ダムとは?

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ダム 【Carl Peter Henrik Dam】 ○

1895~1976デンマーク生化学者血液凝固に関係するビタミン K発見,これが植物肝臓に多いこと,脂溶性であることを解明した。

だ・む 【彩む】

( 動四 )
古くは「たむ」と清音か〕
いろどる彩色する。 「赤木の柄の刀に-・みたる扇差し添へ義経記 7
金銀の泥(でい)や箔(はく)で描く。 「金銀ヲモッテ物ヲ-・ム/日葡

だ・む 【訛む】

( 動四 )
古くは「たむ」とも〕
言葉がなまる。また,声がにごる。だぶ。 「ものうち言ふ,少し-・みたるやうなり/源氏 東屋

ダム [1] 【dam】

治水利水砂防などのために,河川渓流などを堰(せ)止める構造物使用材料からコンクリート-ダム・フィル-ダム,構造方式から重力ダム・アーチ-ダムなどに分類される。 → 多目的ダム砂防ダム

ダム (だむ)

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【「ダム」という言葉

 ダムとは、河川などのを堰き止めて、を貯めたり、水位上げたりするために建設される構造物のことです。例えば、広辞苑は、ダムとは「発電利水治水保全などの目的河海をためるために河川渓谷などを横切って築いた工作物とその付帯構造物総称」としています。なお、古くは「堰堤」と呼ばれていたようで、広辞苑にも堰堤はダムである旨の記述あります
 一方類似の施設として堰があります。ダムは高さが高く、堰はダムほどの高さはなく、横に長いといった感じがしますが、大規模な堰を想定すると両者区別は必ずしも明確ではないように思われます。
 なお、日本語の「ダム」は、英語の Dam を、その発音カタカナ日本語表記したものですが、英語のDamという言葉は、必ずしも高さの高いものだけを指すのではなく、高さの低い、日本では通常堰と呼ばれているようなものも含んでいるようです
 また、国際的には、「大ダム」(large dam)という言葉が使われることがあるようで、例えば、国際大ダム会議International Commission on Large Dams1928年創立世界85カ国参加)という国際的組織があり、そこでは世界のダムをダム台帳に登録していますが、登録対象ダムは高さが15m以上と、高さが5m上で貯水容量300m3上のものになっています。

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河川法などにおけるダムの取り扱い

 河川法は、ダム、堰、水門堤防などを「河川管理施設」とし、河川管理施設については、安全な構造のものでなければならないなどの規定を置いています。さらに、ダムのうち堤高が15m以上のものについては、これを「ダム」と定義して、水位流量観測操作規定定めることを義務付けるなど、特別の規定を置いています。また、河川管理施設等のうち主要なものの技術基準定めている河川管理施設等構造令では、砂防ダム以外の堤高15m以上のダムについて、「第2章 ダム」で詳細技術基準定めています。
 このように河川法体系では、堤高15m以上のダムについて主要な構造物として特別な扱いがされています。このため、「ダム」を堰とは区別して明確に定義する必要がある場合などに、堤高15m以上のものをダムと呼ぶことがあります例えば、(財)日本ダム協会発行の「ダム年鑑」では、「原則として堤高15m以上のもの」をダムとしています。
 なお、堤高15m以上のダムをハイダムと呼び、それ未満のものをローダムと呼ぶことがあるようですまた、国際的にも、高さ15m以上のものを「大ダム」(large dam)と呼んで区別することがあるようです

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ダムの語源

 日本語の「ダム」は、英語の Dam を、その発音カタカナ日本語表記したものです。
 中世ヨーロッパでは、ゲルマンアングロサクソン地方各地で、Dam という言葉起源とも思われるさまざまな言葉が用いられていましたが、英語の Dam直接起源は、14世紀オランダ語だといわれます。オランダは、国土の約四分の一海面下の土地で、延々と続く堤防によって海水を堰き止めています。首都であるアムステルダム第2の都市ロッテルダムの名前は、「アムステル川堤防」、「ロッテ川の堤防」という意味です。これらの都市は、13世紀建設されたものですが、当時オランダで、堤防という意味でダムという言葉が使われていて、やがてそれが英語になったもののようです。
 なお、英語のDamという言葉は、必ずしも高さの高いものだけを指すのではなく、高さの低い、日本では通常堰と呼ばれているようなものも含んでいるようです

