チーム『ブレード』
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 18:12 UTC 版)
「死がふたりを分かつまで」の記事における「チーム『ブレード』」の解説
護を中心とする実働部隊。ネットワーク内では、チームではなく護個人を指して『ブレード』と呼ぶこともある。敵からは、その戦い方から『サムライ』と呼ばれることもある。 土方 護(ひじかた まもる) 本作の主人公。ネットワーク実働隊の一員で、最新テクノロジーによって製作された仕込み杖「断罪」を振るう古流剣術の達人。過去の負傷により視力を失っており、周囲に超音波を発しその音響データを網膜に投影する特殊サングラスによって視力を代替している。年齢は推定30歳前後。甘党で、遥のために買ったケーキを一番多く食べたこともある。 無愛想な皮肉屋で、冷酷かつ狡猾な面もあるが、正義感は強い。「古流剣術の麒麟児」と評されるほどの剣術の才能を持つ一方で、稲葉に「剣鬼」と呼ばれ、自らを「一般社会不適格者」と称するほど剣術に対する思い入れが強く、常に実戦を意識して生活を送っている。そのため、剣を振るい自己を研鑽するための戦場を求め続けており、強敵に遭遇し自らが不利な戦況に陥っても、その度に嬉々として事態を受け入れている。どんな場所でも睡眠をとることができる。剣術や任務に関する話題以外はほとんど口にしない一方、剣術に関する話題では饒舌な教え魔になり、教官としての指導力はワイズマンも「教え上手」と認めている。 真壁派一刀流を始めとして、水鴎流や示現流など数々の古流剣術の心得があり、五輪書などの古典にも精通している。実際の戦闘においては、剣術による近接戦闘を中心に、状況に応じて投げナイフや格闘技も用いる。野太刀の扱いにも長け、長巻も使いこなせる旨の発言をしているが、自身は打刀の扱いを最も得意とすると語っている。近接戦闘のエキスパートでなおかつ盲目であることから、爆発物が使われにくく、戦闘が接近戦になりやすい都市部で主に活動している。サングラスによる視覚補助がなくとも、ちょっとした空気の動きや殺気、地面へのわずかな衝撃などを察知することで敵の動きを捉えることができる。また、そうした優れた感覚の持ち主であるが故に、サングラスによる視覚補助がない時は敵との間合いを取ることが極端に難しくなり、より感覚に頼ることになるので相手への手加減(致命傷を避けるなど)ができなくなる。 10歳前後の幼い頃、飲酒運転の暴走車に巻き込まれて両親を亡くし、祖父・勝之進に引き取られて直心影流の手ほどきを受けた後、真壁一志の弟子として真壁派一刀流を学ぶようになった。祖父の死後は真壁の内弟子となり、中学生の頃には、後にその内容を聞いた源田が驚愕するほど常軌を逸した稽古を積み続けていた。この頃に両親を死に追いやった殺害犯の男が道端で泥酔しているのを目撃しており、その際に抱いた感情が彼を剣鬼の道に誘う二度目の転機となっていると思われる。青年に成長し真壁派一刀流の師範代となった後は、真壁を稽古中に死に追いやり、一時期暴力団を相手に喧嘩を売り歩いていた。その後、稲葉から噂を聞きつけた巽からスカウトを受け、ネットワークに参加。銃器の扱いを始めとする現代戦の訓練を受けた後、チェチェン共和国のTPC部隊壊滅任務に加わるが、その時の負傷により視力を失い、目から額にかけて傷痕が残る。この時のTPCとの交戦をきっかけに、TPCに対して嫌悪感と憎悪感を滲ませるようになった。このため、ジーザスが敵対する「24」がTPCに参加した際、ジーザスやイージスらと共に「24」壊滅に乗り出している。 ネットワーク内では実力は高く評価されているものの、その経歴や、犯罪者に対する極端と言えるほど過激な姿勢、度を越して求道的な剣術への取り組み方のために、エージェントとしての存在を危険視する構成員も少なくない。 遥を表の世界に戻すため後にネットワークを離脱、ジーニらと手を組んでザシド・トゥルスの暗殺を企て、漆黒部隊を率いてデュハナに潜入している。誘い出したザシドと相討ち覚悟の勝負を行うが、遥の介入で水入りとなる。ザシドが内通・叛逆者を集めた場に潜入し再び対峙、脳のスリップ現象を利用した技「時雨」によって勝利をおさめる。ガルボアのマネージメントを引き受けた遥とひとまず別れ、7年後迎えに来た。 遠山 遥(とおやま はるか) 本作のヒロイン。中学1年生の少女。的中率90パーセント以上の予知能力を持ち、その能力のためにあらゆる組織から身柄を狙われ、後にエジー・トゥルスから5億ドルもの懸賞金をかけられた。