マーチ家
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/13 05:22 UTC 版)
ジョセフィン・マーチ 声 - 山田栄子 本作品の主人公。マーチ家の次女で通称はジョオ。15歳。活発で男勝りな性格だが、雷だけは大の苦手。小説家になるのが夢で読書や芝居鑑賞が好き。そそっかしく不注意な所があり、暖炉の前に立つ癖がある。 マーサに特に気に入られており、彼女が元の性格に戻るきっかけとなった人物でもある。マーチ家がマーサとの同居生活を終えた後もジョオだけは、マーサの屋敷に毎日通って身の回りの世話をして少しの賃金をもらっている。ジョオも、気難しい面があるとは考えながらも、マーサを良く思っている。ローリーやアンソニーとは仲がいいが、それぞれから恋愛感情を抱かれていることには、全く気づいていない。 マーガレット・マーチ 声 - 潘恵子 マーチ家の長女。通称はメグ。16歳。ヘアネットで後ろ髪をまとめた髪型が特徴。姉妹の一番上だけあり、おしとやかでしっかりした性格で家族の前では自分の意見を言えるが他人の前では控え目。ただし社交界に対し強い憧れを抱いていたり、結婚後は裕福な生活を望んでいる。ニューコード移住後は、家庭教師の仕事を行い家計を助けており、その後家庭教師先の家族から人脈が広がる。 エリザベス・マーチ 声 - 荘真由美 マーチ家の三女。通称はベス。10歳。気弱だが優しい性格。病気がちな事から学校へは行かず、ほぼ1日を家で過ごす。ピアノを弾くことが大好きでほぼ毎日弾いている。ミルキーアンを拾ってきた張本人で、ピートという名の人形と共にかわいがっている。 エイミー・マーチ 声 - 佐久間レイ マーチ家の四女。姉妹では唯一略称がなく、エイミーとそのまま呼ばれる。7歳。わがままでおませな性格で物欲が強く根に持つタイプなため、活発なジョオとはよく口論もする。学校ではクラスメイトに比べて先生から叱られることが多い。大人の女性になることに強い憧れを抱いている。低い鼻を気にしている為、毎晩洗濯バサミで鼻をつまんで寝ている。算数が苦手。趣味はお絵かきでその後徐々に上達する。 メアリー・カーティス・マーチ 声 - 中西妙子 マーチ家の母親。思いやりがあり穏やかでしっかりとした性格で戦地に行った夫フレデリックの代わりにマーチ家を引っ張る。フレデリックと同じく奴隷制度には反対の立場を取っており、冒頭の街では南軍の奴隷だった黒人の若者ジョンを自宅に匿いピンチを救う。ニューコードに来てからは、恵まれない人々の為、慈善活動も行っている。 フレデリック・マーチ 声 - 阪脩 マーチ家の父親。奴隷解放の為、北軍の兵士(階級は大尉)として南北戦争に参加している。愛国心に溢れ非常に強い信念の持ち主。かつて世話になったマーサには、強い感謝の念を抱いているが約20年間会えていない。若い頃に大学を中退した後、土木技師になり戦地でも橋造りなどの作業に携わる。 ハンナ 声 - 大方斐紗子 マーチ家の黒人家政婦。人のいい活発な性格で、料理がうまい。マーチ一家の全員から慕われ、信頼されている。ただし猫は大の苦手。冒頭の街でジョンと出会った時は境遇は違うが、同じ黒人として奴隷制度について心を痛めている。家政婦だが時には子供たちのために注意することもあり、物語の後半では数週間ワシントンに行くことになったメアリーの代わりに四姉妹を支える。 ミルキーアン マーチ一家の子猫。コンコードに住んでいた頃、雨に打たれ弱っていたところをベスが見つけ、家に連れて来た。名前は、ミルクのように真っ白な毛色によるもの(ベスが命名)。子猫だけあってやんちゃな面があり、ハリーににらめっこで勝利したことも。
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マーチ家
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 09:16 UTC 版)
メグ 四姉妹の長女。本名はマーガレット。母の名前を引き継いでいる。第1作では16歳。非常に美しく女らしいが、やや保守的な性格。金持ちの家庭の家庭教師となってマーチ家の生計を助けている。まだ家庭が裕福だった頃の事を姉妹の中では唯一覚えているため、美しい衣服や装飾品や社交界の話を見聞きする度辛く思い、虚栄心に悩まされる。 続編以降では、隣人であるローリーの家庭教師だったジョン・ブルックと結婚、双子のデーズィ・デミ、またジョーズィをもうける。彼女は夫であるジョンを第3作の終盤で喪うが、メグが生活するにあたって困らない程度の資産を彼が節制によって遺していたことが判明する。モデルは作者の姉、アンナ・オルコット・プラット(英語版)。 ジョー 四姉妹の次女。本名はジョゼフィーン。背が高く手足が長く痩せている。第1作では15歳。マーチ家の「息子」と自ら標榜している。容姿はこれと言って優れてはいないが、唯一の女らしい部分は美しく豊かな髪。だが父が前線で病となり、母が看護にでかけるための旅費を助けるためにその髪を売ってしまう。父の伯母にあたる金持ちのマーチおば宅へ通い、お相手をする事でマーチ家の生計を助けている。ボーイッシュな性格だが裁縫が上手で、趣味は読書。作家を目指して自分でも小品を書いている(それが『ジョーおばさんのお話かご』)。短気でカッとなりやすい事に自分でも苦慮する。 