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ダムの歴史

世界のダム)
 古代都市社会発展するためには、安定的食料生産前提であり、灌漑用水源としてダム建設が必要でした。世界四大文明発祥の地では、強力な権力者存在し、大規模労働力動員することができたため、ダムの建設が可能でした。
 歴史上文献現れる世界最古のダムは、ヘロドトス著「歴史」に登場します。紀元前2900年初期第一エジプト王朝創始者メネス王が首都建設するために、堤高15mのダムを築造してナイル流れを変えたとされています。しかしこれはダムではなく堤防ではなかったのかといわれています。ダムと呼べるものとしては、カイロ南方で、エジプト・クフ王朝時代紀元前2750年頃と推定されるサド・エル・カファラダムの遺跡あります。これを最古のダムとするのが現在の定説だといわています。このダムは、ピラミッド建設用石切場労働者飲料水確保するために造られ、堤高11m、堤頂長106m、底幅84mと大規模なものであったようです。
 古代アラビアでは、シーバの女王で有名なサバ王国で、紀元前750年頃、首都マリブの町の給水のためマリブダムが建設されました。このダムは、世界初め洪水吐備えたダムで、ダム技術史画期的なものでした。マリブダムは2度嵩上げが行われたようですが、その際洪水吐石積み構造嵩上げされています。
 中国では、紀元前240年頃、山西省のグコー川に堤高20mの当時としては世界最高のダムが建設されました。このダムは、14世紀末にスペインのアルマンサダムが完成するまで、1600年余りに渡って世界一高いダムであり続けました。
 ローマ人古代の最も偉大な技術者だと言われています。ローマ人が、紀元前193年スペイントレド征服したとき、この町給水のため、堤高20mのアルカンタリアダムを建設しました。ローマ帝国遺跡で知られるメリダ近くでは、130年頃に堤高19mのプロセピナダムが、またその後に堤高28mのコルナルボダムが建設され、これらは現在もなお使用されています。ローマ人また、北アフリカチュニス南西で、2世紀頃カセリンダムを建設しました。このダムは土砂と粗石でできたコア持ち表面水硬性モルタル漆喰継ぎ目固め切石はめ込み積みでした。
 現存最古のアーチダムは、テヘラン南西1300年頃に建設された堤高26mのケパールダムだと言われます。下流面が半径38mの円筒形をしているアーチダムで、蒙古人によって造られたようです。その100年ほど後に、スペイン人建設したアルマンサダムは、下流曲率半径25mのアーチダムでした。スペイン人また、1594年堤高が41mに及ぶ、世界一堤高のチリダムを完成させました。この堤高300年渡り破られませんでした。これもまた上流曲率半径107mのアーチ状のダムでした。その後、エルシュダム(堤高23m、1632年着手)、レルダム堤高28m)がスペイン人によって建設されましたが、これらはより薄肉断面のアーチダムでした。
 1747年に北スペイン建設されたアルブエラ・デ・フェリアダム(堤高23m)は、製粉用水車を回すための設備備えており、世界初動力貯水ダムです。また、近代的バットレス技術採用された最初の大ダムでもありました。
 1824年イギリスポルトランドセメント発明され、ダムにもセメント使用されるようになりました。これにより、重力式コンクリートダムやアーチダムが可能となり、イギリスフランス中心にダム技術大きな変革がもたらされました。19世紀後半イギリスでは都市化進展し、需要まかなうために各地にダムが建設されました。
 アメリカでは、1933年より始められたニューディール政策一環として各地でダムが建設されました。東部では、TVAテネシー渓谷開発公社)が設立され、テネシー川総合開発実施されました。多数のダムを建設し、発電かんがい洪水調節により、地域経済発展を図ろうとするもので、大きな成果が得られました。西部では、コロラド川大規模フーバーダム建設されましたが、このダムはダム技術集大成ともいうべきダムで、以降世界ダムモデルとして大きな影響があったといわれています。
 [世界ダムの歴史については、主として竹林征三著「ダムの話」によっています。]

