多変量解析とは? わかりやすく解説

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たへんりょう‐かいせき〔タヘンリヤウ‐〕【多変量解析】

読み方:たへんりょうかいせき

対象特徴づける複数変数同時に解析することで、対象分類したり、変数同士相関関係調べたりする統計的手法


多変量解析 multi-variate analysis


多変量解析

英語 multi-variate analysis

複数特性値に対してデータ特徴要約し目的応じたデータ統合化を行う手法いろいろな手法があるが、主成分解析がもっともよく知られている。多く因子のなかから要因となるものを知ることができる。

※「大車林」の内容は、発行日である2004年時点の情報となっております。

多変量解析

読み方たへんりょうかいせき
【英】:multivariate analysis

概要

解析対象に対して, 複数変数(特性)についての値が得られているときに, それらを用いて, 総合的に解析するのを多変量解析という. 変数の型および変数扱い方により, 種々の解析方法がある. 主成分分析因子分析のように, すべての変数同じに扱う場合と, 回帰分析のように, 変数2つグループ分けて, 一方で他方説明する場合がある.

詳説

 解析対象 (会社, 地域, 人など) に対して, 複数変数 (特性) についての値が得られているときに, それらを用いて, 総合的に解析するのを多変量解析という. 変数の型および変数扱い方により, 種々の解析方法がある.

 変数の型は, 同異だけがわかる名義尺度変数 (質的変数) と差に意味がある間隔尺度変数 (量的変数) に分かれる. 会社名, 地名, 人名などは, 名義尺度変数である. 名義尺度変数は, 分類にしか使えないが, 複数間隔尺度変数は, 重み(係数)を乗じて, 加えた関数考えることができる.

 変数扱い方には, すべての変数同じに扱う場合二つ分け場合がある. 後者では, 第1のグループ変数関数と第2のグループ変数の対応を求める. 第1のグループ変数説明変数, 第2のグループ変数目的変数という. 目的変数は, 1個であることが多い.

[解析方法種類]

 1. すべての変数同じに扱う場合

 すべての変数名義尺度変数である場合は, 対象多重分類した分割表解析する方法があるが, 通常は, 多変量解析の対象にしていないので, ここでは, すべての変数間隔尺度変数であるとする.

 (1) 総合特性値求め方法

 元の変数との関係をできるだけ失わないようにして, より少数総合特性値いくつか求め方法として, 主成分分析因子分析がある. 主成分分析では, 主成分といわれる元の変数線形式順次一つずつ求めていく. したがって, 第k\, (≧2)主成分には, すでに定まっている第1から第(k-1)\, 主成分までに追加するのに最適なものが選ばれる. しかし, とりあげ総合特性値の数k\, が予め定まっている場合は, 第1主成分から第k\, 主成分1次変換であれば, どれでもよいので, 意味を考えて, よりよいk\, 個の因子呼ばれる総合特性値求めるのが因子分析である.

 (2) 対象分類する方法

 対象いくつかのグループ分類する方法として, クラスター分析がある.

 2. 説明変数目的変数分かれている場合

 説明変数は, すべて間隔尺度変数であるとする. 目的変数との関係がある説明変数関数求め方法いくつか考えられている.

 (1) 目的変数名義尺度変数である場合

 目的変数によって対象グループ分けしたとき, 同じグループ内では近い値をとり, 異なグループでは離れた値をとる説明変数関数求められれば, 説明変数目的変数判別することができる. 目的変数判別するために用い説明変数関数判別関数という.

 (2) 目的変数間隔尺度変数である場合

 その値が目的変数の値とできるだけ近くなるような説明変数関数求め方法として, 回帰分析がある.

[変数の型の変換]

 ある特徴有無, 質問肯定否定による回答どのように, 二つ分けられる名義尺度変数は, 0か1の値をとる0-1変数おきかえることで, 間隔尺度変数のように扱うことができる. 一般に, k\, 個に分け名義尺度変数は, k\, 個の0-1変数置き換えることができる.

 0-1変数だけの多変量解析として, 各種数量化法提案されている.

