テレビの番組・CM送出設備の故障による機械事故
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「放送事故」の記事における「テレビの番組・CM送出設備の故障による機械事故」の解説
1977年7月1日 TBSテレビ『赤い激流』第5話「きかせてよ愛の曲を」開始直後、画面が真っ黒になり、フジテレビで放送中だった映画『ロザリー・残酷な美少女』が割りこんだ。この混入はすぐ収まったが、中断自体は約20分続いた。電波障害とみられている。 1988年1月3日 TBS系列『新春特別ロードショー』映画『グーニーズ』の初放送。本編映像とCMの放送順序の混乱が起き、1枠目のタイムCMより後に流れるはずの本編部分(VTR2)を本編枠の冒頭から流してしまった。その後VTR1が割り込み状態で流れはじめ、VTR2に戻り、その後は正常に放送された。 1989年3月18日 フジテレビ系列『オレたちひょうきん族』『ゴールデン洋画劇場 ダーティハリー3』など20時52分10秒ごろ、『オレたちひょうきん族』エンディング途中で画面がノイズ混じりの黒一色になり、音声も出なくなる事態が発生。スポットニュースおよび天気予報が放送できなくなり、後番組の『ゴールデン洋画劇場』開始時刻を過ぎた21時04分ごろに映像のみ復旧したものの、色味の不調や、放送内容と無関係の文字表示の混入などが残る不鮮明な映像がしばらく続いた。この間、事故発生時の緊急用素材への差し替えもできない状態であった。音声の復旧はさらに時間を要し、ブザーのような雑音が断続的に流れたのち、21時17分52秒ごろには音声が回復するものの映像がふたたび不鮮明となり、放送が正常化したのは21時19分ごろとなった。お詫びの字幕スーパーを挿入し、次回予告終了後にはアナウンサーが顔出しで謝罪するという異例の事態になった。原因は自動番組制御装置(APC)または「指示系統のコンピューター」の故障と報じられている。 この事態はネット送りにも及んだため、ネット各局ではクラシック音楽、漫才番組などの緊急用素材を流すなどでしのいだ。 キー局のフジに当日23時までに300件超の苦情の電話が寄せられたのをはじめ、ネット各局へは苦情による電話が「回線がパンクした」ほど寄せられたという。この事故は翌日の各新聞でも大きく報道されるなど重大な出来事としてとらえられた。 映画は同年同月31日未明にあらためて振替放送された。 『ひょうきん族』の視聴率が低迷していた中(この年の10月で終了)、同番組終了後の当該の時間帯は復旧まで長引いたこともあり、高視聴率を獲得したという。 1990年11月8日 テレビ朝日系列『ハーイあっこです』送出局の大阪・朝日放送に何らかのトラブルが起き、CMと次回予告を切り替える際に空白画面になり、その後「しばらくお待ち下さい」と表示された。その影響で次回予告以降がずれ込み、エンディングが途中でカットされた。 2004年2月15日 テレビ朝日系列(アナログ放送)『かいけつゾロリ』オープニングの開始と同時に黒画面になり「しばらくお待ち下さい」の画面が表示され、オープニングが約33秒ほど欠落した。 送出局のメ〜テレでは放送事故が発生しなかった。 2004年3月22日 テレビ東京系列『B-伝説! バトルビーダマン』送出局のテレビ東京では直前に放送された『ハローキッズ』の直後のCMが静止したまま数分間放送されるなど、トラブルが続出していた。放送開始時間の18時になっても『B-伝説! バトルビーダマン』の放送が始まらず、直前のCMの静止画が放送されたあと、この時間の放送予定ではない『田舎に泊まろう!』が開始した(同年2月29日放送分の再放送が翌日に予定されていた)。その後「しばらくお待ちください」の画面、次いで環境映像へと切り替わり、18時5分に『B-伝説! バトルビーダマン』が途中から開始した。 テレビ東京では前日の3月21日に深夜放送を休止してメンテナンスを行い、この日から地上デジタル放送に対応した新マスターでの運用を開始したが、この新マスターが何らかのトラブルを起こしたものとされている。 ネット局では18時以降に同様の事故が発生したが、後日、各局ローカルにて再放送が行われている。 2004年9月7日 朝日放送『上沼恵美子のおしゃべりクッキング』テレビ朝日系列全国ネットのうち、朝日放送での放送において番組途中にテープが早送りになった。番組は5分間ほど中断(この間「しばらくお待ちください」と表示して対応)、CMから再開し冒頭から再度放送されたが、改めて本編が放送される前にテープIDと思われる黒背景に「R-2 上沼恵美子のおし」の文字が放送された。番組は収録素材による物であり、順にカラーバー、テープID、本編となっていた。 2006年6月1日 大分放送『新キッズ・ウォー2』第4話を放送中の13時40分ごろ、音声が流れなくなる事態が発生。CMは正常であったが、本編では音声がまったく出なかった。15分ほどで復旧したものの番組の半分以上が無音だったため翌日再放送された。