日本のダム
 日本では古くから稲作が行われ、そのため洪水の危険の多い低湿地移り住みました。洪水を防ぐとともに稲作に必要な確保するために、溜池などの貯める工夫をしてきました。
 日本で最も古い溜池がどこかは厳密にわからないようですが、大阪府史跡名勝指定されている狭山池は、我が国最古潅漑用ため池と言われることがあります。「古事記」や「日本書紀」にも記述がみられ、古く行基重源ちょうげん、1120〜1206)により改修が行われ、江戸時代初期には豊臣秀頼(1593〜1616) の命を受けた片桐且元(かたぎりかつもと、1556〜1615 )が大規模改修工事を行うなど、多く改修記録が残されています。狭山池では、ダム化への改修工事が行われました。この工事先立ち大阪狭山市在住考古学者末永雅雄博士提唱により、大阪府土木部の協力のもとに、狭山池調査事務所設立して文化財調査が進められました。この調査により発掘された東(ひがしひ)の木製樋管コウヤマキ)について、年輪年代測定法により伐採年代測定したところ、616年との結果が得られました。これによって、狭山池築造7世紀前半とする説が、現在有力であるようです。(→日本のダム:狭山池(再)
 満濃池香川県)も古い溜池として有名です。満濃池は、大宝年間701703)に讃岐の国道守朝臣金倉川沿いの谷地湧き水をせき止めて造ったといわれており、地元満濃町ホームページなど各種資料にこの趣旨記述見られます。満濃町では、2001年満濃池築堤から数え1300年となるとして、2001年4月からほぼ3年わたって満濃池築堤1300年祭」が開催されました。
 以降日本各地多数溜池が作られましたが、近代技術を使った本格的なダムと呼べるものは、明治になってからのことで、まず水道用のダムが建設され、次いで発電用のダムが建設されるようになりました。
 日本初水道用のダムは、長崎市本河内高部ダムです。明治24年完成した堤高18.6mのゾーン型アースダムでした。水道計画設計には、当時イギリス水道計画・ダム貯水池計画技術導入されており、その後多くの年の水道計画の礎となりました。このダムは現在再開発が進められていますが、今後引き続き水道用として使われる計画です。(→日本のダム:本河内高部(再)
 日本最初コンクリートダム水道用のダムで、神戸市布引五本松ダムです。布引五本松ダム水道用の重力式コンクリートダムで、明治33年完成しました。英国人ウィリアム・バルトンの指導設計大阪市から招へいされた技師佐野藤次郎です。阪神・淡路大震災にも耐え、改修経て現在でも神戸市水源として使用されています。(→日本のダム:布引五本松(元)
 日本最初発電コンクリートダムは、栃木県黒部ダムだと言われています。大正元年竣工石張りコンクリートダムで、その後改修されていますが、現在も発電に使われています。(→日本のダム:布引五本松(元)
 大野ダム山梨県)は、台帳整地形成する発電用アースダムで、大正3年竣工堤高37.3mは当時日本一高いアースダムでした。(→日本のダム:大野
 大正後期には、長距離送電ができるようになり、中部山岳地帯大規模水力開発を行って、それを大都市地域送電することが可能となりました。このため大正末期から大容量水力発電が活発となりました。代表は、大井ダムを有した大井発電所でした。大井ダム木曽川本川締め切る堤高53.4mの重力式コンクリートダムで、「日本初の高さ50mを超えるダム」ともいわれる。(→日本のダム:大井
 昭和5年完成した小牧ダム富山県)は、当時東洋一のダムと言われた堤高79mの重力式コンクリートダムで、今日のような機械化施工技術建設された最初の重力式コンクリートダムとも言われます。(→日本のダム:黒部
 このようにコンクリートダムとしては、まず重力式コンクリートダムが造られましたが、次いでアーチ構造利用して堤体積を大幅少なくすることができるアーチダムが建設されるようになりました。
 日本初めてのアーチダムは、三成ダム島根県)です。三成ダムは、昭和29年3月竣工発電用ダムです。堤高が36m、堤頂長109.7mと小規模ですが、アーチダムの先駆けとなりました。(→日本のダム:三成
 本格的なアーチダムとしては、上椎葉ダム宮崎県)があげられます。難工事克服して昭和31年竣工した堤高110mの大規模ダムです。(→日本のダム:上椎葉
 その後日本経済高度成長によって、労働賃金上昇したため経済性観点から、投入労働力少なく機械化度合いの高い施工方法求められるようになり、ロックフィルダムが建設されるようになりました。初期の頃の代表的なロックフィルダムとしては、御母衣ダム岐阜県)があります堤高131mの大規模ロックフィルダムで、機械化施工駆使して建設されました。(→日本のダム:御母衣

