本土での明の仲間
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「彼岸島の登場人物」の記事における「本土での明の仲間」の解説
山本 勝次(やまもと かつじ) 小学4年生。ピースマークが描かれた帽子(曰く「俺の一番の願望」)を被った少年。母や友達からは勝っちゃん(かっちゃん)と呼ばれる。明も最初はそう呼んでたが、金剛討伐後は他の仲間と同様に勝次(かつじ)と呼ぶ。仲間を助けるためには自ら囮になるなど、物怖じしない肝の座った一面を見せる。 国が崩壊した後は母が毎日のように吸血鬼に強姦されており、それを泣き寝入りしながら見ていた。しかし、明が近くを訪れた日にトンカチを武器に吸血鬼に反撃を開始する。最初は危機に立たされるが通りがかった明に助けられ、最後は激闘の末吸血鬼を倒した。その後は明と共に鮫島のいる遊覧船に向かう。 遊覧船に居座った死神が眼を覚まし明の危の危機を察した際は、ネズミを銃で脅し、遊覧船を動かして体当たりさせる。さらに自ら囮になり死神の注意をそらすなど明達のサポートをする。死神討伐後に自宅に戻るが、そこで亡者と化した母親を目撃してしまう。その姿と「お前なんて生まなければよかった」という言葉を聞いて絶望し、明に斬るよう頼みこむが、斬られて弱った母を見て情が移り、彼女に包丁を手渡して母の手で死のうとする。しかし、すんでのことろで母が正気を取り戻し、金剛の手によって亡者にされたことを知る。金剛を倒すため、母を手押しの台車に乗せ、彼女の案内で明達と金剛のアジトまで向かう。金剛討伐後は恨みを晴らした母の死を見届け、明について行くことを決意し、以降は明と共に雅討伐の旅に加わる。 姑獲鳥との戦いでは重傷を負った明を見逃す条件として彼に拉致され、上野にある人間保管庫に投獄される。後から投獄された左吉と共に脱出するも、再び吸血鬼に捕えられ武闘大会の優勝賞品として東都ドームの天井の檻に吊るされる。武闘大会の決勝にて明と姑獲鳥が戦っている最中に鮫島達によって救出され、二人の戦いを最後まで見届ける。 蟲の王との戦いでは明と協力して蟲の王の体内に侵入する。尻尾の先端にある心臓の部屋に到着し、管を全て切ろうとするが、羽がついたムカデが左腕に侵入して異形化した上に奇妙な生物(ヒー坊)が生える。それでも諦めずに全ての管を切り離し、蟲の王の討伐に大きく貢献する。しかし、討伐後も左腕が元に戻らず、戻るためには拷問野郎を殺さなければならないことが発覚する。さらに拷問野郎が左吉を殺したことを知り、彼が逃げ込んだ血の楽園に向かう。 血の楽園ではヒー坊が生えていて怪しまれるのを防ぐため、樽の中に隠れるが他の樽と共に貢物として吸血鬼に回収され、仲間と離れ離れになる。直後に吸血鬼に見つかり、襲われそうになるが、ヒー坊が攻撃したことで事なきを得る。しかし、この騒ぎがきっかけで警察に追われる身となってしまう。ヒー坊(ひーぼう) 蟲の王との戦いで勝次の左腕に生えた奇妙な生物。名前は勝次の左腕に生えたことに因んで彼が名づけたもの。悲しそうな表情をした赤ん坊の頭に複数の触手が生えている。勝次に危機がせまると触手を伸ばして攻撃するが、反動で勝次自身に強烈な激痛が走る。 鮫島(さめじま) 芦ノ湖の遊覧船のボス。軍服を着たスキンヘッドの大男。超人的な怪力の持ち主であり、巨大な船のマストを一人で抱え上げられたり、吸血鬼の首を素手で潰したりなど、戦闘力は非常に高い。町で襲われた人間たちを助け、芦ノ湖の遊覧船に匿う。その凄まじい腕っぷしから、遊覧船では救世主と呼ばれているが、歯向かう者には容赦をしない冷酷な一面を持つ。特に弟の精二に異様な肩入れをしており、後述の弟の素顔を知ろうとした者を全員殺害している。