威風堂々
別表記:威風堂堂
「威風堂々」とは、態度や雰囲気や佇まいが威厳に満ちていて立派なさまを意味する表現である。または、エルガーが作曲した行進曲集のタイトル、あるいは「梅とら」が発表したボカロ曲のタイトルでもある。
「威風堂々」の基本的な意味
「威風堂々」は「威風」と「堂々」の2語からなる熟語であり、「威風」も「堂々」も共に「威厳があって立派である」という意味合いの言葉である。単に「堂々」とも言い換えられる。あるいは「堂々」を強調した表現として「威風堂々」を使うという捉え方もできる。「威風堂々」は、個人や集団の立派なさまを形容する表現として用いられることもあれば、自然の動植物の雄大な姿や景観、建築物の壮麗さを形容する表現として用いられることもある。
威風堂々たる姿や態度は、多くの人にとって理想的な人物像となり得る。もちろん「威風堂々」は、理想として目指すべき境地である。他者からそのように評されることはあるかもしれないが、決して自称するものではない。
曲名としての「威風堂々」とは
「威風堂々」と題された作品としては、イギリス音楽家エドワード・エルガー(Edward Elgar)が作曲した管弦楽のための行進曲集が特に著名である。ただしエルガーの更新郷愁の原題は英語で「Pomp and Circumstance」といい、直訳すれば「荘厳な儀式」である。要するに「威風堂々」は邦題である。
エルガーの「威風堂々」は全6曲からなる。このうち第1番の中間部の旋律は日本でもよく親しまれている。エルガーの名を知らない人でも曲を聞けば大抵「あっこの曲ね」「ワールドカップの曲ね」といって合点がいくであろう。
今日の日本では、いわゆるボカロ曲としての発表された「梅とら」の曲のタイトルとしても知られている。この「威風堂々」は、VOCALOID(ボーカロイド)単品ではなく「巡音ルカ」「初音ミク」「鏡音リン」「GUMI」「IA」の5製品が使用されている。ノリの良いEDMと暗示的でセクシーな歌詞が人気である。
「威風堂々」の語源・由来
「威風堂々」は、威厳のある様子や威勢の強い様子を指す「威風」と、力強く立派な様子や隠すことも恥じることもなくこそこそしていない様子を指す「堂々」の2つの言葉より成り立つ。威風の「威」には、厳かで犯しがたい力のあることという意味があり、「風」には人や物の姿という意味がある。堂々の「堂」には、表御殿という意味がある。表御殿は公の政務や儀式などを行う立派な建物であることから、態度などが立派なことに対しても「堂々」という言葉が使われるようになった。「威風堂々」の使い方・例文
「威風堂々」は、威厳に満ち溢れた態度や雰囲気を表現する際に、以下のように使用される。・代表に選ばれた彼の演説は威風堂々としたものだった。
・優勝した選手の姿は威風堂々としていた。
・彼女の威風堂々とした姿に憧れる後輩は多い。
・彼の威風堂々とした姿は、日々の努力がそうさせるのだろう。
・先頭として入場するのだからおどおどせずに威風堂々としていよう。
・凱旋パレードで選手の威風堂々とした姿を見て、将来自分もあのようになりたいと思った。
・若いのに威風堂々とした立ち振る舞いを見習いたい
・ライオンの威風堂々とした姿から目が離せない。
・ずっと見たかった城の威風堂々とした姿に感動した。
・威風堂々とした建物で、入るのを躊躇してしまった。
威風堂々
「威風堂々」とは、佇まいや行いに威厳があり立派な様子のことを意味する表現。
「威風堂々」の基本的な意味
「威風堂々」とは、佇まいや行いに威厳があり立派な様子のことである。別表記は「威風堂堂」。「威風堂々」は、威厳があり威勢が強いという意味の「威風」と、威厳を感じさせる様子や物怖じしないさまなどを表す「堂々(堂堂)」を、組み合わせた四字熟語である。ただし、同じ「堂々」であっても「堂々巡り」に用いられている「堂々」は、仏堂やお堂といった「堂」を指す表現として使われている。信徒や僧侶が祈願のために神社や寺院のお堂を何度も回る儀式から転じて、同じことを何度も繰り返し続けることを「堂々巡り」と言う。「威風堂々」は、イギリスの作曲家であるエドワード・エルガーが作曲した管弦楽のための行進曲集である。「威風堂々」の行進曲は6曲で構成され、第1番〜第4番までは1901年〜1907年、第5番は1930年にエルガー自身によって作られている。第6番は、1996年に大英図書館で発見された草稿などをもとに、21世紀初頭に、アンソニー・ペインによって補筆され完成したものである。
「威風堂々」の原題は「Pomp and Circumstance」で、シェイクスピアの戯曲「オセロ」の第3幕第3場の台詞「Pride, pomp and circumstance of glorious war」から取られている。「pomp」には「壮麗」「華麗」、「circumstance」には「儀式張った、物々しい」という意味があり、「威風堂々」という日本語の題名は意訳されてはいるが名訳であると言える。
日本で、エルガーの「威風堂々」と言えば、第1番を指すことが多い。その中でも、中間部の旋律が有名である。ただし、「威風堂々」という曲名は行進曲集全体のものであり、第1番やその中間部を「威風堂々」というのは誤った使い方と言える。イギリスでは、第1番の旋律は「希望と栄光の国(Land of Hope and Glory)」と呼ばれている。「希望と栄光の国」は「イギリス第2の国歌」や「イギリス愛国歌」と称され、現在でも多くのイギリス国民に歌い継がれている。
