阿賀川とは? わかりやすく解説

阿賀川

会津を育んだ母なる川
阿賀川は、栃木福島県境に位置する荒海山標高1,581m)にその源を発し荒海川桧沢川等の源流峡の源流峡谷集め猪苗代湖から流下する日橋川会津若松市街地を流下する湯川などの支川合わせながら会津盆地流れ山科地先より山間部入り尾瀬沼を源に流下する只見川合流し新潟県にはいると阿賀野川と名前を変え新潟平野経て日本海注いでます。阿賀川の流域面積は3,260km2流路延長は123kmに及びます

会津盆地の中心部を流れる阿賀川
会津盆地中心部流れる阿賀川

河川概要
水系阿賀野川水系
河川名阿賀川
幹川流路延長210km(阿賀野川水系全体) 123km(阿賀川)
流域面積7,710km2阿賀野川水系全体
3,260km2(阿賀川)
流域内人59万人
流域関係都県新潟県福島県群馬県

阿賀川流域図
○拡大図
1.阿賀川の歴史
"阿賀川は、かつて大出水の度に流路変え氾濫し縦横無尽暴れて沿川の人間悩ませ古くからいろいろな治水工事川除普請)がおこなわれきました。その一方で豊富な利用して江戸時代明治初期までの間、舟運による物資輸送発達し地域の生活、文化に密接に関係していました。"

 
暴れ川 阿賀川
古い資料
会津歴史をしる最も古い資料によれば応永26年1419)の阿賀川の流路現在の宮川鶴沼川であったことがわかりますその後、約100年後の記録天文5年1536)では、阿賀川の流路は、現在の流路に近いものになってます。このように阿賀川は、この地に肥沃な土と豊富なをもとらす一方で大出水の度に流路変え氾濫し縦横無尽暴れて沿川の人間悩ませきました

川除普請
阿賀川は、縦横無尽暴れて沿川の人間悩ませきましたこのため古くからいろいろな治水工事川除普請)や制度福祉政策)がおこなわれきました江戸時代には「川干しという大工事」、「山崎湖の水抜き普請」、「島田覚右右衛門による大川普請」、「藤森左衛門災害復旧工事」など「川除普請」がおこなわれきましたまた、川除普請は、農民負担大きいため、会津藩藩主保科正之」は農民救済目的とし、「社倉米」という制度設けられました。
蛇籠
- 蛇  籠 -
出展:「日本水制平成7年 山本晃一)
そのような中で、蛇篭出し使用する竹の代わりに葡萄ヅルを用い工法など、地域の特性にあった工法なども生まれました中央技術成功をみて、会津には「蛇篭出し」に使用する竹が少ないため、地元でとれる葡萄ヅルを用い河川工事費削減図ったことが伝えられています。このように地域の特性、川の性格巧みに活かした技術は、現代の阿賀川でも環境面という評価加え地域調達可能な天然素材使用した木工沈床等の伝統的工法採用してます。

モノ分化運んだ阿賀川
明治の頃の阿賀川舟運
江戸時代明治初期までの間、阿賀川では豊富な利用して舟運発達していました下流新潟そして大阪まで舟運航路があり、行き会津からは米や薪炭麻苧運び帰りに塩を中心に綿布古手細物太物海産物生活必需品運んできたといわれています。会津では山椒付けやボウタラが有名ですが、内陸部会津このような海産物有名になっているのは、阿賀川の舟運のおかげかもしれません。また、舟運により江戸大坂京都等の文化運ばれてきたといわれています。
2.地域の中の阿賀川
"阿賀川は、多様な動植物生息生育してます。また、これらの生物育む瀬、淵、ワンドなどの豊かな自然環境恵まれ子供たちにとって貴重な自然体験の場になってます。
また、毎年会津めだか塾」を開校し、阿賀川の自然環境や川で安全に楽しむ方法などを学び、それらを子供たち伝える「川の達人」の輩出されています。"

阿賀川は、多様な動植物生息生育してます。また、これらの生物育む瀬、淵、ワンドなどの豊かな自然環境恵まれ子供たちにとって貴重な自然体験の場になります。これら豊かな環境守りつつ、水害に強い安全で安心して住め地域づくり活力ある地域づくり支援することにより「人と自然が共生できるふるさと会津」の実現めざしていろいろな活動おこなわれています。

阿賀川 川の達人
毎年会津めだか塾」を開校し、阿賀川の自然環境や川で安全に楽しむ方法などを学び、それらを子供たち伝える「川の達人」を養成してます。これまでに、多くの「川の達人」を輩出し市民団体「阿賀川・川の達人の会」で、イベントなど通して自然とふれあい遊び文化子供たち伝え活動をおこなっています。
 受講風景 阿賀川の自然環境を学ぶ
- 受講風景 -- 阿賀川の自然環境を学ぶ -