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ダムの種類

 いろいろな観点から、ダムの種類分けをすることが可能です。ダムの目的による分類については、こちら(→ダムの目的)を参照してください
 ダムは、堤体材料構造などにより分類されますが、よく使われる種類としては、次のようなものがあります

アーチダム
 コンクリートで作られたダムで、上から見た形がアーチ型なのでこう呼ばれます。アーチの持つ力学特性によって、水圧大部分両岸岩盤伝えることにより、重力式コンクリートダムと比べ堤体薄くすることができ、経済的ですが、ダムの両岸岩盤に伝わる力が大きくなりますので、両岸良好岩盤が必要です。
 黒部ダム(→日本のダム:黒部)、温井ダム(→日本のダム:温井)、奈川渡ダム(→日本のダム:奈川渡)などが代表的なアーチダムです。

重力式コンクリートダム
 コンクリートで作られたダムで、貯水池からの水圧をダムの重量支え形式のダム。コンクリートダムとしては最も一般的なものです。ダムの重量支えるのに十分な基礎岩盤上に建設することが原則です。
 奥只見ダム(→日本のダム:奥只見)、浦山ダム(→日本のダム:浦山)、宮ヶ瀬ダム(→日本のダム:宮ヶ瀬)、佐久間ダム(→日本のダム:佐久間(元))などがこのタイプです。

中空重力式ダム
 コンクリートで作られたダムで、重力式コンクリートダムの一種ですが、その内部空洞になっているダム。コンクリートの量は節約できますが、構造が複雑なので、畑薙第1ダム(→日本のダム:畑薙第1)、井川ダム(→日本のダム:井川)など昭和30年代から40年代にかけて造られたものが数例あるのみです。

重力式アーチダム
 コンクリートで作られたダムで、重力式コンクリートダムとアーチダムの両方特性備え、それによって水圧支えようとするダムです。新成羽川ダム(→日本のダム:新成羽川)、阿武川ダム(→日本のダム:阿武川)など、国内10ダム程度あります

バットレスダム
 水圧を受ける鉄筋コンクリート版を扶壁バットレス)で支え構造のダム。扶壁式ダムとも言われます。構造施工が複雑で、国内最近建設されたものはなく、丸沼ダム(→日本のダム:丸沼)、笹流ダム(→日本のダム:笹流)など大正から昭和初期にかけて造られたものが数例あるのみです。

アースダム
 主に土を材料にして作られたダム。土堰堤とも言い、古くからあるかんがい溜池などはこれに該当し、最近でも作られていますので、最も数の多いタイプのダムです。ロックフィルダムとともにフィルダム一つです。堤高の高いものとしては、清願寺ダム(→日本のダム:清願寺)、長柄ダム(→日本のダム:長柄)、中里ダム(→日本のダム:中里)などがあります

