審査方法の変遷
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 01:14 UTC 版)
期間審査方法- 第13回(1962年)審査員が紅白に塗り分けた団扇の優勢だと思う方をステージ上に向けた数の多かったチームが優勝。 第14回(1963年)・第15回(1964年)各地方放送局のアナウンサーが地方審査員のポイントを公表。加えて、審査委員長のNHK芸能局長がステージ上で特別審査員のポイントを追加、公表し優勝チームを発表。会場の電光掲示板にも表示される。 第16回(1965年) - 第19回(1968年)特別審査員が宝箱にボールを入れ、両軍司会がステージ袖に向かってボールを投げ、ボールの数の多いチームが優勝。箱の中にはかごが2つ入っており、ラジオ第1『ふるさと自慢歌自慢』では、この方式で勝敗を決めている(審査員は3名。3回戦まで行なうためボールは合計9個)。 第20回(1969年) - 第31回(1980年)得点集計センターのオペレーターが電話で地域代表が優勢と判断したチームを聞き、両組の得点を集計する。その後、特別審査員がスイッチで1ポイントずつ点数を入れ、地域代表の審査結果と合計した点数を電光掲示板に表示し、点数の多かったチームが優勝。第23回(1972年)からNHKの放送会館内の特設スタジオに電話オペレーターを置き、全国数ヶ所の一般審査員制を導入。この方式は3年後の第26回(1975年)から復活し第31回まで行われた。 第32回(1981年) - 第52回(2001年)客席審査員として会場の観客全員も審査を開始。観客が優勢と判断した色のうちわやカード(第32回(1981年)はカード。団扇には組司会の似顔絵が描かれている)で示し、双眼鏡を持った日本野鳥の会が数える風景は恒例となった。団扇による得票数は、第45回(1994年)まではその年のそろ盤日本一が暗算にて計算して自ら発表していたが、第46回(1995年)以降は代わりに緑色のユニフォームを着用した珠算有段者数名が野鳥の会と同じ場所で集計を行って総合司会が得票数を発表していた。第46回(1995年)までは階毎に分けて発表していたが、翌第47回(1996年)以降は全階一緒に発表するかたちに変更している。団扇の得票数が多かったチームにボールが加算され、ゲスト審査員のボールの数と合わせて、紅白それぞれの籠に加えられたボールを両軍の代表者(当初は両軍の歌手キャプテンが行っていたが、後に両軍司会に変更)が客席に向かって投げる。籠は第40回(1989年)から一時期はアシスタントの女性に持たせて司会者はボールを投げるだけの回があったが、それ以外は籠を司会者自ら持ちながらボールを投げていた。ボールの個数の多かったチームが優勝。 第37回(1986年) - 第42回(1991年)の審査は毎年異なっており客席全体での団扇を用いた審査はこの間は行われなかった。第37回(1986年)ではゲスト審査員はテーブルに備え付けられたボタンを押して審査、そして事前の応募から抽選で選ばれた全国500世帯の家族が電話での審査、全国8か所に設けた地方審査会場では100人が従来の団扇を使った審査、これら3要素の審査(地方審査・家族審査は持ち点が1点ずつで合計1300点、ゲスト審査員は持ち点が20点で合計200点、1500点を紅白が競うシステムで1500店以上を獲得した方の勝ち)を集計して中央の巨大CRTモニターに得票数を帯グラフで表示する方式だった。第38回(1987年)・第39回(1988年)ではゲスト審査員と各エリアから選出された地方審査員がテーブルに備え付けられたボールを紅白どちらかの穴に投入、テーブルの左右側面に開けられた穴から籠に排出され、その籠を回収する形だった。第40回(1989年)は後述する要領によるゲスト審査員・地方審査員のボールだけで勝敗を決めていた。第41回(1990年)ではゲスト審査員は後述の要領、そしてNHKが無作為で決めた全国200世帯の家族審査員に配った「テレビアンケートシステム」と呼ばれる電話回線を活用した機器(家庭のテレビに取り付ける)を用いた審査、各階の客席に3人ずついる審査員が番組ロゴが描かれた紅白の札を挙げる客席審査の3つ。