ちたいくう‐ミサイル【地対空ミサイル】
読み方:ちたいくうみさいる
【地対空ミサイル】(ちたいくうみさいる)
Surface to Air Missile (SAM)
地上から航空機を攻撃するためのミサイル。
近代戦争では航空優勢の獲得を阻止することが重要な意味を持つため、各国軍に幅広く普及している。
現代では「対空」と名のつく陸上兵器でSAMを搭載しないものはほとんど存在しない。
標的が構造上十分な装甲を持ち得ないため、さほど多大な破壊力は必要とされない。
従って小型化も容易であり、歩兵が携行することも少なくない。
また、掩蔽された小型のSAMは発見が困難であり、航空部隊にとっては大きな脅威となる。
世界の主な短距離地対空ミサイル
- 第二次世界大戦後
- 9K33「オサ」(SA-8「ゲッコー」)(ロシア)
- 9K31「ストレラ1」(SA-9「ガスキン」)(ロシア)
- 9K35「ストレラ-10」(SA-13「ゴファー」)(ロシア)
- 9K330「トール」(SA-15「ゴーントリト」)(ロシア)
- 9M311(SA-19「グレイソン」)(ロシア)
- MIM-46「モーラー」(アメリカ)
- MIM-72「チャパラル」(アメリカ)
- アベンジャー(アメリカ)
- MIM-146「ADATS」(カナダ)
- レイピア(イギリス)
- タイガーキャット(イギリス)
- スターストリーク(イギリス)
- クロタル(フランス)
- ローランド(フランス・ドイツ)
- RBS-23BAMSE(スウェーデン)
- 天馬(韓国)
- 81式短距離地対空誘導弾(日本)
- 93式近距離地対空誘導弾(日本)
- 紅旗7(中国)
- 紅旗17(中国)
- 紅旗61(中国)
- 猟手(中国)
- 倚天(中国)
- 捷羚(台湾)
- バラク(イスラエル)
世界の主な携帯式短距離地対空ミサイル
- SA-7グレイル(ロシア)
- SA-14グレムリン(ロシア)
- SA-16ギムレット(ロシア)
- SA-18グロウズ(ロシア)
- FIM-43レッドアイ(アメリカ)
- FIM-92スティンガー(アメリカ)※
- ブローパイプ(イギリス)
- ジャベリン(イギリス)※
- スターバースト(イギリス)
- 91式携帯地対空誘導弾(日本)※
- 前衛1(中国)
- 前衛2(中国)
- 紅纓5(中国)
- 神弓(韓国)
- ミストラル(フランス)※
- サークル・アイ(エジプト)
- ワスチョン(エジプト)
- RBS-70(スウェーデン)※
- RBS-90(スウェーデン)※
- アンザMK1(パキスタン)
- アンザMK2(パキスタン)
- アンザMK3(パキスタン)
世界の主な短距離地対空ミサイル(自走対空砲搭載型)
- ゲパルト(ドイツ)
- 95式自走対空砲(PGZ-95)(中国)
- マクベト(イスラエル)
- M6「ラインバッカー」(アメリカ)
- 2K22/2S6「ツングースカ」(ロシア)
- 96K6「パーンツィリ-S1」(ロシア)
世界の主な中距離地対空ミサイル
- S-25「ベルクート」(SA-1「ギルド」)(ロシア)
- S-75「ドヴィナー」(SA-2「ガイドライン」)(ロシア)
- S-125「ネヴァー」(SA-3「ゴア」)(ロシア)
- 2K12「クーブ」(SA-6「ゲインフル」)(ロシア)
- 9K37「ブーク」(SA-11「ガドフライ」)(ロシア)
- 9K37M1-2「ブークM1-2」(SA-17「グリズリー」)(ロシア)
- MIM-3「ナイキ・アジェックス」(アメリカ)
- MIM-14「ナイキ・ハーキュリーズ」(アメリカ)
- MIM-23「ホーク」(アメリカ)
- サンダーバード(イギリス)
- ブラッドハウンド(イギリス)
- パルカ(フランス)
- スパダ(イタリア)
- MEADS(ドイツ・イタリア・アメリカ)
- NASAMS(ノルウェー・アメリカ)
- アスター(フランス・イタリア)
- RBS-77(スウェーデン)
- RB-68(スウェーデン)
- 03式中距離地対空誘導弾(日本)
- 天剣2型(台湾)
- アカース(インド)
- 紅旗1(中国)
- 紅旗2(中国)
- 紅旗17(中国)
- 紅旗12(中国)
- 紅旗64(中国)
- SAM-250(イラン)
- BL-84(スイス)
世界の主な長距離地対空ミサイル
- 2K11「クルーグ」(SA-4「ガネフ」)(ロシア)
- S-200「アンガラ」(SA-5「ガモン」)(ロシア)
- S-300(SA-10「グランブル」)(ロシア)
- S-300V(SA-12「グラディエーター/ジャイアント」(ロシア)
- S-300PMU(SA-20「ガーゴイル」)(ロシア)
- S-400「トライアンフ」(SA-21「グロウラー」)(ロシア)
- MIM-104ペトリオット(アメリカ)
- THAAD(アメリカ)
- CLAWS(アメリカ)
- SLAMRAAM(アメリカ)
- CIM-10(アメリカ)
- 天弓-1(台湾)
- 天弓-2(台湾)
- 天弓-3(台湾)
- アロー1(イスラエル)
- アロー2(イスラエル)
- 紅旗10(中国)
- 紅旗15(中国)
- 紅旗18(中国)
地対空ミサイル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/23 22:52 UTC 版)