一方で性欲が異常に強く、遊覧船内で女性だけを隔離した部屋に唯一自由に出入りでき、興奮するたび他人の女性を抱いていることから船内の男の一部から恨みを買っている。ネズミ曰く、平和だった頃の日本で人を殺して逃亡中だったらしい。 勝次からは「ハゲ」と呼ばれており、最初は上記の蛮行から「信用ならない」と嫌われていた。しかし、亡者と化した勝次の母を見た際に、その運命の残酷さを悲しむ情に厚い一面と吸血鬼たちとの戦いを通じて、呼び方こそ変わらないが徐々に信頼を寄せられている。 実は吸血鬼ウイルスの感染者であるが、肉体の巨大化と超怪力以外で変化は起きず、吸血鬼化はしなかった。その体質から吸血鬼自体に耐性があり、吸血鬼に嚙まれたとしても麻酔の効果を受けずに動くことが出来る。 姑獲鳥との戦いの後に明が高熱で倒れた際、地下鉄駅の人間達の頼みから精二と共に地下水道から地上へと出るが、その際に雅に遭遇。明の為にと尾行を行うも、雅と吸血鬼の集団に見つかり、弟と共に襲われてしまう。雅が精二を喰おうとした際には助けようとしたが、右目を抉り取られ返り討ちに逢い、彼への恐怖から精二を置いて逃走する。命からがら地下鉄駅に戻った際も恐怖から逃れられず一人塞ぎ込んでいたが、精二を殺した雅を倒すために本格的に明の旅に同行する。以降は右目には眼帯をするようになった。 鮫島 精二(さめじま せいじ) 上記の鮫島の弟。軍服を着てホッケーマスクを被った長髪の大男。芦ノ湖のもう一隻の遊覧船のボスであり、一週間に一度兄と連絡を取っている。兄とは異なり優しい性格であり、後述の自分の素顔を見たネズミを殺そうとした兄に対して、仲間だと主張として見逃す。兄と同様に性欲が強く、極度の人見知りなのか度々ボソボソと話しては兄に通訳させている。 実は兄と同じく吸血鬼ウイルスを媒介する蚊に刺された感染者であり、かつ吸血鬼化はしなかったが、兄と違い肉体の巨大化に加えて眼球が4つになるなど醜悪な顔になる。そのため普段は父の遺品であるホッケーマスクで顔を隠しており、彼の素顔に触れることは遊覧船内ではタブーとされていた。また、感染の影響で元から濃かった胸毛が更に濃くなった。 過去に東京から逃げてきており、東京への行き方を聞くために明が探していた。しかし、週に一度の連絡前に吸血鬼に捕まり、吸血鬼のアジトの旅館にて死にもの狂いで脱走して浴室で隠れていた。金剛との戦いの後、浴室に入ってきたネズミを吸血鬼と間違えて叩きのめすが、すぐに誤解は解け兄と合流して東京へ向かう明達を案内する。 鮫島が雅率いる吸血鬼の集団に襲われた際には共に戦うも、肉体に変化を起こしながらも吸血鬼化していない事から雅の標的にされ、兄に助けを請うも逃げられた挙句、雅に捕食され死亡した。 ネズミ 本名不明。鮫島の部下の一人。鮫島からは蔑称として「ネズミ」と呼ばれており、後に勝次達からもそう呼ばれる。ユカポンからはそれに派生して「チューちゃん」と呼ばれる。何かあるたびに大げさに騒ぐ狂言回し的な位置づけとなっている。 臆病な性格で身の危険を感じると我先にと逃げ出し、危機が迫ると平気で他人を犠牲にしようとする。その一方で自分より弱者の前では横柄な態度を取る、吸血鬼の拷問を嬉々として見物するなど卑怯で横柄かつ図々しい性格で、鮫島や勝次からは嫌われている。しかし、明からは多少の仲間意識があるのか、エテ公に食べられそうになった時は彼を助けたことがある。その性格から吸血鬼は恐怖の対象でしかなく、明が戦いに行こうとするたびに逃げる事を提案しその度に却下され、いやいやながら同行するというパターンを繰り返している。さらに食い意地まで張っており食事の際は人一倍食べている。 しかし、ユカポンと出会ってからは彼女に一目惚れし、彼女の前では男らしい一面をみせる。また、彼女を悲しませる吸血鬼に対し怒りの感情を抱いたり、震えながらも身を挺して彼女を庇おうとしたりするなど、精神的に大きく成長し始める。 