ロックフィルダム
 岩石多く使ったダムです。中央部遮水を受け持つ遮水ゾーンコア)を持つタイプのロックフィルダムが多いですが、上流側の堤体表面コンクリートアスファルトなどで遮水するタイプあります高瀬ダム(→日本のダム:高瀬)、奈良俣ダム(→日本のダム:奈良俣)、手取川ダム(→日本のダム:手取川)などがロックフィルダムです。

重力式コンクリート・フィル複合ダム
 重力式コンクリートダムとフィルダムとの二つ型式のダムが連続して一つのダムを形成している構造のダムです。竜門ダム(→日本のダム:竜門)、大川ダム(→日本のダム:大川)、忠別ダム(→日本のダム:忠別)などがこれに当たります。

台形CSGダム
 日本開発された新し技術に基づくもので、堤体断面台形で、材料CSG使用したダムです。条件さえ合えば、コスト縮減環境保全などに有効です。まだできあがったダムはありませんが、建設中のものがいくつかあります


 種類分け基礎となっている考え方以下の通りです。
______________________________________
機能により)
貯水ダム
取水ダム
砂防ダム
貯砂ダム
これから下の種類分けは、貯水取水用のダムを念頭にいたものです。

______________________________________
目的の数により)
専用ダム
多目的ダム

______________________________________
構造により)
可動ダム
 一連のゲート主体となっているダム。
固定ダム
 本体主要部分が固定されているダム。通常のダムはこれに該当します。

______________________________________
固定ダムについて水理機能により)
越流式ダム
 堤頂から洪水越流させる方式のダム。
■非越流式ダム
 堤体外に洪水吐を持つダム。

______________________________________
堤体材料により)
フィルダム
 土や岩石材料とするダム。通常ダムサイト周辺採取される土や岩石材料として使用します。
 ■アースダム
  土を主体にしたダム。
  土堰堤とも言い、古くからあるかんがい溜池などはこれに該当します。
 ■ロックフィルダム
  岩石多く使ったダム。
コンクリートダム
 コンクリート材料とするダム。

■台形CSGダム
 CSG材料とするダム。

______________________________________
フィルダムについて遮水方法により)
均一
 堤体均一細粒材料構築したダム。
ゾーン
 堤体内部を、遮水を受け持つ遮水ゾーンコア)、堤体安定を受け持つ透水性ゾーンなどにゾーン区分をしたダム。
表面遮水
 上流貯水池側)の堤体表面コンクリートアスファルトなどで遮水するダム。
 ■アスファルト遮水
 ■コンクリート遮水

______________________________________
コンクリートダムについて水圧支え方などにより)
■重力式コンクリートダム
 貯水池からの水圧をダムの重量支え形式のダム。コンクリートダムとしては最も一般的なものです。ダムの重量支えるのに十分な基礎岩盤上に建設することが原則です。
■アーチダム
 アーチの持つ力学特性によって、水圧大部分両岸岩盤伝えることで、水圧支え構造のダム。上から見た形がアーチ型なのでこう呼ばれます。重力式ダム比べ堤体薄くすることができ、経済的ですが、ダムの両岸岩盤に伝わる力が大きくなりますので、両岸良好岩盤が必要です。
 数は少ないですが、複数のアーチダムが連なっているマルティプルアーチダムというものもあります国内では、大倉ダム宮城県)と豊稔池香川県)がこれに該当します。
■バットレスダム
 水圧を受ける鉄筋コンクリート版を扶壁バットレス)で支え構造のダム。扶壁式ダムとも言われます。構造施工が複雑で、国内最近建設されたものはなく、大正から昭和初期にかけて造られたものが数例あるのみです。
中空重力式ダム
 重力式コンクリートダムの一種で、その内部空洞にしたダム。コンクリート量は節約できますが、構造が複雑なので昭和30年代から40年代にかけて造られたものが数例あるのみです。
■重力式アーチダム
 重力式コンクリートダムとアーチダムの両方特性備え、それらによって水圧支え構造のダム。

______________________________________
単一構造か、複合構造かにより)
単一ダム
 大多数のダムはこれに該当します。ロックフィルダム、重力式コンクリートダムといった一形式構造のダムです。
■複合ダム
 二つ型式のダムが連続して一つのダムを形成しているような場合です。重力式コンクリートダムとフィルダム混合が多いようです

