多変量正規分布からのサンプリング
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/19 11:25 UTC 版)
「多変量正規分布」の記事における「多変量正規分布からのサンプリング」の解説
平均ベクトル μ、分散共分散行列 Σ の N 次元正規分布に従う乱数ベクトルを生成する方法として、以下に述べるような手法が広く用いられている。 A AT = Σ となるような実行列 A をどれか1つ見つける。Σ が正定値の場合はコレスキー分解が典型的に用いられるが、(平方根演算を避けた)拡張法は Σ が半正定値であれば必ず通用し、いずれの方法でも適当な行列 A が得られる。別の方法として、Σ のスペクトル分解 Σ = UΛU−1 を用いて A = UΛ½ としてもよい。前者は計算論的に率直な手法だが、分布の基となる確率変数の並べ替え(Σ の行・列交換)によって行列 A は異なったものに変化する。一方後者は、このような変換をしても A の成分が並べ直されるだけである。理論上はどちらの手法を使っても行列が同程度に良く求まるが、計算時間には違いが出る。 z = (z1, …, zN)T を、標準正規分布に従う N 個の独立な確率変数から成るベクトルとする(このような乱数は例えばボックス=ミュラー法によって得られる)。 x を μ + Az とする。アフィン変換の性質より、このベクトルは所望の分布に従っている。
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