クラスター爆弾 保有国の対応

クラスター爆弾

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/12 21:52 UTC 版)

保有国の対応

アメリカ

オスロ・プロセスとは異なる独自の規定を定め、クラスター弾不発率の低下を目指した。MLRSについては単弾頭GPS誘導ロケット弾XM31の開発を進め、M31として制式化した。2006年1月には、更新が遅れれば不発率低下の目標を達成できないと発表してM31の取得を進め、イラク戦争でもこれを活用した[13]2015年イエメン内戦では、サウジアラビア主導の同盟国らが、米国のBLU-108英語版イエメンの居住地で使用しているとする国連等の報告があり、ヒューマン・ライツ・ウォッチは、サウジとその同盟国、イエメン、米国はクラスター弾に関する条約を締結すべきであると述べている[14]

日本

航空自衛隊はクラスター爆弾・CBU-87/Bを、陸上自衛隊砲弾03式155mmりゅう弾砲用多目的弾対戦車ヘリコプターから発射するハイドラ70ロケット弾(M261弾頭)、多連装ロケットシステム用のクラスター弾頭型ロケット弾・M26を保有しており[15]、いずれも不活化機能や自爆機能は有していない。2007年2月にオスロで開かれたクラスター爆弾禁止会議のオスロ宣言には署名しなかったが、2007年6月19日ジュネーヴで開催された特定通常兵器使用禁止制限条約(CCW)政府専門家会合では、条約交渉の開始に賛成を表明した。

2008年5月28日ダブリンでの国際会議では一部を除いて禁止するとの条約案に同意し、2008年11月28日の安全保障会議で自衛隊が保有するすべてのクラスター弾の廃棄を決定、12月3日にオスロで開催された禁止条約署名式には中曽根弘文外相が出席して署名した。日本の外務省は「クラスター弾に関する条約」を仮和訳したものをウェブサイト上で公開している[16]。2009年に国会でクラスター弾等の製造の禁止及び所持の規制等に関する法律が成立している。

防衛省では、航空爆弾にはレーザー誘導対応型JDAM爆弾を、多連装ロケットシステムにはM31単弾頭型GPS誘導ロケット弾を導入すると発表し、この二種の精密誘導兵器取得を代替措置とした[17][18][19]

2015年2月10日、同日付で防衛省は自衛隊が保有していたクラスター弾の廃棄完了を9日に確認したと発表した[20]

2017年5月23日クラスター爆弾を製造する企業[注釈 5]に対して、投融資を行っている世界各国の金融機関166社をオランダのNGO団体「PAX」が発表し、そのなかで日本は4社(三菱UFJフィナンシャル・グループ三井住友フィナンシャルグループオリックス第一生命保険)あり、クラスター爆弾規制条約の締約国では一番多いことが分かった[21]

イギリス・ドイツ

全ての子弾に自爆機能、もしくは不活性化機能を持たせた改良型を配備する。

中国ロシア北朝鮮韓国台湾は、クラスター弾禁止条約に参加していない。


注釈

  1. ^ 例・親子爆弾事件
  2. ^ 250kg爆弾×1発をクラスター爆弾化すれば、在来爆弾の数倍の面積を制圧できる。同じ面積を制圧するのに投下する爆弾の個数は従来の数分の1で済み、爆撃作戦に必要な航空機の数も、在来型航空爆弾を使った場合の数分の1で済む。戦闘爆撃機であるF-15Eの場合、CBU-59なら最大26発を搭載でき、1回の出撃で最大6,422発の子弾を投下することができる
  3. ^ 第二次大戦後、戦闘用航空機の単価は高騰を続け機数が削減傾向にあったほか、弾道ミサイルの登場で戦略爆撃機とそれに対する迎撃機が削減された
  4. ^ ある程度風に乗る形状でないと、一箇所に集中して落下してしまい効果範囲が狭まる
  5. ^ テキストロンは軍事以外に金融業や民需部門を所有しており上記4社以外にも提携やライセンス生産を受け持つ日本企業は複数存在している。

出典

  1. ^ Diplomatic Conference for the Adoption of a Convention on Cluster Munitions "Convention on Cluster Munitions" - 英語正文第2条(2008年5月20日)"“Cluster munition” means a conventional munition that is designed to disperse or release explosive submunitions each weighing less than 20 kilograms, and includes those explosive submunitions."
  2. ^ Handicap Internationalのレポート
  3. ^ Bulletin of Cluster Munition Coalition for February 2006 (英文)
  4. ^ Pledge to seek cluster bomb ban, the BBC, 23 February 2007 (英文)
  5. ^ 「オスロ宣言」、地雷廃絶日本キャンペーンのサイト内、PDF文書
  6. ^ 46 Nations commit to ban cluster bombs, The Diana, Princess of Wales Memorial Fund, 23 February 2007 (英文)
  7. ^ Britain bans 'dumb' cluster bombs, the BBC, 20 March 2007 (英文)
  8. ^ World Briefing | Europe: Belgium: Cluster Bomb Investments Barred, the New York Times, March 3, 2007 (英文)
  9. ^ クラスター爆弾禁止リマ会議:草案合意に至らず, the Inter Press Service Japan, 2007年6月12日
  10. ^ Diplomatic Conference for the Adoption of a Convention on Cluster Munitions "Convention on Cluster Munitions" - 英語正文(2008年5月20日)
  11. ^ 証券取引委員会
  12. ^ ヒューマン・ライツ・ウォッチ「Cluster Bomblets Litter Afghanistan」
  13. ^ [1] - アーマード・インターナショナル。英文
  14. ^ Yemen: Cluster Munitions Wounding Civilians: US Supplied Weapon Banned by 2008 Treaty, Human Rights Watch, February 14, 2016.
  15. ^ クラスター弾の軍事的有用性と問題点―兵器の性能、過去の使用例、自衛隊による運用シナリオ― 国立国会図書館レファレンス2007-09 福田毅
  16. ^ クラスター弾に関する条約 - 日本外務省
  17. ^ 防衛大臣記者会見の概要(2008/11/28)
  18. ^ [2] - 代替案を報じる毎日新聞電子版
  19. ^ [3] - 時事通信電子版
  20. ^ 防衛省「クラスター弾の廃棄完了について」
  21. ^ “日本の4社、クラスター爆弾製造企業に投資 NGO発表”. 朝日新聞. (2017年5月23日). http://www.asahi.com/sp/articles/ASK5R55NPK5RUTFK00R.html 2017年5月24日閲覧。 
  22. ^ [4] Lists of countries involved in the problem of cluster munitions(クラスター爆弾の問題に関わる国の一覧)
  23. ^ Edward McGill Alexander (July 2003). Appendix A to Chapter 9 of the Cassinga Raid. University of South Africa(南アフリカ大学. http://uir.unisa.ac.za/bitstream/10500/1475/7/12appendix9a9b.pdf. 
  24. ^ [5] MND says Taiwan is ready to make cluster-bombs クラスター爆弾製造 準備は整っている-台湾防衛省 (英文)
  25. ^ [6] Estonia remains clusterbombs in its weaponry エストニア クラスター爆弾を兵器として保有(エストニア語)
  26. ^ [7]Air Force Weapons: Alpha Bomb, SAAF:South African Air Force
  27. ^ [8] Podpis pogodbe o kasetnem strelivu:: Prvi interaktivni multimedijski portal, MMC RTV クラスター爆弾の条約の署名(スロベニア語)




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