文学
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/24 06:23 UTC 版)
文学の著述
文学的な著述は正書法や文法だけでなく、修辞学や詩学の規範にも従う。作家は文体を作り上げることを可能にする言語的な諸手段を利用し、話法を支え、散文を美的なものにするために詩学的な破格、脱線、造語などもまた拠り所とする。作者に固有の文体的要素と修辞技法のような修辞学的効果の双方が駆使され、そのようにして作家は他と一線を画す芸術家となるのである。
文学の形態
メディア
原初的な文学は口伝(口承文芸)である。それが文字で書きとめられるようになり写本の形で流布するようになったが、15世紀以降印刷技術が普及し、やがて活版印刷による文学作品の出版が盛んになった。現在ではインターネットに代表される電子メディア上で表現されるものもある。
文学形式
メディアの変遷に応じ、最初は音声で受容される叙事詩、抒情詩などの詩や、演劇(劇文学)が中心的な役割を果たしたが、近代に至り文字の形での受容が容易になるにつれて詩から小説への大規模な移行が起こった。
翻訳
言語に依存する芸術であるため、他言語の作品を鑑賞・解釈するためには翻訳が大変重要であり、翻訳家の存在が大きな意味を持つ。翻訳された作品を翻訳文学と呼ぶ。
評論
文学作品を研究・分析・批評することを文芸評論(文芸批評)という。広義には研究論文から雑誌のコラムまで全て評論と言える。文学だけではなく、あらゆる作品が評論の対象になる。評論には様々な手法があり、それは研究対象や時代、評論家自身などに依存する。優れた評論文は、それ自体が文学作品として評価される。作家や思想家が文芸評論家として活動することもしばしばある。
文学の分野
詳細はそれぞれの項目を参照。
- 口承文学(口承文芸)
- 詩(韻文)
- 散文
注釈
出典
- ^ 『論語』学而6、雍也27
- ^ 李征「中国・日本の近代における「文学」という翻訳語の成立 ―清末上海滞在のイギリス人宣教師エドキンスによる「希臘為西国文学之祖」の執筆をめぐって」『比較文学』第40巻、1998年、7-20頁。
- ^ 蔡祝青 (2012). “文學觀念流通的現代化進程:以近代英華/華英辭典編纂literature詞條為中心”. 東亞觀念史集刊 3: 309-317 .
- ^ アリストテレス『ニコマコス倫理学』VI、4
文学と同じ種類の言葉
- >> 「文学」を含む用語の索引
- 文学のページへのリンク