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ダムの型式

 ダムはいろいろな観点から分類されますが(→ダムの種類)、重力式コンクリートダム、ロックフィルダムといったダムの区分をダムの「型式」と呼ぶことがあります
 例えば、(財)日本ダム協会発行の「ダム年鑑」では次のような型式分類を行って、それぞれ略号表示しています。〔 〕内が「ダム年鑑」の型式です。(→日本のダム:まとめ

単一ダム
 (堤体材料により)
 ■フィルダム
  ■アースダム
   ■均一型        〔E  :アースダム〕
   ■ゾーン型       〔E  :アースダム〕
   ■表面遮水
    ■アスファルト遮水  〔FA :アスファルトフェイシングフィルダム
    ■コンクリート遮水   (国内にない)
  ■ロックフィルダム
   ■均一型         (国内にない)
   ■ゾーン型       〔R  :ロックフィルダム〕
    ■コアアスファルト 〔FC :アスファルトコアフィルダム〕
    ■その他       〔R  :ロックフィルダム〕
   ■表面遮水
    ■アスファルト遮水  〔FA :アスファルトフェイシングフィルダム
    ■コンクリート遮水  〔R  :ロックフィルダム〕
 ■コンクリートダム
  ■重力式コンクリートダム 〔G  :重力式コンクリートダム〕
  ■アーチダム
    ■単一アーチ     〔A  :アーチダム〕
    ■複数アーチ     〔MA :マルティプルアーチダム
  ■バットレスダム     〔B  :バットレスダム〕
  ■中空重力式ダム     〔HG :中空重力式コンクリートダム
  ■重力式アーチダム    〔GA :重力式アーチダム〕
 ■台形CSGダム      〔CSG:台形CSGダム〕
■複合ダム          〔GF :重力式コンクリート・フィル複合ダム〕
通常のダム以外
 ■堰など          〔FG :堰〕
 ■地下ダム         〔未記入

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ダム計画上の水位と容量

 ダム計画上、貯水池水位として次のようなものがあり、一般に最低水位常時満水位サーチャージ水位設計洪水位の順に水位は高くなります。

最低水位LWL
 貯水池運用計画上の最低の水位。ダムの堆砂容量平に堆砂したときの堆砂上面とするのが一般的で、この場合堆砂位ともいいます。発電用のダムなどでは、堆砂容量のほかに死水容量をもつものがあり、このような場合両方を貯めた場合の上面。通常これよりも下には取水口がなく、貯留利用できません。

常時満水位NWL
 ダムの目的一つである利水目的水道かんがい工業用水など)に使用するために、貯水池貯めることが出来最高水位貯水池水位は、渇水洪水時期以外は常時この水位に保たれます。

サーチャージ水位SWL
 洪水時、一時的貯水池貯めることが出来る最高の水位

設計洪水位DWL
 予想される最大洪水200年一回程度)が発生した時の流量設計洪水流量といい、そのとき貯水池水位設計洪水位といいます。この時、ゲート全開されています。自然現象として予想される最高の水位考えられます。

 これらの水位連動して次のような貯水池容量定められます。

総貯水容量
 堆砂容量死水容量利水容量洪水調節容量全部合計したもの

有効貯水容量
 ダムの総貯水容量から堆砂容量死水容量を除いた容量

洪水調節容量
 常時満水位からサーチャージ水位までの容量

利水容量
 最低水位から常時満水位までの容量利水容量利水目的に応じて利水目的毎の容量分割されます。

死水容量
 通常設定されることは少ないですが、一定の水位確保目的として、発電計画上の必要性がある場合取水放流施設設置必要がある場合などに設定されます。その場合堆砂容量上面最低水位との間の容量