地対空ミサイル(ちたいくうミサイル、英語: surface-to-air missile, SAM / ground-to-air missile, GAM)は、空中目標(航空機や弾道ミサイル、巡航ミサイル)を迎撃するために地上から発射されるミサイル。ミサイル・サイトを設置する必要のある大型ミサイルから、車載型、兵士が発射機を肩に担いで発射する携帯式防空ミサイルシステムまである。防空ミサイルとも呼ばれる[1]。対空砲と並ぶ主要な対空兵器である。
注釈
- ^ 海戦分野においては、対水上火力を兼任させるた め、依然として大部分の戦闘艦に57-76mmの両用砲が搭載されている。
出典
- ^ 「地上攻撃適さない防空ミサイルで標的外れ市民被害か」NHK(2022年7月22日)2022年11月10日閲覧
- ^ 北ミサイル 地対空と判明「旧ソ連開発SA5」韓国が残骸分析『東京新聞』朝刊2022年11月10日(国際面)同日閲覧
- ^ “焦点:サウジ防空システムに欠陥、ドローン攻撃に無防備”. ロイター (2019年9月19日). 2021年10月20日閲覧。
- ^ “自治州巡る戦闘でドローン猛威、衝撃受けるロシア…「看板商品」防空ミサイル網が突破される”. 読売新聞 (2021年12月21日). 2021年10月20日閲覧。
- 1 地対空ミサイルとは
- 2 地対空ミサイルの概要
- 3 短距離防空ミサイル
- 4 参考文献
地対空ミサイル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/10/13 16:43 UTC 版)
レイピアミサイルシステム - イギリス製の短距離ミサイル。パフラヴィー朝時代の1973年に購入。 MIM-23 - アメリカ製の中距離対空ミサイル。パフラヴィー朝時代に購入し、現在もなお運用中。 S-75/SA-2 2K12/SA-6 S-300/SA-10
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地対空ミサイル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/26 04:30 UTC 版)
「ルパン三世VS名探偵コナン THE MOVIE」の記事における「地対空ミサイル」の解説
東都銀行警備の際、建物脇に配置されたレイピア地対空ミサイルに似た架空のミサイル。ルパンはヘリで逃亡することが多いので、長年の経験からそれを見越した銭形警部が手配した。
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地対空ミサイル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/11 07:00 UTC 版)
ソ連はアメリカの戦略爆撃機部隊の迎撃用に核弾頭を備えた地対空ミサイルを配備していた。
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地対空ミサイル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/02 08:42 UTC 版)
「朝鮮人民軍の兵器一覧」の記事における「地対空ミサイル」の解説
S-75(SA-2「ガイドライン」) - 2010年代でも運用されている数少ない国である。 S-125(SA-3「ゴア」) S-200(SA-5「ガモン」) 9K35(SA-13「ゴファー」) - 弾頭や発射弾数に改良を加えられている物も存在する。2018年に行われた軍事パレードに登場した。その時見られたものは、4発搭載するボックス型発射機を左右両側合わせ計8発搭載したものとなっていた。 新型地対空ミサイル - ロシア製9K330(SA-15「ガントレット」)のコピー。2020年10月の軍事パレードに、発射機を装甲トレーラーに搭載した車両が登場した。なお、原型となったとみられるものの派生型にもトラックのトレーラーに搭載する廉価版があるため、それを参考にしたと思われる。 ポンゲ5 - ロシア製S-300(SA-10「グランブル」/SA-12「グラディエーター」)のコピーまたはライセンス生産型。2-3連装の発射機のほか、4連装発射機とみられる車両も有。 2015年頃の軍事パレードで登場した際には多機能レーダーを搭載したトラックも登場した。なおレーダーの形状的には元にしたとされるS-300地対空ミサイルの目標追尾やミサイル誘導で使われる30N6「フラップリッド」と酷似している。 ポンゲ6 - ロシア製S-400(SA-21「グラウラー」)のコピーまたはライセンス生産型。4連装発射機とみられる車両が有。
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地対空ミサイル(SAM:英: surface-to-air missile)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/04 06:48 UTC 版)
「ミサイル」の記事における「地対空ミサイル(SAM:英: surface-to-air missile)」の解説
地上から発射される対空ミサイル。拠点防空用の長射程ミサイルと野戦防空用の中短射程ミサイルに分けられる。
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地対空ミサイル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/01 16:56 UTC 版)
「中国人民解放軍海軍航空兵」の記事における「地対空ミサイル」の解説
