アルシオーネ
アルシオーネは、スバル星団のなかでひときわ明るく輝く星の名前。初代は85年6月発売。
スバル初のスペシャリティカーで2+2クーペ。リトラクダブルヘッドランプ、ドアハンドルまで面一化したボディが特徴だった。ベースはレオーネで、2465mmのホイールベースは共通。エンジンは水平対向1.8L・SOHC・ターボだけで、最高出力は135ps(グロス)を発生した。駆動方式はFFと4WDがあった。4WDシステムは油圧多板クラッチ方式によるMP-Tで、状況に応じ自動的にFFと4WDの切り替えが可能だった。手動切替えボタンも付いていた。ミッションは5速MTと3速ATがあったが、FF車は前者の設定しかなかった。4WD車の足まわりは電子制御エアスプリングによるエレクトロ・ニューマチック・サスペンションで、4輪独立オートレベリング、車高2段階調節、減衰力可変ダンパーなどを備えていた。価格は東京地区189万円~231万5000円。
1986年3月、FF車のVSにもATを採用。4WD車にスチールの脱着式サンルーフ仕様を新設定。
87年7月、スバル初の3ナンバー車2.7Lエンジン搭載のVX登場。水平対向エンジンは6気筒自然吸気、最高出力150ps(ネット)。フルタイム4WDの、電子制御アクティブ・トルクスプリット(ACT-4)方式が新しかった。ドライバーの意志や走行条件、状況に応じて、最適な駆動力配分を行うメカニズム。ミッションは電子制御4速ATで、ABSと関連して総合的に制御する機構だった。電子制御エアサスペンション付き。1.8Lターボの既存モデルも変更、VRのAT車がアクティブ・トルクスプリット、同MT車がセンターデフ式4WD、VSとVRが電子制御4速ATに進化した。
91年9月、SVX(90年代グランドツーリングカーを提案するSubaru Vehicle Xを象徴した呼び名)がデビューした。スタイリングをイタリアのイタルデザインに依頼、キャノピーのガラス処理に特徴があった。定員5名のクーペボディ。エンジンは水平対向6気筒・DOHC・自然吸気で3.3L、最高出力240ps。電子制御4速ATで、フルタイム4WDはバリアブル・トルク・ディストリビューション(VTD)により、前後輪のトルク配分を常に最適にコントロールした。ATはマニュアルモードにもなった。同位相となる4WSもグレードによって選べた。ABSは標準装備だったが、SRSエアバッグはオプション。東京地区価格はLが399万5000円、Eは333万3000円。
94年11月、特別限定車S3を追加。95年6月に運転席+助手席SRSエアバッグ、ABS、BBS鍛造アルミホイール、リヤ・ビスカスLSDなど、ほぼフル装備のS4(SVX発売4周年の特別仕様車)を追加。東京地区価格は316万6000円で7月発売。その後は変更もなく、96年12月に生産停止となった。
Alcyone
アルキュオネー
(alcyone から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/22 19:00 UTC 版)

アルキュオネー (古希: Ἀλκυόνη, Alkyonē, ラテン語: Alcyone) は、ギリシア神話の女性である。同名の女性が複数知られており、有名なものでは、
がおり、あまり有名でないものにステネロスの娘、エレペーノールの母がいる。また『イーリアス』によれば、メレアグロスの妻クレオパトラーはアルキュオネーのあだ名で呼ばれたという[1]。
アイオロスの娘
この女性はアイオロスとエナレテーの娘で、クレーテウス、シーシュポス、アタマース、サルモーネウス、デーイオーン、マグネース、ペリエーレース、カナケー、ペイシディケー、カリュケー、ペリメーデーと兄弟[2]。一説にアイオロスとアイギアレイアの娘[3]。
ケーユクス(明けの明星ヘオースポロスの子)の妻[4][5]。
この夫婦は傲慢さからお互いをゼウスとヘーラーにたとえた。そのためゼウスはケーユクスをカツオドリに、アルキュオネーをカワセミに変えたという[4]。
オウィディウスによるとアルキュオネーとケーユクスは大変仲の良い夫婦であったが、ケーユクスは神託伺いのために航海に出て、嵐に遭い、海で死んだ。夫の死を夢で知ったアルキュオネーが海岸に行くと、海に1体の死体が漂っていた。アルキュオネーはそれが夫であると悟り、夫のもとに行こうとしていつの間にか鳥になっていた。そして夫のもとに飛んで行くとケーユクスもまた鳥になった。神々によって鳥に変えられたのであり、二人は鳥となった後も仲睦まじく暮らした。
なお、オウィディウスではアルキュオネーの父アイオロスは風神アイオロスと同一視されており、自分の子孫であるカワセミが冬、海上で卵を孵す7日間だけ風を閉じ込めて海が荒れないようにすると述べている[5]。
系図
|
|
アイオロス |
|
|
|
ヘーオスポロス |
|
|
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|||||||||||||||||||||||||||||||||
|
|
|
|
|
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
|
アルキュオネー |
|
ケーユクス |
|
ダイダリオーン |
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ヘルメース |