堆砂容量
 一定期間一般に100年間)にダム貯水池堆積すると予想される流入土砂貯える容量

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ダムの造り方

 ダムはとても大きな構造物で、建設による地域社会周辺環境への影響大きなものがありますそのためダムを造るときは、安全性経済性もちろんのこと地域社会環境への影響にも最大限配慮をしなければなりません。コンクリートダム本体一般的な建設手順工事段階の手順)です。

工事準備
 資材運搬する道路をつくったり、川を工事影響のない場所に切り替える工事仮排水路建設)などを行い、ダム工事準備をします。

仮設備の設置
 ダム工事から発生する汚れたをきれいにする濁水処理施設設置したり、コンクリートをつくるための設備整備します。これらは工事終了したら撤去されるので「仮設備」とよばれます

基礎掘削
 ダムの基礎地盤露出するため、河床堤体側面掘削し、弱い岩盤ゴミ・泥などを取りのぞきます。

基礎処理
 基礎岩盤軟質部分割れ目補強し、ダムと基礎地盤密着させるためにボーリングした穴にセメントミルク流し込みます。専門用語で『グラウチング』といいます。

コンクリート打設  コンクリートクレーンダンプなどにより運び、あらかじめ設置した型枠中に打設します。

管理設備設置
 ダムを使用する際に必要な管理設備(取水設備警報設備など)を設置します。

試験湛水  工事完了したら、をため、異常がないことを確認します。

建設事例
重力式コンクリートダム(→知識を深める:ダム建設工事(福智山ダム)
ロックフィルダム(→知識を深める:ダム建設工事(金峰ダム)

ダム

 一般的に堤高15m以上の堰のことをいう。

ダム

名前 DammDamDamme

ダム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/05/04 03:59 UTC 版)

ダム: Dam)、堰堤(えんてい)は、治水、利水、治山砂防廃棄物処分などを目的として、を横断もしくは窪地を包囲するなどして作られる土木構造物。一般にコンクリートなどによって築く人工物を指すが、ダムを造る動物としてビーバーがおり、また土砂崩れ地すべりによって川がせき止められることで形成される天然ダムと呼ばれるものもある。また、ダムは地上にあるものばかりでなく、地下水脈をせき止める地下ダムというものもある。このほか、貯留、貯蓄を暗示する概念的に用いられることがあり、森林の保水力を指す緑のダムという言葉がある。




  1. ^ 「ダム王国」中国の脅威、半数の4万基が傷んでいる - 東洋経済オンライン 2011年11月4日
  2. ^ 建設計画自体は1920年代に採用されている。
  3. ^ コンバインダムを含めたものではイタイプダムが最も高い。
  4. ^ 『ダム便覧』世界のハイダム
  5. ^ 『ダム便覧』世界の貯水池容量の大きいダム
  6. ^ 一例としては日本で、群馬県渡良瀬川1977年(昭和52年)完成した草木ダムがある。当初は建設予定地点の地名より命名された「神戸ダム」という名称であったが水没予定地に住む住民の要望で現在の名称へと変更になった。
  7. ^ 財団法人日本ダム協会『ダム便覧』 フーバーダム
  8. ^ 財団法人日本ダム協会『ダム便覧』 ダニエルジョンソンダム
  9. ^ 財団法人日本ダム協会『ダム便覧』 アタチュルクダム
  10. ^ 『電発30年史』p331-334。
  11. ^ 社団法人日本大ダム会議『大ダム』No.78 pp.54-58.1976年12月。
  12. ^ 『北海道のダム』p.247
  13. ^ "Teton Dam Failure", Arthur Gibbs Sylvester, University of California Santa Barbara
  14. ^ 米加州でダム決壊の恐れ、住民18万人超が避難継続”. CNN (2017年2月14日). 2017年2月14日閲覧。



ダム

出典:『Wiktionary』 (2010/11/06 23:33 UTC 版)

名詞

ダム

  1. 水や砂などの流れをせくために、川や谷を横断したり窪地を囲んだりして作られる構造物
  2. 国際大ダム会議にて定義されている、堤高が5.0メートル上で貯水容量300立方メートル上の堰堤
  3. 日本河川法定められているハイダム。

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