「威風堂々」の第1番は1901年に作曲され、その年の10月に初演。初演から3日後の演奏会で2度に渡るアンコールを求められ、3回も演奏されたという逸話が残っている。その演奏を聴いたエドワード7世から歌詞をつけるように依頼され、翌年「戴冠式頌歌(Coronation Ode)」を作曲、終曲「希望と栄光の国(Land of Hope and Glory)」にこの行進曲の中間部の旋律を用い、現在でも独立した歌曲として演奏されている。歌詞はイギリスの詩人であるアーサー・クリストファー・ベンソンによるもの。「戴冠式頌歌」の楽譜が刊行されると、終曲「希望と栄光の国」が好評で、版元が独立した曲にするように提案した。
第1番は三部形式をとり、独創的なイントロから始まり、主部は、第一主題・第二主題ともに躍動的な軍楽行進曲らしい様を呈し、続くトリオの旋律が再現される。「威風堂々」は、オーケストラ用の式典行進曲であるが、ピアノ版は、指揮者として19世紀末から20世紀前半に活躍したアドルフ・シュミットの編曲によるものが知られている。
威風堂々の行進曲は、日本では式典や運動会のBGM、CMソングなど様々なシーンで採用されている。また、独自のアレンジや日本語の歌詞をつけて発表されている楽曲も多い。
巡音ルカ・初音ミク・GUMI・IA・鏡音リンをメンバーとする「DIVINE-DIVA」の「威風堂々」は、人気ボカロPである梅とらの四字熟語シリーズ第1弾として2013年にリリースされた。梅とらのアダルトな世界観と音楽センスが高く評価され、彼の代表曲ともなっている。2022年には音楽ゲーム「プロジェクトセカイ カラフルステージ!feat.初音ミク」で男性キャラクターによる歌唱楽曲として採用されている。また、様々な解説やカバーが発表されるなど、根強い人気を誇る楽曲である。
「威風堂々」の発音・読み方
「威風堂々」は「いふうどうどう」と読む。いふうどうどう〔ヰフウダウダウ〕【威風堂々】
読み方:いふうどうどう
《原題、Pomp and Circumstance》エルガーの管弦楽のための行進曲集。全5曲。1901年から1930年にかけて、第1番から第5番を作曲。第6番は未完だったが、死後に発見された草稿をもとに2005年から2006年にかけてアンソニー=ペインにより補筆完成された。第1番の中間部「希望と栄光の国」は英国第二の国歌とも称される。
いふう‐どうどう〔ヰフウダウダウ〕【威風堂堂】
威風堂々
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/10/28 07:44 UTC 版)
威風堂々、威風堂堂(いふうどうどう)は、態度や雰囲気に威厳が満ちあふれて立派な様子を意味する語。これにちなみ、以下のものにも使われている。
- 威風堂々 (行進曲) - イギリスの作曲家エドワード・エルガーの作曲した行進曲。5曲(補筆稿も含めれば6曲)あるが第1番が最も有名。
- 威風堂々 (平原綾香の曲) - 平原綾香のシングル『威風堂々/JOYFUL, JOYFUL』に収録。上記の第1番から中間部の旋律を用いた楽曲。
- 威風堂々 (ゆずの曲) - ゆずの限定シングル
- 威風堂々 (アルバム) - 秋川雅史のアルバム
- 威風堂々〜B.M.C.A.〜 - BOYS AND MENのアルバム
- 威風堂々〜人間椅子ライブ!! - 日本のバンド・人間椅子のライブ・アルバム
- 威風堂々〜奨学金って言い方やめてもらっていいですか?〜 - 2024年の日本映画
- 威風堂々 - 梅とらのVOCALOID曲
- 威風堂々の歌 - 創価学会の学会歌の一つ
威風堂々
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/18 14:40 UTC 版)
「威風堂々/JOYFUL, JOYFUL」の記事における「威風堂々」の解説
前述通り、本楽曲はエドワード・エルガーが作曲した『威風堂々』第1番の中間部の旋律に独自の日本語歌詞を付け、アレンジを加えて仕上げたものとなる。 楽曲について 平原は本作について以下のように語っている。この曲はずっとカヴァーしたいなと思っていた曲の1つですね。私としても卒業式の印象が強くて、新たな世界へ巣立っていく、夢に向かい歩んでいくと言うイメージがある曲。なので前を向いて頑張って生きている人達への応援歌として歌いたいなと思いながら歌詞を書いていきましたね。 平原綾香にとっての威風堂々 以下のように語っている。この曲を作る際、「私にとっての"威風堂々"って何なんだろうな」と考えながら行ってましたね。一本道って迷うことは本来ないはずなのに、それが上ったり下ったりしているとどうしても迷いを覚えてしまう。けど、道は1つしかないし、誰のでもなく自分だけのもの、自分は自分でしか有り得ないと思うんです。だから、その道の真ん中を堂々と歩いて行くのが私にとっての"威風堂々"なんだろうなと思ったんです。「今のままで良い、今の道で間違ってない」っていう言葉は私も言って貰いたいし、感じたいし、感じて欲しいと思う事なんですよね。
※この「威風堂々」の解説は、「威風堂々/JOYFUL, JOYFUL」の解説の一部です。
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