|
|
|
|
|
|
|
キオネー |
|
|
|
|
|
|
|
アポローン |
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|||||||||||||||||||||||||
|
|
アウトリュコス |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
ピラムモーン |
|
アルギオペー |
|
||||||||||||||||||||||||||||||||
|
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|||||||||||||||||||||||||
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|||||||||||||||||||||||||||||||||
アイシモス |
|
ラーエルテース |
|
アンティクレイア |
|
アイソーン |
|
ポリュメーデー |
|
タミュリス |
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
|
|
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
||||||||||||||||||||||||||
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
シノーン |
|
オデュッセウス |
|
クティメネー |
|
イアーソーン |
|
プロマコス |
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
古典作品への登場
- 対話篇『アルキュオーン』(Halcyon) - プラトーンまたはルーキアーノスに帰せられる作品とされてきたが、現代ではどちらも真正の著者ではないとされる[6]。
- 歌劇『アルシオーヌ』(Alcyonne) - 後期バロックのフランスの作曲家、マレの作品。
アトラースの娘
この女性はプレイアデスの1人で、アトラースとプレーイオネーの娘、マイア、ターユゲテー、ステロペー、エレクトラ、ケライノー、メロペーと姉妹。アルキュオネーは海神ポセイドーンから愛され、アイトゥーサ、ヒュリエウス、ヒュペレーノールを生んだ。子供たちのうち、アイトゥーサはアポローンとの間にエレウテールを生み、ヒュリエウスはニュムペーのクロニエーとの間にニュクテウスとリュコスをもうけた[7]。
パウサニアースによると、アルキュオネーとポセイドーンの子はヒュペレースとアンタースである。2人はトロイゼーンの古い王で、ヒュペレイア市とアンテイア市を創建した[8]。アンタースはボイオーティア地方のアンテドーン市の王だったという説も述べている[9]。さらにヒュギーヌスはエポーペウス、ベーロス、アクトールの名前を挙げている[10]。
なお、10世紀頃の『スーダ』はトラーキア出身の音楽家オルペウスをアルキュオネー(すなわちアトラース)の子孫と伝えている[11]。
その他のアルキュオネー
- ステネロスとペロプスの娘ニーキッペーとの娘で、メドゥーサ、エウリュステウスと姉弟[12]。ヘーラクレースがエリュマントスの猪を生け捕りに挑んだ際、ケンタウロス族との間に諍いが起きた。アルキュオネーはこのとき逃走したホマドスというケンタウロスに暴行されそうになったが、ヘーラクレースに助け出された[13]。
- エウボイア島の王カルコードーンの妻で、エレペーノールの母[14]。
脚注
- ^ 『イーリアス』9巻。
- ^ アポロドーロス、1巻7・3。
- ^ ヒュギーヌス、65話。
- ^ a b アポロドーロス、1巻7・4。
- ^ a b オウィディウス『変身物語』11巻。
- ^ A. E. Taylor, (2001), Plato: The Man and His Work, page 552. Courier Dover Publications
- ^ アポロドーロス、3巻10・1。
- ^ パウサニアス、2巻30・8。
- ^ パウサニアス、9巻22・5。
- ^ ヒュギーヌス、157話。
- ^ 『ソクラテス以前哲学者断片集 第1分冊』p.4。
- ^ アポロドーロス、2巻4・5。
- ^ シケリアのディオドロス、4巻12・7。
- ^ アポロドーロス、摘要(E)3・11。
参考文献
- アポロドーロス『ギリシア神話』高津春繁訳、岩波文庫(1953年)
- オウィディウス『変身物語(下)』中村善也訳、岩波文庫(1984年)
- ディオドロス『神代地誌』飯尾都人訳、龍溪書舎(1999年)
- 『ソクラテス以前哲学者断片集 第1分冊』「オルペウス」三浦要訳、岩波書店(1996年)
- パウサニアス『ギリシア記』飯尾都人訳、龍渓書舎(1991年)
- ヒュギーヌス『ギリシャ神話集』松田治・青山照男訳、講談社学術文庫(2005年)
- ホメロス『イリアス(上)』松平千秋訳、岩波文庫(1992年)
- 高津春繁『ギリシア・ローマ神話辞典』岩波書店(1960年)
関連項目
- おうし座イータ星(アルキオネ、Alcyone) - アルキュオネーにちなんでつけられた。
- alcyoneのページへのリンク