帰国後第二東京期/現代アーティスト時代(1999-2009)
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「宇川直宏」の記事における「帰国後第二東京期/現代アーティスト時代(1999-2009)」の解説
1999年、ロンドン・バービカン・アート・ギャラリー(バービカン・センター)での「JAM展」を皮切りに世界各地で展覧会開催。その後手がけたアートディレクションはBOREDOMSからブルガリまでと幅広く、VJ共演はジェフ・ミルズからメルツバウまで、執筆はニコラ・テスラ概論から石立鉄男研究までと、極めて多岐に渡る。 同98年 宇川のオーガナイズにより始動した、高橋透、MOODMANとのDEEP HOUSEパーティー「GODFATHER」を結成。(2011年9月11日高橋透のDJ活動休止により解散。) 2000年以降は、松本俊夫、田名網敬一、山口小夜子他とのコラボレーションをおこなう。この時期からVJとしての活動を再開し、2000年のカウントダウンではBOREDOMSと久々に共演。 2001年より電気グルーヴの石野卓球と本格的に親睦を深める。その後日本最大規模の屋内レイブ「WIRE01」にVJとして参加し、以降12年連続出場している。また年末年始LIQUIDROOMで恒例となった1日の夕方まで続く「死亡遊戯カウントダウン」にも卓球と2人っきりで10年連続出演(2007年より2F LIQUIDLOFTのオーガナイズも宇川が担当することとなり、複数チームのVJが入り乱れるスタイルとなったため、1対1の共演からはシフトしたがこのコラボは現在も毎年継続)。その他フジロック、METAMORPHOSE、ローライフ、渚、ライジング・サン・ロックフェスティバル他、国内外の野外フェスに毎年参加。 ミュージッククリップ・ディレクターとしてはBOREDOMS、テイ・トウワ、SUPERCAR、THE ORB、DJ TASAKA、ギターウルフ、電気グルーヴ×スチャダラパー、capsule、MEG、ORANGE RANGE他、多くのミュージシャンを手がけている。 2002年エディンバラ国際映画祭、2003年アルス・エレクトロニカ、2003年ワンドットゼロ、2004年RESFEST WORLD TOUR、などの国際デジタルフィルム・フェスティバル、またアメリカ、ヨーロッパ、アジア他、世界各国で数々のクリップが上映され、2003年SPACE SHOWER TV「MVA」BEST COMPUTER GRAPHIC VIDEO賞、2003年MTV VIDEO MUSIC AWARDS JAPAN BEST DANCE MUSIC賞、2009年『SPACE SHOWER Music Video Awards 09』特別賞、他、受賞歴も多数。グラフィック・デザイナーとして、ロンドン:バービカン・アートギャラリーでの「JAM展」、ニューヨーク:PS1/MOMAでの「BUZZ CLUB」、ソウル:ハジャ・センターでの「アクティブワイヤー」他、海外のエキシビジョンへの参加歴多数。作品集として「GAS BOOK7 / UKAWA NAOHIRO」、「RANGOON RADIO」がある。DVDとして「UKAWA NAOHIRO/Scaning of Modulations」「SUPERCAR/HIGH BOOSTER U.N.V.J.WORKS」「BOREDOMS / SUPERSEEEE!!!!!!!!!」「RapiLLd i MOVEMENT/iLL X UKAWA NAOHIRO」他、DVD監修として「谷岡ヤスジのメッタメタガキ道講座」等。 2003年 六本木ヒルズ・アリーナで行われたSAL VANILLAのパフォーマンス[INTER/ACTION]のポスター・デザイン等。 2004年以降は本格的に現代美術の領域に踏み込み、ニューヨーク:トランスプラント・ギャラリーでのコーンとケナフの種の発芽発育に絡んだ領土争いを9.11の出来事に隠喩した「UKAWA NAOHIRO'S !!!SEEDWARS!!!」を皮切りに、名古屋中京大学でのウズラを使ったサウンドインスタレーション「!!!UZULIVE!!!」、KPOキリンプラザ大阪での「DISCO UNIVERSITY - 田名網敬一×宇川直宏展」他、サンフランススコ、LA、ストックホルム、イスラエル、ソウル、東京、大阪、名古屋での展覧会を実現。 