大月氏とクシャーナ朝とは? わかりやすく解説

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大月氏とクシャーナ朝

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/19 05:04 UTC 版)

中央アジアの美術」の記事における「大月氏とクシャーナ朝」の解説

紀元後1世紀から3世紀にかけて存続しクシャーナ朝のもとでは仏教文化栄えたクシャーナ朝の成立には、モンゴル方面から移動してきた遊牧民大月氏が関わっている。大月氏出自については、イラン系と言われるが、テュルク系チベット系などとする説もある。中国史書に「月氏」と表記されるこの民族は、モンゴル高原において別系統遊牧民である匈奴勢力争っていた。紀元前2世紀半ば匈奴冒頓単于ぼくとつぜんう)は月氏破りモンゴル高原統一月氏天山山脈北方イリ追いやられ、そこをさらに追われ西方西トルキスタン移動した中国史書では、月氏のうち、チベット方面移ったものを小月氏西方移動したものを大月氏称している。中国史書には大月氏バクトリア五翕侯きゅうこう)を置いて支配したとある。翕侯とは部族あるいは諸侯の意であるが、五翕侯のうちの1つ中国で言う貴霜翕侯が紀元後1世紀中頃強大化し統一王朝建てたという。この王朝インド史ではクシャーナ朝という。この国の歴史について不明な点が多く貴霜についても、大月氏一族とする説と、土着のイラン系民族であるとする説とがある。クシャーナ朝第3代のカニシカ王紀元後2世紀頃)は仏教庇護者として知られる。この王の時代クシャーナ朝ヒンドゥークシュ山脈越えて支配地域北西インドからガンジスガンガー)川流域まで広げたガンダーラ現在のパキスタン北部)の仏教美術クシャーナ朝産物である。クシャーナ朝旧領3世紀前半にはササン朝ペルシャ支配下入ってクシャノ・ササン朝呼ばれたクシャーナ朝と同じ頃、その西方カスピ海に至る地域は、紀元前247年頃に成立したアルサケス朝パルティア領域であったパルティアクシャーナ朝並行して紀元後3世紀前半まで存続したが、アルダシール1世紀元後226年ササン朝ペルシャ建国)に敗れて滅亡したカニシカ王マトゥラー博物館 カニシカ王コイン

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大月氏とクシャーナ朝

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/17 02:40 UTC 版)

クシャーナ朝」の記事における「大月氏とクシャーナ朝」の解説

貴霜翕侯(クシャーナ族)が元々大月氏属し大月氏の他の翕侯を従えた後、クシャーナ国号として王と名乗ったという『後漢書』記録や、伝統的な月氏王の称号用いたことからもわかるように、大月氏とクシャーナ朝は多分に連続性の強い政権であった考えられる中国ではクシャーナ朝権力握った後も、その王を大月氏王と呼び続けた『後漢書』には以下のようにある。 月氏自此之後,最爲富盛諸國稱之皆曰貴霜王。漢本其故號,言大月氏云。(クジュラ・カドフィセスインド征服以後月氏は最も富み盛んとなった諸国は彼をクシャーナ王と呼んでいる。漢では古い称号用いて大月氏呼んでいる。 — 後漢書 また、中国三国時代にヴァースデーヴァ(波調)が魏に使節派遣した際、魏はヴァースデーヴァに対し、「親魏大月氏王」の金印贈っている。これは倭国の王卑弥呼対するものと並んで魏の時代外国送られ金印の例であることからよく知られているが、3世紀入って中国ではクシャーナ朝大月氏呼ばれていたことを示すものである。 しかし、大月氏とクシャーナ朝を同一のものと見なしていいかどうかにはさまざまな立場がある。ソグディアナホラズム地方大月氏諸侯は、クシャーナ朝とは別に独立王国形成していたことが知られており、これらの大月氏諸国クシャーナ朝征服した痕跡は現在まで一切発見されていない

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