シクレソニドとは? わかりやすく解説

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シクレソニド

分子式C32H44O7
その他の名称シクレソニド、Ciclesonide、オムナリス、オルベスコ、Alvesco、11β-Hydroxy-21-(2-methyl-1-oxopropoxy)-16α,17-[(R)-cyclohexylmethylenedioxy]pregna-1,4-diene-3,20-dione、Omnaris、RPR-251526
体系名:11β-ヒドロキシ-21-(2-メチル-1-オキソプロポキシ)-16α,17-[(R)-シクロヘキシルメチレンジオキシ]プレグナ-1,4-ジエン-3,20-ジオン


シクレソニド

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/11/03 21:44 UTC 版)

シクレソニド: Ciclesonide)は、喘息(ぜんそく)アレルギー性鼻炎の治療に使用される糖質コルチコイドである。糖質コルチコイドは副腎皮質ホルモンのひとつで、副腎皮質ホルモンはステロイドホルモンに属している。


  1. ^ Covis Pharma – Products”. 2020年3月5日閲覧。
  2. ^ a b 医薬品インタビューフォーム オルベスコ”. 帝人ファーマ. 2020年3月29日閲覧。
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  5. ^ 臨床研究等に向けたシクレソニド吸入用製剤の供給について”. 帝人ファーマ (2020年3月10日). 2020年3月25日閲覧。
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  12. ^ The FDA-Approved Anti-Asthma Medicine Ciclesonide Inhibits Lung Cancer Stem Cells through Hedgehog Signaling-Mediated SOX2 Regulation(直訳:FDA承認の抗喘息薬シクレソニドは、ヘッジホッグシグナリングを介したSOX2調節により肺がん幹細胞を阻害する)”. MDPI (2020年2月4日). 2020年3月25日閲覧。
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  14. ^ COVID-19肺炎初期~中期にシクレソニド吸入を使用し改善した3例”. 神奈川県立足柄上病院 (2020年3月2日). 2020年3月6日閲覧。


「シクレソニド」の続きの解説一覧

シクレソニド (吸入ステロイド;喘息治療薬)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/19 21:16 UTC 版)

