帰国運動とは? わかりやすく解説

帰国運動

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 18:56 UTC 版)

在日韓国・朝鮮人の歴史」の記事における「帰国運動」の解説

在日朝鮮人の帰還事業」を参照 戦後在日韓国・朝鮮人の帰国運動が盛り上がったのは、1958年日本北朝鮮赤十字会談開催からである。「千里馬運動」で労働力を必要とした北朝鮮政府と、当時生活保護受給者半数占めていた在日問題解決目指す日本政府さらには在日韓国・朝鮮人にとって、それぞれの思惑一致した結果とされるまた、共産主義者弾圧している韓国帰還することが困難なにとっても北朝鮮希望の地であった。このとき、帰国運動に参加した在日韓国・朝鮮人のほとんどは朝鮮半島南部、すなわち韓国政府支配する地域出身者であった。このこともまた、韓国政府による「棄民政策」として、後に様々な方面から批判されている。 日本における在日韓国・朝鮮人団体である在日本朝鮮人総連合会は、北朝鮮政府指示のもとで在日韓国・朝鮮人の『地上の楽園北朝鮮へ帰国を、強力に勧誘説得する活動展開した当時韓国朝鮮戦争による荒廃のため世界最貧国であったが、北朝鮮国際協調によって共産諸国の支援受けて発展遂げ在日朝鮮人へも支援金を送るほどであった日本の新聞各社、また民間研究機関現代コリア研究所」(旧・日本朝研究所、代表・佐勝巳)も、これに同調した在日韓国人犯罪発生率日本人十数倍に上ること、犯罪者密入国した韓国人送還韓国政府受け入れないこと、摘発され密入国者を日本国内解放するよう韓国政府から要求されるなどの治安上の問題や、在日韓国・朝鮮人生活保護予算捻出苦慮していた日本政府は、このキャンペーン応じた当時内閣総理大臣岸信介国会答弁で帰国運動の「人道性」を主張し北朝鮮へ帰国事業受け入れた韓国はこれを「北送」と呼んで非難し韓国居留民団は「北送事業」への反対運動展開した韓国政府日本工作員送り込みテロ活動によって帰還事業阻止図った新潟日赤センター爆破未遂事件)。また、在日韓国・朝鮮人強制連行された人々である」と主張するようになった大多数にとって出身地故郷)ではない北朝鮮へ帰国」した在日韓国・朝鮮人の生活は過酷なものであった帰国者は北朝鮮においても出身成分による差別さらされ一部強制労働追いやられた行方不明者多く処刑されと言われている者も多い。在日韓国・朝鮮人の子弟であるほど、突然にスパイ容疑強制収容所送られるケース多かったとの証言もある。一方金日成国家主席後継者となる金正日総書記の妻となった高英姫のように栄達した例もあった。北朝鮮における待遇実態次第在日韓国・朝鮮人社会へ伝わるにしたがって帰国者は激減し1983年帰国者が0人となったことで「帰国運動」は事実上終結した。 現在では、帰国運動の際に在日韓国・朝鮮人結婚して帰国運動の際に北朝鮮へ渡った日本人妻」(一部日本人夫」)の日本帰国も、日朝間で解決必要な課題のひとつとなっている。ただし詳細不明ながら、一時日本へ帰国したものの、再び北朝鮮へ渡る例もある。 テッサ・モリス=スズキジュネーブ赤十字社資料から北朝鮮帰国運動の背景明らかにしており、日本による追放政策としての側面強調している。一方で脱北者在日女性は、「北朝鮮地上の楽園」などという朝鮮総連の嘘の宣伝により北朝鮮へ帰還したとし、朝鮮総連非難している。 帰国者は北朝鮮における身分制度である出身成分最下層分類されている。

※この「帰国運動」の解説は、「在日韓国・朝鮮人の歴史」の解説の一部です。
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