続編以降では、その短気な性格ゆえに損をするが、結果的にはその損によってベスを看病することが可能となる。また、カーク夫人のもとで家庭教師をしながら文筆修業をしていたニューヨーク時代にフリッツ・ベア教授に出会い、のちに結婚、ロブとテッドの2人の男子をもうける。結婚後は夫と主に、マーチおばから遺贈されたプラムフィールドで学園を開く。作者自身がモデル。 ベス 四姉妹の三女。本名はエリザベス。黒髪に青い目の非常に内気、しかし内に強さを秘めた少女。第1作では13歳。音楽が大好きで、ピアノをよく弾く。ピアノがきっかけとなって老ローレンス氏との間に年齢を超えた友情が芽生えた。おとなしく愛情深く、子猫や小鳥や人形を可愛がって面倒を見ている。四姉妹の中では一番友好的で、家族からも好かれている。特に自分とは正反対の性格のジョーとは大の仲良し。エイミーからも大変懐かれている。内気な性格に加えて病弱なため、学校には通わず自宅で勉強し、家事を手伝っていた。他の姉妹のやり残した仕事も率先して片付け、かといって報酬を得ようとは思わない。物語の途中で猩紅熱にかかり、一命を取り留めるもすっかりひ弱になる。 続編においては体調が悪化するなかで周囲のものをその性質によって感化し、特にジョーに大きな影響を与える。モデルは作者の妹の三女エリザベス・スーウェル・オルコット(英語版)で、実際にも病弱であり、若草物語の執筆が始まった時には既に他界していた。作者が姉妹の中で最も愛していたと言われている。 エイミー 四姉妹の四女。第1作では金髪の巻き毛が自慢のおしゃまな12歳。貴婦人らしく振舞うのが好きで、覚えたての難しい言葉を使いたがるが、大抵こっけいな言い間違いをする。美術の才能があり、写生をするのが好きである。生意気盛りでジョーとはよくぶつかってしまう。ベスにも懐いており、ベスと最も仲が良いジョーと張り合っている。自分の鼻の低さを気にしている。 第2作以降は幼さも影をひそめて大人びた淑女に成長し、ローリーに忠言をするほどになる。美人ではないが品があり、たおやかで社交上手、おしゃれ上手な様は、ややぶっきら棒で社交のあまり得意でないジョーと対照的に描かれる。後に隣人であったセオドア・ローレンス(ローリー)と結婚し、「才能は天分ではない」という理由で画家の夢をあきらめる。生まれたベス(三女Bethとはスペルが異なる)を蝶よ花よと育てるが、娘の鼻が立派であることで非常に喜ぶことになる。モデルは作者の妹の四女アビゲイル・メイ・オルコット・ニアーリカー(英語版)。 ミセス・マーチ 四姉妹から尊敬され、慕われる賢母。姉妹には聖書や『天路歴程』を礎とした道徳・愛の実践を自らが慈善活動を行うことによってやさしく教える。姉妹は何かトラブルに見舞われると、この母に教えを請い、それは姉妹たちが成人してからも続く。モデルはオルコットの母で、主婦、貧民救済使節(現在のソーシャルワーカー、民生委員)のアビゲイル・メイ・オルコット(英語版)(アッバ)。 マーチ氏 四姉妹の父親で、穏やかで思いやりのある牧師。『若草物語』冒頭から南北戦争に従軍していて不在である。『若草物語』最後で戦場から帰宅するが、在宅している『続 若草物語』でもほとんど存在感がなく、時たま道徳的な意見を言い、ジョーが家族の家計のために書いている扇情的な物語を批判している。しかし、ジョーがそうして稼いだお金は受け取っている。モデルは、作者の父親で、超絶主義者で教育者のエイモス・ブロンソン・オルコット(英語版)。 マーチおば 四姉妹たちの大おばで、四姉妹の父ミスター・マーチは甥にあたる。未亡人で自らの子供は赤ん坊の時に亡くしており、ミスター・マーチが破産した際に、娘たちの誰かを養子として引き取ろうと提案したが、これを拒否されたため一時は立腹していた。裕福ではあるが足が不自由なため、ジョーが身の回りの世話をする仕事をしている。一見偏屈でジョー達を閉口させるが、内心では身内であるマーチ家の人々に愛情を抱いており、特にやんちゃなジョーを気に入っている。第1作の後半には、ベスの病気が感染することを防ぐため、隔離された幼いエイミーをしばらく預かることになり、このことでエイミーを気に入り、第2作ではエイミーをヨーロッパ旅行に連れてゆくことになる。第2作の最後に亡くなり、その際にジョーにプラムフィールドを遺贈する。ここがジョーと夫のベア教授が開いた学園となり、第3作以降の話の中心となる。 ハンナ マーチ家の家政婦。マーチ家の家事をたった一人で切り盛りする働き者で、一日中働いている。母と姉妹に信頼される「ばあや」のような存在で、作中で「家政婦というより友達のような存在」とも言われる。ストーリーを動かす影の重要人物とも言えるが、実在の人物をモデルとしたマーチ家の人々は、キャラクターが細やかに具体的に描写されているが、ハンナのアイデンティティ、性格、経歴や出自、容貌、年齢などはほとんど描かれていない。『若草物語』で唯一、特定のモデルがいないキャラクターであると言われる。当時のアメリカ北部、特にボストンには、じゃがいも飢饉のために多くのアイルランド移民が流入し、労働力となっていたこと、彼女の話し方にアイルランド訛りがあることから、こうしたアイルランド移民のひとりであると推測されている。
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