バリューデコトラシリーズ
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「デコトラシリーズ」の記事における「バリューデコトラシリーズ」の解説
2010年3月発売開始、2022年まで展開された現在のデコトラプラモの中心ともいえるシリーズ。 「断突レンジャー」「猛烈ファイター」「熱血フォワード」を含む4tデコトラシリーズと大型デコトラシリーズ、(以下総称する場合は「旧デコトラ」と表記する)のキットをベースに現代風にアレンジした実質的な後継シリーズで、通常モデルの「バリューデコトラ」と特別版の「バリューデコトラエクストラ」の2種類を展開。 旧デコトラシリーズのほかにも、初代「爆走野郎」シリーズで展開された車種もラインナップに入る(以下爆走野郎シリーズの4t車を「小型デコトラ」と表記する)。 コンセプトはかつてのアオシマプラモのパッケージにも記載されたキャッチコピー「創造のプラモデル」。組立図通りに作るもよし、オリジナルの1台を作るもよしとパッケージに記載されている。そのため、キットによっては本来不要となる部品を利用して多彩なアレンジを加えることができる。 デコトラシリーズの入門編にお勧めとパッケージに記載されているが、車種によってはパーツの加工を要するものもある。 パッケージのボックスアートは旧デコトラシリーズと違い、背景なしの車両だけのイラストレーションである。エクストラでは車種によって背景ありのイラスト絵や実車の写真を採用している。 ラインナップされる車種は基本的に架空車ではあるが、映画「トラック野郎」の出演車や実在車をモチーフにした車種もある。さらには旧デコトラでは存在しなかった街宣車仕様の車両もラインナップされている。 既存のパーツを流用することで価格も大幅に上昇する前の値段に抑えている(中型3,500→後に3,800円に値上げ、大型4,800円、エクストラは6,800円(全て税抜)) これまでの旧デコトラ時代に製作されたパーツだけでなく、新製品の発売時点でヘビーフレイト/アートトラック用に新規設計された既存パーツが投入される車種も多い。中には絶版後10年以上もパーツ化されなかった旧デコトラ部品を投入するモデルもあるが、バリューデコトラのための新金型を投入しない(新規パーツを制作しない)と公式ブログにてアナウンスされている。新規パーツの初出がバリューデコトラではないだけで、バリューデコトラがシリーズ開始以降に並行してリリースされたヘビーフレイトやアートトラック用、エクストラ用に起こされたパーツもセットされることもある。特に、テールランプはヘビーフレイト用に正しいサイズで新規に製作されたものがほぼ全てのキットにセットされており、一番星用に起こされた新規ホイールキャップなども積極的に活用されている。キットの基本構成は旧デコトラシリーズを踏襲しているが、飾り方の自由度やクオリティは飛躍的に高まっている。 旧デコトラ時代ではメーターのデカールがなく荷台ペイントやアンドンなどがすべて紙シールだったが(共通シールにエッチングシールという名前の塩化ビニールシールや水転写デカールもあった)、バリューシリーズではメーターデカールが付属する車種も登場し、各車ごとに水転写デカールやメッキシールなどを採用している(荷台ペイント部分など広範囲な部分には紙シールを使う車種もある)。荷台の平面部分一面にペイントが入らず、文字のみが入る車両でもキットによってデカールや紙シールの違いがあり、その場合完成品にわずかな質感の違いが生じることがある。 トレーラーには後部の三角反射板や緩和標章を追加したり、ノーマル車として発売されなかった旧型車両でノーマルミラーを使用する際には後年製品化された商品の部品で対応するなど、リアリティを増した改良がおこなわれている。旧デコトラシリーズにはなかった、後部反射器や積載量を示すステッカーが入るなど、ヘビーフレイトからの影響も受けている。 旧デコトラシリーズではなかった、「別車種のグリル移植」や「ショートサイズのトレーラーシャーシに単車ロングパネルの搭載」、「小型デコトラのシャーシに4tデコトラのキャビンの搭載」「単車系ロングシャーシにトレーラー用のタンクローリー搭載」といった、組み合わせが異なるシャーシとの組み合わせなども積極的に行っている。 上記に記した異なるシャーシへ搭載するパーツや大型デコトラロングシャーシのホイールベースを若干短縮させるため(適正化)の部品などをその都度追加している(ただしこのような追加部品についてメーカーではあくまでも「修正・改良のため」とアナウンスしている)。 No15のブルージャック以降、デカールなどに旧デコトラ時代で使われた「全国出弧虎会(ぜんこくでことらかい)」の名称を復活させている。 原価高騰による利益率低下のためNo.55を持って、シリーズを終了することが発表された。 