大月家
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「カムカムエヴリバディ」の記事における「大月家」の解説
大月るい(おおつき るい) 「#ヒロイン」を参照。 大月錠一郎(おおつき じょういちろう) 演 - オダギリジョー(幼少期(安子編):柊木陽太) 全編通して登場。 ジャズトランペット奏者で通称「ジョー」。出会った当初のるいをルイ・アームストロングのニックネームにかけて「サッチモちゃん」と呼ぶ(後には「君」や「るい」になった)。 安子編で岡山の「Dippermouth Blues」を訪れたるいとニアミスしているが、当時はお互いの存在をまったく意識しなかった。 幼少期を岡山で過ごし、そこで戦災孤児となる。ジャズ喫茶「Dippermouth Blues」のマスターである定一が、進駐軍のクリスマスパーティーで「On the Sunny Side of the Street」を熱唱するのを目撃したことが一番古い記憶といい、これを機に音楽に興味を示すようになる。「Dippermouth Blues」に寄りついては定一に追い払われていたが、やがて定一の世話を受けるようになる。「じょういちろう」という名前以外に身元につながる情報が何もなかったため、定一が新たに戸籍を作り、「定一」に因む姓名とキリストに因む誕生日(1940年12月25日)を与えられた。その後はバンドマンからトランペットを習ったり、バンド巡業の同伴をしながら過ごす。定一のもとを離れた後は、生前の定一から依頼を受けていた「Night and Day」の(木暮の)先代の支配人から世話を受け、この店の2階に住み込み、大阪を拠点に音楽活動をしてきた(バンド名は「大月錠一郎クインテット」)。 るい編で竹村クリーニング店の客として再登場。一人で店番中のるいと初めて会った際に、自分の名前を名乗らずに去ったため、彼女は彼を「宇宙人」という仮名で呼ぶ。 るいとは互いに惹かれ合い第52回でプロポーズする。額の傷を気にしていたるいは躊躇するが、傷を見ても気にせず抱きしめる。ジャズトランペッターコンテストには一切関心がなかったが、トミーの挑発やるいと同伴した映画鑑賞がきっかけで参加を決意し、るいに優勝することを誓う。当初は同数票であったトミーとの決戦の末満場一致で優勝し、東京でのデビューが決定。るいを残して上京するもレコーディング中に、当時の時点では原因不明の病気のため突然トランペットの演奏が出来なくなる。複数の病院で診察を受けるも、病気の原因はわからないまま、東京の芸能事務所社長である笹川光臣に見限られて、失意の中大阪に戻る。その後るいと再会するが、今の自分ではるいを不幸にすると悲観し冷たく突き放す。しかし、何度拒絶しても自分を支えようとするるいに心を動かされ、やがて彼女の想いに応え、結婚して京都のあかね通り商店街へ移住。当初はるいの始めた回転焼き屋を手伝おうとしたが、調理、生地作り、接客と、何一つ上手くいかず、生計をるいに任せて生活している状況であった。ひなたや桃太郎が生まれても同様の生活であったがその優しく穏やかな人柄は変わらず、収入こそないものの、るい、ひなた、桃太郎にとっての良き夫、父親であり続け、家庭は円満。 音楽への思いは諦めてはおらず、近所の子供達の野球のコーチをしながら時折メモ帳に五線譜を引いて楽譜を書いたり、病気の治療法を探して通院したりと模索していたが、桃太郎が誕生した頃にやめている。それでも、聴く手段はないもののプロデビューしたトミーのCDを購入し続けたりはしている。 1992年にひなたと五十嵐が破局した際には、事を察して映画村の五十嵐の下を訪ねる。ひなたを振った事への抗議だと思っている五十嵐に対して自身の挫折体験を語り「ひなたを大事に思っているからこそ別れる決心をしたのだと分かる」とその心情に理解を示し、「今後何があっても、それが自分で選んだ道なら君にとってのひなたの道になる。人生はきっと輝く」とエールを送った。 1993年(第93話)の夏、ひなたと桃太郎に自分がトランぺッターだったことや、プロデビュー直前に原因不明の病気で挫折して一度はるいと別れたこと、絶望の果てに自殺未遂を起こすもるいに救われたことを初めて明かし、「それでも、人生は続いて行く」と2人を諭す。また、京都へ移住してからの30年間、何度もトランペットが吹けるかどうか試したが、できなかったことも明かしている。その上で、トランぺッターとしての再起を諦めたと語り、るいには「トランペットが、僕にさよならを言っているような気がする」という思いを打ち明けた。ただ、楽器の演奏が完全にできないわけではなく、第94話では算太が福引で当てたおもちゃのピアノを手際よく演奏している。算太の死後に家族四人で訪れた岡山でトミーと再会。自分が音楽でるいをアメリカに連れて行くという思いを語り、ピアノ奏者としてトミーのバンドに加入したいという旨を伝える。岡山から戻った後、るいにピアノ奏者として音楽活動を再開すると宣言、トミーの妻となっていた奈々が手配したピアノ講師のもとで練習を重ねた結果、翌1995年8月19日にピアニストとしてデビューする。デビュー場所はトランぺッターとして活動していた「Night and Day」で、その後はトミーのバンドの一員として海外公演にも参加するなど、長年のブランクを経てトランぺッターとして叶えられなかった夢を実現させた。 2003年のクリスマス、自身がジャズに出会った偕行社でのクリスマスフェスティバルにトミーのバンドの一員として出演。