明や勝次が遊覧船に訪れ、鮫島に気に入られた後は二人に遊覧船内の情報を提供する。勝次が死神と戦闘中の明を救うため、船を動かすよう要求した際には拳銃を武器に暴行するも、隙を見て拳銃を奪われ腕を撃たれて敗北、逆に脅されて言いなりとなる。死神に遊覧船を奪われた際には、他の部下と違い彼のみ町まで逃げており、帰宅途中の明達と偶然合流し、そのまま金剛のアジトまで同行することになる。 金剛のアジトまでの案内役として同行した亡者と化した勝次の母に罵声を浴びせ続け、彼女の匂いが原因でエテ公に襲われそうになった際は何度も切り捨てることを提案し、(パニック状態ではあるが)蹴落とそうとするなどしてその度に鮫島と勝次から侮蔑されている。 姑獲鳥との戦いでは檻に閉じ込められている勝次の救出を提案し、鮫島に褒められる。蟲の王との戦いでは、注意をそらすために一人囮になり単身で攻撃を仕掛けるなど、遠くで見ていた自衛隊を驚かせた。 ユカポン 池袋駅で出会った元アイドルの女性。本名は由香(ゆか)。鮫島が小学生と見間違える容姿だが実年齢は26歳。吸血鬼化したファンに捕まり人間のまま飼われ性的暴行を受けていた。 日本が壊滅し、凄惨な暮らしを送りながらもアイドルとしての自分を失わない明るさと芯の強さを持ち合わせた性格をしている。泳げないらしく、泳ぐときは浮き輪を使う。 明達と出会う以前は上野にあるI・R・T(アイドル・レイプ・タワー)という吸血鬼が人間のアイドルを監禁していたマンションにいた。そこで吸血鬼のどんな要求にも従ったために、吸血鬼達のアイドルに対する扱いの過激化を招いてしまう。その後、明達を連れてI・R・Tに向かい同じく監禁されていた他のアイドル達を救出するも、前述の理由により彼女達からは恨まれており、再開時には激しく罵倒された。 池袋駅で逃亡を試みるも吸血鬼に捕まり、性的暴行に遭う直前に明達と出会い救われる。その後、氷川台の人間の集落に向かう様に促されたが、池袋駅の地上に出た明達と合流し彼女のファンが居るサンシャインビルまで案内する。ファンから筏を貰い、上野まで明達と同行する。 姑獲鳥討伐後はI・R・Tに訪れ、上記の通り他のアイドル達から罵倒されたため、自分の後ろめたい過去を知られながらも自分の居場所は明達の元にしかないと懇願する。誰にでも後ろめたい過去はあると言う明の理解を得て本格的に明の旅に同行する。 血の楽園では労働地区のテントで地獄のような環境で絶望していた人間たちに歌を披露した。その結果、それを聴いた人間たちが自分たちが人間であるという活気を取り戻し、反乱を起こすのに一役買った。 左吉(さきち) クソ喰い爺との戦いで明に助けられた少年。勝次の弟分を自称し、やや太った体格からか勝次からは「デブの左吉」と呼ばれている。 空手の師範代だった父親に守られ母と3人で東京で暮らしていたが大勢の吸血鬼に襲われ両親を失い、1人生け捕りにされ人間保管庫の牢屋へ放りこまれる。そこで他の人間に犯されそうになったところを勝次に助けられ以降、勝次を兄貴分として慕うようになった。その後、勝次と牢屋を脱出し吸血鬼の追撃から逃れたようとしたが、勝次が捕まってしまい常に聞かされていた明に助けを求めるため落として行った勝次の帽子を受け継ぎ、明を探していた。 クソ喰い爺との戦いの後は勝次が東京ドームに連れて行かれたことを明に伝え、自身もそれに同行する。 蟲の王との戦いの前では、国会議事堂へ向かう直前にて自衛隊の一人に肩を撃たれて負傷する。その後は医務室にて治療を受けていたが、蟲の王の討伐後にトイレのために外に出ていたところを偶然通りがかった拷問野郎に襲われ、頭を食われた挙句体を乗っ取られる。
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