システム名開発国射程・用途派生型発射機配備数備考自走式発射機HQ-9 中国 長距離 HQ-9 32 S-300Pをベースにした独自開発版。
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地対空ミサイル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/06 05:50 UTC 版)
「中国人民解放軍空軍」の記事における「地対空ミサイル」の解説
システム名開発国射程・用途派生型発射機備考自走式発射機S-400 ロシア 長距離 S-400 16 S-300 ソビエト連邦 長距離 S-300PMUS-300PMU1S-300PMU2 326464 HQ-9 中国 長距離 HQ-9HQ-9B 18060 S-300Pをベースにした独自開発版。 HQ-22 中国 長距離 HQ-22 100+ HQ-12(KS-1A)(en) 中国 中距離 HQ-12 150 HQ-7 中国 短距離 HQ-7 30 フランス製クロタルミサイルの独自生産機。 HQ-64(en) 中国 短距離 HQ-6AHQ-6D 50+24 牽引式発射機HQ-2 中国 中距離 HQ-2HQ-2AHQ-2B 80 ソ連製S-75ミサイルの独自改良型。 携帯式発射機QW-1 中国 携帯式 QW-1 運用中
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地対空ミサイル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/06 23:21 UTC 版)
「NATOコードネームの一覧 (ミサイル)」の記事における「地対空ミサイル」の解説
英語で地対空ミサイルを意味する「surface-to-air missile」(SAM)に合わせて、型番は「SA」に統一されている。個々のミサイルのニックネームの頭文字は「G」で統一されている。カッコ内はロシア語の名称。陸上配備の対空ミサイル、携帯型対空ミサイルと、対弾道弾迎撃ミサイルが含まれる。DoD番号では艦載の対空ミサイルはSA-N-xxで示し、陸上配備のミサイルと分けている。旧ソ連では陸上配備のミサイルを艦載に手直ししたり、その逆を行ったりといった事が多いため、DoD番号が異なっても実際には同じミサイルである事がある。この場合はNATOではコードネームを別にしていない。従って9K33(発射機を含むシステムのソ連工業番号)、9M33(ミサイル単独のソ連工業番号)、Osa-M(ソ連海軍名称)、Osa(ソ連陸軍名称)、SA-8(陸上配備ミサイルのDoD番号)、SA-N-4(艦載ミサイルのDoD番号、Gecko(NATOコードネーム)のような表記全てが一つのミサイルに対して出現することとなる。
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地対空ミサイル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/03 03:17 UTC 版)
上述のような戦闘機搭載兵器がミサイルに置き換えられるという主張からさらに進んで、地対空ミサイルの実用化によって、有人戦闘機(特に要撃機)自体が不要になるという主張がなされた事がある。 アメリカ初の地対空ミサイルであるF-99ボマークは「最初の無人戦闘機」として宣伝されたのも、この考えに基づくものである。隣国カナダにおいては、実際にCF-105アロー戦闘機の開発を放棄し、ボマークの配備をもって代える事となった。 イギリスにおいては保守党政権のダンカン・サンディス(Duncan Sandys)国防相による1957年の国防白書が有名である。これにより航空機開発の予算が削減され、イングリッシュ・エレクトリック ライトニングが最初で最後(2011年現在)のイギリス独自開発の超音速戦闘機となった。 日本においてもF-104が「最後の有人戦闘機」と宣伝され、本機が航空自衛隊の最後の戦闘機となり、以降は地対空ミサイルが主力になると予想された。また地対空ミサイルの導入にあたっては、航空自衛隊が「地対空ミサイルは無人戦闘機である」、陸上自衛隊が「対空砲火の延長である」として、熾烈な縄張り争いを行い、ナイキJは航空自衛隊、改良ホークは陸上自衛隊が導入するという、玉虫色の決着がなされた。昭和50年頃には、日本の防衛のありかたとしてハリネズミ防衛論が、主に公明党によって主張された。航空分野においては、他国を攻撃できる戦闘機は廃止して、全て地対空ミサイルに置き換える事が提案されている。 いずれにせよ、戦闘機が全てミサイルに置き換わるというのは、現在に至るも実現には至らず、地対空ミサイルは戦闘機の任務を全て代替するものではなく併存補完する存在という位置づけが定着している。特に平時における要撃機のスクランブル任務は、領空侵犯の可能性のある他国の機体の監視、領空侵犯した他国の機体に警告を与え威嚇し、領空外に退去させるのが主任務であり、こういった目的には地対空ミサイルは用いる事ができない。 現在は無人戦闘機(UCAV)が開発途上にあり、将来的に有人戦闘機をこれに置き換えられる可能性は考えられるが、戦闘機そのものを置き換える事を想定したミサイルの開発は行われていない。
※この「地対空ミサイル」の解説は、「ミサイル万能論」の解説の一部です。
「地対空ミサイル」を含む「ミサイル万能論」の記事については、「ミサイル万能論」の概要を参照ください。
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