なお、客席の審査員が誰かは本人含め観客全員に事前に知らせておらず、客席の椅子の裏にランダムで隠されたプレートを見つける事で初めて分かる形だった。後者2つの審査で優勢だった方にボールが3つずつ加算される。第42回(1991年)では、ゲスト審査員に加えて、全国600世帯の家族審査、UFO型の風船(この回のオープニングにも演出として登場していた)につけたマイクを使い、歓声の大きさで決める客席審査の3つだった。 第37回(1986年) - 第39回(1988年)を除いてゲスト審査員(第40回(1989年)は地方審査員も)は審査席から立って黄色のボールをステージ下の箱に入れた紅白別の籠の中へ入れていく投票方式のシステムだった。途中まではボールを入れた後はそのまま審査席に戻っていたが、エンディングに歌手・司会者と一緒にステージに上がるようになってからはボールを入れた後にそのままステージへと上がっていくように動線が変えられた。 なお、日本野鳥の会がこれを担当したのは第32回(1981年) - 第36回(1985年)と第43回(1992年)であり、第44回(1993年) - 第53回(2002年)、第64回(2013年)、第65回(2014年)、第67回(2016年)は麻布大学野鳥研究部が担当している。日本野鳥の会および麻布大学野鳥研究部によると、紅白用にわざわざスケジュールを空けているという。いずれも紅白それぞれのジャケットを着用し、上手・下手の進行席に分かれて集計を行っていた。 第53回(2002年)・第54回(2003年)デジタル放送(第53回からはBSデジタル放送、第54回からは地上デジタル放送でも)の双方向機能を利用したお茶の間審査員による投票が行われるようになった(リモコンで紅組の場合は赤ボタン、白組の場合は青ボタンを押して投票)。客席審査同様、お茶の間審査で優勢だったチームにボールが2個加算される。申し込みの際、デジタル総合テレビとデジタル衛星ハイビジョンが両方受信できる場合はどちらか一方のチャンネルのデータ放送で申し込みすればデジタル総合テレビ・デジタル衛星ハイビジョンのどちらでも双方向通信による投票が可能である(受信機1台に付き、1回の申し込みで可)。地上デジタル放送が受信できない地域ではデジタル衛星ハイビジョンのデータ放送からの申し込みとなる。 客席審査員(前者は観客の一部、後者は観客全員)はボールを使う投票方式。これは、『爆笑オンエアバトル』の方式によるものである(詳細は爆笑オンエアバトル#審査方法を参照)。双眼鏡を使っての計測が一時姿を消すことになった。その後、第64回(2013年)でこの計測が復活する。 第55回(2004年)客席は審査に参加せず、特別審査員(11票)とお茶の間デジタル審査員(2票)の13個のボールで勝敗を争うかたちとなった。 第56回(2005年)審査員の投票総数で勝敗を競う方式に変更された。ゲスト審査員10名と「デジタルTV審査員」と新設された「ケータイ審査員」(抽選で選ばれた10,000名)に加え、2年ぶりに復活する会場審査(3,000名程度)を加えた人数で勝敗を競う。これは前年の件や不祥事に伴う信頼回復策の一環として視聴者の意見を重視してイメージアップを図ることが目的だったという。また、「デジタルTV審査員」と「ケータイ審査員」への応募者の中から抽選で各10名、計20名が「ふるさと審査員」としてNHKホールに招待された(「ふるさと審査員」がNHKホールに赴く際にかかる費用はNHK持ちとなっていた)。会場審査はゲスト審査員・ふるさと審査員も含め、専用の紅白の団扇をステージ上のレーダーに向ける『ポップジャム』のブレイクレーダー方式が用いられた。 第57回(2006年)ワンセグ放送の双方向機能による「ワンセグ審査員」がスタート。「ケータイ審査員」と同様抽選で選ばれ、定員は各15,000名。ボールを使う投票方式に戻され、特別審査員は1人1個、それ以外は得票数を数個のボールに置き換えるかたちとなった。中間審査では「ケータイ審査員」と「デジタルTV審査員」+「ワンセグ審査員」で各1個ずつ。 