フェスティバル当日の出番前、かつて世話になった木暮と久しぶりの再会を果たした時は、喜びのあまり号泣する。そのあと、控室で出番待ちをしている時に聴いた磯村吟のラジオ番組で流れたアニーのインタビューで、アニーの正体がるいの母・安子だと知る。るいに対しての長年に及ぶ後悔と謝罪を聞いたことで、激しく動揺して泣きながら取り乱するいを桃太郎と共に落ち着かせる。出番が訪れると、トミー達と共にステージに立って会場を盛り上げ、るいが歌い手として登場すると、若い頃に自分が演奏したトランペットの音源が流れたことに一瞬驚くが、すぐに気を取り直して「On the Sunny Side of the Street」を演奏する。 そして、ひなたに背負われてやって来た安子とるいの再会と和解を喜ぶ。フェスティバル終演後、安子に改めて挨拶をし、るいを産んでくれたことに対する深い感謝の言葉を贈り、このクリスマスライブはいつも特別になると、感慨深いものを感じていた。 映画「棗黍之丞 妖術七変化 隠れ里の決闘」を劇場で観て以来、桃山剣之介父子の大ファンとなり、その影響でひなたも侍に憧れる。 朝は一家団欒でNHK連続テレビ小説を見ることを日課にしている。一時期音楽活動で多忙になると視聴時間がとれなくなったが、一線を退いた後はまた視聴するようになる。2025年(第112話)、るいと夫婦で岡山に帰郷し引き継いだ「Dippermouth Blues」店内で、ホットドッグを食べようとしてケチャップをこぼし、呆れたるいに拭いてもらっている場面が最後の登場となった。 大月ひなた(おおつき ひなた) 「#ヒロイン」を参照。 大月桃太郎(おおつき ももたろう) 演 - 青木柚(幼少期:野﨑春) ひなた編に登場。大月家の長男でひなたの弟。安子と稔の孫で、るいと錠一郎の息子。二代目桃山剣之介がお忍びで回転焼き屋「大月」を訪れた、1976年8月21日生まれ。モモケンにあやかろうという錠一郎の発案で桃太郎と名付けられた。もっとも本人は「剣太郎の方がよかった」と口にしている。 少年野球チームに入り、1992年、京都府内にある高校野球の名門校・京都西陣高校へ進学、野球部に所属する。 7歳(1983年)の頃から10年近くの間、ひなたの親友でよく大月家に遊びに来ていた小夜子に一途に思いを寄せていたが、1993年の夏に彼女が吉之丞と結婚することを知り、一時期自暴自棄になり、吉之丞の店(あかにし)に陳列していた、ポータブルCDプレーヤーを窃盗する騒動を起こした。しかし、父・錠一郎の挫折と30年に及ぶ苦悩を聞いたことで立ち直り、ひなたと共に「あかにし」を訪れて窃盗の一件を謝罪、吉之丞に小夜子との結婚を祝福する言葉を贈る。その後は小夜子への思いを吹っ切り、再び野球に打ち込みレギュラーに選ばれるものの、高校在学中の甲子園出場は叶わなかった。 1994年8月に一家で岡山の雉真家を訪れた際、大叔父の雉真勇に野球好きという共通点でいたく気に入られ、高校卒業後は岡山の大学に進学し、雉真家に下宿するため大月家を離れる。その後は社会人野球の名門・雉真繊維に入社し、野球を続ける。 2003年、クリスマスフェスティバルに出演する両親の関係者として来場。家族全員とトミーがいる控室で、磯村吟のラジオ番組に出演したアニー・ヒラカワのインタビューを聴き、この中でアニーがひなたと自分の祖母である安子だということを知り驚く。母・るいに対する懺悔と謝罪を話し、それを全て聞いたことで泣きながら取り乱するいを、錠一郎と共に落ち着かせる。るいが居ても立ってもいられずに安子に会いに行こうとするのを止め、ひなたに安子を引き止める役目を委ねる。るいのステージでの歌唱が終了した後、ひなたに背負われてやって来た安子がるいとの再会と和解を果たすのを、ひなたと同じく彼自身も涙を流して見届け、その後は家族みんなで夜遅くまで語り合った。 2005年、水田きぬの孫娘・花菜と「Dippermouth Blues」で知り合ってすぐに告白し、交際をスタートさせて2006年に結婚する。息子・剣が誕生してからは雉真繊維の野球部を離れ、岡山から京都へ戻って実家の「大月」を継ぐ一方、母校である京都西陣高校の野球部監督にも就任する。就任から10年後に、選手として叶えられなかった甲子園出場を果たし、彼もまた父・錠一郎と同じく形を変えて夢を実現させた。 桃太郎の心情を語る場面では青木が語りを入れている。 水田花菜(みずた かな)→大月花菜(おおつき かな) 演 - 小野花梨(二役) ひなた編(最終回)に登場。 きぬと力の孫で、岡山県美作市にある豆腐屋の娘。のちに桃太郎の妻、ひなたの義妹。 若い頃のきぬに瓜二つで、2004年に岡山を訪れた安子に祖母の近況を伝える。 2005年、「Dippermouth Blues」で桃太郎と出会い、2006年に結婚、息子・剣を授かる。京都の夫の実家へ移り、回転焼き屋「大月」を継ぐ。 大月剣(おおつき けん) 演 - 藤原詩音(二役) ひなた編(京都編・最終回)に登場。 桃太郎と花菜の息子でひなたの甥。るいと錠一郎の孫で、安子と稔、きぬと力の曾孫。 千吉と美都里、金太と小しずの玄孫で、杵太郎とひさの来孫にあたり、勇と算太の曾姪孫。 父・桃太郎と同じく大の野球好きで、のちに京都西陣高校へ進学、監督を務める父とコーチを務めるジョージの指導のもと甲子園に出場する。
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