2005年の代表作は「電気グルーヴ×スチャダラパー」のアートディレクションと、その楽曲「Twilight」の2本立てミュージッククリップ(2005 文化庁メディア芸術祭・審査委員会推薦賞)や、テイ・トウワのニューアルバム『FLASH』全国ツアーにVJとして参加、野宮真貴の『PARTY PEOPLE』デザイン&MV、「松本俊夫実験映画BOX」デザイン、大阪サントリーミュージアムでの「ガンダム展」への参加他、多数。 2006年、BOREDOMSのEYEとのコラボ展「ONGAROO feat.VIDEO NANOO」/京都ARTZONE、東京MAGIC ROOM、「FINALHOME/SAVIVAL ADICT展」〈NANZUKA UNDERGROUND〉への参加、その他キュレイターとしても「電気用品安全法(PSE法)によって消え行く危険性があるもの展」、『篠原有司男・暴走集会2006!!!!!!!! / 泥濘の鬼退治バイカーズ展!!!!!!!!』を企画、監修。そして石野卓球 & 川辺ヒロシの「InK」、中村弘二が主宰する「iLL」などのアートディレクションを担当するなど、常に様々なプロジェクトで起動。同年は、電気グルーヴのフジロックでのVJを皮切りに主要な夏フェスを制覇し、ラメルジーや、ESG、DJスニーク他との共演も果たした。 同06年、渋谷のクラブ付き個人オフィス「Mixrooffice」をパートナーの他社比社と共にオープンさせる。独自の音響哲学によるサウンド・システム構築が話題を呼び、デリック・メイ、URのマッド・マイクからダニエル・ワン、Luciano、ダニエル・ベル、ホアン・アトキンス、Loco Dice、DJ NOBU、CxMxTまで世界中のDJから高い支持を得ている。 また同年秋にはジャパン・ファウンデーション主催による20人の日本の現代美術家を招聘するエキシビジョン「Rapt! - 20 Contemporary Artists from Japan」に宇川直宏が選抜され、日豪交流年企画の一環として最新作個展『Dr. Toilet's Rapt-up Clinic』がオーストラリアのメルボルンで開催された。その作品はマジックミラーで連なった5部屋の曼荼羅公衆便所を盗撮するもので、このインスタレーションは2010年にアップデートされ水戸芸術館現代美術センターで展示された。 2007年、文化庁メディア芸術祭の10周年記念と国立新美術館のこけら落としを兼ねて、電子顕微鏡とモーションキャプチャーを使ったVJパフォーマンスを披露。更に〈NANZUKA UNDERGROUND〉での個展『A Series of Interpreted Catharsis episode2 - earthquake』では筑波地震研究所で人工地震を起こし、モータードライブで連続撮影した写真作品と、ハイスピードカメラでその模様をおさえたハイビジョン作品を発表。 秋の『六本木クロッシング』展(森美術館)では、この自然災害シリーズの一環として、台風を「生け捕る」作品『A Series of Interpreted Catharsis episode1 - Hurricane Katrina』を出展。12月19日、DVD作品集「INTOXICATING MUSIC CLIPS OF UKAWA NAOHIRO『MAD HAT LAUGHS!!!!!』」を発売。このDVDは今までに宇川が手がけたBOREDOMS、THE ORB、SUPERCAR、電気グルーヴ×スチャダラパーなどの「代表作」と言われるPVの殆んどを網羅。複数のメジャーレーベルを跨いでの国内初のディレクターズミュージッククリップ集となった 2008年1月、フロア契約満期の為、Mixroofficeは第一章に幕を閉じた。クロージングパーティーは!!!!!Mixrooffice E/N/D OF THE LxAxSxT Chapter!!!!!と銘打たれ、2007.12/31-2008.1/1の年を越えた、恵比寿LIQUIDROOMでの22時間に渡るカウントダウン&カウントアップからスタートし、石野卓球、EYEらのHALFDAYS(12時間ロングセット)を挟み、約1か月に渡り繰り広げられた。