 順序だけ意味がある順序尺度変数は, 点数化によって, 間隔尺度変数にできる. たとえば, 品物, 竹, ランク付けられている場合, それぞれに, 3, 2, 1や5, 2, 1の数値を対応させれば, 間隔尺度変数として扱うことができる. なお, 順序尺度変数は, 順位相関係数用いて, 解析するともできる.

 比が意味を持つ比尺度変数は, その対数をとることによって, 間隔尺度変数になる.

[単位に関する注意]

 複数変数を扱うとき, 単位注意する必要がある. 単位がすべて同じであれば, ほとんど問題がないが, x_1\, 単位はm, x_2\, cm, x_3\, はgのように, 異なるときは, 重み (係数) a_1, a_2, a_3\, 単位変えることによって, 重み付きの和

a_{1}x_1+a_{2}x_2+a_{3}x_3\,

が意味を持つ. このときに, 重み2乗

a_1^2+a_2^2+a_3^2\,

を1にするといった誤りをしないように, 注意されたい.

 多変量解析では, 単位揃えることとばらつき揃えることを兼ねて, 初めにその変数標準偏差で割る変数変換がよく行われる.



参考文献

[1] 奥野忠一, 久米均, 芳賀敏郎, 吉澤正, 『多変量解析法(改訂版)』, 日科技連出版, 1981.

[2] M. G. Kendall 著, 奥野忠一, 大橋靖雄 訳, 『多変量解析』, 培風館, 1981.

「OR事典」の他の用語
統計:  判別関数  回帰分析  因子分析  多変量解析  多次元尺度構成法  数量化法  順位相関係数

多変量解析

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/04/30 07:12 UTC 版)

多変量解析(たへんりょうかいせき、英語: multivariate analysis)は、多変量のデータの特徴を要約する方法のことである[1]。データの要約により、データの特徴を単純化し、分析しやすくする[2]




「多変量解析」の続きの解説一覧

多変量解析

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/14 05:27 UTC 版)

グレンジャー因果性」の記事における「多変量解析」の解説

多変量グレンジャー因果性検定通常ベクトル自己回帰モデルVAR)を時系列データ当てはめて行われる。特に、時間 t = 1 , … , T {\displaystyle t=1,\ldots ,T} において X ( t )R d × 1 {\displaystyle X(t)\in \mathbb {R} ^{d\times 1}} を d {\displaystyle d} 次元多変量時系列とする。グレンジャー因果性は、 L {\displaystyle L} 個の時点対すVARモデルで以下のように行われる。 X ( t ) = ∑ τ = 1 L A τ X ( t − τ ) + ε ( t ) , {\displaystyle X(t)=\sum _{\tau =1}^{L}A_{\tau }X(t-\tau )+\varepsilon (t),} ここで、 ε ( t ) {\displaystyle \varepsilon (t)} はホワイトガウスランダムベクトルであり、 A τ {\displaystyle A_{\tau }} はそれぞれの τ {\displaystyle \tau } における行列である。 τ = 1 , … , L {\displaystyle \tau =1,\ldots ,L} において要素 A τ ( j , i ) {\displaystyle A_{\tau }(j,i)} の1つ以上がゼロよりも(絶対値が)大幅に大き場合には、時系列 X i {\displaystyle X_{i}} から別の時系列 X j {\displaystyle X_{j}} へグレンジャー因果性があるとされる

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多変量解析

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/22 00:58 UTC 版)

ブラシカステロール」の記事における「多変量解析」の解説

種々の脂質生物マーカー脂肪酸長鎖アルコールなど)を、主成分分析など多変量解析することにより、類似の起源挙動を示す化合物見つけ出すことができる。例としてウェールズ・モウシャッヒ (Mawddach) 川河口から得られ堆積物試料グラフを示す。このグラフにおけるブラシカステロール赤字)の位置から、この化合物海洋起源であることが知られる短鎖脂肪酸アルコール類似することがわかる。β-シトステロールなど陸生生物由来生物マーカーグラフ反対側に位置し互いに関連がないことを示している。

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「多変量解析」を含む「ブラシカステロール」の記事については、「ブラシカステロール」の概要を参照ください。

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