最終審査では「会場審査員」、「ケータイ審査員」、「デジタルTV審査員」+「ワンセグ審査員」で各2個ずつとゲスト審査員10名(1名につき1個)を加え、中間審査の分を合わせるとボールの数は合計18個となった。この関係で状況によっては(従来ではこのボールが奇数になるためにありえなかった)引き分けによる両軍優勝の可能性もあった。 「ケータイ審査員」は抽選となったが、「ワンセグ審査員」は対応機種が少数派のためか締め切りを過ぎても定員に達せず、放送当日まで募集を行った。 第58回(2007年)「ケータイ審査員」が50,000名に増員、「ワンセグ審査員」は無制限となり、審査方法は再び審査員の投票総数で勝敗を競う方式になった。これには中間審査の票数も加算される。中間審査は前年までの1回から2回に増える(投票開始時間は20時00分頃、21時15分頃、23時35分頃。投票可能時間は約3分)。 審査結果発表は東京タワーのライトアップで行われた(通常の照明を消した後に紅か白を点灯する)。 第59回(2008年) - 第61回(2010年)同様の審査方式であるが中間審査は1回のみとなり、結果発表はステージ上のLEDパネルに映し出す形を採用。 第62回(2011年)・第63回(2012年)基本の審査方法はこれまでと同じだが、最終審査のみの得票数で競うかたちを採用。この2回ではゲスト審査員はウタ♪ウッキーのパペットを出して審査に参加した(紅組の場合はウー♪、白組の場合はター♪)。第63回からはスマートフォンからの参加も可能となった(定員あり)。 第64回(2013年)第57回以来7年ぶりにボール審査が復活した。中間審査にて視聴者審査員の優勢だったほうにボール1個。最終審査にて視聴者審査員、会場審査員の優勢だったほうにボール各1個。ゲスト審査員は1人でボール1個。 第65回(2014年)・第66回(2015年)団扇での投票と似ているが、ゲスト・客席ともに、ペンライトを赤か白かどちらかに点灯させて審査を行った(計測は麻布大学野鳥研究部が担当)。ケータイ審査員・スマートフォン審査員が専用スマートフォンアプリを使用した「アプリ審査員」へと変更になった。 第67回(2016年)第64回同様、ボール審査を実施。視聴者は1対戦ごとに1票の投票になった。視聴者審査員、会場審査員は優勢だったほうにボール各2個。ふるさと審査員は全員でボール1個。ゲスト審査員は1人でボール1個。 第68回(2017年)視聴者は1対戦ごとに1票。会場とゲスト審査員は最後に1人1票投票し、全ての票の合計が多かったほうが優勝となった。視聴者の投票はデータ放送のみの受け付け(ワンセグ・アプリ審査員は廃止)、会場審査員の投票は団扇での投票になった。 第69回(2018年)・第70回(2019年)視聴者の投票は、中間審査と最終審査の2回に戻される。視聴者・ゲスト・会場のそれぞれの票が多かったほうに1ポイントずつ与えられ、2ポイント以上を獲得したほうが優勝。第70回からはBS4K・BS8Kでも投票できるようになった。 第71回(2020年)視聴者の投票は、最終審査の1回のみ行われる。視聴開始とともに1票獲得し、その後は5分連続視聴×10回ごとに1票ずつ加算(テレビ1台につき最大5票)。得た票を紅白いずれかにまとめて投じ(票の分割(例:紅組3票、白組2票)は不可)、得票数の多いほうが優勝。ゲスト審査員も同様の形式で投票する。COVID-19に伴う無観客開催のため会場審査はなし。 第72回(2021年)視聴者の投票は、前回と同様に最終審査の1回のみ行われる。投票方法は前回を踏襲(ただし、票の分割が可能となった)。視聴者・ゲスト・会場(ゲストと会場はペンライトを赤か白かどちらかに点灯させて審査)のそれぞれの票が多かったほうに1ポイントずつ与えられ、2ポイント以上を獲得したほうが優勝。ただし、今回のゲスト審査員は6人と偶数であるため、3対3で割れた場合の扱いは不明だが、NHKの会見では同時優勝の可能性もあると述べている。
※この「審査方法の変遷」の解説は、「NHK紅白歌合戦」の解説の一部です。
「審査方法の変遷」を含む「NHK紅白歌合戦」の記事については、「NHK紅白歌合戦」の概要を参照ください。
- 審査方法の変遷のページへのリンク