「両親をあの世に連れて行く天の使い」と思い込み、両親を連れて行かせるものかと捕まえては潰すその姿を見たゲンブにより家から出ることを固く禁じられていた。後にゲンブがこの世を去り、近所の者に解放されたホタルは戦闘機に「ちょうちょ」の幻を見ては、倉庫の奥深くに隠されていた疾風でそれを追って30機以上も無差別撃墜する凶行に及んでいた。後に身柄を確保されて沙汰が出るまで留置所に収監され、その報を聞いて彼女の下へインタビューに訪れたサクラを友達として気に入り、脱走後はサクラの所へ居候としてしばらく滞在することとなる。そして「怪盗団アカツキ」にて、ネムやオボロと出逢い、ムラクモ空賊団の再結成を提案した。 ネム 声 - 小岩井ことり ムラクモ空賊団の一人。紫電改を駆り、祖父のビャッコより「稲妻紫電」の名を引き継ぎ、人里離れたオアシス(林)に小屋を建てて1人で生活している。コトブキ飛行隊のチカと同じくらいの身長で見た目は子供だがれっきした成人であり、同様に体重が軽いため対G耐性が高く、機体の限界を引き出すほどの旋回軌道も難なくこなす。見た目に反して年寄り口調で話す。 長年紫電改の「限界を超えた新たな旋回軌道」の研究をしており、小屋の中はその資料や文献などで溢れかえっている。賞金稼ぎと間違えて撃墜したサクラにお詫びとして自身の取材を受け、代わりに機体の修理が終わるまで助手を依頼する。 オードリー クロエの祖母。かつて初代「雷電魔王」にしてムラクモ空賊団頭領として各地を暴れ回り、やがて1人の男と恋に落ち結婚して団員と袂を別ち、夫や息子夫婦、そして孫のクロエを賞金首などから守りながら生活してきた。クロエに雷電の操縦や整備、サバイバル術などを叩き込んだ。 夫に先立たれ、息子夫婦も10年前に事故で亡くしたのを機に、自分のせいで家族に当たり前の生活をさせてやれなかったと慚愧の念にかられて空を飛ぶことを辞め、そのショックもあって、かつての覇気ある性格から一変して穏やかで呆けた性格になった。それでも気配を悟られることなく相手の背後に忍び寄ったり、遥か地平線の戦闘機のエンジン音を聴き分けたりするなど、優れた五感と身体能力を持っている。また、クロエにモモタロウの話を聞かせたり、ユーハングの儀式装束である十二単衣を所有していたり、クロエに「ことわざ」を教えたりするなど、ユーハングに関して妙に詳しい一面も持っていた。 キリン ムラクモ空賊団時代は初代「零戦胡蝶」にしてその智略を以て参謀として活躍し、ムラクモ空賊団解散後はキリン商会を興し、競争相手を潰しながら会社を大きくした。息子夫婦が死んだこともあり、ただ1人の身内であるミヤビよりも商才のある者に商会を継がせるつもりだった。しかし、晩年心臓を患い、兼ねてより商会を継ごうと野心を抱いていたミヤビと後継者権を賭けての将棋の一局で敗北し、その時のショックで心臓に負担がかかったこともあり、ミヤビに商会を託した後にこの世を去った。 ヨシカゲ ミヤビの秘書。普段から淡々とした口調で会話する。 オボロの兄 本当の「鬼鍾馗」であり、祖父のスザクが亡くなった後はオボロと二人で素性を隠して生活し、医師として身体の不自由な患者の下を訪れて診察している。普段も別の飛行機を使用していたが、そこを賞金稼ぎに襲撃されて捕らえられる。のちにオボロこそが鬼鍾馗に相応しいと名と機体を譲った。 オボロを溺愛し、またオボロも兄を病的に慕っていることから、サクラから「特殊な兄妹」とドン引きされている。 ゲンブ ホタルの祖父で初代「竜巻疾風」。故人。ムラクモ空賊団解散後、リノウチで息子夫婦とホタルと共に暮らしていたが、数年前のリノウチ大空戦の時に墜落機による家の火災で息子夫婦を亡くし、そして倫理観が破綻し狂気を孕んだホタルを危険視し家から出ることを固く禁じた。やがて老衰でこの世を去り、家を訪ねてきた近所の者によりホタルは解放されることとなる。 ビャッコ ネムの祖父だが血を分けた本当の身内ではなく、親に捨てられていた赤子のネムを拾い、我が子のように愛し育て、ネムに自由な大空と広い世界を教えた。晩年まで紫電改の旋回軌道の研究をしてきたが、死の間際にネムの出生と、両親を探して頼りにしろと言い遺してこの世を去った。しかし、ネムは彼以外に身内はいないと、そして天国の彼に喜んでもらおうと研究を引き継いだ。
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