この日更新・運用開始した主調整室(マスター)の設備トラブルが原因とされる。 2007年8月15日 テレビ宮崎『ONE PIECE』などローカル枠および、複数のCM枠『ONE PIECE』放送中の15時47分20秒、シーンの一部を映したまま映像が静止し、16時台の『セクシーボイスアンドロボ』の枠まで約1時間そのままの状態となった。 番組の送出は16時52分に復旧したものの、ローカルCMが放送できない状態が続いた。『UMKスーパーニュース』内の『スーパーニュース』任意ネットパートである17時台は、CMの部分を「しばらくおまちください」の静止画で対応し、18時台の全国パートまでのCM枠では、放送されるCMの一部の静止画が挿入された。また、18時台ローカルパートについてCMは一切挿入されず、ステーションブレイク枠のスポットCMはすべて公共広告などに差し替えられた。19時ごろまでに手動操作によるバックアップ態勢となり、番組の送出はほぼ正常化したものの、20時54分と21時54分の『UMKニュース』において提供クレジットが表示されず、CMも不完全であるなど、混乱が続いた。22時52分に全面復旧。 この間、『UMKスーパーニュース』と『UMKニュース』内でキャスターによる謝罪がされた。事故に関するUMKへの問い合わせは電話だけでも約600件にのぼった。UMKは同年9月28日付で、原因の公表を含む放送事故に関する最終報告書を九州総合通信局に提出した。報告書によると事故原因は、番組の送出に関わる信号を制御する機器である「1BUSリモコン」の内部部品不備によってプログラム制御に誤りが起き、放送設備の制御系統におけるLAN回線が異常をきたしたため。対策として1BUSリモコンのソフトウェア改修、システムにおける緊急用の迂回路の追加、放送局と機器メーカーとの連絡体制の緊密化などの対策を施した。九州総合通信局は同年10月3日に行政指導・臨時検査を実施した。 2008年7月24日 CBCテレビ『イタズラなKiss』この日発生した岩手県沿岸北部地震の影響により『JNN報道特別番組』が急遽編成された影響による事故。 前枠の番組がL字画面処理で放映されたあと、15分間報道特番を放送し、『イタズラなKiss』第16話が15分繰り下げで放送されるよう編成されていたが、報道特番の途中で『イタズラなKiss』がたびたび割り込む不体裁な形となった。報道特番終わり、この番組の繰り延べ開始時刻となっても、提供クレジットのテロップ画面がCM中に出るなど、終始混乱した放送となった(なお、この番組の直後に報道特番を再開したため、後続の番組は休止となった)。この放送事故の影響により、当該回は翌週再放送されたが、その後CBCは制作局にもかかわらず翌週以降放送回を繰り下げ、ネット局より1週遅れての放送となった。 2009年8月6日 日本テレビ系列『おもいッきりDON!』通常はエンディングで『おもいッきりDON!』の出演者が恒例のポーズを決めたあとに『情報ライブ ミヤネ屋』の予告が入る場面であったが、その映像に移行せず、恒例のポーズのまま画面がフリーズし、カタカタという音とともに微動した。デジタル放送とアナログ放送で状況が異なり、アナログではこのほか画面が真っ白になりながら、端から段々と黒いノイズが浸食した。 2011年7月1日 フジテレビ系列5局(関西テレビ、東海テレビ、テレビ西日本、岡山放送、テレビ長崎)『超ド級!世界のありえない映像列伝』19時57分から1時間短縮版(2時間版とは編集が異なる)の裏送りを受ける一部のネット局にて、各局のローカル番組放送終了後、同番組に切り替えた19時57分から約3分間にわたり、映像が映らなくなる不体裁が発生した。19時から2時間版を放送した局では乱れがなかったことから、フジテレビから5局に映像を送出する際にトラブルが発生したとみられている。 2011年9月4日 TBSテレビ『EXILE魂』番組開始時刻の23時から約2分半にわたり、全国ネット局のうちTBSのエリアにおいて黒画面になり視聴できなくなる事態が発生した。事故原因はTBS局内の送出機器の系統の故障で、予備系統に切り替えるまでの時間がかかったことによる。なお、同番組は共同制作している毎日放送から発信しているため他のネット局では影響がなかった。 2012年10月23日 TBS系列『火曜曲!』21時30分ごろのCM終了後に、映像の停止や音声の途切れが1分20秒程度発生した。その後もCM映像が途切れたり、事故前に放送された場面が繰り返し放送されたりするなどし、放送途中で番組は終了した。この現象はネット局でも発生した。 原因についてTBSはデータ不具合によって発生した事故だったとして謝罪し、未放送部分は再構成の上12月4日に放送するとした 2015年1月5日 中京テレビ『第93回全国高等学校サッカー選手権大会準々決勝中継 日大藤沢×静岡学園』中継番組終盤の15時53分17秒から15時53分54秒までの37秒間と、15時54分30秒から15時57分42秒までの3分12秒間の計3分49秒で、画面が真っ白になったり、「しばらくお待ち下さい」というテロップ画面が表示されたりした。