判別関数とは? わかりやすく解説

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判別関数

読み方はんべつかんすう
【英】:discriminant function

概要

いくつかの変数 (特性) についての測定値得られている対象に対して, それが属している可能性があるグループ複数考えられるときに, それらの変数関数用いて対象属すグループ判別することにする. このときに用い関数を判別関数という. その対象測定値 (ベクトル) と各グループ中心 (平均) の距離を計算して, それが最小であるグループ属していると判別することが多い.

詳説

 いくつかの変数(特性)についての測定値得られている対象に対して, それが属している可能性があるグループ複数考えられるときに, それらの変数関数用いて対象属すグループ判別することにする. このときに用い関数を判別関数という.

 いくつかの特性の値からグループ判別するから,特性説明変数であり, グループが(質的)目的変数である.説明変数x_i(i=1,\ 2,\ \cdots,\ p)\, , 目的変数y\, で表す.また, y\, のとりうる値(グループ名)をG_h(h=1,\ 2,\ \cdots,\ r)\, とする.すなわち, r\, 個のグループ考えられているとする. グループ判別には, \boldsymbol{ x}(x_i(i=1,\ 2,\ \cdots,\ p)\, 並べたベクトル)とG_h(h=1,\ 2,\ \cdots,\ r)\, 中心(平均)の間の距離D_h(\boldsymbol{ x})\, 用いる. G_h\, における平均ベクトル (x_i(i=1,\ 2,\ \cdots,\ p)\, 平均並べたベクトル) を\boldsymbol{m}_h\, , 分散共分散行列逆行列C_h\, とする. このとき, D_h(\boldsymbol{ x})\, は, 次式で計算される.



D_h(\boldsymbol{x})= 
(\boldsymbol{x}\boldsymbol{m}_h)^{\top}
C_h(\boldsymbol{x}-\boldsymbol{m}_h)


グループ正規母集団みなされ, 分散共分散行列がすべて等しいとき, 上の式で \boldsymbol{x}\,=\,\boldsymbol{m}_k\, とおいて得られる距離を, G_k\, G_h\, の間のマハラノビス汎距離という. 平均分散共分散行列は, 各グループ属していることがわかっている対象についての測定値より計算される. D_h(\boldsymbol{x}) (h=1,\ 2,\ \cdots,\ r)\, の中で,D_k(\boldsymbol{x})\, 最小であれば, この対象は,G_k\, 属していると判別すればよい. また, どれにも属さないという判別許される場合は, あらかじめ上限設定しておいて, D_k(\boldsymbol{x})\, がそれを越えたときは, どれにも属さない判別すればよい.

 r=2\, のときは, \mathit{\Delta}D_{12}(\boldsymbol{x})=D_1(\boldsymbol{x})-D_2(\boldsymbol{x})\, 計算して, \mathit{\Delta}D_{12}(\boldsymbol{x})>0\, であれば G_2\, 属し, \mathit{\Delta}D_{12}(\boldsymbol{x})<0\, であれば G_1\, 属すると判別すればよい. 分散共分散行列等しいとき, すなわち, C_1=C_2=C\, であるとき,



\mathit{\Delta}D_{12}(\boldsymbol{x})
=2(\boldsymbol{m}_2-\boldsymbol{m}_1)^{\top}
C\boldsymbol{x}-(\boldsymbol{m}_2-\boldsymbol{m}_1)^{\top}
C(\boldsymbol{m}_1+\boldsymbol{m}_2)


変形できるので, \mathit{\Delta}D_{12}(\boldsymbol{x})\, は, x_i(i=1,\ 2,\ \cdots,\ p)\, 線形式になる. したがって, これを(G_1\, G_2\, 判別する)線形判別関数という. r\, が3以上のときは, 線形判別関数は, {}_r{\rm C}_2\, 個できる. なお, 分散共分散行列等しくないときは, \mathit{\Delta}D_{12}(\boldsymbol{x})\, は, x_i(i=1,\ 2,\ \cdots,\ p)\, 2次式になる.



参考文献

[1] 奥野忠一, 久米均, 芳賀敏郎, 吉澤正, 『多変量解析法(改訂版)』, 日科技連出版, 1981.

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統計:  クラスター分析  主成分分析  判別関数  回帰分析  因子分析  多変量解析  多次元尺度構成法



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