天然ダムとは? わかりやすく解説

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土砂ダム

読み方:どしゃダム
別名:天然ダム

山間の川などに土砂流れ込み上流から流れ込むせき止めることで水位上昇し自然に形成されダムようになったもの。「天然ダム」と呼ばれることもある。

土砂ダムは豪雨に伴う土砂災害多大な降水影響などによってできることが多い。報道などでは「せき止め湖」という表現多く用いられる

2011年8月末から9月にかけて日本紀伊半島周辺襲った台風12号通称タラス」)は、和歌山県などの山間部に計4つの土砂ダムを形成した国土交通所や下流自治体警戒呼びかけている。

てんねん‐ダム【天然ダム】

読み方:てんねんだむ

土砂崩れ地震などの自然災害や、動植物などの営みによって河川が堰(せ)き止められた状態。→河道閉塞堰き止め湖


天然ダム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/19 15:05 UTC 版)

天然ダム(てんねんダム)とは、大雨や地震火山噴火などの自然現象のために、土砂などが河川の水の流れを堰き止めるようになった地形をいう。また、この地形によって形成された、水を大量に蓄積する現象を指す場合もある。


  1. ^ 国土交通省がこの呼称を用ることとなったいきさつには、2004年10月23日に発生した新潟県中越地震が関係している。この地震において、新潟県古志郡山古志村を流れる芋川流域などでこの現象が生じた。その時点において、天然ダムという言葉はすでに学術用語として広く用いられており、当初は日本の国土交通省もこの表現を採用していた。しかし、国土保全と災害対策と治水を担う国土交通省は、この表現が「美しい印象を与えてしまう恐れがあり被災者の心情にそぐわない」ことを理由として、同年11月12日、この現象を示す表現を「河道閉塞」に改めることとした。なお、ここでの「河道」は水路の意味合いであり、通常の意味での「道路」を閉塞するとの意味は全く含んでいない。水が流れる河川の水路ことを河の「みち」(道)としている点には注意が必要である。
  1. ^ 安田政彦『災害復興の日本史』p10 吉川弘文館 2013年2月1日発行 全国書誌番号:22196456
  2. ^ 天然ダム付近に監視カメラを設置しました~平成30年7月豪雨を受けた技術的支援~ 国土交通省近畿地方整備局
  3. ^ 読売テレビ道浦俊彦によると、読売新聞は、新潟県中越地震の際に「天然ダム」について「天然という言葉には美しいイメージがあるのでふさわしくない」との声があがったことから、2004年11月13日付朝刊において「今後は『土砂崩れダム』に改める」と告知した(ことばの話3244「地震湖」(道浦俊彦「とっておきの話」2008年5月27日、2012年3月15日閲覧))。
  4. ^ NHKホームページ「そなえる防災」の2012年(平成24年)9月掲載のコラムでは、タイトルは「天然ダムの危険性と対策」で、記事には「土砂ダム、堰止湖(せきとめこ)とも呼ばれる」と書かれている。
  5. ^ 多里英, 公文富士夫, 小林舞子 ほか、「長野県北西部,青木湖の成因と周辺の最上部第四紀層」 『第四紀研究』 2000年 39巻 1号 p.1-13, doi:10.4116/jaqua.39.1 日本第四紀学会
  6. ^ 卜部厚志, 藤本裕介, 片岡香子、「越後平野の沖積層形成における火山性洪水イベントの影響 地質学雑誌 2011年 117巻 9号 p.483-494, doi:10.5575/geosoc.117.48
  7. ^ a b 長野県中・北部で形成された巨大天然ダムの事例紹介 (PDF) 歴史地震研究会 歴史地震第26号
  8. ^ 南牧村の歴史|信州・みなみまき村(長野県南佐久郡南牧村)ホームページ”. www.minamimakimura.jp. 南牧村. 2022年2月28日閲覧。
  9. ^ 【第14回】なぜ内陸県に海の地名? 海ノ口から海尻まで|地図から信州が見えてくる”. 地図から信州が見えてくる|信濃毎日新聞. 今尾恵介. 2022年2月28日閲覧。
  10. ^ 歴史的大規模土砂災害地点を歩く - いさぼうネット”. isabou.net. 2022年2月28日閲覧。
  11. ^ 国立国会図書館. “「日本人のおなまえ」という番組で特集されていた、平安時代の八ヶ岳崩壊について書かれた文献を教えてほし...”. レファレンス協同データベース. 2022年2月28日閲覧。
  12. ^ 井上公夫(2012) (PDF) 井上公夫, 山本武美(2012): 宝永南海地震(1707)で形成された仁淀川中流(高知県越知町)の天然ダムの石碑と説明看板, 砂防と治水, 44(6), pp.113-115.
  13. ^ 情報の散歩道 (PDF) 井上公夫,山本武美: 宝永南海地震(1707)で形成された仁淀川中流・舞ヶ鼻の天然ダムの石碑と説明看板
  14. ^ 都司嘉宣歴史地震の話 ―語り継がれた南海地震高知新聞企業、2012年、ISBN 978-4-87503-437-7
  15. ^ 善光寺地震による虫倉山周辺,特に臥雲院付近の地すべり災害 歴史地震 第23号(2008) 101-109 頁
  16. ^ 梓川上流・トバタ崩れ (1757) に伴う天然ダムの形成と決壊対策 砂防学会誌 Vol. 60 (2007-2008) No. 3 P 44-49]
  17. ^ 小出博 「金剛寺の天然ダムも決壊」『日本の水害』p53-p54 東洋経済新報社 昭和29年9月10日
  18. ^ “土砂崩れダム、新たに2か所確認”. 読売新聞. (2011年9月8日). http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110906-OYT1T01177.htm 2011年9月10日閲覧。 
  19. ^ “大雨で決壊の恐れ高まる 奈良・和歌山の2つの天然ダム湖”. 産経新聞. (2011年9月8日). https://web.archive.org/web/20110908155732/http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110908/dst11090821230024-n1.htm 2011年9月10日閲覧。 
  20. ^ “奈良・和歌山の土砂崩れダム3か所、決壊の恐れ”. 読売新聞. (2011年9月16日). http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110916-OYT1T00991.htm 2011年9月16日閲覧。 
  21. ^ 能登半島地震 輪島に土砂ダム7カ所、決壊に注意 京大防災研”. 毎日新聞 (2023年1月7日). 2024年1月11日閲覧。


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