COVID-19に対する薬剤転用研究」の記事における「シクレソニド (吸入ステロイド喘息治療薬)」の解説

商品開発権利情報については「シクレソニド」を参照 シクレソニド(商品名 オルベスコ帝人ファーマ)、Covis PharmaのAlvesco)は気管支喘息適応症として承認済の吸入ステロイド薬である。 時系列 2020年2月19日国立感染症研究所村山庁舎コロナウイルス研究室基礎実験でシクレソニド(オルベスコ)が強い抗ウイルス活性有する報告した。他の吸入ステロイドには同様のウイルス効果見られず、シクレソニド特有の作用考えられた。本知見をもとに神奈川県立足柄上病院チームCOVID-19患者3名への投与治療をすぐに行ったその結果、3例とも2日ほどで状態が好転、という著し効果があったとする症例報告3月2日日本感染症学会サイトで以下内容で発表したクルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号」に乗り合わせたCOVID-19陽性者で、肺炎増悪中の患者3名にシクレソニドを投与したところ、良好な結果得られた。うち2例は咽頭ぬぐいPCR検査でまだ陽性のため、吸入量を増量し継続中COVID-19は(多く報告のとおり)初期軽症でも発症後7-10日で急速に悪化する印象。シクレソニドの投与時期は、重症化する前の、感染早期から中期あるいは肺炎初期が望ましい。 ウイルスの早期陰性化や重症肺炎への進展防止効果期待される。 本ウイルス肺胞上皮細胞増殖し、肺障害引き起こしながら、同時に肺胞マクロファージ等に感染し局所炎症起こす推定され、それに対しシクレソニドの持つ抗ウイルス作用抗炎症作用が、重症化しつつある傷害治療に有効であることが期待されている。 COVID-19対し広く投与されているロピナビルリトナビルカレトラ錠)(略号 LPV/r)対シクレソニドの比較 in vitro試験管レベルでの研究)でウイルス増殖防止効果同等以上、 肺胞到達時の組織濃度数十倍、 副作用前者が「下痢吐き気嘔吐腹痛等」で高齢者における薬物動態については十分な検討なされていない。後者添付文書副作用記載はあるが、未熟児新生児から高齢者まで広く用いられる安全な薬剤で、報告時点までで同院で有害事象はなかった。 価格前者が 1,289.6円/日、後者は1キット2,169円(同院の1,200 μg/日 処方で)と安価。 この3例のみの症例数で効果論じることはできないので、今後症例蓄積検討望まれる。 — 日本感染症学会COVID-19肺炎初期中期にシクレソニド吸入使用し改善した3例 36日国立感染症研究所は、上記3症例について「シクレソニドが、ウイルスの遺伝情報を担うリボ核酸 (RNA) の複製阻害した」との見方示したまた、MERS抗ウイルス作用示したとのデータがあったと述べた3月9日厚生労働省健康局結核感染症課より要請を受け、帝人ファーマ親会社帝人は翌10日オルベスコ供給体制を(本剤使用中気管支喘息患者への安定供給確保した上で)2本分確保する発表したオルベスコ海外メーカーから導入していて帝人一存では増産できないが、メーカー協議しながら確保していく。 3月10日日本環境感染学会は「医療機関における新型コロナウイルス感染症への対応ガイド第2版改訂版 ver.2.1)」を公開し治療に関する説明中に3月2日の前版にはなかった本剤に関する記載追加した下線部)。 治療・予防ワクチン新型コロナウイルス感染症COVID-19に対して、現在、有効性証明され治療法はありません。ただし、抗HIV薬ロピナビル/リトナビル抗インフルエンザ薬アビガンエボラ出血熱治療薬として開発されレムデシビル、および吸入ステロイド喘息治療薬であるシクレソニドなどが治療薬候補として挙がっており、今後検証によって効果証明されれば治療薬として用いられる可能性があると思われます。 — 日本環境感染学会医療機関における新型コロナウイルス感染症への対応ガイド第2版改訂版 ver.2.13月12日掲載され国立感染症研究所松山州徳らの審査論文によれば、シクレソニドはコロナウイルスのもつ非構造タンパク質であるNSP15に作用してウイルスのRNA複製抑制する。したがって、シクレソニドはコロナウイルスであるMERSまたはCOVID-19患者の治療候補となる。 3月16日時点で、オルベスコ治療受けているCOVID-19患者は、10程度であった3月20日韓国パスツール研究所のSangeun JeonらのチームbioRxivサイト(未査読論文掲載サイト)に、「直訳FDA承認済み医薬品からのSARS-CoV-2対す抗ウイルス薬候補特定)」と題する論文掲載した。同研究所は既にMERSでのスクリーニング結果発表していた(→ #主な候補薬剤)。発表によれば、同研究所は「COVID-19治療にアルベスコ(シクロソニド)が有効である」と判断した。同研究所では本ウイルスSARS-CoV-2入手してスクリーニング24種の薬剤抽出した。これらは、レムデシビルカレトラおよびクロロキンと同等それ以上の抗ウイルス活性細胞実験確認した。特に、シクレソニドの安全性薬効関連する海外症例、および韓国国内での同剤の販売状況レビューした結果、シクレソニドを「最も実現可能な医薬品most feasible medication)」に選んだまた、シクレソニドと並んでサナダムシ駆虫薬ニクロサミド富士フイルム和光純薬関東化学などが販売)(別名 ニクロシド)にも注目した3月22日国立感染症研究所松山州徳室長次のことを明らかにした。 同研究所では2年前から、MERSに効くを1,200種の薬剤ライブラリからスクリーニング研究実施し、シクレソニドが有効である可能性を見つけていた。 今回新型コロナウイルス感染させた細胞にシクレソニドを作用させる実験行ったところ、ウイルス量100分の1程度にまで減った。 シクレソニドはウイルスの増殖抑える同時に炎症抑える効果もあると思われる3月23日国立国際医療研究センターは、肺炎症状のないCOVID-19患者対象として、シクレソニドの臨床試験特定臨床研究)を早期始め予定プロトコール検討中であることを明らかにした(なお、同時期に肺炎があり参加条件満たす患者レムデシビル国際共同臨床試験参加させる一方肺炎があるが当該条件満たさない患者には、ファビピラビル富士フイルム富山化学アビガン)、ナファモスタットメシル酸塩(日医工フサン)での臨床試験検討中、と述べた)。 3月30日日本時間)、UNESCO開催した世界127カ国の閣僚級やWHOの専門家等が出席したテレビ会議で、韓国科学技術情報通信部は、シクレソニドおよびニクロサミドCOVID-19効果があったという事実を共有した3月31日日本集中治療医学会報告によれば体外式膜型人工肺 (ECMO) によるCOVID-19治療対象患者(の一部)である21例のうち43%の9例の治療でシクレソニド(オルベスコ投与ちなみに、同じ統計で、ファビピラビルアビガン)は38%の8例、リン酸クロロキンは5%の1例、カレトラ95%の21例(※ 母集団厳密に同一ではない模様)。 4月14日に、インドのガウタムブッダ大学チームが、未査読論文サイト発表したところによれば、彼らはSARS-CoV-2のメインプロテアーゼ (Mpro) を標的に、FDAの承認市販薬化合物からヒトの抗ウイルスおよび抗菌特性備えたものを文献調査12種選び、それらをコンピュータシミュレーション仮想スクリーニングにかけて候補を探したその結果最強リファンピシン抗生物質)の次に有望な薬剤として出てきたのは、シクレソニドであったリファンピシンとシクレソニドは、参照化合物として使用したCOVID-19治療によく使われてきたカレトラ成分2剤(ロピナビルリトナビル)よりも、Mproとの結合親和性優れていた。 4月14日帝人ファーマは、COVID-19への取り組み一環で、本剤の「追加的な供給実現向けた協議輸入先とおこなって」いることを公表した4月18日日本感染症学会学術講演会「COVID-19 シンポジウム私たち経験英知結集して―」で、シクレソニドの観察研究4月8日時点中間報告紹介された。それによれば国内24施設から85症例登録された。そのうち死亡は2例、また、投与後に気管挿管必要になった悪化例は3例にとどまった座長土井洋平教授藤田医科大学)は「シクレソニドは抗炎症効果抗ウイルス作用あわせもつ幅広い年齢層使われてきたので、安全に使えることが大きい」と期待感示した国立国際医療研究センターでも、肺炎のない比較軽症COVID-19患者をシクレソニド7日間吸入群と非吸入群にランダムに割り付け8日目肺炎発症割合検討する、という形の特定臨床試験が行われている。 同年12月23日国立国際医療研究センターは、有効性検証する臨床試験行った結果有効性示されなかったと発表しCOVID-19対す投与推奨できないとしている。

※この「シクレソニド (吸入ステロイド;喘息治療薬)」の解説は、「COVID-19に対する薬剤転用研究」の解説の一部です。
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