その後中京テレビのホームページにて「放送進行データ関連のトラブルによるものだった」として謝罪した。 この番組は民間放送43社の共同制作で、中京テレビを含む日本テレビ系列の一部放送局(ほかに日本テレビ、静岡第一テレビなど)と独立局のtvkに向けてネットされたが、このトラブルは中京テレビだけだった。 2018年1月15日 テレビ朝日系列『ワイド!スクランブル』第1部の冒頭(10:25頃)から音声が2分あまりにわたって途切れるトラブルがあった。いったん音声が復旧したが、その後も音声が途切れたりスタッフの声などが聞こえたりするなどのトラブルが続いた。 さらに、テレビ朝日のみ10:29頃のCM入りになってもCMが放送されず、司会の大下容子アナウンサーがトラブルを謝罪し続けた後30秒ほどしてようやくCMに入った(なお、当時テレビ朝日以外で10:25 - 10:30枠をネットしていた朝日放送・メ〜テレでは正常なタイミングでCM入りした)。 2018年7月1日 熊本朝日放送『千鳥の路地裏探訪』などローカル枠14時50分ごろから約1時間40分にわたり、放送が断続的に中断するトラブルが発生した。同局によると20秒近く画面が黒くなり、放送が途切れ始めた。緊急用の風景映像を使うなどして対処し、16時半ごろに復旧した。放送機器の不具合が原因と推定され、鋭意調査中としている。 2019年6月24日 - 25日 毎日放送『痛快!明石家電視台』この日放送予定であった回では、所属事務所より無期限謹慎処分が発表されたタレントが収録に参加していたため、番組ホームページでは当初、別の回の再放送に差し替えると発表していたが、放送が始まるとその再放送の回に差し変わらず、当初放送予定の回がそのままで放送された。そして5分39秒後に唐突に画面が再放送回に切り替わり、そのまま放送を終了した。毎日放送は原因について「差し替え用の放送素材はデータサーバへデータ転送など正常に準備されていたが、システムの不具合により自動番組制御装置の放送運行データの切り替えが正常に作動せず、差し替え前のままになっていた」と後に説明した。送出を監視していた社員が不具合に気付き、手動操作で再放送回に切り替えたが、のち25日0時29分45秒から30分2秒まで『番組の放送中に、一部不体裁がありましたことを、お詫び申し上げます』とのスーパーを送出して対処した。 2020年5月13日 南海放送『News Ch.4』18時25分頃に音声が出なくなるトラブルが発生。18時30分頃の中間CMは正常な状態で流れたものの、CM明けの特集コーナーのVTR音声が出ないなどの異常が続いた。その後もトラブルが収まらないため、18時35分頃、編成上は『News Ch.4』のままで日本テレビからの映像(『news every.』18時台関東ローカルパート)にカットイン。「every.特集」の途中から「きょうコレ」が終わる18時57分頃まで臨時ネットした(「きょうコレ」は通常時も『News Ch.4』のコーナー扱いで同時ネットしている)。副調整室の不具合が原因とみられ、エンディングでは音声トラブルに関するお詫びがなされた。 2022年2月17日 NHK総合(近畿地方のみ)『ニュースウオッチ9』北京オリンピック中継のため21時13分開始の繰り下げ放送となったこの日、近畿地方のみ大阪放送局の番組送出設備の不具合により、番組開始時刻になっても大阪府・兵庫県での前枠番組『ニュース845〜関西のニュースと気象情報〜』のエンディングでの大阪市内の天気カメラ映像が数分間延々と流れるトラブルがあった。21時13分まで府県域ニュースを放送していた京都局・大津局・奈良局・和歌山局でも府県域ニュースが終了し大阪局から回線で送られてくる映像に切り替わった際同様に大阪市内の天気カメラ映像が映し出された。21時16分頃になりようやく近畿全域で東京・放送センター送出の映像に切り替わったが、その後もリアルタイム字幕放送や二ヶ国語放送に対応しないなどのトラブルが続いた。 2022年2月21日 NHK総合『ニュース・気象情報(15時 - )』ニュース送出設備のソフトウェア不具合により、放送できないトラブルが発生。バックアップ機能も作動しなかったことから当該時間帯はミニ番組数本に差し替えられた。さらに、関東甲信越地方では15時07分から3分間の首都圏局制作の関東甲信越ブロックニュースも同様の理由により放送できず、当該時間帯は『カラーでよみがえる東京』に差し替えられた(その他の地域では通常通り各地域の拠点局の制作によるローカルニュースが放送された)。なお、16時の定時ニュースの冒頭で担当アナウンサーが「放送設備の不具合のため、午後3時のニュースをお伝えできませんでした。申し訳ありませんでした」と視聴者に謝罪した。
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