最終日の1/27は「mixrooffice rest in peace(2006-2008)24 HOURS PARTY FREAKS!!!Mixrooffice.R.I.P!!!!!ULTRA FINAL!!!!!」のタイトルで、オープニングのスヴェン・バスからエンディングのMOODMANまで17人のマイクロ縁のアーティストが27時間に渡ってPLAYした。3月、小学館の漫画雑誌『月刊IKKI』に作画MUSTONE、原作宇川直宏で、今世紀的妖怪漫画『ピンホールくん』が連載開始。 2008年、宇川主導の音楽ユニット、UKAWANIMATION!を結成。これは人間以外の森羅万象全ての万物から見たビジョンのみを音と映像で構築するプロジェクトである。7月、リリース前にもかかわらず、FUJI ROCK FESTIVAL'08のレッドマーキー最終日の大トリにノミネートされ、デビュー。BOREDOMSのEYEの咆哮によって始まった初ライブパフォーマンスには、ニューヨークからビヨンセの振り付け師でもあるカリスマダンサー、JONTE'もメンバーとして参加した。9月には当ユニットの1stシングル「惑星のポートレイト 5億万画素」がリリース。石野卓球作曲、宇川直宏作詞の表題曲にヴォーカリストとして萩原健一が参加した。なお、11月にはCD+DVDからなる1stアルバム『UKAWANIMATION!/ZOUND TRACK』を発売。このアルバムには上記の石野卓球x萩原健一に加え、BOREDOMSのEYEの伝説のアートコア・プロジェクトHANATARASH、糸電話でデリック・メイの「ストリングス・オブ・ライフ」を奏でた ストリングラフィや、田中フミヤ、ビヨンセ/マドンナ/安室奈美恵のコレオグラファー JONTE'xTOBY、FUTURE TERRORのDJ NOBU、アンダーグラウンド・ハードコアのイコン=アブラハムクロス、ハーシュノイズの極北メルツバウ、ガーリーポップアイコンのMEGまでが参加した。 2009年4月『SPACE SHOWER Music Video Awards 09』においてUKAWANIMATION!の様々なミュージッククリップが特別賞を受賞。「MTV VIDEO MUSIC AWARDS JAPAN 2009」においては、最優秀ダンスビデオ賞にノミネートされる。 2009年6月『ポップ・アヴァンギャルドのニューディメンション現出!!!!!!!』 と銘打ったUKAWANIMATION!の初のワンマンライブ『UKAWANIMATION! First LIVENIMATION!!!!!』-UKAWANIMATION! VS EBIS RESIDENTS- が開催。レコーディングに参加した多数のゲストが演奏に参加し、1stアルバム『ZOUND TRACK』の世界をLIVEで再現した。またこのLIVEの為にレジデンツの楽曲を4つ打ちでカヴァーするユニットEBIS RESIDENTSを結成。更にこの日、会場である恵比寿リキッドルームの2F、TIME OUT CAFFEギャラリーでは宇川直宏によるセレブリティー300人の偽サイン展『UKAWA'S TAGS FACTORY!!! 300 Counterfeit Autograph!!! 』を開催。本エキシビジョンは、様々な時代の、そしてあらゆるジャンルの著名人を、色紙というキャンバス上に並列サンプリングし、そして同価格で販売という価値の転覆を計る実験展示である。 2009年9月以降、UKAWANIMATION!から派生した、XXX RESIDENTSの活動が活性化。9月11日相対性理論とのツーマンライブ@恵比寿リキッドルームを皮切りに、9月20日「水戸短編映画祭」@水戸芸術館 with 高木正勝、12月16日シーグラフ国際カンファレンス『SIGGRAPH ASIA 2009』のオープニングアクト。以降、2012年4月22日バルセロナ発の電子音楽とメディア・アートの祭典=『SonarSound Tokyo』のメインステージに招聘され、ヴィンセント・ギャロや、ザ・シネマティック・オーケストラと共演を果たす。 2010年2月1日、監督した電気グルーヴ、「タランチュラ」のMVが、MVA(SPACE SHOWER MUSIC VIDEO AWARDS)10 CONCEPTUAL VIDEO部門にノミネート。
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