護が自分の命を救ってくれると予知し、角鳳会に拉致されたところを逃げ出して通りすがりの護に助けを求め、ネットワークに保護された。 その予知能力はあらゆる事象の将来を正確に見通すものではなく、自分に関わる人間の、高い確率で起こり得る比較的近い未来が見えるのみである。またその予知に基づいて危険を避けるべく行動しても、被害を最小限に留めるだけに過ぎない場合もある。また予知は、本人の意志に関わらず唐突に脳裏に浮かぶ。 当初は周囲に気を遣って大人しく礼儀正しく振舞っていたが、本来は年相応のおてんばな性格をしており、護と行動を共にしているうちに元々の人間性が表に出るようになった。護については「未来の夫」となることを予知しており、生命を預けるほど絶対的な信頼を寄せている。護身用として射出式スタンガンを内蔵し、ストロボ機能なども組み込まれたスマートフォンを所持している。 護に守られるだけでなく、予知能力を用いて護の補佐も行っている。護がワイズマンの策略に追い詰められ、自らを鍛え直すべく北海道へ渡った際それに同行し、護と稲葉の指導を受けて恐怖心を制御する心構えを身に着けた。その後、潜入捜査のため年齢を偽り、様々な裏社会の勢力が入り乱れる藍東学園高等部に転入する。一時は「橘 春名(たちばな はるな)」という偽名を使っていたが、藍東学園では本名を名乗っている。 護による暗殺計画を阻止するべく、ネットワークの協力を得て編成されたチーム「UDDUP」を率い、デュハナに潜入している。相討ち覚悟で戦う護を自身を引き換えにして止める。当初はザシドの後継者候補を産む母体として見られていたが、その才覚から遥自身の感情を慮った扱いをしてでも手中に置く価値を認められる。護の勝利によってジーニに託されたガルボアのマネージメント役を引き受ける。一般社会で暮らしながら仕事をつづけ、7年後迎えに来た護と結婚式を行う。 井川 良太郎(いがわ りょうたろう) 護のサポート役。電子機器を始めとする各種機械の製作・制御に精通しており、護用の特殊サングラスの他、様々な機器を用いて護のバックアップを行う。自ら改造した指令車を運転し、任務の際には様々な形で護をサポート、サングラスのスピーカーを介して指示も出す。 年齢は20代後半。ドレッドヘアーにピアスをし、腕に入れ墨を彫っているなど軽薄な外見・行動をしているが、根は真面目な性格で頭の回転も速い。過去に通り魔犯罪で妹・真帆を亡くしている。常識的な性格で、チームメイトらの破天荒な行動に頭を悩ませる場面も多い。このため、物語序盤では護から「覚悟が足りない」と指摘されたことも。ワイズマンの策略により戦線を一時離れた護の後に伊吹大と新たにチームを組んだが、護の復帰により伊吹と共に再びチームを組んだ。ワイズマンによれば、偶然に護と遥の二人とチームを組んだことにより、強いチームができたと言わしめたほど、サポートに関しては一流であることを窺わせている。そのサポートについては護もまた信頼を置いている節が窺え、普段他人を頼らない護から頼まれごとをされた経験のある数少ない人物である。また、剣や任務以外の会話をしない護と、時折世間話をする光景も見られる。 護の計画に協力するため共にネットワークを離脱してデュハナに潜入し、技術担当としてサポートしている。 伊吹 大(いぶき だい) ワイズマンの策略により一時戦線を離れ、北海道に修業に赴いた護の代わりに井川とコンビを組むことになったネットワーク実働員。銃弾を弾くボディスーツを身に纏い、特殊バイク「ブケファロス」を駆って犯罪者を追い詰める。護の帰還後も、そのままチームブレードの一員として活動している。 総重量57kgにも及ぶ防弾・耐衝スーツを身に纏いながらバイクを縦横無尽に操る運動能力の持ち主で、巽から直接指導を受け、専用マシンとしてブケファロスを提供されるなど、その素質は高く評価されている。自身もバイクの操縦テクニックに関しては絶対的な自信を持っており、ファイブ・ミニッツ・ギャング事件ではバイクで逃走する犯人に、テクニックで負かしてやると挑発したほど。しかし護やジュリエットにはエージェントとして子供扱いされており、隙あらば一撃打ち込もうと護に不意打ちを仕掛けては失敗している。また直情的な性格をしばしば周りに諌められている。 戦闘後にアイスを食べたり、日常でもよく飴を舐めていたりするなど、甘い物を頻繁に口にしている。猫を1匹飼っている。遥らのデュハナ潜入部隊の一員に加わっている。
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