商品一覧 No車名種類発売年月備考1 鮫肌慕情 大型トレーラータンクローリー 2010年3月 バリューデコトラシリーズ第1号商品。映画に登場したライバル車のタンクローリーをモチーフにしている。 2 やっちゃば太郎 中型平ボディ 2010年4月 70年代に発売された、小型デコトラのキャブを4tデコトラのシャーシに装着。内装部品を使用するために小型デコトラのシャーシ一式も入っているが、足回り関係の一部部品を意図的にオミットした状態で成型したため、小型デコトラのシャーシで組むことはできない。 3 首領(どん) 大型デカ箱ダンプ 2010年6月 ヘッドライトをキャビン側に移設したハイルーフキャブの車種に旧式他車種のグリルを移植したデカ箱ダンプ。 4 宝飾丸 大型冷凍車 2010年9月 長期にわたってパーツ化されてなかったハイルーフパーツを装着、光るデコトラから転用された最終型グリルと回転灯を装着。なおこのシリーズで使われる回転灯はすべて1/24車モデルの部品を使用。 5 恋夢幻 中型深箱ダンプ 2010年11月 長期にわたってパーツ化されなかった4t用深箱ダンプ荷台を投入する。 6 マナイタ八兵衛 大型トレーラーフラット台車 2011年2月 ダンプ系グリルのキャビンを採用したフラットトレーラー。 7 いるか12號 大型冷凍車 2011年3月 最終型グリルとハイルーフを装着した冷凍車。コクピットパーツのランナー一式がノーマルバンパー(本来は不要部品)と手すり部品のためにメッキ化された。ヘッドライトには1/24車モデルの透明部品(テールランプ)を使用している。 8 憂國烈士 大型トレーラー冷凍ロングパネル/街宣車 2011年6月 初の街宣車モデル。民族系車両ということもあって当初は雑誌などで扱われなかった等など不遇の扱いを受けたエピソードがある。なおヘビーフレイトシリーズにも同車両のキャブパーツがあるものの、バリューでは基本的に旧デコトラ時代の物を使用する。 9 スーパーサンシャイン 大型深箱ダンプ 2011年7月 旧デコトラ時代に製品化された有名実在車のアートパーツと鉄仮面グリルを装着。シャーシの成型色は黄色を採用した。当車両で使用の深箱ダンプ荷台のパーツは91年のダンプシャーシ刷新の際に投入されたもので、首領(どん)などで使用されてるデカ箱とは別の物となる。 10 ローリー桃園 大型タンクローリー(単車) 2011年9月 トレーラー用タンクローリーのタンクを単車ロングシャーシに搭載。ハーフサイズのハイルーフを採用した。名前は映画に登場したホテル名に由来する。 EX1 袴田運送 大型トレーラーロングパネル 2011年11月 映画に登場したライバル役のトラックをモチーフにしたモデル。初回特典に新作ウロコシールが封入された。 11 四畳半 4t保冷車 2011年12月 かつての4tデコトラの流れを汲む、荷台にロケットを装着した4t保冷車。荷台マーカーランプ類はデカールで再現されている。 12 きゃべつ三四郎 大型ウイング車 2012年4月 初期ヘビーフレイト用の開閉のしないウイング荷台を投入したモデル。以後ウイング車はこの部品をロングシャーシとセットで採用する。 13 カンカン与太郎 大型デカ箱ダンプ 2012年4月 シャッターグリルを装着したデカ箱ダンプ。この製品で使われてるシャッターグリル部品は2000年代に復刻された物である(後に発見された当時物については首振り銀二の脚注にて)。名称のカンカンとは車両の重量を測定する大型の秤の台貫を指す。メーカー直営の通販サイトではメッキキャブの限定版も発売された。 14 祖國防衛 大型深アオリ平ボディ街宣車 2012年6月 長らくパーツ化されなかったショートシャーシ用の深アオリ(オープンバンタイプ)平ボディーと2段ハイルーフのパーツを採用した街宣車。ルーフには巨大なスピーカーと回転灯を備える。 15 ブルージャック 大型冷凍車 2012年8月 トレーラー用グリルのハイルーフキャブを採用した、実在車をモチーフにした冷凍車。このモデルよりパッケージ天面にアオシマのCIマークが入る。ミラー部品のために内装ランナー全体にメッキが施されていた。「出孤虎会」の名前はのこのモデルから復活。なおモチーフになった実在車(もちろんベース車両は全く異なる)も大型デコトラ時代にモデル化されている。 16 街道天使 大型ダンプコボレーン仕様 2012年10月 別車種のグリルを移植したレトロ系大型ダンプ。 EX2 椎名急送 コリーダ丸 大型保冷車 2012年12月 映画に登場したライバル車両でもあり、旧大型デコトラ時代に発売された商品のリメイク。一部パーツを新規で制作しリニューアルを図っている。 17 じゃりぱん豚助 4tダンプコボレーン仕様 2012年12月 小型デコトラ時代のキャブを4tダンプに搭載し、プラ板をレーザー技術でカットして再現されたサイドスカートのパーツを装着。このモデルより4t車は300円値上げされた。 