川の学び場・遊び場
荒川河口部崎、海老江塩谷の三湊が置かれいました。これらの湊は、岩船及び新潟へつながる内陸水運中継地として、また、荒川沿って発達した米沢街道(別名、荒川道)を利用した内陸部との交易拠点となり、北前船の寄港地としても栄えてました。
日橋川 川の祭典
- 日橋川 川の祭典 -
阿賀川の自然を活かしながら、子供達が川で学び遊ぶことのできる、川とのふれあいの場である「水辺の楽校」を会津若松市会津本郷町連携し整備してます。会津若松市水辺の楽校では、湧水活かした陸封型イトヨ」の観察池や親水広場設けてます。
また、日橋川・川の祭典、阿賀川ふれあい交流イベント河川敷公園活用して毎年盛大に開催されています。
3.阿賀川の自然環境
"阿賀川の河道多くの瀬や淵などにはぐくまれ多様な水辺空間生態系形成してます。生息する生物は約2,800種におよび、陸封型イトヨウケクチウグイなどの特定種もみられ豊かな自然環境形成してます。"

流域特徴
阿賀川は、福島栃木県境の荒海山標高1,580m)にその源を発し荒海川桧沢川等の源流峡の源流峡谷集め猪苗代湖から流下する日橋川会津若松市街地を流下する湯川などの支川合わせながら会津盆地流れ、やがて只見川合流し阿賀野川となって福島・新県境峡谷部や新潟平野経て日本海注いでます。
阿賀川流域内には会津若松市喜多方市をはじめ2市1511があり、福島県面積の約39%を占めてます。
蛇行する河川(14~15km)
- 蛇行する河川1415km)-
本川は、上流帝釈山地山間抜け馬越頭首工付近より下流会津盆地中央流れ扇状地河川となります会津盆地において、広い河川敷幾筋蛇行する細流となって流下していき、更に会津盆地抜け付近下流狭窄においては渓谷状の河道となります
河道は、樹木河道面積の約2割を占めており、蛇行河床変化の中で、多くの瀬や淵などにはぐくまれ多様な水辺空間生態系形成してます。

豊かな自然環境
陸封型イトヨ
- 陸封型イトヨ -
阿賀川に生息する生物は約2,800種(鳥類陸上昆虫類両生類爬虫類哺乳類魚介類底生動物植物)に及びます広大な河原にはヨシツルヨシ分布しオオヨシキリコヨシキリ等の鳥類繁殖となっているほか、樹林帯ではヤナギオニグルミなどの群落多数分布し多く昆虫鳥類小動物生息の場を提供してます。魚類ではウグイオイカワアユなどの他、陸封型イトヨウケクチウグイなどの特定種もみられ、豊かな自然環境形成してます。
水質は、環境基準値(A類型)を達成するなど、良好な状況であり、多く生物生息環境支えてきたほか、農業用水をはじめさまざまな用途水利用が行われてきました
河原ヤナギヨシなどの群落は、多様な生物生息空間としての場を提供してきた他、周辺田畑あいまってのどかな自然景観をかもしだしてます。
4.阿賀川の主な災害

発生発生原因被 害 状 況
昭和16年7月23日 台風死者1名、負傷者2名、家屋流失9戸、浸水家屋973戸、田畑浸水4,266町歩。阿賀川堤防欠壊門田地内で700m、神指地内150m
昭和24年8月30日 キテイ台風床上床下浸水250戸等となった。 阿賀川堤防決壊流出、神指中四合地内延長20m
昭和31年7月15日活発化した前線死者29名、行方不明者6名、重軽傷者5名、家屋全壊57戸、家屋流出57戸、家屋半壊52戸、家屋一部破損53戸、床上浸水1,909戸、床下浸水7,465
昭和33年9月25日 台風22号負傷者3名、家屋全壊流出76戸、半壊150戸、床上浸水496戸、床下浸水1,373
昭和44年8月12日 活発化した前線死者3名、負傷者9名、行方不明者8名、家屋全壊27戸、家屋半壊57戸、家屋流失16戸、床上浸水514戸、床下浸水548戸
昭和57年9月12日台風18号死傷者3名、家屋半壊12戸、床上浸水53戸、床下浸水493戸
昭和61年8月4日 台風10号家屋浸水8戸、農地冠水176ha
平成元年8月6日 台風13号死者11人、負傷者4人、半壊家屋26戸、一部半壊15戸、床上浸水135戸、床下浸水145
平成7年8月3日 停滞前線阿賀川の河道災害、及び流域家屋農地等に被害発生
平成10年8月12日9月16日 台風5号数次降雨により、2箇所の緊急復旧災害を含む河道災害及び塩川町内水被害等を初めとする多大な被害発生
平成14年7月11日 台風6号負傷者1名、家屋一部破損1戸、床上浸水4戸、床下浸水34
平成14年10月1日 台風21号床上浸水46戸、床下浸水175

(注:この情報2008年2月現在のものです)




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