ローレンス家
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 09:16 UTC 版)
セオドア・ローレンス(ローリー) マーチ家の隣人で、非常に裕福なローレンス家の一人息子。第1作では15歳でジョーと同い年。祖父と2人、使用人に囲まれて立派な屋敷に住んでいるが、近所づきあいがなく孤独な毎日を送っていた。メグの友人サリーの屋敷で開かれた舞踏会で、手持ち無沙汰にしていたジョーと出会う。その後あけっぴろげなジョーの態度に打ち解け、意気投合して、以後マーチ家の人々と親しく交流する。ドーラという愛称で呼ばれるのを嫌い、姉妹たちには自らをローリーと呼ばせる。また、セオドアの愛称でテディとも呼ばれる。両親は早くに亡くなっているが、母の音楽の才能を引き継いで自らもピアノを弾く。性格は快活で茶目っ気があり紳士的、誰からも好かれるが、やや無鉄砲でいたずら好きな面も。活発で性格の似たジョーを熱愛するが、最終的にはエイミーを娶る。 第3作以降もジョーたちのよき隣人であり、協力者になった。第3作の主人公であるナットは彼の勧めで、ジョーが経営する学園へやってきた。モデルは、オルコットがヨーロッパ旅行中に親しくしたポーランド人の青年ラディラス・ヴィシニェフスキ、オルコット家と親しく、早世した詩人・作家のヘンリー・デイヴィッド・ソロー等。 老ローレンス セオドア・ローレンスの祖父。一見気難しそうに思える老人だが、根は非常に優しく親切で、マーチ家では特にベスを愛していた(彼の亡くなった孫娘の面影を重ねてもいた)。ローリーの両親の結婚には反対で、それと関係してローリーが音楽をやることを嫌う。ローリーに対しては厳格でもあるが、一面では非常に甘い。何かとマーチ家の力になり、「ベア学園」には財産を遺贈する。作者は、この人物は母方の祖父のジョセフ・メイ大佐(メイ家はボストンの名家で、メイ大佐は著名なユニテリアンだった)であると語っている。作者の父の友人で、オルコット家を長年援助していた超越主義哲学者のラルフ・ウォルド・エマーソンもモデルと言われる。 ジョン・ブルック ローリーの家庭教師として登場。マーチ家四姉妹がローリーや彼の友人らとキャンプへ出かけた際にメグと出会い、後に結婚する。第1作終盤には、ミスター・マーチが負傷した際、ミセス・マーチの付き添いでミスター・マーチが収容された病院へ同行し、しっかりとその責任を果たした。第2作の最初にメグと結婚し、その後は双子の兄妹デミとデーズィ、次女のジョーズィをもうける。性格はやさしく、いたってまじめで倹約家。第3作では心臓発作で急死してしまうが、同時に彼がどれほど周りから愛され、慕われていたかも改めて認識される。モデルは、アンナ・オルコット・プラットの夫のジョン・ブリッジ・プラット。ブルックという姓は、彼が参加していたボストン郊外の超絶主義者の共同体ブルック農場から取られている。
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