18 首振り銀二 大型トレーラー単車用ウイング荷台 2013年1月 ショートサイズのトレーラーに単車用ロングシャーシ用のウイングボディ(荷台)を搭載し、キャブに他車種の旧式シャッターグリルを移植。トレーラー足回りに部品を追加して若干の改修が施されている。 19 絶頂丸 大型トレーラー単車用パネルバン 2013年4月 遊園地のテレビCMにも登場した有名車両をモチーフとしたトレーラー。いるか12號同様ヘッドライトには1/24車モデルの透明部品を使用している。 EX3 押田運送 すずたろう 大型冷凍車 2013年8月 実在車をモデル化。バリューシリーズに初投入のキャブを使用。新規パーツを追加している。販売代金の一部を東日本大震災の被災者へ寄付する。 20 ワリバシ慕情 大型平ボディ 2013年5月 初代爆走野郎で使用されたキャブと、メッキ成型された最終型ブラックマスクグリルと共にバリューで初投入。ミラー及びステーはフレイト系のシリーズで採用された同車種のものを投入。長らくパーツ化されていなかったショートシャーシの低アオリ平ボディを採用。 21 護國の鬼 大型トレーラー単車用冷凍パネルバン街宣車 2013年7月 ヘッドライトを移設したハイルーフキャブを採用。デコトラシリーズでは珍しくメッキパーツがない(テールパーツを除く)。 22 七代目北斗星 大型深箱ダンプ 2013年8月 80年代に登場した旧大型デコトラ「北斗星(初代)」を現代にアレンジ。深箱ダンプに現在としてはオーバーサイズなシートキャリアとを装着し、かつての大型デコトラ時代のアートを継承している。北斗星という名称はかつては旧デコトラ時代のダンプモデルの代名詞だったが、幾度の商品化のうちに違う路線になってしまった。そのため今作では初代の白いダンプをモチーフとし、車種も2~5代目で使用された車種を採用している。 23 ヨコモチ根太郎 4t平ボディ(小型デコトラシャーシ) 2013年11月 初代小型デコトラのシャーシに4tデコトラのキャビンをマウントするためのパーツを追加で投入。パッケージ側面の試作品は緑ナンバーたが、製品版は白ナンバーである。内装の関係で4tデコトラのシャーシパーツが入ってるため、適合する荷台部品(パネルバンなど)を別途用意すれば4tデコトラのシャーシで組むことも可能。 24 エサ屋のケンちゃん 大型冷凍車 2014年2月 有名車をモチーフにした冷凍車。ホイールベース短縮適正化のパーツを追加で部品化。 25 ブラックジャック 大型デカ箱ダンプ 2014年3月 他車のブラックマスクを移植した大型デカ箱ダンプ。名称にブラックが入るが車体色はブルーである。 26 レタス小五郎 大型ウイング 2014年3月 きゃべつ三四郎の流れを汲む大型ウイング車。改良されたアップライトパーツが追加されている。 27 愛國義魂塾 4tパネルバン街宣車 2014年6月 メーカーの意向で長らく使用を控えていたキャブと初投入するシャッタータイプのバン(元々はイメージリーダーカーのエアロスカート一体型)を採用。 28 風神☆雷神 2tアルミバン 2014年10月 シリーズ初の2t車。なおかつ2台セットで販売。 29 花巻の悪代官 4tウイング 2015年2月 一体成形型のメーター煽りのウイング車。映画の相棒車をモデルとしている。 30 二代目鮫肌慕情 大型トレーラータンクローリー 2015年2月 No.1鮫肌慕情の続編車両。 31 電飾烈士 大型深箱ダンプ 2015年4月 32 日本男児 大型短尺ウイング 2015年5月 33 ナスビの帝王 大型ウイング 2015年5月 34 二代目髑髏丸 大型冷凍車 2015年10月 35 長ネギ三太郎 中型平ボデー 2016年1月 36 5号線のマリー 大型ウイングトレーラー 2016年2月 37 琉球慕情 大型ダンプ 2016年3月 38 人魚姫 大型冷凍車 2016年4月 39 忠勇義烈 大型タンクトレーラー 2016年6月 40 やっちゃば次郎 中型平ボデー 2016年8月 41 鉄屑のステージ 大型深煽り平ボデートレーラー 2016年9月 42 ミカン密五郎 大型深煽りウイング 2016年10月 43 ヤンキーメイト 中型深煽りウイング 2017年1月 44 さくらんぼ佐藤 大型短尺ウイング 2017年2月 45 ブッチャケお京 大型ダンプ 2017年3月 46 島根のブリ麿 大型冷凍トレーラー 2017年5月 47 憂国烈士2 大型冷凍トレーラー 2017年5月 エクストラで商品化されたものは番号の頭にEXの文字を記載している。メーカーサイドでベース車両名のアナウンスをしていないため、ベースやモチーフになった車両名はここでは記載しない。備考での説明文の一部は公式ブログにで発表されたものである。
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